皆さん、初めましての人は初めまして。第1話から読んでくださっている方は前回から5日ぶりぐらいです。初めましての方は第1話から読んで貰うと話がわかると思います。
今回は《生存闘争》本番となっておりますが、ほとんど刃達の視点となっておりますのであらかじめご了承ください。
それでは、前置きもこの辺にして。
それでは、第9話をどうぞ↓
《生存闘争[サバイヴ]》当日――開催会場への移動中のバスの中では、透流達がある事に気づく。
「なぁ、ユリエ。そう言えばこのバスの中に刃達が乗ってないよな?」
「ヤー。言われてみれば、奏達の姿がありませんね」
透流とユリエがそんな事を言っていると、運転席の後ろの最前列席に座っていた月見が話に割って入ってくる。(ちなみに透流とユリエは通路を挟んで左列の最前列席、その後ろにトラとタツ、月見が座っている席の一つ後ろに巴とみやびが座っている)その言葉に他のクラスメイト達も耳を傾ける。
「あっ♪ それなら、もう少ししたら追いついてくるはずだよー☆」
その言葉に透流達はもちろん、他のクラスメイト達も?マークを頭上に浮かべていたその時――
――ファアアアアアアアァァァン
凄いエンジン音を響かせながら透流達が乗っているバスへとその音がすごい速さで近づいて来たため、透流達や他のクラスメイト達は左側の窓の外を見るすると――
――ヴォォン ヴォン ヴォーーーーー
バスの隣に黒い車体に紫のファイアーパターンが多くはいったスポーツカー?が並走してきた。そして、その車の後部ドアのパワーウインドーが開いて中から顔を出したのは――
「り、李々嘩!?」
「どうして李々嘩が乗っているのでしょうか?」
そんな事を言っていると、李々嘩は車内に頭を戻しパワーウインドーを閉めると――
――ヴォーーー ヴォォォォン ファアアアァァン ファアアアアアアアァァァン
もの凄い加速で先へ行ってしまった。
そして、<あらもーど>屋上駐車場へと到着し透流達が降りると刃達はいるがさっきの車が見当たらない。
「なぁ、刃。さっき李々嘩が派手な黒い車に乗ってたんだが、お前も乗ってたのか?」
「ん? あぁ、四人で乗ってきたぞ。あれ、五人乗りだし」
「そ、そうか。所であの車は、知り合いの車かなんかなのか?」
「まぁ、そんな所だ」
などと刃と透流が話していると黒塗りの高級車が姿を現し停車すると、中からリーリスそれに理事長も降りてきた。この後は、理事長が挨拶を済ましてクラスメイトが館内へ入りその十分後にリーリスが入って《生存闘争》開始となる。しかし、他のクラスメイト達が館内へ行く中、透流だけ少しの間リリースと話してから館内に入る。そして――
「所で、少し気になったのだけれど…どうして、貴方達は館内へ入らないのかしら?」
うさ先生と何やら話をしていた刃達に、リーリスが話しかける。
「ん? あぁ、俺らはうーちゃんの追加ルールのせいで原則的に参加は出来ないんだよ」
「ふーん。貴方達、何かしでかしでもしたのかしら?」
「いやいや。全然そんな事なく、ただ単にうーちゃんの気まぐれだ」
「あっそ。自分のクラスの参加人数を減らすなんて、月見先生も馬鹿な事をするのね。まぁ、四人ぐらい増えたところで変わりはないのだけれど。……それじゃあ行ってくるわ」
そして、リーリスも館内へと入って行った。
《生存闘争》開始から四十分、<あらもーど>屋上では朔夜・三國・璃兎に刃達四人そしてリーリスの執事であるサラが、結李嘩のリアルタイムスペーススキャンで《生存闘争》の状況を見ていた(最初これを見たサラは驚いていた)のだが――
「さてと、予想通り招待してない客もそこまで来たから俺達はそろそろお仕事開始といきますか。行くよ、奏。それじゃ、そっちは任せるよ結李嘩に李々嘩」
「待ってー。お兄ちゃん」
「えぇ、わかりました」
「おっけー。まかされたよ♪」
「こういう時は、とても頼りになりますわね。刃」
「実際、彼等に勝てる者などこの世界には存在しないわけですから」
「ホント、刃達が仲間で良かったとつくづく思うわー」
「じゃあ、予定通りにということで…うーちゃん演技よろしく」
「へいへい」
刃達が姿を消してから五分後。タンデムローター式の大型輸送機が<あらもーど>上空へ着くと屋上へと降下した大型輸送機から、口元しか見えないヘルメットを被り戦闘服の上から胸部や腕を装甲で覆った、屈強な男達が二十人近く降りてくるのであった。そして、
刃の言っていた通りに演技をした璃兎によって朔夜達の周りを常人では有り得ない速度で男達が囲んだその時――
「くはっ。かかったな、結李嘩!!」
「うーちゃん、演技お疲れ様です」
突然の璃兎の言葉と何処かから聞こえた声に、一瞬男達の気が逸れた瞬間――
――タァーーン
何処かから銃声が響いた瞬間、朔夜達を取り囲んでいた男達が一斉に倒れた。そして、倒れた男達のヘルメットの内側は紅く染まっている。この光景に部隊長である《K》は驚きを隠せないで言う。
「なっ……。一体何が起こったと言うのですか!?」
「くはっ、残念だったなぁー。部隊長さんとその後ろにいるじいさんよぉー、ここに居るアタシ達以外に人がいないなんて何時言った?」
「ちっ……。伏兵ですか…」
《K》が舌打ちしながら毒づくと。
「そうだねー、伏兵ってやつだね♪」
後ろの輸送機の方から声がする。
「っ!!――いつの間に!?」
《K》と白衣を着込んだ痩躯の老人《装鋼の技師[エクイプメント・スミス]》のエドワード=ウォーカーが後ろを振り返ると同時に――
「ていや♪」――ドゴンッ メキッバギバギ
李々嘩が輸送機をガンランスで破壊した。
「き、貴様!!」
《K》が武器を構え動き出そうとした瞬間――
「あら、後ろだけに気を取られすぎてはダメですよ?」
「っ!!!」
いきなりの背後からの声に《K》は振り返りながら攻撃を仕掛けるが――
「もう遅いですよ?」
と言いながら攻撃を仕掛けてきた《K》の右腕を抑え。
「また何時か、お会いしましょうね」
そう言いながら《K》の腹部に銃口をあてながら引き金を引いた――
結李嘩達が外での事をあらかた片付けた頃<あらもーど>館内では――
{そうか、そっちは片付いたんだな。こっちも今、館内に入って来た奴を尾行中だ}
{はい、こっちはもう大丈夫ですので刃君にはリーリスちゃんの事をお願いしますね}
{あぁ、わかった}
{かなっちも、がんばってねー♪}
{うん。わかったー}
刃と奏が結李嘩と李々嘩に念話していた。そして、また尾行を再開するのであった。それから少しした頃、外での出来事など全く知らずに透流達はリーリスと戦っていたそして――
「あたしはまだ諦めない!!」
「――っ!!」
強い意志の光を瞳に灯しながら、蹴り上げた《銃》を掴む。
「くっ……!」
そして、透流も咄嗟に自身の血で汚れた拳を引いて構えた所で――
パァンッ!!
リーリスの《銃》とは違う乾いた音が響き、リーリスも透流も動きが止まるのと同時に後ろから聞き覚えのない男の驚きの声がした。
「なっ……一体どうなってんだこれは!!」
透流とリーリスは声のした方を見ると、驚きの光景を目にする。
「い、一体何がどうなれば……」
「銃弾が空中で静止するっていうのよ!?」
透流とリーリスが息のあった反応をしていると、戦闘服に身を包んだ三人の男の目の前で空中に静止している銃弾と透流達の間にゆっくりと歩きながら透流がよく知っている人物が二人、透流とリーリスの目の前に現れる。
「刃! それに、奏!どうしてここに!?」
「何で、貴方達がここに……参加は出来ないはずじゃないのかしら?」
「原則的にはな……ただし、こんな異常事態の時は介入出来るようになってたんだよ」
ここで、三人の男の内の中央の男がしびれを切らし――
「オイッ! 何訳のわかんねー事ぬかしてんだよ! ガキィィィ」
怒鳴り散らしながら背中にかけてあったアサルトライフルを構え奏に向かって引き金を引く。
「「「「「奏!!」」」」ちゃん!!」
その男の行動を見た透流・ユリエ・トラ・巴・みやびが叫ぶが――
「うーん。どうして無駄だってわからないのかな?」
何か考える様に首を傾げて言っている奏の目の前で、撃たれた銃弾が次々と空中に静止し奏の足元へと落下する。
…「「「「なっ……!!」」」」…
そんな現象に、刃と奏以外のこの場にいた透流達やリーリス、そして正体不明の三人の男達は空中に静止した銃弾に又しても驚く。そして――
「さてと、気は済んだかい? 《K》の部下さん達。できれば、このままお帰り願いたい所なんだけど?」
刃がある意味では最終警告とも取れる事を言うが……
「舐めてんじゃねーぞ!! ガキ!! 」
「やっぱ、お前から先に殺してやる!!」
「後悔すんじゃねーぞ!!」
そう言って男達が声を荒らげながら一斉に刃に向かってくる。どうやら、この男達には学習力がないらしい。そんな様子を見て刃は、はぁ…とため息をつくと。
「みやび。俺がいいって言うまで目を閉じといてくれるかい?」
「えっ!? う、うん。わかった」
いきなり刃に声を掛けられ一瞬ビックリしていたが、言われた通り目を閉じる。刃はそれを横目で確認すると――
「奏、アイツ等の手足を原型を残した状態で砕いてくれる?」
奏だけに聞こえるようにそう言うと――
「うん。わかったよ、お兄ちゃん。――えい♪」
奏が可愛らしい掛け声を発すると同時に、もう少しで刃へと攻撃を当てそうな所であった三人の男達が――
「「「がっぁぁぁぁぁ!!!」」」
突然叫び声を上げながら、刃の目の前で倒れた。この現象に透流達は、一体何が起こったのか全く理解出来ないでいた。そして――
「な……なに、を…しやが……った。クソ…ガキィィ」
「なに、簡単な事だよ。奏の能力で、お前らの手足の骨だけピンポイントで複雑骨折レベルに砕いただけだ」
これは、奏の《重力[グラビティ]》の能力による攻撃なのだがこの場に居る者で刃と奏以外は刃達の能力については一切知らない。
「それじゃあ、ザックリと解説した所でもう一度だけ聞こうか……まだ、やるのかい?
ちなみに、屋上では既に《装鋼の技師[エクイプメント・スミス]》は拘束済みで《K》については気絶状態で拘束。そして、屋上に居た《K》の部下は全員死んだけど?」
「なん……だ…と……」
衝撃の事実に刃の目の前に倒れていた男が呻きながらも反応する。そして、この場にもう一人だけ刃の言葉に反応する者がいた。
「《装鋼の技師》……。どうして、貴方がそんな事を知っているのかしら?」
そう、リーリスである。
「それは、屋上で向こうから自己紹介してきたからな。そんでもって、屋上での戦闘は結李嘩と李々嘩に任せて俺と奏はこの三人を追ってきたからな」
「そう。 わかったわ」
「さてと、リーリスの疑問も解決した所で……お前らには今から俺の質問に答えて貰おうか。一応言っておくけど、正直に答えない場合は地獄に落ちてもらうから」
呻きながら倒れている三人の男たちに刃が言う。そして、刃は蛇腹剣型の《焔牙》を具現化しながら質問を開始する。
「まず、一つ目。今屋上にいる朔夜やここにいるリーリスを狙った本当の目的はなんだ?」
「誰が、おま…えなんか……の質問…に、こた…える……かよ……」
倒れている三人の内の左側にいた男がそう言うと、刃は――
「そうか、残念だ。正直に、知らないなら知らないと言えば良かったものを……という事で、さようならだ」
――ドゴッ!!
「がっ――!!」
言いながら刃はその男を、蹴り上げる。するとまるで、ボールを蹴った様に男が空中へ投げ出されると二階の高さぐらいまで飛んだあたりで――
――ブンッ!!―――ドゴォォォォン!!
右腕だけで蛇腹剣を袈裟斬りのように振ると伸びていった蛇腹剣で切りつけながら床に男を凄い勢いで叩きつけた。そして、叩きつけられた男は床に殆ど埋まって全く動かない。目の前で起こった事に一部を除いた(みやび・刃・奏)この場の全員が驚きの表情をするがしかし、そんな事を気にする様子もなく刃は続ける。
「次、二つ目。どうして、この場所がわかった?」
「そんな事……言う訳ねー…だろ」
きっとこの男達は馬鹿なのであろう。右側にいた男が言うと。
「そんな事だろうと思った……よっ!!」
言いながら刃はさっきの一人目の男と同じことをし――思い出したかのように言う。
「あっ! すまん、みやび。もう目を開けてもいいぞ」
そして、みやびが目を開けると。
「じ…刃君、一体…何が起こったの?」
「まぁ、色々?」
「そ、そうなんだ……」
何が起こったのか分からず、みやびは恐る恐る刃に聞くがはぐらかされてしまう。そして刃は――
「きっと、お前に質問しても意味ないんだろうなー。という事で、お前は《K》と一緒に拘束する事にするよ。結李嘩! 李々嘩!」
そう言って刃は二人の名前を呼ぶと。
「はい。何でしょうか刃君?」
「なになにー、どしたの? おりっちー」
結李嘩と李々嘩が現れる。(突然透流達の近くにあった柱の影から現れた為、透流達やリーリスはビックリしていた)
「お願いがあるんだけど、コイツを《K》と一緒に拘束しといて欲しいんだけどいいかい?」
「えぇ、分かりました」
「なんだー、そんなことかぁー」
「あぁ、頼んだ」
そう言うと、結李嘩と李々嘩は刃の前に倒れていた男を引きずって持っていった。そして――
「さて…なんかもう少しで勝負が付きそうな所で、横槍を入れたみたいですまないな」
「いや、そんな事ないぜ。助けてもらった様なもんだしな。それと、どこからツッコめばいいかわかんないしな……」
「まぁ、それもそうか」
刃と透流がそんな事を言っていると。
「ちょっと! あたしの事忘れていないでしょうね!」
リーリスが割って入っくる。そして、刃がある提案をした。
「お詫びと言ってはなんだが、これで決着を付けるってのはどうだ」
言いながら刃は、ポケットの中から一枚のコインを取り出した。
「おう、俺はそれで構わない。リーリスは?」
「えぇ、あたしもそれで構わないわ」
二人はそう言ってお互いに向かい合いながら構え、刃がコインを指で弾く。そしてコインが頂点に達すると落下し始め――
キィ――ン。
床に落ちた音を合図にして、透流とリーリスが同時に動く。そして刹那の後、薔薇が散り――
今度こそ《生存闘争》は幕を下ろしたのであった。
いかがでしたか? なんとか今回は早めに投稿する事が出来ました。
相変わらずの刃達の最強ぶりです。
今回は《生存闘争》の話でしたが、ほとんど刃達視点でした。
本当は透流とリーリスの決着後の話がこの後あるのですが……相変わらずのカットです。すいません。
少しだけ補足を、一応《K》は気絶状態から覚醒し始めたところで屋上に上がってきた透流・ユリエ・リーリスの姿を見ています。つまり、今後の展開は一応(《K》が透流を敵としているという意味では)原作通りに進んでいきます。とてもゴリ押し補足ですいません。
ということで、次回からは原作三巻の臨海学校の話となっていきます。それでは、次回も一応不定期投稿ですが、よろしくお願いします。