ハイスクールD×D√喰種   作:ビギナー

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長らくお待たせしました。
語彙力の無さと、日本語おかしいところあるかもです。


第22話 追跡

暗い夜道を奇妙な二人の男が歩いている。

いや、正確には一人が歩き、もう一人を引き摺っているのだが、

そんな二人が歩いているのは暗い道、周りには普通の民家があるが、時間が遅いためか

どの家も明かりがついておらず、道を照らすのは月の光と、時々現れる外灯の明かりのみ。

 

だが、どういう訳かこの二人は、まるで人目を避けているかの様に、外灯を避け、月の光

すらも、極力当たらない道を進んでいく。

 

そんな二人の片方は、引き摺られている男に話し掛けるも、返事が無い。

 

「きひひっ……あぶねぇところだった――――なぁ、バルパーさんよぉ?」

 

腹部から胸部にかけて斬られた傷を抑えながら、引き摺っている男こと、フリード・セルゼンは

引き摺られている男、バルパーに問いかける。

 

「こ……ひゅー…………」

 

だが、バルパーは返事をしない。いや、正確には出来ない。

なぜなら、バルパーの身体は、まるで爆撃されたかのように、肌は焼き爛れ、腕は変な方向に

曲がり、身体中から血が流れた形跡がある。幸運なのか、不運なのか、傷が焼かれているため、

血はもう止まっているようだが、引き摺られた場所には所々血の足跡が続いている。

 

「そうだよなぁ、そうなんだよ」

 

そんなバルパーの様子を気にもせず、一方的に話し掛け、返事を返されたわけでもないのに

返事が聞こえていたかのように相槌を打つ。

そんな二人、いやフリードは人目を避け、暗い夜道を歩き続ける。

 

そんな時だった。ひた、ひたと、裸足で歩いているかの様な足音が聞こえてくる。

 

「んんぅ?」

 

くるりと、背後へ視線を向けるも誰もいない。

気のせいかと思い。再び歩き出すと、またもやひた、ひた、と足音が聞こえてくる。

 

「だれかぁ、いるのかなぁ?」

 

誰かいるのならば口封じを口実に八つ当たり(暇つぶし)をしようなどと、考えるフリードは

再び背後へ視線を向けるも、誰もいない。

 

そんなことを数度繰り返していると、一本道の先に壁があり、これ以上進めなくなった。

 

「あれれー、追いつめられちゃった感じィ?」

 

追いつめられている割には余裕が感じられるが、腹部の傷のせいか顔を汗が滴り落ちる。

フリードはその汗をうっとおしく思いながらも、背後へ振り返る。

 

振り返ると、暗闇に浮かぶのは一つ目の赤い瞳。

悪魔かと思い対悪魔用の拳銃を取り出し発砲。しかし、光る弾丸は躱され対象には当たらなかった

だが、赤い瞳の横を通過した弾丸は、闇を切り裂き、赤い眼の人物を一瞬照らす。

 

「きっ、ひひひっ!!なんだい、オレッちに早く会いたくて脱出してきちゃった感じですかぁ?」

 

ひた、ひた、と追跡者が前に進むと、月明かりが対象の正体を映し出す。

 

「カネキィぃクゥゥン?」

 

「あなたの様な危険な化け物()を、野放しには出来ない……」

 

追跡者――――カネキケンは、バキッ、と指を鳴らし、赫子を広げる。

 

「き、きひひっ!」

 

笑い声を上げながら、フリードは右手に光剣を左手に銃を持つ。

 

「……ここで、”摘む”」

 

両者は互いに向けて走り出し、戦闘が始まる。

 

 

 

 

――――――――

 

時は遡り、コカビエルと白龍皇との戦いを終えた、オカルト部の面々は、

行方不明となっていたカネキの傍に集まっていた。

 

けれど、最初に言葉を掛け、抱きしめたリアス以外誰も、未だに口を開けないでいた。

理由は明白で、何と声を掛けたら良いか、分からないからだ。

話の流れ、と言う物に乗るのであれば、リアスの後に続き「おかえり」と言えば、

良いのだろうが、そんなことすら思いつかない程、彼らの思考は困惑、悲しみ、安心、

罪悪感、後悔、そして、怒りといった様々な感情が溢れ出し、正常に機能していないのだ。

 

そんな中大きく深呼吸をし、最初に言葉を発したのは

 

「よっ、カネキ。一体今までどこに行ってたんだよ」

 

「一誠……」

 

「それに、何だよ……その髪……イメチェンか?はっ!まさか……グレたのかっ!?ヤンキーなの

かっ!?ナウでヤングで夜路死苦なのかッ!?」

 

序盤の声は震えていて、無理に明るく振る舞おうとしていることが伝わってきたが、後半は

空回りし過ぎて、死後を連発する程、どこか焦っているのが伝わってくる。

 

そんな様子に、カネキは自分が勝手に捕まり、こんな姿になってしまったため、一誠だけでなく

みんなにまで、気をつかわせてしまっていることに罪悪感を感じ、続く言葉が思いつかず、

視線が横に流れる。

 

それでも考え続け、意を決して口を開こうと視線を戻した時だった。

 

一誠達の後方にあった、痕跡に気が付く。

それは校庭から学校の外へ、まるで逃げるかのように点々と続く赤い、血の足跡だった。

 

それを見て、カネキは考える。自分がこの場に来たときには、オカルト部の面々と、コカビエル

のみだった。ならば、あの血の足跡は?そして、本来ここに居るべき、あいつが居ないのは

なぜだ?

そこまで、考えれば、その答えに辿り着くのは簡単だった。

 

――フリード・セルゼンが生きている――

 

その答えに辿り着いた時、カチリッ、とオセロが反転していくかのように思考が冷たく、

研ぎ澄まされていった。

 

「まぁ、オレは、たとえお前がヤンキーになろうと、その、気にしないから……えっと……」

 

「ごめん、一誠……用事思い出したから、行かないと」

 

イッセーは、数秒硬直すると、時を取り戻したかのように捲し立てる。

 

「……は?……い、いやいや、ちょっと待てよ!今からっ!?今何時だと、思って……いや、そう

じゃなくて……」

 

突然の出来事に混乱している、一誠に背を向け、歩き出すカネキ。

そんな事態に混乱しているのは、一誠だけでなく、話を聞いていたオカルト部の面々もだ。

 

そして、混乱している間にも、カネキとの距離は離れていく。

 

「……ちょ、まてよッへぶっ!?」

 

唯一混乱しながらも、話していた一誠が、静止の声を上げるが、後ろから何かがぶつかった

ため、奇声をあげながら、地面へ顔からダイブする。

 

その、一誠にぶつかった人物は、ぼろぼろの身体に鞭を打ち、必死に走る。

しかし、距離が狭まることがなく、走りながら大声を出す。

 

「まっ……て……待ってくださいっ!」

 

静止の声が届いたのか、カネキの歩みが止まる。

そして、やっとカネキに追いつき、服の裾を掴むと、息も絶え絶えに言葉を紡ぐ。

 

「どこに……行くつもりですか……そんな、ぼろぼろの身体で……」

 

「…………」

 

「もう、終わったじゃ、ないですか……コカビエルを倒して、カネキ先輩が帰って来て……」

 

「うん……そうだね……」

 

「っ!ならっ!」

 

「でも、ごめん。行かないと……」

 

「ど、うして……」

 

カネキの言葉には、揺るがない決意が感じられ、どうしたらいいのか。分からなくなる小猫。

それでも、必死に考えを巡らせる。

 

「なら、わたしも「ソフトクリーム」え……?」

 

突然、食べ物の名前を出してきたカネキに、純粋に疑問を覚える。

 

「この前、お店で買って食べたでしょ?」

 

「あ……」

 

そういわれ、なぜソフトの名前を口にしたのかわかったが、なぜ今言葉にしたのかという

さらなる疑問が現れる。

 

「小猫ちゃん、おいしそうに食べてたから、今度は僕も食べたいな」

 

「話を……逸らさないでください……」

 

「でも、こんなにぼろぼろじゃ、お店の人、驚いちゃうだろうな……」

 

背中越しでも、苦笑しているのが伝わってくる。

 

「だから、怪我が治ったら、また小猫ちゃんと行きたいな」

 

「わたしも、行きたい、です……」

 

「良かった……それじゃあ……」

 

そこで、背中を向けていたカネキが、振り返り。

 

「――――またね、小猫ちゃん」

 

「ぅ……ぁ……」

 

そう言ったカネキの表情が、以前と変わらない笑顔だったからだろうか、裾を掴んでいた

手の力が抜け、服の裾を手放してしまう。慌てて、掴もうとするが、すでにカネキは振り返り、

こちらに背を向け、歩き出していた。

 

「ぁ……まっ……て……」

 

小猫はカネキを追いかけようとするも、傷の為か、カネキの表情の所為か、身体は鉛の様に重く、

距離はどんどん離れて行く。

伸ばした手は、空を切り、地に落ちる。落ちた手を、もう片方の手で掴み。大事なものを

抱き締める様に、胸に抱き、俯いたまま声を漏らす。

 

「いかないで……もう、おいていかないで……」

 

零れ落ちた声は――――誰にも届かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

時は現在。

 

人の気配のない、深夜の路地では、二人の白髪の青年が人とは思えない、軌道を描きながら、

宙を舞い、地を這い、相手の存在を消すために、互いの武器を振るい、争っていた。

 

「きひひぃっ!!」

 

フリードは笑い声を上げながら、光剣を横薙ぎに振るい、躱されたのを確認する間もなく、

左手の銃を乱射する。

 

対するカネキは、それらの攻撃を全て、紙一重で躱しながら、四本の赫子を一纏めにし、

銃弾に対して、正面から向かい打つ。

赫子は銃弾を弾きながら、フリード目掛け、一直線に突き進む。

 

突き進んで来る赫子に対し、銃では歯が立たないと判断したフリード。常人であれば、

後方か、左右に避けるであろう赫子に対し、走り出す。

 

その行動に多少驚くも、カネキは冷静にフリードの行動を視界に納めながら、赫子を操る。

 

対して、赫子に向け走り出したフリードは懐を漁りながら走る。

そして、赫子が目前に迫ると懐から取り出した閃光弾を放る。

 

投擲された閃光弾は空中で爆発し、暗い路地裏を眩い光に包む。

 

「(どこに……)」

 

フリードの行動から目を離さない様にしていたカネキであったが、その行動が裏目に出た。

奪われた視界は傷とは違い瞬時に癒えることはない。

そのことを瞬時に判断すると、顔に付けているマスクを強引に剥ぎ、覆われていた右目で周囲を

探る。

 

しかし、辺りにフリードの姿はなく、頭上にもフリードはいない。

狭い路地裏だ。隙を突くには、上空くらいだ。その上にも居ないとなれば――

 

「(赫子の下ッ……!)」

 

四本に纏められ、太さを増した赫子の下は、丁度カネキの場所から完全な死角となっていた。

カネキがそのことに気が付くのに有した時間は、約1秒弱。

 

カネキは気が付くと同時に、赫子をそのまま地面に叩きつける。

 

しかし、対悪魔用に訓練された、エクソシスト。神器を有する人間。この二人の間で、何もされぬ

1秒間とは――――

 

「すぅぅきぃぃありぃぃっっ!!」

 

「ッ!」

 

数十メートル先から、敵の懐に潜り込み、攻撃するに足る時間だった。

 

しかし、直前に気が付いていたためか、カネキも瞬時に対応を見せる。

フリードが心臓に向け突きだした光剣に対し、左手を心臓前に差し出す。

勿論そんなことをしても、掴むことは出来ないだろうが、カネキの目的は掴むことではなかった。

 

光剣はカネキの左手を貫き、そのまま心臓に向かうかと、思われたが、掌を貫いた光剣は、更に

何かを貫くことはなく、虚空を貫く。

起こったことは簡単だ。カネキが、左の掌を貫いた光剣ごと、ずらしたためだ。

 

そのことを目前で見ていたフリードは、一瞬何が起こったのか、分からないといった表情をした

が、理解した瞬間、その顔を邪悪な笑みで一杯にして、左手に持つ、銃をカネキに向け発砲する

も、カネキの右手に銃身を掴まれ、銃弾はカネキの頬を横切る。

 

またしても、防がれたフリードは、訳が分からないといった表情をしながら呟く。

 

「あ、あれれー?いつの間に、修行パートやったのか……なッ!」

 

話している途中で、突然の蹴り。完全な不意打ち、と言えるだろうが、カネキはまるで来るのが

分かっていたかのように、蹴りが上がる前に、足を足で踏みつけ、地面に縫い付ける。

 

「なッ!?」

 

そして、フリードの顎目掛け、反対の脚を振り上げる。

 

「げぶッ!?」

 

繰り出した膝蹴りは決まり、フリードの顎を砕く。

そのまま、掴んでいたフリードの武器を強く握り締めると、足を踏んでいた方の脚も振り上げ、

横薙ぎにフリードの腹部を蹴る。

蹴られたフリードは吹き飛び、武器を手放してしまう。

 

カネキは、右手に持つ銃を自分の足元に落とすと、左手に突き刺さった光剣を抜きながら、

踏み付ける。

踏まれた銃はばらばらに砕け散り、二度と銃弾を飛ばすことの出来ないジャンク品へと

姿を変えた。

次いで、抜き去った光剣を左右に振り分けると、上空へ抛り、赫子で破壊する。

 

そして、砕かれた顎の痛みにのた打ち回るフリードの元へ歩み始める。

 

「がげぎぃ……」

 

カネキが近付いて来ていることに気が付いたフリードは、立ち上がると恨みを込めて名前を呼ぶが、

顎が砕けているため、うまく言葉にすることが出来ない。

 

「前に、どうして僕が数字を口にするのかって、訊いてきたことがありましたよね」

 

「ゲッ、ギィヒヒッ」

 

突然そんな事を言い出したカネキに、一瞬疑問を覚えるフリードであるが、そのことが拷問をして

いた時のことだと思い出すと、圧倒的不利な状況であるにも関わらず、顎の砕けたその顔を歪に

歪め、出来の悪い笑い声をあげる。

 

「自分で試してみたら――――分かるんじゃないですか」

 

「がっ……ガァゲェギィィッ!!」

 

が、カネキの続く言葉に笑みが止まり、一瞬にして怒りに表情を染めると、カネキの名を呼び

ながら襲いかかる。

 

丸腰のフリードの攻撃は己の肉体しかない。最初から、肉体のみを鍛え上げた屈強な戦士なら

その身一つで戦うことも出来ただろう。だが、フリードは、剣士や、銃士といった様に、

多方面に長けており、パワータイプとは言い難い。たとえ無抵抗だろうと、フリードでは

カネキを殺すには至らない。この時点で、この戦いは決したも同然なのだ。

 

故に、ここから起きるのは――――勝者の決まった一方的な蹂躙だ。

 

走った勢いに乗せられた蹴りは、左腕を顔の横に構えるだけで、あっさりと防がれ、振り下ろされ

た拳は、顔を少し逸らすだけで躱される。

 

躱された、腕を右手で掴まれ、抵抗する間もなく。

 

「ほら――――1000引く7は……?」

 

「がぎぎぃぃッ!!」

 

折られた。

 

腕が折られ、痛みに膝が崩れるフリードの頭を掴むと、地面に叩きつける。

 

「がぼばっ!」

 

「――――1000引く7は……?」

 

「が、べぇぇ、びぃぃ……!!」

 

「”1000”引く”7は”……?」

 

何度もカネキがそう尋ねると、フリードは数字を数えだす。

 

「|ぎゅう……びゃく、ぎゅう……びゅう……ざん……《993》」

 

数字を数え始めるのを確認すると、カネキは折ったフリードの腕に喰らいつく。

噛み締めた瞬間に、人間の血の味がして、こんな奴でも、れっきとした人間なのだと、実感させら

れながら、そのまま噛み千切る。吐きそうになりながらもぐちゃぐちゃと、飲み込める程度に咀嚼

すると、味合わないように飲み込む。

 

(あ……れ?これ……俺……喰われて……?)

 

数字を数えながら、自分が置かれている状況を考える。――――が、痛みで正常に機能しない。

数字の事を考えるだけで精一杯で、もはや、なぜ数字を数えているのかすら分からない。

だけど、この痛みのなか、この数字だけがとても大切な物だということは、本能が理解した。

 

数字を数えながら、カネキを眼球が捉える。

似ても似つかないのに、その有様は、フリードの過去の記憶を刺激する。

 

それはとても残酷で、最高で、最低な。忘れたことのない、遠い過去の記憶。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

人とは、誰もが自分を偽り、本性(裏の顔)を持っている。

 

そんな、綺麗ごとばかり述べる人間と言う偽善者が、なぜこんな理不尽を受けなければならないの

か、どうして自分だけが、と悲鳴を上げながら、壊れて行く姿が見れれば、それでよかった。

 

いや、それは”嘘”だ。

それは、フリード・セルゼンが望むモノを得るための過程に過ぎない。

 

フリード・セルゼンは、元からこのように壊れた存在ではなかった。

とある教会の孤児として育ったフリードは、捨てられた自分を育ててくれる神父を信頼していた。

幼いフリードは、神父の言うままに、神を信仰し、体を鍛え、最年少でエクソシストとなる程、

才に溢れ、そして、神父を慕っていた。食事は貧相ではあるが、少ない量を神父と分け合い、

いつも、神父がおかずを分けてくれるのを見て、いつか、美味しい物をお腹いっぱい食べさせて

上げたいというのが、幼きフリードの”夢”だった。

 

そんな神父との生活が、ずっと、ずっと続くと思っていた。

 

けれど、そんな日々は突然終わりを迎える。

隣町へ悪魔退治に向かったフリードは予定より早く悪魔を退治し終えたため、美味しい物でも、

神父に買って行こうと立ち寄ったのは、その町で有名な、少し値の張る飲食店だった。

 

なぜそこを選んだかといえば、その店は店内だけでなく、持ち帰り(テイクアウト)も可能だと、町の住人に

聞いたからだ。値段に関しては、少し心配ではあった。

 

なぜなら、悪魔退治の報酬は、フリードがまだ子供であるということから神父が管理している

からだ。だけど、今回の報酬はその場で手渡しであったため、全額手元にある。

 

本来、お金の管理を神父に任せているのだから、このお金も神父に預けるべきなのだろうが、

神父は、このお金はいつかフリードが大きくなったら必要になるから、と言って豪華な食事も、

ぼろくなっていた教会の修理すら、自分で行うくらいだった。

 

今日は丁度、神父の誕生日で、一緒にお祝い出来なくて残念だと、思っていたが、予定より早く

悪魔を退治出来た為、サプライズと、恩返しも込めて、少しでも美味しい食事を食べさせてあげたかった。

以上のことから、フリードはお土産を買おうと思ったのだった。

もし怒られたとしても、神父なら、食事を無駄に出来ないと、ちゃんと食べてくれるという予想があった。

 

 

多少心配ではあったが、初めて入る豪華な建物に、不思議と気分が高揚してくる。

中に入ると、貴族の様な高級そうな格好をした、人たちから、一般的な服を着込んだ、家族など、

様々な人たちが、おいしそうに、楽しそうに、食事を楽しんでいた。

 

そんな人たちを眺めながら、神父と楽しく食事を取る風景を頭に抱く。

その風景に、零れ出た笑みを隠しもせず歩いている姿は、周りからすれば奇妙だったろうが、

その笑みが温かい物だったから、特に誰も気にせず、食事を続ける。

 

 

そんなフリードが見たのは、豪勢な食事を、いつもの神父服とは違う、高級そうな服を纏った

神父が、綺麗な女性と、見たことが無い程、楽しそうに食べている姿だった。

 

その姿を視界に納めた瞬間、笑みは凍り付き、頭の中がぐるぐると、意味が分からなくなった。

神父に似た別人かもしれない、そんなある訳がない、希望はすぐに砕け散った。

 

神父……と声を掛けると、驚いた表情をこちらに向け、視線を泳がせながら、口をぱくぱく

させる。やっと、話し出したと思えば、いつもの堂々としていて、正しい神父から出たとは

思えない、言い訳や、なぜこんな所にいるのか!?と、激怒した姿だった。

 

そんな神父の姿を見て、混乱していた頭は、まるで冷や水でも掛けられたかのように、

冷たくなっていった。

 

だけど、不思議と怒りはなかった。自分が稼いだお金で、豪遊していた。そんなことすら

どうでもいいと思えるほど、フリードは、神父を慕っていたし、何より、この関係が

壊れることを恐れた。

だからフリードは、先に帰っていますね。と、だけ言い残し、何も買わずに店を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、神父は結局帰って来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、数週間後。神父がはぐれエクソシストとして、指名手配された。

 

なんでも、教会の金に手を出して、逃亡したらしい。

おそらく、フリードが稼いだお金が底を尽きたのだろう。

 

そんなことを考えながら、フリードは帽子を深くかぶり、教会へ歩みを進める。

その教会はぼろぼろで、とても人が住んでいるとは思えない。

中に入ると、教会の祭壇の前には、神父と思われる人物が一人。

神父は、誰かが入ってくるのに気が付くと、素早く振り返るが、入って来たのが子供

だと気が付くと、ほっ、と息を吐き。

 

こんな所に、一人で来るなんて、何か懺悔しに来たのかね?と尋ねてくる。

その声色が、昔、自分を拾ってくれた時と、同じで、胸に熱い物が宿る。

だからだろうか、深く被っていた帽子を取り、顔を見せる。

 

すると、神父は見るからに慌てだし、ふ、フリード……と、自分の名前を呼ぶ。

続く言葉は、すまなかった、自分が間違っていた、悪魔に唆されていたんだ、

また一緒に暮らそう。と、その提案はとても魅力的で、たとえ嘘だったとしても

フリードの望んだモノだった。――――はずだった。少なくとも、ここに来るまでは、

それを望んでいた。

 

だけど、実際に言われると、込み上がってきた感情は、嬉しさでも、怒りでもなく

 

――――悲しみや、憐みと言った感情だった。

 

悲しみ……と言っても、裏切られたから悲しいんじゃなかった。

 

そんな嘘を吐いてまで、生に固執する――――なんて哀れで、悲しい存在なのかと、

自分では救うことは出来ないのか?自分に出来ることは何もないのか?

 

未だに、自分を守るために、嘘を吐き続ける神父を、フリードは気が付けば、撃っていた。

それは、教会から支給された対悪魔用の拳銃ではなく、神父が教会に隠していた、護身用の

拳銃だった。

自分が撃ったことに気が付いたのは、撃たれた神父が傷口を抑え、鬼の形相を浮かべながら、

呪詛の様に、罵倒を発したからだ。

その様を見て、普通であれば恐ろしくなり、止めを刺すか、逃げ出すなどの行動を取るのだろうが

もう、フリードは、普通ではなかった。

無表情だった顔は、狂気の笑みを浮かべ、止めを刺すのではなく、致命傷にならない場所に

銃弾を叩き込む。

 

神父が悲鳴を上げ、じわじわと、器から、魂が飛び出そうとする。

 

これだ。これなのだと、フリードは、まるで天啓を受けたかの様に、笑みを強くしながら、銃を

発砲する。

 

人は、痛みを、恐怖を前にしたとき、嘘偽りのない――――真の姿を現す。

人を本来の姿にし、人間と言う器から旅立たせ、神の元に送る。

それが、自分の存在理由であり、生まれてきた意味なのだと。

 

呪詛の様な罵倒は止み、今では、命乞いを始める神父に、大丈夫ですよ。と、やさしく微笑み、

頭に拳銃を突き付ける。

 

嗚呼、神よ。仰せのままに――――Amen

 

器から解放された神父の亡骸に、火を放ち、燃え盛るボロボロの教会を背に、一人の化け物が

生まれた。

 

その名を、この場で死した、神父の名字を受け継ぎし男は、フリード・”セルゼン”と言う。

 

この日を境に、若き天才エクソシストは人々を拷問し、殺すという、所業を行った、”悪魔”と

して、恐れられ、その身を追われる身となった。

 

かくして、はぐれエクソシスト、フリード・セルゼンは誕生した。

 

 

 

 

 

 

 

どれだけ、聖人のような人物でも最後にはフリードのことを恨み、そして死んで逝く。

 

そんな嘘ばっかりな人間は、最後に本当の姿を現し、解放される。

 

その有様はとても醜く、哀れで、悲しい……だけど、その解放される瞬間、人は最も美しい。

 

フリードは、その瞬間が、その瞬間だけを望み、今日まで殺してきた。

 

だけど、それも今、終わりを迎えようとしていた。

 

自分が、今まで憐み、殺してきた生贄。

 

そのなかで、最も哀れで、悲しく――――美しい。

 

そんな、自分が解放してあげるべき存在の手によって。

 

「がぁ……でぇ……ぎぃ……」

 

カネキ ケン

 

その様は、今まで見て来た中でも、もっとも悲しく、美しかった。

 

フリードが今まで見て来たものが、吐いていた嘘はどれも醜い嘘だった。

だから、そんな嘘を吐く者達は、もう嘘を吐けない様にした。

 

始めて会った時から、拷問を行っている最中まで、今までの獲物と変わらない存在だと思っていた。

だが、再開したカネキ ケンの嘘は、とても美しく――そして、悲しかった。

 

何かを護るために、自分や大切な人たちに吐いた嘘。

まるで、両親が働きに出て、家に一人取り残された子供が、涙を堪え、一人遊びに励むかのように。

一人でも大丈夫?と問われ、本当は嫌だけど大丈夫と、親に嘘を吐く子供の様な、嘘。

その姿を見て、初めて殺した時、神父の時の様に助けてあげたいと思った。

 

そして、気が付けば殺しにかかり、結果この様である。

自分の命が消えかかっていても、フリードの胸を埋める感情はただ、救うことが出来なかったと

いう後悔。

 

「ずぅ……ぐぅ……いィオォ……」

 

腕を喰らっていたカネキが視線をフリードに向ける。

 

「おべぇ、がァ……ずゥ、グゥ……ばァ、なぐじゃ……いべぇ、なァいィ……」

 

俺が救わなくちゃいけない。そう口にしても、顎が砕けているため、カネキには伝わらない。

 

「……何を、言って……ッ!?」

 

「うぅぅぅがァァァァァァアアl!!!」

 

何を言っているのか、問いただそうとしたカネキが、背後の異変に気が付く。

 

フリードが最初に放り出していたバルパーが突然叫び、苦しみ出したのだ。

 

焼き爛れた醜い身体はぶくぶくと膨れ上がり、その姿を異形の生物へと、姿を変えて行く。

 

「な、んだ……これ、は……」

 

死体同然だと思っていたバルパーが突然苦しみだし、化け物としか言い表せない姿へ

変貌したことに、さすがに動揺を隠せないカネキ。

 

「ウォゥゥボォォォォッ!!!」

 

人とは思えない雄叫びを上げ、ごきゅり、めきょりと、人体からしてはならない音を鳴らしながら

バルパーの身体は風船の様にどんどん膨れ上がって行く。

膨れ上がった肉体は、狭い路地の塀を破壊してもなお、その成長を止める兆しが見えない。

このまま巨大化が進むのであれば、周りの住民に被害が及ぶと判断したカネキは、バルパーを

止めるべく、フリードに背を向け一歩踏み出した。

 

しかし、さらに進むことは出来なかった。

 

なぜなら、先に行かせないとばかりに、フリードが残っていた片腕でカネキの足を掴んでいたから

だ。

 

「おべぇ……がァァぁ……!!」

 

どれだけ力をいれても離れないフリードに視線を向けて、赫子を展開させたカネキは背後から何か

が迫ってくる気配を感じ、視線をバルパーに戻すと、カネキの赫子とは違った触手の様なものが

迫って来ていた。

 

「……ッ!?」

 

そのことに驚きながらも、赫子で向かい打つ。

バルパーから伸びた触手は腐った果実の様にあっさりと崩壊し、緑色の液体を散布する。

その呆気なさに訝しむカネキだが、触手を貫いた赫子と、液体が散らばった場所から上がる煙に

警戒度を上げる。

液体が散らばったコンクリートは、まるで腐って行くかのように煙りを上げながら辺りを溶かし

ていく。赫子は未だに溶け続けているため、他の赫子で切り落とすと、ようやく腐敗を止めた。

 

「(触れたらまずいな……)」

 

「ごぼぼっぶっぶぶぶっぶ………!!」

 

その謎の液体を含んだ触手を伸ばしたバルパーは、恐らく触手から飛び散った物と同じ緑の液体

を身体中から溢れ出している。

 

「(あの液体が周りの物を全て腐らせない内に、あいつを何とかしないと……)」

 

あふれ出た液体はバルパーの周辺を腐らせ、溶かしていく。

そして、尚も体を膨らませるバルパーを見て、カネキは自分が手を出せないことに気が付いた。

バルパーの身体を例えるなら、空気を限界までいれた風船だ。

ただし中身は、どんなものも腐らせ溶かす液体で、尚も空気は注入され続けているのだ。

そんなものが、割れたらどうなるか。想像することは容易い。

 

「(どうする……まだサイズが大きくない内に破壊して……でも、最初に散らばった液体は、

まだ地面を溶かし続けている……いつまで効果を発揮しているかが分からないのに、無暗に

破壊して、液体をばら撒くのは……だが、放置していれば更に肥大化して、被害が……)」

 

考えれば考える程、現状から抜け出せなくなって行く。

ずっと考えていれば、もしかしたら、何か良い案が出たかもしれないが、考える間もなく

バルパーの追撃が迫ってくる。

 

カネキは避けようと、足に力を入れるが身体が動かない、なぜならフリードが足を掴んで

いるからだ。そのことを忘れていたカネキは、赫子でフリードをどうにかしようと考えるも、

目前に迫ったバルパーの触手を赫子で防ぐ。

四本ある赫子の内、一本でフリードの腕を切断するなり、フリードに止めを刺すなり、

方法は浮かんでは来るのだが、実行することが出来なかった。

バルパーがカネキを敵として判断したのか、触手の量が増え、触手を破壊するのに

二本、破壊した赫子を切断し、腐敗を止める赫子が一本、さらに自分に液体が掛からない

様に、破壊した触手から飛び散る液体を防ぐために一本と、全ての赫子で向かい打っている

ためだ。

 

使えるのは両手と、掴まれていない片足。

 

「(あの液体に触れた場所は切断して、切り離せば良いが、切断出来ない場所に当たったら

終わりだ……なら、片足だけでフリードを……)」

 

そう判断するとカネキは掴まれていない右足で、フリードの左腕の関節部分を踵で蹴り上げる。

間接が外れるか、骨が砕ければ掴んでいる手の力が弱まると思ったが、弱まるどころか、

力が増し、絶対に離さないという執念のようなものを感じた。

 

それでもカネキは抜け出そうと足に力を籠めようとしたが、バルパーの身体が更に巨大化

したためか、触手の本数が増え、触手の処理に意識を向けざる負えなくなる。

 

「(まずいな……このままだとあいつが更に大きくなって、破壊した時の液体の量が増えるだろ

うし、何より、触手に対抗する手数が足りなくなる……一か八か試すか……)」

 

状況の悪化にカネキは防御を解いて、フリードの腕を切断してバルパーを破壊するか考える。

この行動のデメリットはやはり、飛び散った液体が頭など切断したらまずい場所に掛かった

時の事だ。いくらカネキでも首を刎ねられたら生きていられるかが分からなかった。

だから、もっと早くから思い付いてはいたが、行動に移せなかった。

ならなぜ、今、行動に移そうと考えているかは、これ以上触手が増えたらそんなことも出来なく

なるからだ。つまり、これが最後のチャンスで、今を逃せば挑戦することすら出来なくなると

判断したのだ。

 

カネキは触手を破壊するための二本の赫子で無数の触手を破壊する。

飛び散った液体を防御に使っていた赫子で防ぐと三本の赫子を一本の赫子で切断する。この段階

で既に、新たな触手がカネキへ迫っている。先ほどまでなら、同じように、切断した三本の内、

一本で切断に使った赫子を切断し、切断した赫子で液体を防ぎ、二本で触手を破壊するという

流れだったのだが、カネキはそのまま腰を捻り、フリードの腕目掛け赫子を振り下ろす。

 

「びぃぃびゃぁぁぁぁぁァァァ!!!」

 

フリードからは痛みの悲鳴が上がり、身体が軽くなる。

迫ってくる触手を赫子で破壊する。

破壊された触手からは全てを腐らせ、溶かす液体が散らばる。

自由になった身体でそれを躱そうと移動するが、並外れた動体視力が避けることを不可能だと

瞬時に判断させ、腕で頭部を護るように顔の前でガード体勢を取る。

 

「ぐっ……」

 

腕に掛かった液体は肉を腐らせ、溶かす。

だが、溶ける速度は予想していたより遅く、腕を切断してからの再生は時間が掛かるため、

痛みに苦悶の声を漏らしながらも、戦いに必要な腕を残す。

 

「ぎぃぃぃぃぃがァァぁぁァァァ!!!」

 

カネキが破壊した触手からでた液体はフリードにも降り注いだ様で、腕の痛みも合わさってか、

フリードが悲鳴を上げ続ける。

 

そんなフリードの様子を尻目に、カネキは狭い路地をバルパー目掛け走り出す。

だが、バルパーも意識があるのか分からないが、自分の命を脅かすものだと判断したのか近付

けさせまいと触手を伸ばし、液体をばら撒く。

 

カネキはその触手を破壊せず、ひらり、ひらりと、身軽になった身体で躱して距離を詰めていく。

そして、確実に仕留められる距離に入ると、タンッ!と、地面を蹴り上に飛ぶ。

跳んだあとの地面には次々と触手が突っ込み、落とした果実の様に砕け散る。

空へ跳んだカネキは広げた赫子を振り下ろそうと、一纏めにする。

 

「これで……終わりだッ!」

 

「ごぶぼッ……!」

 

溢れ出す液体から零れ落ちた驚愕とでも言う様な声を最後に、終わりを迎えると、対峙する二人は

そう思った。

――――だが

 

「おいおい、そんなきたねぇの、俺が住んでいる町にばら撒かねェでくれよ」

 

「ッ!!」

 

突如現れた謎の人影にカネキは瞬時に赫子の矛先を変える。

 

「ッ!おっと、あぶねぇじゃねぇか……よっと」

 

「がっ!?」

 

しかし、攻撃は躱され、気が付けば横に移動していた人影に腹部を蹴られ、落とされる。

落ちて行くカネキは空中でくるりと身を反転させ、綺麗に着地する。

 

「ほぉ、今の防いでたのか。やるじゃねぇか、カネキ ケン」

 

腹部を蹴られていたかに見えたが、カネキは片足を腹部の前に持ってきて防いでいた。

その事を称賛した謎の人影は、カネキの名を呼ぶ。

 

「ッ!?……なんで、僕の名前を……あなたは、一体……誰ですか」

 

声から初対面と思われる人物に名前を呼ばれ、警戒するカネキ。

 

「ん?俺か……?俺はアザゼルだ。だが、名前を聞いてるんじゃねぇんだよな。なら、

こう答えよう。――「神の子を見張る者」総督……アザ「うぼぼごごごごごっっ!!」

……ったく、せっかく、格好よく決めてんのに、躾のなってない奴だな……っと」

 

名乗りを上げた謎の人物、アザゼルは自己紹介の邪魔をしたバルパーに手をかざす。

たったそれだけで全てを腐れせ、溶かす液体をばら撒く化け物となっていた

バルパーは消え去った。

言葉のままに一瞬で、破裂することなく消え去ったのだ。

 

「(一体、何をした……今……)」

 

カネキは、自分がどう処理するか迷い、苦戦したバルパーを一瞬で消し去ったアザゼル

に圧倒的な力の差を感じ取った。

 

「さてと、用事の一つは片付いたし、もう一つの用事を済まさせて貰おうかねぇ」

 

そう言って、アザゼルは懐から何かを取り出し、苦しみもがくフリードに振りかける。

すると、フリードの傷が瞬時に癒え、悲鳴が治まる。

 

「ほらよっ、お前も使え」

 

「何を……ッ!」

 

カネキは投げられた小さな瓶を反射的にキャッチする。

しかし、投げられた速度の所為か、それとも瓶の耐久力の所為か、瓶が割れ、中身が

カネキに降りかかる。

毒かと思ったが、腐り、溶けていた腕が治りはじめる。

 

「こ、れは……」

 

「フェニックスの涙だ。腐敗もそれで治るだろうよ」

 

「どうして……」

 

「ん?どうして、フェニックスの涙なんて、高級品を初対面の自分に使ってくれるのかって?」

 

「いや、うん、そう……ですね」

 

カネキは、フェニックスの涙がそんなに高級品だとは知らなかったため、少し否定しようとした

が、アザゼルの放つ、軽いノリが否定するのも面倒にさせた。

 

「まぁ、今回はこちらの不手際で、色々迷惑掛けちまったみたいだし、お前さんがこいつらを

足止めしてくれなきゃ、減俸ものだったからな。気にすんな」

 

「はぁ……」

 

先程までの戦闘で張り詰めていた気が少し緩んでしまう。

その気の緩みを狙ったかのように質問が飛んでくる。

 

「さてさて、お前さんがうちの組織の者だったら、昇給とか、昇格とかで、褒美や報酬を支払える

んだが……お前は人間で組織とは関わり合いがないときた。悪魔だったら、悪魔だったらで、

向こうのお偉いさんを介して色々しなきゃならねぇ訳だが……お前は、人間だ。人間で、こいつら

みたいなのと戦えるとなると、エクソシストとかがほとんどで、その場合は教会に何かしら、

ツケを払わなきゃいけねぇ。こういう状況は稀でな。どこにも所属していない人間にはそいつが

望むモノをくれてやることになっているんだ。まぁ、グレモリ―の妹に世話になっているみたいだ

が……さて、カネキ ケン――――お前は何を望む。」

 

そうやって問いかけるアザゼルの表情は堕天使より、悪魔を連想させた。

 

「僕が……望むものは――――」

 

 




フリードの過去話辺りまでは、数か月前に出来てたんですけど、
続きがなかなか思いつかず、バルパーを化け物にするって案は決定してたのに
どんな風にするかは決めてなかったりなど、バルパーいらなかったんじゃね?
とか、思ったりしてますが……アザゼルとの出会いは、アザゼルがカネキを助ける
みたいなの想像しててこうなりました。フリードの過去話は、なんかこう狂って
しまうようなエピソードが欲しいなぁと。東京喰種のキャラって、ヤモリとかも
そうですけど、何かしら理由があって狂ってしまうみたいなのを書きたくてこう
なりました。
一万四千文字と、最多になり。二話に分ければ良かったと思うけど、後で大きな直しで改変するよりはいいかなーと、思っていたらこんなに遅くなってしまいました。
次話も数か月かかるのか、数週間で出来るのか分かりませんがエタらない様に
頑張ります。

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