その日の夜、スリーピング・ナイツ一同やキリトたちによる盛大なクリスマスパーティーが行われた。ALOの中で、である。リアルじゃユウキが入院中で参加できないからな。
盛り上がっていると、突然ユウキが壇上に上がる。
「ハーイ!みんな注目!重大発表があるよー!」
「おっ!?何だ何だ!?」
すでに酔っているクラインは興味津々だ。
「実はボクたちスリーピング・ナイツは解散しまーす!」
『・・・ええええええええええ!?』
驚愕するキリトたち。まぁ驚くよな普通。
「な、何で!?病気も治ったし、解散する必要ないじゃない!」
シノンが信じられないという口調で言う。
「あ、解散するって言ってもね、また結成するんだよ?」
「・・・え?」
リーファは訳が分からないようだ。ユウキはニヤリと笑う。
「ここにいる15人で、新しいギルドを結成するのだっ!」
『はああああああああああ!?』
またしても驚愕するキリトたち。突然の展開についていけていないようだ。
「えーっと・・・アイズ?どういうこと?」
アスナが混乱しながら聞いてくる。
「悪いな、ビックリさせて。ホラ、お前らギルドとか入ってないだろ?だからみんなで新しいギルドを立ち上げようってユウキたちが言い出してさ」
「・・・マジか」
キリトが唖然としている。ずっとソロでやってきたもんなお前。
「もちろん強制はしない。ただ、ギルドに入っても他に入りたいギルドができたら抜けてくれても構わないし、強制的に集合をかけたりもしない。自由なギルドにする」
「へぇ、面白そうじゃん!入ろうよ!」
「私も入りたい!」
「あ!私も!」
リズ、シリカ、リーファが手をあげてくれる。
「断る理由はねぇな」
「あぁ、面白そうだ」
「楽しくなりそうね」
クライン、エギル、シノンも賛成してくれる。
「私も入りたいな!キリトくんも入ろ?」
アスナがキリトに声をかける。
「・・・そうだな。みんなとだったら楽しくやれそうだしな」
キリトも賛成してくれた。
「よーし!決まり!じゃあ、新しいギルドのリーダーとサブリーダーを決めないとね」
「あぁ。そういうわけだからキリト、リーダーよろしく」
「はあっ!?」
キリトがビックリしている。
「そうだねー、キリトくんが適任じゃないかな」
「いやいやいや!だってスリーピング・ナイツのリーダーはユウキだろ!?」
「いやー、ぶっちゃけボク、リーダーって柄じゃないんだよねー」
「俺だってそうだよ!」
アスナとユウキに抗議するキリト。往生際の悪いやつだ。
「ハイ、キリトがリーダーで賛成の人―?」
『はーい』
「満場一致!?」
「そういうわけだ、諦めろキリト」
「・・・ホントに俺なんかで良いのかよ」
「もちろん。っていうか、今までも仲間内のリーダーみたいなもんだったろ」
「・・・一切自覚ないんだが」
「ま、そういうわけだからお前がリーダーな。じゃ、次はサブマスだけど・・・鬼の副長が良いんじゃないか?な、アスナ」
「えっ!?私!?」
俺の指名に戸惑うアスナ。
「で、でも!スリーピング・ナイツから選んだ方が良いんじゃ・・・」
「私たちは良いわ。引っ張るなんて柄でもないし」
シウネーが言う。
「良いんじゃない?ほら、リーダーのサポートって意味でも、キリトの彼女であるアスナが適任だと思うけど」
「アスナといえば、副長っていうイメージ強いしねー」
「キリトさんは前衛に出るでしょうし、後衛のアスナさんがサブなら、指示を出す人が前衛にも後衛にもいることになりますからね。より的確に動けそうですよね」
シノン、リズ、シリカも賛成のようだ。
「ほ、本当に私で良いのかな・・・?」
「良いに決まってんだろ。頼むぜバーサクヒーラー」
「だ、だからその二つ名はやめてって!・・・じゃあ、私で良ければ・・・」
アスナは抗議しながらも、サブマスになることを了承してくれた。
「よーし!新しいギルド作るぞー!」
ユウキが張り切っていた。
「じゃあ、ギルド結成のイベントをクリアしないとね」
「そうだな。俺はギルド作ったことないから分からないんだが・・・どんな感じだ?」
「あ、えーっとね・・・」
早速リーダーとサブマスが話し合っていた。
アスナは血盟騎士団の時に、ギルドについて色々と経験してるだろうからな。その辺り未経験のキリトをちゃんとサポートしてくれるだろう。
キリトもキリトでいざっていう時に一番頼れる存在だからな。本人は自覚がないかもしれないが、リーダーに一番向いているやつだと思う。
「新しいギルドの名前、どうしようか?」
「スリーピング・ナイツの面影を残すっていうのはどうかな?」
「何ちゃらナイツ、みたいな?」
「っていうか、そもそもスリーピング・ナイツって名前はどうやってつけたの?」
「あ、それはね・・・」
リーファ、ジュン、ノリ、シノン、シウネーが、ギルド名について話し合っている。
「よっしゃー!新しいギルドにかんぱーい!」
『かんぱーい!』
クラインの音頭に乗っかるみんな。楽しそうだなホント。
俺は少し外の空気が吸いたくなり、キリトとアスナのプレーヤーホームのベランダに出るのだった。
***
外は雪が降っていた。バーチャル・ワールドだが、ホワイト・クリスマスになったな。ホント、楽しいクリスマスが迎えられて良かった。
・・・ヒースクリフがいなかったら、こうはならなかっただろう。アイツは今、どこで何をしているのだろうか。と・・・
「アイズー。何してんの?」
ユウキもベランダに出てくる。
「ちょっと外の空気を吸いたくなってな。出てきたら雪が降っててさ」
「うわぁ!ホントだぁ!・・・クシュンッ!」
くしゃみをするユウキ。まぁ寒いもんな。俺は苦笑しつつマフラーを取り出す。
「ほら、これ使えよ」
「ありがとー!あ、じゃあ二人で巻こっか!」
俺の首と自分の首に一本のマフラーを巻くユウキ。
「うーん、あったかーい」
無邪気なやつだなホント。ま、それが良いところなんだけどさ。
「そういえば、あのクリスマスプレゼントもマフラーだったよね」
「あぁ。俺の手作りだ」
「手作り!?あれアイズが作ったの!?」
「あぁ。リーファがああいうの得意でな。教えてもらいながら作ったんだ」
「そうだったんだー。すごく上手に出来てたよ」
「なら良かった」
頑張って作った甲斐があったよ。リーファにお礼しないとな。
「あ、そうだ!アイズに聞きたいことあったんだ!」
「ン?何だ?」
「デュランダルとオートクレールのこと!どこで見つけたの?ボスに勝ったら教えてくれるって言ってたじゃん」
あー、そういえば言ったっけ。
「見つけたのは偶然だったんだよ。キリトと二人で地下に潜ってモンスター狩りしてたんだけどさ。その最中に地面に穴が空いて、そこからさらに地下深くへと落ちちゃったんだなこれが」
「えぇ!?大丈夫だったの!?」
「何とかな。で、落ちた先にものすごい強いモンスターがいてさ。まぁ滅茶苦茶強いわけよ。キリトもなりふり構わず二刀流で戦って、俺も全力で戦って、何とか勝ったんだ。そしたらそのモンスターのいた場所から台座みたいなのが出てきてさ。そこにあったのがデュランダルとオートクレールだったんだ」
「へぇ・・・で、二本ともアイズがもらったの?」
「あぁ。キリトはエクスキャリバーがあるからいいって言ってさ。結局俺が二本とももらって、以来ずっとデュランダルを使ってるな」
「何でオートクレールは使わなかったの?」
「単純な攻撃力はデュランダルの方が高かったからな。あの時の俺は力を求めてたから。SAO生還者っていうだけで向けられるあの視線・・・ああいったものを全てぶっ壊したいっていう欲求があったんだろうな」
「アイズ・・・」
「そんな顔するなよ。今は思ってないから。ユウキがいてくれるしな」
そう言ってユウキの肩を抱き寄せる俺。俺の肩に頭を乗せるユウキ。
「・・・ボクはずっとアイズの側にいるよ」
「あぁ。ずっと一緒にいような。オートクレールも大事にしてくれよ?」
そう、俺はオートクレールをユウキにあげていた。俺にはデュランダルがあるからな。オートクレールも、ユウキが使ってくれた方が嬉しいだろう。
「もっちろん!デュランダルの持ち主だったローランと、オートクレールの持ち主だったオリヴィエは、深い絆で結ばれていたって言うしね。ボクたちも、これからもっともっと絆を深めていこうね」
「もちろんだ。大好きだよ、ユウキ」
「ボクも大好きだよ、アイズ」
ユウキとキスを交わす。
「・・・やっぱり、何回しても気恥ずかしいね」
「・・・そうだな」
ユウキと照れながら笑い合う。・・・ホント、俺は今幸せだ。
後日ギルド結成クエストをクリアした俺たちは、新ギルドを立ち上げたのだった。ギルド名は「フリーダム・ナイツ」。その名の通り自由なギルドになるだろう。俺たちは新たなギルドの誕生に、大いに盛り上がったのだった。
どうも~、ムッティです。
ここでお知らせがあります。
何と、次回が最終回です。
いやー、ちょっと寂しいですねー。
最終回もよろしくお願いします。
以上、ムッティでした。