…。
見たところ、最近の死体みたいだ。
女のヒトの…。
まさか、こんな者につられるなんて…。
「ははっ…」
なぜか、笑えてきた。
「ははっ…あはっ、あははっあはハハ」
――――っ!!
「うあぁあぁあ゛あ゛あ゛っっ」
笑いと涙が止まらない。私は本当に喰種になってしまったのか。 じゃぁ、もう。大好きだったお母さんの手作りハンバーグも、摩耶とよく行ったファーストフードの食べ物も。
一緒にタベられないんだ…。
空腹と絶望でどうにかなりそうだ。どうしたら…。どうしたらっっ!!
―――――――――――――
食べて仕舞おう…。こうなってしまった以上、そうでなければ生きていけないんだろうし。まだ分からないじゃないか。喰種ではないという可能性が1%くらいは残ってるはずさ…。
それに、この死体…。最近のもので腐食はしてないし、私が殺したんじゃないんだ…。
こんなにも美味しそ…っ
自分の口に手を当ててみる。
ネチャッ
ッ!!。よだれ…。食べたい。タベたい。たべたい。オナカスイタ。
ダメなのに。あぁ。…いただきます。
――――――――
初めてのヒトの肉はとても美味しかった…。
自分の涙とまざって少ししょっぱく感じた。
私は残り1%の希望も自ら捨てたのだ…。
「はぁー…。あぁーあ。これからどないしよ。」
とにかく、もうきっと私は喰種なのだろう…。
憧れていたものに私はなれたのに、どうしてこんなにも辛いんだろう…。
「ここにいても、仕方ないか…。かえるか…。」
――――――――次の日
お腹が減った。おかしい。テレビでは月に一回とか言ってたよな…。今まで抜いてたからか…?
ぐうぅうぅぅ…
お腹の音が止まない。昨日食べたばっかなのにな。どうしよう。昨日の樹海へ行けばまた見つかるかな…。ダメだ。ヒトを喰らって生きていかないとならないからって。こんなにも順応が早くていいのか…?ヒトとしてどうなんだ?…ヒト?そもそも私はヒトなのか…?
「さあぁー、やあぁー!とおぉ!」
「ひゃっあぁ!!」
全身の力が抜けた。おっはよー。と摩耶が私のわき腹をこしょこしょしながら言う。
「や、やめ!そ、しょこはだ、だめ!」
にひひぃっと笑う摩耶を見ると私のお腹の音はさらに大きくなる。
美味しそう…。
だめだ。だめだ。いくらなんでも親友だし。我慢が、まん…。
「…沙耶?どしたの?大丈夫?さ…」
ガブッッッ
―あぁ、私は最低だ。でも…美味しい…。
―――――――――――――――
思い出した。なんで私が喰種に憧れたか。
好きな人を、人間を、食べて見たかったんだ…。好きだからこそ、自分の中へ、取り組みたかったんだ…。食べたかったんだっけ…。
そう、好きだからこそ…。
――いや。
好きじゃなくても、人間を、ふくよかな人間を見ると食べたい衝動に駆られていた。生き血をすすって肉を食べて、骨を舐めたかった。
だから私は喰種に憧れていただっけ…。
なんだ、単純な事だその願いを神様は叶えてくれたんだ。なのになんで私怖がってんの…。
怖がる必要なんて。なかったんじゃん…。
――――――――――――
気がつくと私は血塗れで。周りにはたくさんの肉片が散らばっていた。そして、摩耶の身につけていた服とアクセサリーと…。
「私って最低やな…。でもしゃーないよね。それに…、摩耶は私の中できっと永遠に生き続けるんやし…。ずっと一緒やん。ふふふ…」
――――――――――――次の日。
《昨日、大阪で喰種による補食事件が起きました。被害にあったのは、市内の中学校に通う女子中学生で…》
「摩耶ちゃん…。沙耶…。」
母が私の方へ振り向く。
「…摩耶……。」
私は必死に嘘なきをして誤魔化した。
『仕方ない。』で、すましてしまった。言う言葉なんて出てくる訳ない。
あぁ。私は本当に嫌な人間…。喰種…?
分からないけど。
嫌なヤツになってくんだな。
親友を裏切れる程に。
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