俺の生きる意味   作:ムッティ

8 / 18
暖かくなってきたな~。


第八話 ~スリーピング・ナイツの挑戦~

 春子に会った翌日。俺たちスリーピング・ナイツの面々は27層のフロアボスを倒すため、ボス部屋へと向かっていた。ボス部屋の場所は春子からもらったデータで把握済みだ。だが当然、ボス部屋へ行くまでにはモンスターがポップしてくる。いかにモンスターと戦わず、ボス部屋まで体力を温存していくのか。それを考えていた・・・のだが・・・

 

 「やぁっ!」

 

 ユウキが剣をふるうと、モンスターが一撃で倒れる。

 

 「おりゃあっ!」

 

 「せいっ!」

 

 ジュンとノリも余裕でモンスターを倒していく。おいおい・・・

 

 「・・・あいつら余裕だな」

 

 「あの3人は血の気が多いというか、戦いたくてうずうずしてるタイプだからなぁ」

 

 テッチが苦笑しながら言う。

 

 「やれやれ、何であんなに楽しそうなんだか・・・」

 

 タルケンは呆れているようだ。

 

 「・・・テッチ、タル、ジュンとノリと交代してくれ」

 

 「分かった!」

 

 「了解!」

 

 元気よく前に出るテッチとタル。お前らも十分うずうずしてんじゃねーか。

 

 「しっかしまぁ・・・強いなみんな」

 

 ジュンとノリと交代したテッチとタルも、軽々とモンスターを蹴散らしていく。

 

 「私たちは色々なゲームをしてきてるから、戦闘の経験だけは豊富なのよ」

 

 シウネーは楽しそうに笑っている。なるほど、戦闘経験が豊富なのか。確かに一般プレーヤーに比べるとかなり強いな。特にユウキはずば抜けてる。俺たち元攻略組四天王クラスの強さだ。

 

と、ジュンとノリが後ろに下がってくる。

 

 「おいアイズ!俺たちもっと戦いたいよ!」

 

 「そうだそうだ!戦わせろ!」

 

 「十分戦っただろうが。っていうかメインはボス戦だぞ?こんな所で体力を浪費すんな」

 

 「ユウキはずっと戦ってるじゃないか!」

 

 「アイツはいいよもう。こいつら相手じゃウォーミングアップにもなってないし」

 

 一応一般プレーヤーが苦戦するだけの力はあるモンスターなんだけどな。それを余裕で倒せるコイツらは相当強い。ユウキに関してはもうバカみたいに強い。

 

 「あ!ボス部屋ってアレじゃない!?」

 

 先頭を進んでいたユウキが前方を指差す。そこには大きな黒い扉があった。

 

 「あぁ、あれがボス部屋だな」

 

 「やっぱり!ボクが一番乗りだもんね!」

 

 「あっ!ずるいぞユウキ!」

 

 「負けてたまるかぁっ!」

 

 ユウキ、ノリ、ジュンが扉へと走っていく。やれやれ・・・あいつら気付いてないな。

 

 「ユウキ!ノリ!ジュン!止まれ!」

 

 俺が叫ぶと、三人ともピタッと止まる。お預けをくらった犬みたいな顔をしてるが。

 

 「なんだよぉ、アイズぅ・・・」

 

 悲しそうな顔でこっちを見るユウキの頭をポンと叩くと、俺は扉の方を向く。

 

 「・・・その扉の前でハイドしてる三人。大人しく姿を見せろ」

 

 俺のドスのきいた声に緊張の面持ちになるユウキたち。すると扉の前の何もなかった空間から、三人のプレーヤーが突如現れた。

 

・・・やっぱりか。隠蔽呪文で隠れてやがった。

 

 「・・・まさか見破られるとはな。どんだけ索敵スキルが高いんだアンタ」

 

 三人のうちの一人が驚いたように声をかけてくる。

 

 「ハイドして待ち伏せとは穏やかじゃねぇな。プレーヤー狩りか?」

 

 俺がデュランダルを抜くと、三人とも慌てる。

 

 「ま、待て!俺たちはプレーヤー狩りじゃないし、戦うつもりもない!」

 

 「じゃあ何で扉の前でハイドしてた?」

 

 「待ち合わせしてるんだ!待ってる間にモンスターに見つかると面倒だから隠れてた!」

 

 ・・・最もらしい言い訳だな。だが隠蔽呪文中は恐ろしい勢いでマナが減るため、使用中は高価なポーションを数十秒ごとに飲まないといけない。フロアの最奥部までたどり着ける力があるなら、わざわざそんなマネをしなくても良いはずだ。

 

・・・怪しいな。

 

 「・・・俺たち、ボスに挑戦しにきたんだ。通してもらえるか?」

 

 「お、おぉ。もちろんだ」

 

 相手側も、こちらに戦う意思がないと分かって安心したようだ。すぐに扉の前から退き、俺たちに道をゆずってくれる。

 

 「頑張れよ」

 

 「あぁ、ありがとう」

 

 相手側は俺たちを通すと、すぐに隠蔽呪文でハイドしてしまった。俺たちが扉を開けて中に入ると、扉はすぐに閉まってしまった。

 

 「すごいなアイズ!ハイドしてるやつらを見抜くなんて!」

 

 ノリが感心したように言う。

 

 「まぁ索敵スキルを上げてるからな。・・・あ、ユウキ!」

 

 「んー?どうしたのー?」

 

 こちらを振り返るユウキに顔を近付ける。

 

 「ふぇっ!?ちょ、アイズ!?」

 

 ユウキが顔を真っ赤にしている。他のメンバーも顔を真っ赤にしてこちらを見ている。そして何故か目を瞑るユウキ。俺はそんなユウキにさらに近づくと・・・

 

頭に手を伸ばし、トカゲのような生物を捕まえる。やっぱり・・・

 

 「・・・え?」

 

 ユウキは訳が分からないようだ。トカゲを剣でぶった切って消してから説明する。

 

 「ピーピングだ。相手プレーヤーに使い魔をくっつけて、視界を盗み見る魔法。恐らくさっきのやつらが、ボスの情報を得るためにユウキにくっつけたんだろうな」

 

 「い、いつの間に・・・?」

 

 ユウキは呆然としてしまっている。

 

 「もしかして、25層と26層のボスに挑戦して負けた後、すぐに大きいギルドに攻略されちまったんじゃないか?」

 

 「ど、どうしてそれを!?」

 

 シウネーが驚きながら尋ねてくる。

 

 「恐らくその時も、ボス部屋の前でさっきみたいなやつらがハイドしてたんだろうさ。さっきのやつらは恐らく、ボス攻略専門ギルドの斥候隊だ。スリーピング・ナイツのような小規模ギルドがボスに挑戦するのを待ち伏せし、使い魔をくっつけてボスの情報を得る。その情報を元に自分たちがボスを攻略するのさ」

 

 「じゃ、じゃあ俺たちが負けてすぐボスが攻略されてたのは、偶然じゃなかったのか!?」

 

 ジュンが驚愕している。

 

 「そういうことだ。汚いマネしてくれるぜアイツら・・・」

 

 やっぱりさっき三人ともぶった切っておくべきだったな。

 

 「まんまと利用されたってことかよ、チクショウ・・・」

 

 テッチが悔しそうにつぶやく。

 

 「ま、気落ちしてても仕方ないさ。終わってしまったことは仕方ない。それより、今は目の前のボス攻略に専念するぞ」

 

 「そうだね。今回はアイズが使い魔を消してくれたから、仮に負けてもあいつらに情報が流れることはないもんね」

 

 おっ、良いぞタル。ポジティブにいこうぜ。

 

 「・・・ボクはてっきり・・・されるかと思って、ちょっと期待したのにな・・・」

 

 「ん?どうしたユウキ?」

 

 「な、何でもないっ!さぁ、ボスを倒そう!」

 

 何かつぶやいてたような気がしたけど・・・まぁ良いか。

 

 「よし、作戦は前もって説明した通りだ!気合い入れていくぞ!」

 

 『おーっ!』

 

 全員の気合いが入ったところで、部屋の中央に前進する。すると周りのたいまつに火が灯り、部屋を明るく照らす。そして前方では、ボスが出現しようとしていた。

 

 「ぐおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!」

 

 ボスが雄たけびをあげる。身長が4メートル以上はある黒い巨人だ。頭が二つ、腕は四本あり、それぞれの手に凶器を持っている。

 

 「・・・こんなやつに、たった七人で勝てるの・・・?」

 

 シウネーが震える声でつぶやく。他のやつらも圧倒されて言葉が出ないようだ。

 

 「落ち着けシウネー。お前らもだ。今回は負けてもすぐに他のギルドが挑戦したりしないだろう。何せ情報がないからな。だから一度負けても、また挑戦できる。ただ・・・」

 

 俺はニヤリと笑ってユウキを見る。

 

 「負けるつもりなんてないだろう?ユウキ」

 

 するとユウキもニヤリと笑って俺を見る。

 

 「もっちろん!勝つよ!」

 

 俺たちの言葉を聞いて、他のメンバーもニヤリと笑った。その意気だ。

 

 「行くぞッ!」

 

 俺は掛け声をかけると、勢いよく地面を蹴ってボスに向かっていくのだった。

 

 

 

***

 

 

 

 「だぁーっ!負けたーっ!」

 

 ノリが悔しそうに叫ぶ。そう、俺たちはボスに負けてセーブポイントに戻ってきたのだった。ないわー、アイツ強いわー。

 

 「すごく良いところまでいったのになぁ・・・」

 

 がっくりとうなだれるユウキ。実際ホントに良いところまでいったのだが、あえなく撃沈してしまった。データにあったボスの弱点がSAOとは変わっていて、弱点を見出せなかったのだ。

 

 「ごめんな、肝心な情報が役に立たなくて・・・」

 

 「そんなことないわよ。弱点は違ったけど、攻撃パターンとかは合ってたじゃない。あらかじめ攻撃パターンが分かっていたのはかなりのアドバンテージだったわ」

 

 シウネーが慰めてくれる。・・・弱点を見つけられなかったのは痛いな。よし・・・

 

 「やっぱりバックアップがシウネー一人じゃヒールが間に合わないな・・・タル、悪いけど次はバックアップに回ってくれ」

 

 「分かった」

 

 「タルが抜けたミドルレンジにはジュン、入ってもらえるか?」

 

 「良いけど、それだとフォワードがアイズとユウキの二人だけになるぞ?」

 

 「問題ない。ユウキが頑張ってくれるから」

 

 「え!?ボクに丸投げ!?」

 

 「当たり前だ。リーダーなんだから」

 

 「何でこういう時だけリーダー扱いするの!?」

 

 「便利だからな」

 

 「本音が出たーっ!最低だよこの人!」

 

 俺とユウキのボケとツッコミに爆笑するみんな。

 

 「よし、整理しよう。フォワードは俺とユウキ、ミドルレンジにノリとテッチとジュン、バックアップにタルとシウネーだ。とりあえずもう一度挑戦して、弱点を見つけよう」

 

 『了解!』

 

 「よし、もういっちょいくぞ!」

 

 『おーっ!』

 

 こうして俺たちは、再びボス部屋を目指すのだった。

 

 

 




どうも~、ムッティです。

スリーピング・ナイツ、強いですww

だがしかし、ボスはそれ以上に強かったようですww

果たして、ボスを倒すことは出来るのでしょうか?

そしてキリトたちに出番はやってくるのでしょうかww

第九話もよろしくお願いします。

以上、ムッティでした!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。