アブソリュート・デュオ~万物の意思~   作:Y・MOOT

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読者の皆様お久しぶりです。大変長らくお待たせしました。

いや~、大学生活をおくるにあたっての一人暮らしに未だに慣れることが出来ずにいます。生活環境がかなり変わって色々とバタバタしている状態です。

ですので、今後も投稿ペースが落ちると思いますがご了承下さい。

ではでは、あまりお待たせするのもいけないのでここらへんで。


それでは、第8話をどうぞ↓


第8話~「えい♪」~

 GW明けの朝の学食では、トラとタツを除いたいつものメンバーで朝食をとっていた。

 

「しかし、キミも少しは彼らを見習って野菜を摂るべきだと私は思うのだがな」

 

 巴が刃達の方を見ながらため息混じりに透流に言う。

 

「うっ……」

 

 耳の痛い事を言われた透流は刃達のトレイへと目を向けると更にため息をつくのであった。そして、朝食を終えてそのまま皆で教室へ行くと退院日を前倒しして来たトラとタツがいたため少しやり取りをしていると、HR開始のチャイムが鳴ったためそれぞれの席へ着くと同時にうさ先生が何時ものハイテンションで教室に入ってくる。(なお、うさ先生についての事は刃が巴やみやび、トラに教えていたため驚くことはない)

 

 そして、うさ先生が《新刃戦》の特別賞与について話し出す。

 

「――というわけで、成績の良かった《絆双刃》は特別賞与として《昇華の儀》を土曜日に受けることが出来るよー。えーっと、受けられるのは――」

 

 うさ先生が口にしたのは透流&ユリエ、巴&みやび、トラ&タツ、他二組の《絆双刃》。そして――

 

「ちなみにー、刃君&奏ちゃん、結李嘩ちゃん&李々嘩ちゃんペアは《無限位階[インフィニティー・レベル]》なのでぇー♪ 他の皆みたいに《昇華の儀》をしなくてもー、卒業できちゃうよー☆」

 

 その言葉に、クラスメイト達が妙に納得していた。

 

 

 

 時刻は昼を回って午後、久しぶりの体力強化訓練となったのだが、GWも明けたから今日からは訓練も本番だとうさ先生が訓練内容を説明する。その内容を聞いたクラスメイト達は、あからさまに嫌そうな顔をするが――

 

「奏は、皆がゴールするのをここでまってるからね。皆がんばってね」

 

 奏が笑顔で言うと、一部(透流、ユリエ、巴、みやび、トラ、タツ、刃達三人)を除いたクラスメイトたちが――

 

「ファイトーー!!」――「「「「オォォォーー!!!」」」」 

 

 無茶苦茶テンション上げていた。

 

 

 

 

 

 

 土曜日の朝何時も通りHRが始まると、うさ先生が転入生を紹介すると口にした直後、教室に入ってきた黄金色の髪と蒼玉の瞳を持つ外国人の美少女を見て刃達四人以外のクラスメイトのほとんどが息を呑む。

 

{あれが、《特別》のリーリスか}

 

{モデルさんみたいだね。お兄ちゃん}

 

{まぁ、見た目が美少女なのは間違いないな}

 

{確かリーリスちゃんは、《焔牙》が銃でしたよね?}

 

{そうだな。確か、ライフルだったはずだ}

 

{ねぇねぇ、おりっち。私達の事って《特別》のリリっちでも知らないんだよね?}

 

{あぁ、そうだな。俺達を《特別》という形として知っているのは、学園に勤務している教職員やあの子供理事長にここに居るクラスメイトだけだ。俺達が《特別》である事は記録媒体には一切載ってない。そして《絆双刃》を決める時に使った生徒名簿は、俺が制作した特別品だから学園側自体の記録には載らない}

 

{ねぇねぇ。お兄ちゃん、透流くんがリーリスちゃんに連れて行かれたよ?}

 

{ん? あっ…本当だ}

 

 刃達が念話をしていると、透流がリーリスに連れて行かれていた所だった。この後、一時限目の途中で戻ってきた透流は罰として二時限目以降はうさ先生の命令で外を走らされていた。そして、昼の鐘が鳴り響いている中ゴールした透流のもとにいつものメンバーが集まっていた。

 

「所で、確か刃達も《特別》だったよな」

 

「あぁ、そうだな」

 

「同じ《特別》でも、こんなに権力の使い方が違うなんてな。リーリスには刃達を見習ってほしいぜ」

 

「それは。しょうがないよ。透流くん」

 

「奏の言うとおりだな、透流。人によりけりだ」

 

「まぁ、見た感じリリっちはお嬢様キャラっぽいもんね♪」

 

「透流君も災難でしたね」

 

「全くだ。こっちはとばっちりみたいなもんだしな……」

 

 この後は昼食を済ました後に、無事に透流達が《昇華の儀》を終えたところで、いつの間にかそこに居たうさ先生の提案により屋外格技場で《焔牙模擬戦》をして力試しをした。(途中、透流と巴の模擬戦で袈裟固めをした巴が、相手の動きを完全に封じるのも勝利なのかとうさ先生に聞くと、誤解を招く言い方でうさ先生が返したため巴が誤解したまま逃げていくこともあったが)その日の夜、刃の部屋には奏とシャヴィ(人間姿)以外に結李嘩と李々嘩が来ていた。

 

「じゃあ、明日は日曜日だし何処か出かけようかと思っているんだけど……皆は何処か行きたい所とかある?」

 

「奏は。お兄ちゃんの行く所なら何処でもいいよ」

 

『私も、奏と同じ意見よ』

 

「私も特に希望するような所は無いですね」

 

「ハイハイ! 私、<あらもーど>って所行ってみたいな♪」

 

「あらもーど? 李々嘩、詳細よろしく」

 

「オッケー。 簡単に言うとすっごく大きいショッピングモールだよ!」

 

「なるほど……じゃあ、そこにしますか。他の皆もそこでいいかな?」

 

「うん。いいよ、お兄ちゃん」

 

「私もそこで大丈夫ですよ」

 

『刃、私はこの姿でいいのかしら?』

 

「あらもーどの中だけな」

 

『わかったわ』

 

 

 

 そして、翌日――

 

「しっかし、広いなぁーここ」

 

「奏、歩き疲れた……」

 

「人も多くて、少し歩き難いですね」

 

『周りの人達の視線も少し気になるわ』

 

「しょうがないよぉー、私達って結構目立つんだもん。少しぐらい我慢しないと――って、あれ? ねぇねぇ皆、あそこにいるのってリリっちだよね? それと、リリっちの視線の先にいるのって…とるっち達だよね」

 

 その頃、透流達はというと――

 

「その二人は俺の連れだ。何か用があるなら俺が聞く」

 

「と、透流くん……」

 

「九重……!」

 

 透流が現れた事で、少しほっとする二人。そして、透流が現れた事により巴とみやびに絡んできたチャラ男達はどう行動するべきかと顔を見合わせ――

 

「巴、みやび、大丈夫ですか?」

 

 そこにユリエが加わった事で判断をした。

 

「おい。オメーら、コイツを軽くボコるぞ!!」

 

 その言葉と同時にチャラ男達が一斉に動く。

 

「――ッ!!」

 

 少しばかり意表を突かれた透流だが、今の透流にはどうという事は無い。そして、軽くいなせばいいか、と判断したその瞬間である。

 

 タァン……!!

 

 何処からともなく銃声がハーバーストリートへ響いた瞬間――

 

「えい♪」

 

 そんな可愛らしい掛け声とともに、透流に殴り掛かった男の頭の横で大剣を足場にして素手で銃弾を掴んで止めた瞬間、床に刺さった大剣を引き抜きながら大剣の側面で足掛けをして男を転ばせる人物が現れる。

 

「奏!?」

 

「奏ちゃん!?」

 

「奏……!」

 

「奏もここに来ていたのですか?」

 

 思わぬ人物の登場に透流達がそれぞれ反応する中、突然の出来事にチャラ男達の動きが止まった所で――

 

「私達もいるよぉー♪ よっ……と」

 

「透流君達も、ショッピングですか?」

 

「ちなみに、俺もいるからなー…っと。こんな感じかな?」

 

 刃、結李嘩、李々嘩がチャラ男達を取り押さえながら透流達の前に現れた。ちなみに、シャヴィは奏が行動をする前にマグネットになって奏の上着のポケットの中に居る。

 

「なんだ、皆いるのか。そっちこそどうしてこんな所に? って言うか、やっぱり刃達はすごいな……どうやれば一切相手を見ずに、俺達の方見て喋りながら相手を取り押さえられるんだよ……」

 

「それは、練習次第だな」

 

「さいですか……。所で、さっきの銃声は一体誰が?」

 

「あぁ、それなら。向かいのあそこに居るリーリスの《焔牙》だな」

 

 そう言いながら刃はある方向に視線をむける。それにつられて、透流達も刃の視線の先を見る。するとそこには、驚きの表情でこちら(正確には奏)を見るリーリスの姿。そして、彼女の手に握られていた《焔牙》は長銃身のライフルだった。そして刃達の視線に気づき、キッとひと睨みすると《焔牙》を消して奥へと消えていった。

 

「なっ……! リーリスの《焔牙》も銃なのか?」

 

「リーリスが《特別》である理由の一つが、あの《焔牙》を具現化させたからだな。それと、分かっているとは思うが結李嘩のやつとは全く違うからな」

 

「あぁ、それぐらい分かっているさ」

 

 そして、あまり事を大きくしない為に刃が三國へと連絡をしながら皆はその場を離れ学園へと戻った。

 

 

 

 

 数日後、うさ先生がある話をする――

 

「さてさてぇー、交流試合のことを憶えてる人はどれだけいるのかなぁー♪」

 

 その質問に大半のクラスメイトが手を挙げる。そう、大半であって全員ではない。その証拠に、透流がうさ先生にイジられていた。そしてこの後はある程度の説明をうさ先生がした後、堂々とクラスメイト全員で見学をさせて貰おうと格技場へ移動した。そこでは、中央の闘場で既に二年生がメンバー選出の為にバトルロイヤルを開始しているのであった。

 

「俺達からすると、あまり差があるようには何だか見えないな……」

 

「身も蓋もないこと言わないでくれよ刃……」

 

 呆れながら透流が言い返す。

 

「そう言われてもなぁー、実際俺達《新刃戦》の時と同じく《咬竜戦》にも出られないし」

 

「そ、それは…しょうがないんじゃない……かな?」

 

「みやびの言う通りだ。キミ達が《咬竜戦》に出てしまうと、私達が何もしなくても良くなってしまうではないか」

 

「巴ちゃんの言う通りだよ。お兄ちゃん」

 

 などと会話をしながら見ていると、二年生のメンバー選出が終わった。そして、クラスメイト達にうさ先生が声を掛け皆が席を立った時だった。格技場の闘場へと入ってきた人物に奏が気づいた。

 

「ん? ねぇ、皆。あそこにリーリスちゃんがいるよ?」

 

 その言葉に皆は奏が指をさした方を見ると、ちょうど闘場の中央で立ち止まったリーリスが驚きの言葉を口にした。

 

「選抜メンバーの決定直後で悪いけど、今から《咬竜戦》を行って貰えないかしら。ただしそちらの疲労を考慮して、あたし一人がお相手するわ」

 

リーリスの言葉に刃達四人以外の殆どの者が呆気に取られてリーリスへ視線を送るばかり。だが我に返った選抜メンバーの一人が呆れたように話し掛けるのだが……リーリスは代わりに行動で示した。

 

「二度は言わないわ。《焔牙》――」

 

 力ある言葉を口にし《焔牙》を具現化させると、一部を除いたほぼ全ての生徒が目を疑う中目の前の選抜メンバーの一人を撃った。しばしの沈黙の後、怒号を発し殺気立つ選抜メンバーの二年生、刃達四人を除き固唾を呑んで見守る一年生。しかしリーリスは、そんな事なんてお構い無しに来賓席にいた朔夜に《咬竜戦》の許可を貰い動き出すと、そこからはリーリスの独壇場となったのであった。そして、選抜メンバーを全員倒し終えたリーリスが《咬竜戦》の代わりとなるゲームの名を口にする。

 

「そうね、曲名[タイトル]は――《生存闘争[サバイヴ]》」

 

 翌日、《生存闘争[サバイヴ]》についての説明などを一時限目の授業を変更して行いそこで確認した《生存闘争[サバイヴ]》についてのルールは以下の通りとなった。

 

・一年生チームvsリーリス一人

・《焔牙》使用可

・制限時間は一時間

・場所は<あらもーど>北館

・一年生チームの勝利条件

 A.制限時間内に全滅(全員が気絶)しない。

 B.リーリスが胸元につけている薔薇の花を散らす。

・刃、奏、結李嘩、李々嘩の四名は原則的に《生存闘争》への参加は不可能。(←うさ先生

 の追加ルール)

 

 午前の授業も終わり本日は晴天なりという事で、いつものメンバーは昼食を外の芝生に

シートを敷いて摂ることになった。

 

「はぁ…なんで月見の奴はあんなルールを追加したんだろうな。刃達がいれば勝率がかな

り上がるんだけどな……」

 

「それはしょうがないよぉー、とるっち。だってー私達が出たら勝率が上がる~とかの

問題以前に、100パーセント絶対に勝っちゃうからねぇ~」

 

「李々嘩の言う通りだぞ、透流。それに、うーちゃん曰く俺達以外のクラスメイト達にも

いい経験をさせたいんだとさ」

 

「しっかりとした理由があるのであれば、あのルールには納得せざるを得ないな」

 

 透流のその言葉に李々嘩と刃が返すと巴が頷きながら納得していたのであった。

 

 

 

 

 そして、時は《生存闘争[サバイヴ]》当日へ――

 






いかがでしたでしょうか?今回も話のペースが早いかなと思います。決してヤケになって書いている訳ではないのです。原作のコピーに引っかからないように書こうとするとどうしてもチキンな性格が出てしまうのです。申し訳ございません。

話の内容的には《生存闘争》の前日までになります。次回は《生存闘争》本番ですが殆ど刃達からの視点になるのであまり《生存闘争》自体に期待しないで待っていてもらえるといいかもしれません。

それではまた次回も遅くなりそうですがまた次回まで。
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