ハイスクールD×D√喰種 作:ビギナー
でも、まぁ不定期更新タグ入れてるし許してください!
すーっと、静かに瞼を持ち上げ、意識が覚醒する。
見慣れない天井であることから、自宅のベットではない様だ。
それじゃあ、ここは一体どこだろう、と思い辺りを見渡す。様々な見慣れない薬品、花瓶には花が
添えてある。
「病室……?」
なぜ自分がこの様な場所にいるのか、記憶を辿っていくと、一つの事に思い当たる。
「レーティングゲーム……!」
そう、レーティングゲーム、部長の婚約を掛けたライザーとの戦い。
その戦いで、僕は……
思考が一瞬停止する、それから先の事を思い出さない様に、最後はほとんど意識を失って
いたのだから、覚えている筈がないと、必死に思考を停止させようとする、けれど不思議と
部長の言葉は頭の中に残っていた。リザインしますという、降参宣言。泣きながら、
そう言っていた。つまり
「負けた……?」
頭の中が真っ白になる。
――レーティングゲーム当日――
今日は部長を掛けてライザーとのレーティングゲーム当日だ。
戦場となる場所は駒王学園と瓜二つで、学園で戦うのか危惧したが、本物そっくりのレプリカだと
聞いてほっ、と息を吐いた。よく見れば、空の色は普通ではありえない色をしていた。
『皆様、この度グレモリ―家、フェニックス家、両家により行われるレーティングゲームの審判役
を務めさせて頂くことになりました、グレモリ―家使用人、グレイフィアで御座います。』
部室から外を眺めていると、校内放送にてグレイフィアさんがルール説明を始めた。
要約すると、今居るオカルト研究部の部室が僕たちの本陣で、新校舎にある生徒会室がライザー陣
営の本陣、兵士がプロモーションするには敵陣営に近づかなければならないとのことだ。
こちらの兵士は一誠だけである、ちなみにプロモーションとは兵士のみが行うことができる、
特技であり、プロモーションすることにより、兵士は他の駒にもなれるとのことらしい。
「全員これを付けてください。」
そう朱乃さんが言い、僕らに手渡したのはイヤホン型の通信機だった。
受け取った者から耳へ付ける中、
「レーティングゲーム中はこれで連絡を取ることになるわ。」
と、部長が言う。つまりこれで、部長の指示や、こちらから敵の情報をみんなに伝えることができ
るという事だ。
その後の話し合いにより、小猫ちゃんと一誠が体育館の方へ、木場君は森方面から、朱乃さんは
上空から支援、部長は部室から全員に指示、回復役のアーシアちゃんは部長と部室にて待機、
これにより、怪我した者は部室に戻ることによりまた戦えるということだ、もちろん即座に命に
関わる場合は悪魔の駒が反応し、死なないように治療されることになるが、ちなみに僕は部室の
ある旧校舎付近の警護をして欲しいと頼まれた。そして現在僕は護衛の真っ最中なのだが、
「誰もこない……」
そう誰も来ないのだ、いや、別に誰かに来て欲しいとかではないのだが、遠くから鳴り響く戦闘音
を聞いていると、自分だけ戦っていないのは何とも悔しい様な、申し訳ない様な気分になる。
そんなことを考えていると、戦闘不能を告げるグレイフィアさんと校内放送が鳴る。
『ライザー・フェニックス様の「兵士」3名、「戦車」1名戦闘不能。』
その放送を聞き、誰もやられてないと、安心し、一気に4人も倒したことにより勝てそうと、
希望が湧いてきた時のことだった。
突如体育館方面で巨大な爆発が起こり、その言葉が告げられた。
『グレモリ―様の「戦車」1名戦闘不能』
「え……?」
一瞬理解できなかった、それはそうだろう、だって先程まで敵を倒したことに喜んでいたのだ、
感情の差があまりにも大きすぎて、頭の中が真っ白になる。だが、次第に落ち着いてきたのか
誰がやられたのかを理解する。
「小猫ちゃん……」
ギリッ、と歯を食いしばり、血が滲む程手を強く握り締める。
「大丈夫、大丈夫……」
何度も自分に言い聞かせる、大丈夫と、
「小猫ちゃんは今頃治療を受けているはずだ、大丈夫……」
だから、僕は今僕が出来ること、やらなくちゃいけないことをするんだ、と必死に怒りを抑える。
『グレモリ―様の「女王」戦闘不能。』
ギリリッ……その放送を聞き、さらに強く歯を食い占める。
「今度は、朱乃さん……」
次々とやられていくオカルト部の仲間たち、次は一体誰が?僕がここにいる間に、次は誰がやられ
しまうのだろう、嫌な事ばかり考えてしまう。
「僕は、やるべきことを、出来ることをするんだ……」
そう自分に言い聞かせる様にそう呟く。
「やるべきこと、出来ることねぇ……お前みたいな人間に何が出来るっていうんだぁ?」
「……ッ!」
突然聞こえた声に気が付き振り向くと同時に腹部へ繰り出された蹴りがめり込む。
余りにも急過ぎ、避けることもガードすることも出来ず、吹き飛ばされ木に激突する。
「がっ……はっ!」
痛みに耐えながら、蹴りを繰り出した人物を睨み付ける。
「ラ……イザー……!」
「よう、人間君。」
不覚だった、怒りのあまり周りに意識がいっていなかった。だが今は悔やんでばかりもいられない
「な……んで、お前が……」
「あぁん?そんなことは決まっているだろう、オレの花嫁を迎えに来たのさ。」
「部長は……渡さないッ!」
木場君の神器により作られた剣を取り出しながら走り出し、赫子を発動する。
そしてそのままライザーを斬りつける……が、
「おいおい、随分と好戦的だな、いきなり斬りつけるなんて。」
ニヤニヤと人を見下した、レイナーレの様な目を向けてくる。
確かに斬り付けた、だけど、斬られた傷は斬られた瞬間に燃え上がり、残ったのは服に刻まれた
斬撃の後のみ、だけどそんなことは分かっていたことだ、何度も何度も斬りつける、時には
赫子を用いて、胸を貫き、腕を吹き飛ばし、足を吹き飛ばし、頭をも貫いた……が
「それで終わりか?」
「……ッ!」
ライザーは立っていた、何もなかったかのようにそこに。
「なら、そろそろお遊びはお終いだ。」
そう言い、ライザーが右腕を振り上げる、
「死ね、人間ッ!」
振り上げた右腕が振り落とされ、逃げる暇もなく、僕を炎が包み込んだ。
――――
「ここは……どこだろう?」
そこは白と黒のビニル床タイルを敷き詰められた何もない場所だった。
いや、正確には中心部に椅子が一つ置いてあるだけの、そんな場所。
そしてその椅子には見たことのない、髪が長くて眼鏡を掛けた、綺麗な女性がいた。
僕は、その人に気が付き、少しの間見惚れてしまった。
その人は、こちらに気が付いたのか、綺麗な微笑みを浮かべ、手招きをした。
僕は、彼女に誘われるがままに、彼女の元へ向かった。
彼女の元へたどり着くと、彼女が口を開く。
「やっと会えたわね。カネキ ケン君。」
「どうして僕の名前を……?」
「良く頑張ったわね、もう頑張らなくていいのよ。」
僕の質問が聞こえていなかったのか、彼女がそう言いながら僕の頭を撫でる。
優しく、まるで、母さんに撫でられているかのように、だからだろうか、
心地良く質問の事など、どうでもいいと思ってしまう。
今はただ、この心地良さを味わっていたい。
「だからね、力を抜いて身を預けるように。」
言われる通りに力を抜き、身を預ける、するとだんだんと眠気がやってくる。
「いいのよ、疲れたでしょ。もう休んで……」
ああ、そうだな、少し少しなら……
「お休みなさい。」
お休みなさい……僕の意識は海底に沈むようにゆっくり、ゆっくりと落ちて行く。
――――
「ふんっ余計な時間を取られたな。」
そう呟くのは、ライザー・フェニックスだ。ライザー周囲数メートルは何かを燃やして
いたかの様に黒焦げている、何を焼いたか聞かれれば、前方に転がっている者だと、
答えるだろう、倒れている人だった物は、さすがに骨になるまで焼かれてはいないが、
見える皮膚は焼き爛れ、直視するのもためらう程痛々しい、まずこれを見た人がいれば
100人中99人は死んでいると思うだろう。それはライザーも同じだった。
故にライザーは、自分の目的の為その存在に背を向け歩きだした。だから、だろう
後ろで立ち上がるそれに気が付かず、背後からの奇襲を喰らう。
「あん?」
が、ライザーは不死鳥で、奇襲を受けたとはいえ大したダメージにはならないだろう、
ライザーもそう思った、だから奇襲を仕掛けた人物が、死んだと思っていた人物だった
としても、なんだ生きていたのかといった感想しか抱けなかった。だが、次いでやって
きた痛みに、ライザーは悲鳴を上げた。
「いっ!ぐあァぁァっ!!なっぜだァッ!なぜこんなにも痛みがァッ!」
ライザーは確かに不死だ、だが痛覚がないわけではない、傷を負った瞬間に修復が始まるため
ほとんど痛みが感じないのだ、ならばなぜ、ライザーがこんなにも長く痛みを味わっているの
かといえば、
「ふふ、久しぶりの肉、でもあなたの味最低ね。まぁこの際食べられるならなんでもいいわ。」
「な、きさまぁっ!オレの腕をッ!喰って!」
奇襲を仕掛けた人物が、ライザーの腕を喰べているからだ、にちゃり、ぐちゅり、ぐちゃぐちゃ
と音を鳴らしながら
「ぐっ!くそっ!なぜだ、なぜだ、なぜだぁッ!なぜ腕が治らないッ!?」
そう、本来であれば、腕を切り離されようと即座に再生するはずの腕の再生が、異様に遅いのだ。
「貴方中々好みだけど、
そう言い喰らっていた右腕をごくりと飲み込みライザー目掛け疾走する。
「ぐっ!死ねっ!死ねッ!死ねェ!」
自分の腕を喰われたという現実から、遅い来る襲撃者目掛け炎の塊を乱発する。
爆炎が上がり、辺りは黒焦げた大地となっているが、いまだ、襲撃者には当たらない。
「くそっ!クソッくそっ!!化け物めぇッ!来るなッ!来るなッ!」
ライザーの中に生まれた恐怖はどんどんどんどん巨大になっていき、焦りから、
精度が下がり、襲撃者の接近を許してしまう。
「いただきます。」
そう聞こえたときにはもう遅い、残っている左腕すらも噛み付かれ、もぎ取られ、喰われる。
「いだぃ!いだぃぃぃ!」
次いでやってくる痛み、今度は抑えることすら出来ない、右腕の再生は未だ終わらない。
ライザーはみっともなく、無様に、喚き、のた打ち回ることしか出来ない。
襲撃者はライザーの目の前で見せつけるかのように、指を一本ずつ噛み、引き千切っていく。
それを見たライザーは、相手が人間であることすら忘れ、いや正確にはもう人間として
見れていないのだろ、ひたすら懇願するしかない。
「ひぃぃぃぃ!!た、頼む、何でも、何でもするから、金だって、権力だって、何でも
やるッ!だ、だから、も、もうやめてくれッ!」
「ふふ、何それ……笑える。」
だが無慈悲にも、襲撃者は、口の周りに着いた血を腕で拭いながらそう告げると、
一歩、一歩とライザーに向け歩き出す、
「来ないでくれッ!来るなッ!来るなッ!!」
赤い眼と目が合う、
「ああぁァァぁぁッ!!」
悲鳴を上げながら、足だけで懸命に逃げようとする……が、腕が無いため、恐怖で脚が
竦んでしまっているため、様々な理由から立ち上がり、少し走る度に転んでしまう、
そして終いには目の前に赫子が突き刺さり、逃げ場を失ってしまう。
「あぁ……」
ライザーにあるのは絶望だけだ、ライザーの助かる手段は色々あったが、もっとも簡単
なものはリザインすることだ、だが恐怖から、ライザーの思考は助かるために逃げる
ことしかなかった。まぁ、それが結果としては良かったのかもしれないが、
目の前まで来た襲撃者は、あと少しのところで、急に立ち止まる、そして
「あ、あァァァッッ!!」
突如頭を抱え、悲鳴を上げながら前方へ倒れる。
「時間、切れ、かしら……」
「ひっ!」
ライザーが短い悲鳴を上げ、後ずさる。少しすると、赫子が霧の様に散って消えて
無くなった。
ライザーは動かなくなった襲撃者、カネキを見据え、いつの間にか再生していた右腕
を振り上げ、
「これ以上、こんなのに関わってられるか……」
振り下ろすことなく再生中の左腕を抑える、多少冷静さを取り戻したライザーは、
これがレーティングゲームの最中だということを思い出し、自分がどんな醜態を晒した
のか、気が付く。
「ぐっ……こいつさえいなければ。」
ライザーは動かなくなったカネキにこれまでされた屈辱を少しでも返そうと頭を踏み付ける。
「こいつさえっ!こいつさえいなければッ!」
先程、関わりたくないと言っていたライザーは、あっさりと怒りに飲み込まれ、蹴り続ける。
「ふんっ、そろそろ時間が迫って来ているな、貴様への仕返しは後でさせて貰うぞ!」
しばらく蹴り続けたライザーは、カネキに背を向けリアス・グレモリ―の元へ歩き出そうと
する、が……
「なッ!」
足を掴まれ、驚愕する。
「き、貴様っ!離せッ!離せッ!離せッ!」
何度も、何度も掴まれていない方の足でカネキを蹴りつける。
「こ、こから、さ……きへ、はいか、せない」
何度蹴りつけられようとカネキは掴んだ足を離そうとしない。
「ひぃッ!離せッ!!」
ライザーが放った蹴りは、カネキの掴んでいた、手の骨を砕きライザーは自由となった。
「ふ、ふんっ!リアスはオレの物だッ!」
それだけ、言い残しライザーは旧校舎の方へと走りだす。
「ま、もる、んだ……ぼ、くがァ、ぼ、くが……」
カネキの右手はぐしゃりと、有り得ない方向へ曲がり、頭からは止めどなく血が流れ続けている。
そんな状態であるにも関わらず、左手を用いて、前へ、前へと体を引き摺る。
左手の爪は剥げ、血が噴き出す、それでもカネキは止まることなく進む、少しずつ、少しずつ
やっとの思いで、旧校舎が見える辺りまで着いたとき、カネキが見たのは
「私の負けよ……リザインします……」
絶望だった……
そこで、保っていた意識も途切れ、カネキは眠るように気絶した。
――――
「……ネ……キ……カネキッ!」
「いっ……せい?」
「おう、良かった、呼びかけても揺すっても返事がないから焦ったぜ。」
一体どれくらい時間が経ったのだろうか?そんな疑問が浮かぶが、
それを上回る程、大切なことがあった。
「一誠ッ!」
「お、おう、どした。」
突然大声を出されたため驚いている一誠をさらに問い詰める様に質問をする。
「部長は!?みんなは!?レーティングゲームは!?」
「おおう、一気に質問するなよ、まずは、そうだな。みんなは、無事だ。
怪我もみんな治ったし、元気だよ。」
それを聞いて少し心が落ち着く。
「レーティングゲームは……負けちまった。」
ああ、やはりあれは夢などではなかった、という事は部長は……
「だけどよっ!部長は取り戻したぜッ!」
「え……?」
取り戻した?
「誰が……?」
「俺がッ!」
一誠が!?
「ど、どうやって……」
「ふふんっ!聞いて驚くなよッ!結婚式に乗り込んでだな……」
その後しばらく、一誠から何があったのか、どうやってライザーを倒したのか
など、聞いていた。聞き終えた後
「そっか……良かった……本当に良かったみんな無事で、部長も。」
「よくねーよ。」
「え……?」
「お前がまだ元気じゃねーだろうが。」
「あ……」
「だから、お前が元気になったら、今回の件は一見落着ッ!てことになるから、
早く元気になれよな!」
「一誠……そうだね、じゃあもう少しだけ寝てもいいかな?」
「おうっ!じゃあ俺はうるさいだろうし、そろそろ帰るわ、良く寝て、良く食って
早く元気になれよな!」
「うん、ありがとう。」
一誠が病室から出て行き
「僕は、結局何も、出来なかった……」
ぽつり、と呟く、僕はベットで蹲りながら涙を流す……
「僕は、無力だ……」
自分の無力さを嘆いて……
今回は自分でも分かってますが意味不明です。
ライザーさん恐怖してるのに立ち直り速いし、もう訳わからん……
こんな奴に関わっていられるかっ!俺は帰るぞッ!って言った
あとすぐ、関わりに行ってるしと……
ちなみに今回出て来た何城何さん(小猫ちゃんじゃない)が突然退場したのにも
一応理由とかありますが大したことではありません。
今回は本当なら、力が欲しいなら喰え、喰え!的な感じで
カネキ君が自我を保ったまま、喰らいに行きたかったのですが
なぜこうなったし……ツッコミどころ満載ですがあまり考えず
無心で居てください。
また暫く更新できそうにないかもです。