俺の生きる意味   作:ムッティ

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工事の音がうるさい・・・


第九話 ~もう一つの剣~

 再びボス部屋の前に来た俺たちだったが、唖然としてしまった。何と二十人以上のプレーヤーたちが集まっていたのだ。まさか、情報を得られなかったことに焦って突撃するつもりなのか?いや、まだ四十九人集まっていない。俺たちが先に挑戦できる。

 

 「すまない、ボスに挑戦したいんだ。道を開けてもらえないか?」

 

 するとノームの男がこちらを振り返る。

 

 「悪いな。これからうちのギルドがボスに挑戦するんだ。一時間程待ってくれ」

 

 「は!?そっちはまだ準備できてないだろ!?こっちはすぐにでも挑戦できるんだ!だったら先に挑戦させてくれよ!」

 

 ジュンが抗議の声をあげる。

 

 「そう言われても、こっちも上から命令されてるんでね。文句があるなら上と直接掛け合ってくれないか?ギルド本部がイグシティにあるからさ」

 

 「そんなことしてたら、それこそ一時間経っちまうだろうが!」

 

 テッチが憤慨しながら言う。だがこの集団は、何があっても退くつもりはないらしい。

 

 恐らく、この男の言う上の連中は焦っているのだろう。何故なら、俺が使い魔を消したことを斥候隊から聞いているはずだからだ。ギルドの斥候隊がピーピングを使ったことが各種族の領主たちにバレてしまうと、お咎めなしというわけにはいかない。ピーピングを他のプレーヤーに使ってボスの情報を得るなど、完全なルール違反なのだ。だがバレてしまう前に自分たちがボスを攻略してしまえば、俺たちが何を言ったところで自分たちが正々堂々とボスを倒したと嘯くことができる。

 

 ・・・マジで最低な連中だな。と・・・

 

 「仕方ない、戦おうか」

 

 「はっ!?」

 

 ユウキの言葉に驚愕する男。

 

 「退いてくれないんでしょ?だったら、君たちを蹴散らしていくしかないじゃないか」

 

 ユウキが剣を構える。他のみんなも、それぞれ武器を構えている。

 

 ・・・ったく、好戦的だなお前ら。ま、俺もその意見に大賛成だが。デュランダルを抜いて構える。向こうもようやく戦うつもりになったのか、各々の武器を構え始めた。

 

 「・・・面白い。二十人以上を相手にたった七人で勝てると思ってんのか?」

 

 「誰がたった七人だって?」

 

 ッ!この声はッ!声のする背後を振り向く。すると・・・

 

 「私たちを忘れてもらっちゃ困るわよ」

 

 ・・・やっぱり。そこにいたのは俺の親友たち、キリトとアスナだった。

 

 「キリト!アスナ!」

 

 「ヤッホーアイズ!」

 

 「助太刀に来たぞ」

 

 アスナとキリトは笑っていた。・・・ったく、お前らってやつは。

 

 「・・・アイズの友達?」

 

 ノリが尋ねてくる。あ、そういえば紹介してねーや。

 

 「あぁ、俺並みに強い親友たちさ」

 

 「この二人も強いよねー。あやうく負けそうだったもんなー」

 

 ユウキが懐かしそうに振り返る。いやいや、つい数日前の話だからね?と・・・

 

 「お、おい!黒の剣士・・・ブラッキーじゃねぇかアイツ!」

 

 「ホ、ホントだっ!しかも隣にいるのは・・・バーサクヒーラーだぞ!」

 

 「し、しかもあのインプの男!伝説級武器のデュランダルを持ってるぞ!は、破壊神だ!」

 

 「ん!?あのインプの女・・・ぜ、絶剣じゃねぇかよ!」

 

 「ブラッキーにバーサクヒーラー、破壊神に絶剣・・・やべえやつらが揃っちまった!」

 

 向こうの集団がざわついている。しかし、ノームの男は動じなかった。

 

 「うろたえるな!たかが二人増えただけだ!それに見ろ!援軍が来たぞ!」

 

 援軍?見るとキリトとアスナのはるか後方から、数十人のプレーヤーだちが押し寄せてきていた。

 

 ・・・チッ、これで四十九人。フルメンバーってわけか。と・・・

 

 「まったく、あんなにぞろぞろと来ちゃって・・・」

 

 「数がいれば良いってもんでもないよねー」

 

 「ま、久しぶりの対人戦闘も悪くないんじゃない?」

 

 キリトとアスナ、そして押し寄せる援軍の間に三人のプレーヤーが降りてくる。って、あいつらは!

 

 「リーファ!シリカ!リズ!」

 

 「お、アイズだ!ヤッホー!」

 

 「あの人たちは私たちが相手するから、アイズたちはボスに専念してね!」

 

 「気張っていきなさいよアイズ!負けたらぶっ飛ばすわよ!」

 

 お前ら・・・すると援軍が止まり、先頭にいたサラマンダーの男が声を荒げる。

 

 「てめえらぁ!たった三人で俺たちを相手にできると思ってんのかぁ!?」

 

 「おいおい、誰が三人だ?」

 

 「俺たちもいるぞ」

 

 援軍の後方から声がする。おいおいマジか・・・

 

 「クライン!エギル!」

 

 「よぉアイズ!助っ人の登場だぜ!」

 

 「水臭いんだよお前!少しは俺たちを頼りにしろっての!」

 

 あいつら・・・なるほど。援軍を挟み撃ちにしたわけか。すると突然一筋の光が降ってきて、援軍の中心で爆発した。

 

 「う、うわあああああ!!!!!」

 

 「な、なんだ!?何が起こった!?」

 

 見ると、爆発のすぐ側にいたプレーヤー5、6人がリメインライト状態になっていた。他のプレーヤーたちもダメージを負っている。と・・・

 

 「ぎゃあああああ!!!!!」

 

 またしても爆発音が鳴り響き、扉の前にいた集団の4、5人がリメインライト状態になっていた。・・・まさか!

 

 「お、おい!あそこに誰かいるぞ!」

 

 敵ギルドの一人が指差した方を見ると・・・いた。離れた地点の岩陰にいるのは・・・

 

 「シノン!」

 

 「あー、見つかっちゃったー。アイズー!援護するから進んで!」

 

 そう言って弓を構えるシノン。・・・相変わらず射撃精度が高すぎるぜお前!

 

 今度は矢が二本同時に降ってきて、それぞれの集団に一本ずつ命中して爆発する。

 

 「う、うおおおおおおおおおお!?」

 

 「や、やべえぞこれ!」

 

 「た、退避だーっ!退避しろおおおおお!!!!!」

 

 ・・・混乱の極みとはまさにこのことだな。

 

 「よし、行くぞアイズ!」

 

 「私たちが道を開くから、ついてきて!」

 

 頼もしすぎるぜお前ら!

 

 「分かった!行くぞみんな!」

 

 「う、うんっ!」

 

 「分かったっ!」

 

 突然の出来事に呆然としていたユウキたちだったが、俺が声をかけると慌てて俺の後ろについてくる。

 

 一方、前を行くキリトとアスナは、すさまじい勢いで敵をなぎ倒していた。流石ビーターと閃光・・・いや、ブラッキーとバーサクヒーラーだな。あっという間に扉の前にいた集団は全員倒され、リメインライトになっていた。

 

 「うっそぉ・・・」

 

 「マジかよ・・・」

 

 ノリとテッチが思わずつぶやいていた。と、キリトとアスナがこちらを振り向く。

 

 「アイズ、ボス部屋に入れ!俺とアスナはリーファたちに加勢してくる!」

 

 「頑張ってボスを倒してね!」

 

 「・・・サンキュー。お前らの気持ち、絶対無駄にはしねぇ!」

 

 キリト、アスナとお互いの拳をぶつけ合う。二人は笑顔を見せると、すぐに後方の戦闘に加勢しに行った。後方の集団も、もう大半がやられている。あいつら・・・すげえわ。

 

 「キリト!アスナ!リーファ!シリカ!リズ!クライン!エギル!シノン!このお礼は、いつか必ず精神的に!」

 

 叫ぶのと同時に右腕を突き上げる。すると、みんなも笑顔で腕を突き上げた。

 

 ・・・さて、行くか!俺は気合いを入れ、ギルドメンバーと共にボス部屋に入った。扉が閉まり、外の戦闘の音も聞こえなくなった。

 

 ・・・ありがとうな、みんな。マジで大好きだぜ。

 

 「アイズ・・・ゴメン」

 

 ユウキが申し訳なさそうにしている。見ればみんなシュンとしていた。

 

 「アイズの友達たち、ボクたちを行かせるために・・・」

 

 泣きそうになっているユウキの頭をなでてやる。そして笑顔で言う。

 

 「良いやつらだろ?俺のかけがえのない親友たちさ。あいつらの戦いを見ただろ?俺たちがボスを倒す頃には、あいつらはとっくに敵を倒してるよ」

 

 「・・・信頼してるんだね、あの人たちを」

 

 「もちろん。ユウキたちと同じぐらい信頼してるさ。・・・さ、準備は良いか?」

 

 俺がニヤリと笑いかけると、みんなもニヤリと笑う。そうそう、それで良い。

 

 「行くぞ!」

 

 こうして、二度目のボス攻略が始まるのだった。

 

 

 

***

 

 

 

 ボスとの戦闘開始から三十分後。

 

 「ハァッ・・・ハァッ・・・」

 

 「・・・タフだなコイツ」

 

 フォワードのユウキと俺はかなり疲弊していた。もちろんHPはバックアップのタルとシウネーが回復してくれるが、体力はそうもいかない。ミドルレンジのジュン、ノリ、テッチも苦しそうだ。ボスのHPゲージもだいぶ削ることができたし、弱点を見つけて集中的に攻撃すれば勝てそうなんだが・・・

 

 クソッ、どこが弱点なんだ!?

 

 「ぐおおおおおおおおおおッ!!!!!」

 

 ボスが雄たけびをあげると同時に、右腕のハンマーを振り下ろしてくる。

 

 「攻撃くるぞ!回避!」

 

 俺の合図と同時に全員回避する。が、そこで気付く。二本目の右腕に持っている金槌をユウキに向けて振り下ろそうとしている!

 

 「ユウキ!二撃目だ!」

 

 「・・・え!?」

 

 一撃目を避けることに集中していたユウキは、二撃目に気付くのが遅れた。やばい!間に合わない!ユウキはとっさに剣で受け止めようとするが、受け止めきれずに吹っ飛ぶ。

 

 「ユウキッ!」

 

 くそ!間に合わなかったか!ユウキはすぐに立ち上がったものの、その手には剣がない・・・見ると、攻撃の衝撃で剣はボスの方へ吹っ飛んでいた。そしてボスが付けている銀色の首飾りの中心に当たる。すると・・・

 

 

 「がああああああああああッ!?」

 

 ・・・ッ!今、ボスが苦しんだ・・・まさか、弱点はあの首飾りか!?あそこを狙えば!

 

 と、ボスが苦しみのあまりめちゃくちゃに振り回したハンマーがユウキの剣にヒットし、剣が粉々に砕ける。

 

 「あぁっ!ボクの剣が!」

 

 ユウキが悲鳴を上げた。・・・なんてことだ、ユウキの剣が・・・これじゃいくら弱点が分かっても、俺だけじゃ攻撃力が・・・

 

 と、俺の持っていたデュランダルがドクンッ!と脈を打ったように反応した。なんだ!?どうしたんだデュランダル!?・・・ん?

 

 「・・・待てよ?デュランダルと言えばッ・・・!」

 

 思い・・・出した・・・!

 

 「ジュン!ノリ!一分で良い!俺とユウキと代わってくれ!」

 

 「よしきた!」

 

 「任せろ!」

 

 俺とユウキが下がると、すかさずジュンとノリが前へ出る。

 

 「タル!ミドルに入ってくれ!テッチ!一分二人で耐えてくれ!」

 

 「分かった!」

 

 「了解!」

 

 タルがミドルに入り、テッチと二人でボスの攻撃に耐える。

 

 「シウネー!俺とユウキのヒールを頼む!」

 

 「任せて!」

 

 シウネーがヒール呪文で俺たちのHPを回復させてくれる。

 

 「ユウキ、よく聞け。ボスの弱点が分かった」

 

 「え!?ホント!?どこなの!?」

 

 「あの首飾りの中心だ。あそこにユウキの剣が当たった時、ボスは明らかに苦しんでた」

 

 「あそこ!?高すぎるよ!」

 

 ユウキが驚愕してボスを見上げる。何せボスの身長は四メートル以上だ。首の飾りを狙うのにただのジャンプでは届かないし、ボス戦で翅は使えない。しかし・・・

 

 「踏み台があれば問題ない。いるだろ、たくましいやつが」

 

 ニヤリと笑って前方のテッチを指差す。ユウキもニヤリと笑うが、何かを思い出してシュンとなった。

 

 「でも、ボクの剣はさっき・・・」

 

 「剣ならあるさ」

 

 「え!?」

 

 驚くユウキをよそにシステムウィンドウを操作し、もう一本剣を取り出す。その剣を見たシウネーが驚愕する。

 

 「そ、それはっ!オートクレール!?」

 

 「え、シウネー知ってるの!?」

 

 「・・・デュランダルの持ち主でパラディンのローラン、そのローランの親友だったパラディンのオリヴィエが持っていた剣・・・伝説級武器よ」

 

 「えええええ!?マジでえええええ!?」

 

 ユウキも驚愕している。

 

 「アイズ、デュランダルといいオートクレールといい、一体どこで・・・」

 

 「ボスに勝ったら教えてやるよ。ユウキ、これを使え」

 

 「使って良いの!?」

 

 「あぁ。オートクレールなら、お前の攻撃力も飛躍的にアップするだろう」

 

 俺はオートクレールをユウキに渡す。

 

 「うわぁ・・・これが伝説級武器かぁ・・・」

 

 「感動してる時間はないぞ。とっととボスを倒そうぜ!」

 

 「う、うんっ!そうだね!」

 

 「テッチ!次のボスの攻撃を防いだら、すぐにしゃがんでくれ!」

 

 「・・・?分かった!」

 

 テッチは意図が分かっていないようだったが、うなずいてくれる。

 

 「ボスの攻撃が来るぞ!フォワード回避!ミドル防御!」

 

 ボスのハンマーと金槌が襲い掛かる。ジュンとノリが回避し、タルとテッチが攻撃を受け止め切る。そしてすぐさましゃがむテッチ。今だ!

 

 「テッチ!ごめん!」

 

 「えっ?・・・ふごっ!?」

 

 思いっきりテッチの背中を踏んで跳ぶ。テッチ、マジでごめん。

 

 「くらえ!マザーズ・ロザリオッ!」

 

 ユウキからもらったオリジナルソードスキルを発動する。デュランダルの十一連撃がボスの首飾りの中心を的確に打つ。

 

 「ぐぎゃああああああああああ!?」

 

 ボスが絶叫する。HPもぐんぐん減る・・・が、レッドゾーンで止まる。

 

 「アイズ!危ない!」

 

 シウネーが悲鳴を上げる。ボスが俺に金槌を打ち込もうとしていた。が、その前にストン!とユウキがボスの後ろに着地する。そう、実は俺と一緒のタイミングでユウキもテッチを踏み台に跳んでいたのだ。そしてあの技を既に使っている。

 

 ・・・チェックメイト。

 

 「カルペ・ディエム」

 

 ボスの首飾りが粉々に砕け散る。HPゲージが0になり、ボスは爆散したのだった。

 

 




思い・・・出した・・・!

分かる人には分かる(笑)

どうも~、ムッティです!

ボスを倒しましたねー。

まさかオートクレールまで持っていたとは・・・

伝説級武器を二つも所持していたアイズ凄すぎww

キリトくんたちにも出番があって良かった(笑)

さて、これからどういう展開になっていくのでしょうか?

第十話もよろしくお願いします。

以上、ムッティでした!

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