俺の生きる意味   作:ムッティ

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第十二話 ~キリトの推測~

 翌日、俺はエギルが経営しているダイシー・カフェに向かっていた。キリトに連絡した結果、待ち合わせ場所として指定されたのだ。到着し、ドアを開ける。

 

 「ようアイズ。いらっしゃい。今日は貸切だぜ」

 

 「マジかエギル。コーヒー一杯」

 

 「あいよ」

 

 注文してから店内を見渡す。奥のテーブルにキリトがいる。というか、アスナ、リーファ、リズ、シリカ、シノン、クラインまでいる。

 

 おいおい、勢ぞろいかよ・・・

 

 「・・・何で全員いるんだ?」

 

 「・・・すまん。アスナに今日アイズと会うことを話したら、全員呼んじゃって・・・」

 

 キリトが謝る。

 

 「・・・相変わらず口が軽いな、バーサクヒーラー」

 

 「そ、その呼び方やめてよ!不本意なんだから!」

 

 アスナが抗議してくる。ピッタリだ、という心の声が全員から聞こえた気がした。

 

 「っていうか、リーファとシノンは学校のハズだろ?クラインも仕事はどうしたよ?」

 

 「私はもうスポーツ推薦で進学する高校も決まってるし、中学なんてサボっても問題ないのだっ!」

 

 「・・・キリト、妹がこんなこと言ってるぞ」

 

 「・・・兄として面目ない」

 

 うなだれるキリト。お前も大変だな。

 

 「私の学校は・・・ホラ、今日は創立記念日で休みなのよ」

 

 「おっ、奇遇だなシノンっち!俺も今日会社が創立記念日で休みなんだよ!」

 

 「・・・で?」

 

 「スイマセン、嘘つきました」

 

 「本当はサボりました」

 

 俺の絶対零度の視線に、あっさり白状するシノンとクライン。

 

 「ま、まぁまぁ!サボっちゃったものは仕方ないよ!ねっ?」

 

 「そうだな。お前が言いふらさなきゃ、三人ともサボらなかっただろうな」

 

 「スミマセンでした」

 

 速攻で頭を下げるアスナ。ったく・・・

 

 「まぁまぁアイズ。みんなお前を心配して来てくれたんだから、な?」

 

 エギルがコーヒーを持ってきながら言う。

 

 「そうよ、アンタがここ一週間くらい思いつめてるから心配してたのよ?」

 

 「みんなアイズのことを気にかけてたんだよ?」

 

 リズとシリカもそう言う。

 

 「アイズは何も話してくれないし・・・仲間として、頼ってもらえないのはやっぱり淋しいよ・・・」

 

 「アスナ・・・」

 

 ・・・そういえばユウキたちのことでいっぱいで、みんなに事情とかちゃんと説明してなかったな。悪いことをしたな・・・

 

 「・・・ゴメン、ちゃんと説明するべきだったな。実は・・・」

 

 俺は打ち上げ後にあったことを、全てみんなに全てを話した。みんな驚愕していた。

 

 「あいつらが全員・・・末期患者・・・?」

 

 「余命半年だなんて・・・」

 

 クラインとシノンが呻く。まぁ、普通そういう反応するよな。

 

 「・・・やっぱりか」

 

 キリトがつぶやく。

 

 「・・・キリト、やっぱり何か知ってるんだな?」

 

 「ユウキに関していえば、そうじゃないかとは思ってたよ」

 

 「・・・どういうこと?」

 

 アスナが尋ねる。

 

 「ユウキと戦った時、フルダイブ環境の申し子みたいなやつだと思ったんだ。バーチャル・ワールドに慣れすぎているというか・・・」

 

 「それは私も思った。私たちSAO生還者並みに慣れてるんじゃないかって・・・」

 

 リズが思い出したように言う。確かに、あの動きは尋常じゃなかったもんな。

 

 「可能性があるとすれば一つ・・・メディキュボイドの被験者だ」

 

 「メディキュボイド?」

 

 何だそれ?みんなも分からないようだ。キリトが説明してくれる。

 

 「医療用のフルダイブ機器だ。ターミナル・ケア、終末期医療のために用いられる。つまり末期患者のためにある機械だ」

 

 「・・・なるほど。それでユウキが末期患者じゃないかって?」

 

 「あぁ、そう推測した。メディキュボイドの被験者なら、バーチャル・ワールドにかなり長い時間ダイブしてるはずだから、相当慣れてるだろうしな」

 

 「なるほどな・・・あの時の、先入観を持たせたくないって言葉はそういう意味か」

 

 「あぁ。末期患者の可能性がある相手なら、同情とか哀れみの目で見てほしくないだろうなって思ったんだ」

 

 コイツなりの配慮だったんだな・・・やっぱり優しすぎるなお前。

 

 「・・・アイズ。俺の予測が本当だとして、それでもユウキに会いたいか?」

 

 真剣な目で俺を見るキリト。

 

 「あぁ、会いたい。で・・・」

 

 「で・・・?」

 

 「とりあえず殴る」

 

 『ええええええええええ!?』

 

 驚愕する一同。

 

 「何を一方的に消えてくれてんだこのバカユウキ!って一発殴るな、うん」

 

 「うん、じゃねぇよ!何やらかそうとしてんだ!」

 

 お、流石クライン。ツッコミ上手。ま、冗談はさておき・・・

 

 「俺はアイツともう一度話がしたい。あんな一方的な別れ、納得できない」

 

 「・・・そっか。良いんじゃない?アイズらしくてさ」

 

 シリカが笑顔でそう言ってくれる。

 

 「でも、メディキュボイドってそもそもどこにあるの?病院?」

 

 リズが疑問を口にする。

 

 「日本が開発した、世界初の医療用フルダイブ機器だからな。まだ一台しかないんだ。恐らくどこかの病院にあると思うけど、それがどこなのかまでは俺にも分からない」

 

 申し訳なさそうに言うキリト。手詰まりか・・・何か情報は・・・情報?

 

 「そうか・・・情報といえばアイツしかいないじゃん」

 

 「へ?アイツ?」

 

 アスナは訳がわからないようだ。

 

 「ちょっと待ってくれ、電話してみる」

 

 全員キョトンとする中、俺はあの人物に電話をかけるのだった。

 

 

 

***

 

 

 

 一時間後。その人物は店にやって来た。

 

 「お待たせ、ダーリン♪」

 

 「うるさいアバズレ女」

 

 「ちょ、誰がアバズレ女よ!っていうか呼び出したの隼人でしょうが!」

 

 「正確にはお前の持っている情報を、だけどな」

 

 「酷っ!」

 

 オーバーリアクションする春子。そう、俺が電話した相手は春子だった。

 

 「えーっと・・・アイズ?そちらの女性は一体・・・?」

 

 キリトがおずおずと尋ねてくる。

 

 「えっ!?私が分からないの!?あの時はあんなに激しく私を求めてくれたっていうのに!私とは遊びだったの!?」

 

 「ハァッ!?」

 

 「・・・キーリートーくぅん?」

 

 「ご、誤解だアスナ!俺はこんな女性知らない!本当だ!」

 

 キリトが慌てて否定する。・・・面白いな。

 

 「キリト、お前マジでコイツのこと覚えてないのか?あんなに親密だったのに」

 

 「な・・・!?アイズ!?」

 

 「・・・ふぅん・・・?」

 

 「ち、違うアスナ!マジで知らないんだって!」

 

 「あーあ、アーちゃんという彼女がいながら浮気トハ・・・最低ダナ、キー坊」

 

 「だからしてないって!・・・・・え?」

 

 キリトが何かに気付く。アスナ、リズ、シリカ、クライン、エギルも気付いたようだ。リーファとシノンはキョトンとしているが。

 

 「・・・今の話し方・・・俺とアスナをキー坊とアーちゃんって・・・」

 

 「まさか・・・」

 

 キリト、アスナ、そのまさかだ。俺はそう思いつつ、春子を紹介するのだった。

 

 「えーっと、キリト、アスナ、リズ、シリカ、クライン、エギルは知ってると思うけど、こちら鼠のアルゴこと安西春子だ」

 

 「リアルでは初めましてだケド・・・みんな久しぶりダナ」

 

 

 

***

 

 

 

 「マジでアルゴなの・・・?」

 

 「信じられない・・・」

 

 「リズベットもシリカも元気そうダナ」

 

 「あのアルゴかよ・・・」

 

 「驚きだな・・・」

 

 「クラインとエギルも久しぶりダナ」

 

 「あのぉ、会話についていけないんだけど・・・」

 

 シノンが恐る恐る手をあげる。リーファもこくこく頷いていた。

 

 「俺たちと同じSAO生還者さ。春子、シノンとリーファだ。リーファはキリトの妹だ」

 

 「よろしくー!そっかー、キー坊にはこんな可愛い妹がいたんだねー」

 

 「かっ、可愛っ!?」

 

 リーファが顔を真っ赤にしてしまう。うん、なんか今デジャブったな。

 

 「・・・キャラが違いすぎるんだけど、どっちが素なの?」

 

 「あ、今の方が素だよ!SAOじゃ情報屋っぽく変わった話し方してたんだよねー。一人称もオイラだったし」

 

 アスナの疑問に笑顔で答える春子。お前の中の情報屋はどんなイメージなんだ・・・

 

 「そうだキー坊、隼人から聞いたけど・・・SAOをクリアしてくれてありがとう。キー坊のおかげで、こうして現実世界に戻ってくることができたわ」

 

 春子が頭を下げる。

 

 「よせよ礼なんて。俺一人の力でクリアできたわけじゃないし、お前の情報がなかったらあそこまで行けなかったさ」

 

 キリトがそう言う。

 

 「そうだ春子、例の件は分かったか?」

 

 「バッチリよ。メディキュボイドは横浜港北総合病院にあるわ」

 

 「マジか!案外近いな」

 

 そこならすぐ行けるぞ。

 

 「・・・っていうか、どうやって調べたの?」

 

 アスナの疑問にニヤリと笑う春子。そしてこう答えるのだった。

 

 「オイラを誰だと思ってるんダ?SAO一の情報屋、鼠のアルゴだゾ?」

 

 




どうも~、ムッティです。

ユウキがメディキュボイドの被験者であるという推測・・・

流石ですキリトさん。

そして相変わらずの情報通アルゴさん。

どうやって情報を手に入れたんだ・・・

さて、ユウキのいそうな場所を突き止めたアイズ。

果たしてユウキはいるのか?

第十三話もよろしくお願いします。

以上、ムッティでした!

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