そしてついに綾香は英霊を召喚する
白い風になびかれて、少女は今戦いの火を灯す。
それは果たして、風前の灯火か、はたまた灼熱の大火か
目の前に現れた白い騎士。年は20代後半くらいだろうか。髪はその白い鎧に映されたように銀色に輝いていた。スラリとした体ではあるが、その中には強靭な力を感じるものがあった。
綾香はしばらくその姿に見とれていた。いや、見つめていた。自分のした行為にも驚いていたが、サーヴァントという概念が本当に存在したという事実を目の当たりにし、打ちのめされていた。
「問おう。君が私のマスターか」
白い騎士に問われ、綾香はぼうっとしていた自分に気がついた。
「あっ、私は・・・、あの・・・」
とっさの問いに綾香は反応できずにいた。
「クハハ、やるではないか。鼠」
金色の青年が口をはさんだ。
「伝わってくるぞ。強者のオーラが。余の良き準備運動になりそうだ」
金属がこすり合う音を響かせながら歩みよる。青年は白い騎士の目の前に立った。
「余のクラスはアーチャー。だが貴様ごときにまだ我が一矢は見せん。まずは貴様の実力を調べさせてもらおう」
そう言ってアーチャーは先ほどの金色の剣を空中からつかみとる。白い騎士はため息を付き、気だるげそうな目で綾香を見た。
「つまり、君が私のマスターで、この金色が敵ということでいいのか?」
綾香はまた話しかけられたころで体を引きつらせた。
「え、あ、まあそういうこと・・・ッぁ!!!」
綾香が「危ない」という前に、アーチャーは白い騎士の首筋を狙って剣を振り下ろしていた。
綾香は瞬間、目をつぶってしまったが、目を開けると白い騎士に抱えられていた。先ほどいた位置とは少し離れている。しかし、先ほどいた位置は、アーチャーの剣が振り下ろされたのであろうか、大きな傷跡を作っていた。その傷跡は白い騎士の首だけではなく、自らも殺傷する範囲の攻撃だということに気付き、綾香はぞっとした。
「マスター、戦いで目をつぶっては行けないぞ」
綾香は今自分が抱きかかえられた状況だと気づき慌てた。
「わ、わかってるわよ!というかおろしなさい!」
アーチャーがこちらを振り変える。
「ほう。余を前によそ見とは、なんとも無礼な奴だと思ったのだが。存外、戦いの油断はしていないようだな」
そう言って剣を構えなおす。
綾香は、アーチャーから目をそらさず白い騎士に話しかける。戦いの覚悟は決めている。
「あなたが私のサーヴァントなのね。私の名前は綾香。遠坂綾香。マスターとして命じるわ。あの金色を倒しなさい!」
その言葉を聞き、白い騎士は目つきを変える。
「了解した。マスター」
そう言って構えを作った。白い騎士の手が光で溢れ、光はあるものを形作った。
それは槍だった。無地の白い槍。シンプルとしか言い様がないただの槍だった。ただ一つ奇妙な点を除けば。その槍は刀身までもが白かった。まるで何か隠すように、その刃は白く覆われていた。
「ほう。貴様『ランサー』のクラスであったか。だがそのような武器で俺に果たして傷がつけられるか。刀身もない槍などただの棒キレだ」
「試すがいいさ」
ランサーはにやりと笑う。
「そうしようッ!!」
綾香の視界からアーチャー、ランサーの姿が消えた。地下室を見渡すが気配はない。
ギイィィィィンッッ!!!
「上!!?」
綾香は急いで地下室を出る。剣戟の音は屋敷に響きわたっている。アーチャーに破壊された居間の方へ走る。そこで綾香は見た。天井からこぼれる月の光に照らされた二人の姿を。
ランサーの瞬足の突きを、アーチャーが剣でいなしながら避ける。槍と剣のあいだで火花が飛ぶ。そのまま剣で切りつけるアーチャーだが、ランサーはこれを槍の柄で弾く。そのまま打ち合いになった二人だが、両者どちらとも恐ろしい速度である。
「これが・・・サーヴァント同士の戦い・・・」
綾香は、ともすればすぐに追いつけなくなるような戦いを瞬きせずに見つめていた。
アーチャーが後ろに飛び、そのまま壁を蹴ってランサーに突進した。ランサーはこれを後ろに引き、避けるがこれはアーチャーの予想通りであった。アーチャーはその勢いのまま居間を破壊し、土埃を起こした。気配を察知する能力ではランサーより、アーチャーの方が優れている。ランサーは槍を構え、集中した。ランサーの真後ろでアーチャーの黄金の刀身が光る。ランサーは振り返らず、そのまま槍を後ろにつきだした。
土埃がはれ、綾香が見たのは、アーチャーの剣がランサーのがら空きの首の寸でのところで止まり、ランサーの槍が、これまたがら空きのアーチャーの心臓の寸でのところで止まっていた。
「ほう。余の一撃を防ぐか。確実に捉えたと思ったのだが。何かの能力か」
ランサーは黙っている。
「ふっ、まあ話さずとも良い」
アーチャーは剣を下ろす。それと同時にランサーも槍を下ろし、振り変える。
「貴様。なかなかの使い手だな。名のある騎士とみた。喜べ。貴様は余の力を見せるのに値する」
剣を消すアーチャー。綾香は気づく。風が出てきたことに。そしてその風はアーチャーに向かって吹き付けている。ただならぬ雰囲気がアーチャーから出ていた。ランサーは目の色を変えた。槍を構えながら素早く移動し、綾香を自分の背中においた。
「・・・ランサー?」
「あの傲慢な青年。想像以上の力を持っている。今発動しようとしている宝具。あれは相当にヤバイものだ」
「ホウグ?ちょっとランサーどういう・・・」
轟!!と音が起こり、風がさらに強くなる。綾香はランサーの顔に汗がにじんでいることに気づいた。
アーチャーの周りを紫の炎が舞い踊る。アーチャーは弓を引く動作をした。まるで何百年も開けていなかった扉が開いたような音が鳴る。綾香は変な悪寒を感じた。
「すまないな、マスター。あれを防ぎきれないかもしれない」
ランサーの言葉は偽りでないと綾香は気づいたが、強大な力を前にどうすることもできなかった。
力を十分に貯めたアーチャーは不敵に笑う。
「クハハハハ!!第6次聖杯戦争、最初の脱落者は貴様らだ!!」
アーチャーの手に、今まさに破滅の一矢が番えられようとしていた。
いいペースですね!
最高夏休み!でも文章力爆死!!グハッ
とりあえずどんどん書こうと思います!
このガラスで豆腐なメンタルが砕け散らないうちに
沢山かいて波に乗りたいです!
応援よろしくお願いします!