ハイスクールD×D√喰種   作:ビギナー

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で  き  た



第14話 覚悟

二日目から僕は、木場君に剣の修行を付けて貰うのを主に三日目、四日目と修行に明け暮れた。

二日目の朱乃さんとの魔力に関するトレーニングは、僕も一誠もあまり才能がないようだ。

一誠は何か思うところがあるのか夜な夜な外に出かけ、何かしているようだが……

気にはなるが、プライベートまで覗くのはいくら友達でも関係を壊しかねないので、

剣の素振りをする。木場君曰く、ただ素振りするのではなく相手を想定しながら、したほうが

良いとのことだ。たしかに、本でもそういうことが書かれていた。

僕はイメージする、あのキザなワイルドホストを……不死鳥、ライザー・フェニックスを……

奴は恐らくあの、炎を主軸に格闘、剣技あるいは炎のみの遠距離攻撃をしてくるであろう。

大して、僕は神器を封じた剣技のみで相手することになる。さらに、ライザーはフェニックスとあ

るように不死鳥だ。部長曰く、フェニックスは伝承道理不死らしい。この時点で、勝機がないと諦

めるのは簡単だ、けれど……どんなに無理でも諦めきれないものもある、僕は今の非日常ではある

が、楽しい毎日が壊れるのをただ、眺めていたくない。もし僕に、僕が出来ることがあるのなら

僕は……

 

 

 

 

毎日剣を振るっていただけだったが、時間というものはどんどん過ぎていくもので、気が付けば

合宿最終日である。

 

「やれることだけのことはやった、あとは本番で活かせるかどうかだ……」

 

そう自分に言い聞かせ、最終日の修行を行うために、木場君の元へ向かおうとしたが足を進めても

前に進まない……なぜ?と疑問に思ったが、疑問はすぐに消える。

 

「カネキ先輩……聞こえてないのですか……?」

「ッ!……ご、ごめんぼーっとしてて……え、えーと何かな……?」

 

どうやら小猫ちゃんが服の裾を掴んでいたため前に進まなかったようだ。

 

「お願いがあるのですが……」

 

僕はそのお願いを聞き、了承の返事を返したあと、木場君の元へ向かった。

 

 

 

 

「やあ、それじゃあ最終日はこれまでの事を活かし、実践と行こうか。」

「じ、実践?それって……」

「もちろん相手は僕がさせてもらうよ。」

 

着いて早々そう言われ、分かってはいたが、相手は木場君の様だ。

剣の師匠である、木場君に剣で勝てるかと聞かれれば無理だろう、けれどライザーとの戦いも無理

無謀なのだ、ここであきらめていてはライザーにも勝てないだろう、だから……

覚悟を決め、木場君と視線を交わし、剣を構える。

 

「いい表情をする様になったね……」

「そ、そうかな……?」

 

苦笑気味にそう答える。

 

「うん、だから全力でやろう。僕も全力で行かせてもらうよッ!」

 

開幕の鐘は鳴り響き、戦いが始まる。

 

「ッ!」

 

普通の人が見たら、姿が掻き消えるであろう程の速度で繰り出された初撃を僕はしっかりと視認

し、危なげなく剣で防ぐ、この九日間僕が木場君に教えられたのは、防御のやり方だけ。

剣技というものは九日間やり込んだだけで全て習得できるほど簡単なものではないのだ、

勿論それは他の事にも言えることではあるが……故に僕が教えられたのは基本的なことと、

僕の回避力を援助するための防御である、木場君が言うには回避に関しては僕の方が木場君より

上らしい。だから、その長所を活かす為の闘い方がカウンターなのだが……

 

「(カウンターする隙なんてないじゃないかッ!)」

 

そう、木場君の攻撃はスピードに特化しており防ぐので精一杯で反撃する暇すらないのだ。

 

「防御ばかりじゃ僕を倒すことはできないよッ!」

「くっ!」

 

自分がカウンターしか教えてくれなかったのによく言うものだと、思うがそれを言う暇もない。

絶え間なく振り下ろされる斬撃、必死になって防ぐが、一度ミスをすれば敗北する。

そんな事実からか、精神がごりごり削られていく。

 

「(ここは一度距離を取って……なッ!)」

 

距離を取ろうとすれば、すぐに距離を詰められる。

 

「逃がさないよッ!」

 

どうしたらいい、どうしたら……考えを巡らせていたからか、地面に足を取られる。

 

「(しまッ……!)」

 

だが、運がよかったのか転んだことにより斬撃は僕に当たらず、後ろにあった木を切り裂く。

あと少しで、木に追いつめられていたのかと戦慄するが、倒れてくる木を見てすぐに行動に

移す。木を避けるため背後に下がる木場君を視界に納め、僕は逆に木へ向かう。倒れる木の

下を抜け、走り出す。背後で木の倒れる音が聞こえるが、すべてを無視して全力で走り出す。

 

「うーん、逃げられちゃったか……」

 

木場は倒れた木が土煙を上げるのを眺めながら、対象がいないことに気が付く。

 

「やはり、彼は……」

 

木場の独り言は風に乗せられどこかへ飛んでいく。

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

荒い呼吸を繰り返し、追って来ていないことを確認すると木に背を預け、ずるりと座り込む。

肉体的にはまだ疲れを見せていないが、精神的に疲れた。木場君の攻撃は、木を断ち切った

所を見ても寸止めする気がないかの様に思えた。さすがに命まで奪うつもりはないと思いたい。

 

「ッ!」

 

突如背を預けていた木が切れ、倒れる。それを理解した瞬間走り出すが、

 

「逃がさないと言ったよッ!」

「がはっ……!」

 

腹部に蹴りを叩き込まれ、二、三度転がり、その場で蹲る。

 

「僕は、全力でと言ったと、思うんだけど。どうして全力を出さないのかな?」

「僕は、全力で……」

「ならどうして神器を使わないのかな?」

「ッ!」

 

そう言われ僕は返す言葉が見つからなかった。神器の力に呑まれ、自分が自分じゃない様に

感じられるから?神器を使ってもし、もし、様々な言い訳が浮かんで来るがどれも曖昧で

言い出すことができない。一つだけ、言えば何かが変わることが間違いないことがある、

けれど、それは言えない。僕が…………なんて。だってそれを言ってもし、今の関係が

壊れてしまうのなら、関係だけでなく、僕自身も壊れてしまうかもしれないから……

 

「君にも理由があるのかもしれない、けれど君は神器が無ければただの人なんだという事を

理解しているかい?」

「そ……れは……」

「たしかに、神器を発動させていなくても肉体強化の恩恵は受けているんだろう。けれど、

それだけで勝てる程、ライザーは弱くないよ。」

「…………」

 

僕も理解していた、付け焼刃の剣技で勝てる程なら僕なんかいなくても部長達は楽勝だろう。

 

「君がレーティングゲームに参加を許されたのはライザーが君の参加を許したから。そして

君自身が望んだからだということ。それを許したのは部長が君の神器を、君を戦力として、

数えたからだと言う事、本来悪魔じゃない君が参加できたのはそういう理由があったから。

君が神器を、全力で勝つ気がないのなら、邪魔だから参加しないでほしい。」

「ッ!ぼ、僕は、勝つつもりでッ!」

「ならッ!君の持つ力の全てで僕に挑んでくるといいッ!」

 

僕は地面を見つめ、土を握り締める。

 

「それが出来ないなら、ただ待っていて欲しい……僕らがライザーを倒してくるのを……」

 

僕は唖然とした表情で木場君を見つめる。

 

「すまなかったね、本当はここまで言うつもりはなかったんだけど。つい熱くなりすぎて

けど、言ったことは本心なんだ。だけど、僕はそれでも、友人を死地へ送るのはいやなんだ

神器を使えない君がレーティングゲームに参加しても剣技だけで生き残れるとは思わない。

ライザーとの戦いで君を守りながら戦えるほど僕は強くない……まぁ、カネキ君が悪魔に

なるというのも、それはそれで悪くないけどね。」

 

苦笑を浮かべながらそう言う木場君、僕はここまで親身になってくれている友人を

見送ることしかできないのか?僕には出来ることが、戦う力があると言うのに……

僕は……

 

「さて、そろそろ戻ろうか。大丈夫、きっと勝ってみせるよ。部長()を守るのが

騎士()の役目だからね。」

 

去り行く彼の背中を眺め、手を前に差し出す。

 

僕は、ただ、待つだけなんて出来ない。

 

無力に嘆き見送るなんてもうしないと誓ったじゃないか。

 

恐怖心が消えた訳じゃない。

 

けれど、ここで見送ったら一生後悔すると思うから。

 

だから……だからッ!

 

「待って……」

「……カネキ君……?」

 

差し出した手に握られた”それ”をしっかりと握り締める。

 

「僕は、僕がいてもあまり役に立たないかもしれない……」

 

”それ”を顔の前へ持って行き眼帯を外す。

 

「だけど、もし僕に出来ることがあるのなら……」

 

ジーとチャックを閉め、”それ”を付ける。

 

「僕は……木場君と……友人と共に行きたい。」

 

僕は望む、神器の力を……赫子を。

 

「もう……見送るだけで……」

 

腰のあたりで沸々と何かが飛び出そうとしている。

 

「何も出来ないのは……嫌なんだ……だから……」

 

皮膚を、服を突き破り3本の赤い爪がゆらゆらと、陽炎のように現れる。

 

「君は……いや、神器を発動したってことは、全力で挑んで来てくれると

判断してもいいんだね?」

「僕は、戦う……今の僕に出来るのはそれだけだから。」

 

目を見開き、眼帯に隠されていた赤い瞳が爛々と輝く。

 

「そう……覚悟は決まったみたいだね。なら遠慮はしないよッ!」

 

山奥の森林にて始まった第二ラウンドは、人知れず終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

木場君との戦闘の後、僕は別荘にて小猫ちゃんにお願いされたことを行っていた。

 

「これでよしっと……」

 

後は完成した品を皿に乗せるだけだ。キッチンにいることから分かるようにお願いされたこと

とは、以前自宅にてご馳走したハンバーグをまた作ってほしいとのことだ。

ハンバーグは僕の好物でもあるし、純粋にまた食べたいと思ってくれたことが嬉しくもあった

ため、僕はそのお願いを了承したのだ。

 

「あら、良い匂いね。」

「そうですわね。」

 

皿を取り出そうとしていると、食事を作りに来たのか部長と朱乃さんに出会った。

 

「あ、そのすいません……勝手に厨房使ってしまって。」

「構わないけど、一体何を作っていたのかしら?」

「え、えーと、ハンバーグを……」

「あら、美味しそうね。」

「あー……腹減ったぁー……」

 

タイミング良く、他のみんなも戻ってきたようだ。

 

「おおー良い匂いっ!部長っ朱乃さんっありがとうございますっ!」

「イッセー君今日は私たちは作ってませんよ。」

「えっ、じゃあ誰が……」

「ケンが作ったのよ、ね?」

「は、はい……」

 

返事をしながらも盛り付けを行う。

 

「カネキが?まぁ一人暮らしだし、料理できるのは知ってたけど……大丈夫か?」

「ま、まぁ子猫ちゃんは気に入ってくれたみたいだし……たぶん……」

 

そう聞かれると自身がなくなってくるが……

 

「味は私が保証します……!」

 

いつもよりテンションが高いことが見て分かるほど、興奮している小猫ちゃんがそう言う。

 

「お、おー小猫ちゃんが保障してくれるなら安心だなっ!」

 

少し引きながらも一誠がそう言い、その間に料理をテーブルに運ぶ。

 

「小猫ちゃんがそこまで言うなんて、楽しみだね。」

「そうですわね。」

「それじゃあ、みんな手を洗ったら席に着いて。ケンがせっかく作ってくれたんですもの

頂きましょう。」

 

部長の言葉に各々返事をした後、手を洗った後席に着く。

 

「「「頂きます。」」」

「どうぞ、召し上がれ。」

 

みんなが料理に手を付けるのを緊張しながら見つめる。

 

「こ、これはっ!」

 

な、何かまずい物でも入れてしまっただろうか?

 

「うまいっ!」

「おいしいですっ!」

 

一誠、アーシアちゃんと続き、

 

「本当においしいわね。」

「肉汁が堪りませんわ。」

 

部長に朱乃さんと続きほっと息を吐く。

 

「おかわり下さい(当然です)」

「こ、小猫ちゃん?」

 

小猫ちゃんの催促に木場君と苦笑する。

わいわいと、会話の弾む食卓。この十日間思っていたことだが、部長の言う様に

ここにいるみんなは本当の家族の様で、その輪の中に僕を加えてくれた部長、

彼女が居なくなればこの関係も全部壊れてしまうのだろう。だから、

 

「明日は絶対勝ちましょう。」

 

そんなことはさせない

 

「おうっ!」

「はいっ!」

「ええ、そうね。」

「ふふっ、そうですわね。」

「はい……」

「うん。それに、もう一度カネキ君のハンバーグを食べたいしね。」

「あ、たしかに。」

「ふふ、そうね。勝ってまたみんなで、料理を作りましょう。」

「「「はいっ!」」」

 

そんな約束を交わして、翌日

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の負けよ……リザインします……」

 

途切れそうな意識の中、泣いている部長のそんな声が聞こえた……

 

 

 




さすがにこれでライザー終了にはなりませんので安心?してください。
次回どんなことがあったのか、書いていく予定です。
木場との戦闘書かなかったのは、めんどくさいとかじゃないんですよ?
本当(ry
カネキ君の木場の呼び方木場君のままでいい感じかな?
君付木場だけなんですよねーw

タイトルは適当に二文字で付けているのであまり気にしないでください。

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