アブソリュート・デュオ~万物の意思~   作:Y・MOOT

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               後編です↓


第3話・後~「ホントはねーこれ、マッハ1まで回転速度あげれるよー」~

「それではー入ってきてもらいましょー☆カモーン♪」

 

 (――そうかあの席は推薦入学者用か…だとしたらその中に兄妹の男女ペアがいるんだな。一体どんな奴なんだ……)

 

 透流がそんな事を考えていると、教室のドアが開き四人の生徒が入ってくると教室内がざわつき始める――

 

「ねっ、ねぇあの男の子カッコいいよね!」

 

「男の子だけじゃなくて、女の子も皆可愛い子ばっかりよ!」

 

「ぜってー二番目の子だって」

 

「いや。三番目だろ」

 

「お前らわかってねーな。ここはあえて四番目だ」

 

 などなど教室のあちこちから聞こえてくる。透流自身も驚いていた。それもそうだろう、いくら兄妹だとしてもある程度似た面影ぐらいあるはずだ。しかし――

 

 (おい…アレで本当に兄妹なのか?二人の似ている所って片目だけじゃないか……)

 

 そんな事を考えていると、うさ耳の担任が話を進める。

 

「じゃあ自己紹介の方よろしく♪」

 

 すると透流達から見て左端、180cmぐらいで少し細めの体型、全体的に少し長めで外ハネが少しあり耳が隠れた銀髪で、(透流達から見ての)左眼がルビー、右眼がゴールドのオッドアイの少年が、一歩前に出てうさ耳の担任の方を見て――

 

「なぁ、《焔牙》の方も紹介しといた方がいいか?」

 

 そう言った。するとうさ耳の担任は――

 

「うん☆そうだねー、しといたほうがいいね♪」

 

 と返事をする。

 

 (あ、あいつもユリエみたいに見た目と違って、日本語出来るのか……しかも、《焔牙》の紹介もしてくれるのか……)

 

 透流がそう思うのも無理はない。そして、前に立つ少年が返事を返し自己紹介を始める。

 

「わかった。では、このクラスの皆さん初めまして。昊陵学園に推薦入学した、織神 刃です。こんな見た目だけどちゃんと日本人だからな。後は、去年まで太平洋の向こうの自由の国にいました。ちなみに、隣の三人もな。他には…そうそう、隣にいる妹が唯一の家族で親はいません。じゃあ最後に」

 

 そして力ある言葉を発する――

 

「――《焔牙》」

 

 言いながら右手を前に突き出し、下から何か引き抜く様な格好をすると《星紋》から溢れた《焔》がその手から下に棒のように集まる。そして、少し引き抜くような動きをしつつ右下前に《焔》をはらう様に動かすとその中から出てきたのは――

 

「これが俺の《焔牙》――大型可変式ブレードだ。」

 

 そして皆に見えるように真横まで右腕をあげると、刃の《焔牙》を見た生徒達は不思議そうにそれを見る。透流もその中の一人だ。

 

 (一体何なんだあの《焔牙》は…可変式?それに本当にあれがブレードなのか?)

 

 前に立っている刃という少年の《焔牙》が、柄の部分以外が多数の切れ込みの様な線がはいった1.5mぐらいの一枚の板を、先端の方で斜めに切った辛うじて剣の様に見える物だからだ。そんなクラスの様子に刃は――

 

「まぁ、流石にこれだけじゃわからないよな。ということで、実演してみるわ。一つ目はこれ」

 

 すると刃の持っている《焔牙》が切れ込みの様な線を境に長さはそのままで少し細く変形した。それを見たクラスの皆が驚愕する。それもそうだろう、本来《焔牙》は複雑な構造を持つ武器は具現化する事が出来ないのだから。

 

 しかし、そんなクラスの様子に構うことなく説明を続ける刃は――

 

「この形は日本刀型。そして、二つ目はこれ――」

 

 また刃の《焔牙》が変形する。今度は少し幅が広がり元の長さの倍以上になって――

 

「これは大太刀型な。じゃあ、三つ目――」

 

 またまた変形する。大太刀型よりもかなり幅が広がり、少し短くなって――

 

「これが大剣型で、これは両刃だ。そして最後は――」

 

 そして最後の変形をする。長さと幅は大太刀型だが両刃でノコギリの様な刃になって――

 

「最後のこれは蛇腹剣型。流石にここじゃあ伸ばせないんで、連結を外すだけにするから見ててな」

 

 刃が言うやいなや剣先から次々連結が外れてワイヤー状の物で繋がったノコギリの様な刃の部分の一つ一つが床に落ちる。

 

「まぁ、こんな感じだな。以上」

 

 すると刃の《焔牙》が《焔》となって消えた。そして刃が一歩下がると隣の、ユリエと同じぐらいの身長と体型(ただし、胸のサイズはユリエより大きい)で漆黒の髪を腰まであるストレートロングにし、(透流達から見ての)左眼がサファイア、右眼がゴールドでさらには透流達から見て右側に、口の高さと同じ位置ぐらいの、前髪に5センチ幅の白いヘアピン?をして、そこに車の側面が描かれた平たい何かを付けた不思議な雰囲気の物静かそうな少女が一歩前に出る。そして――

 

「皆さん初めまして。お兄ちゃんの双子の妹の奏です」ニコッ♪

 

 (か、かわいいぃぃぃいいいいいーーーー!!!)

 

 見た目とのギャップに一部を除いてクラスのほとんどがそんな心の叫びをあげる。

 

「えーと。特に言うことが無いからね、さっそく奏の《焔牙》見せるね。あっ、でもでも奏の《焔牙》はお兄ちゃんのと同じなのーけどやるね――《焔牙》」

 

 すると奏はさっきの刃の行動を左右対称になる形で全て左手でする。そして、さっき刃が出した《焔牙》と全く同じものが出てきた。ちなみに、奏という少女の右隣にいた二人の少女はいつの間にかある程度離れた所に避けていた。また、刃の時はあまり感じなかったが、奏という少女の身長的に、全く同じ《焔牙》のはずなのに少し大きく見える。

 

「変形はさっき、お兄ちゃんがしたから見せなくてもいいよねー。じゃあ、おわりー」

 

 そして《焔牙》を戻して一歩下がる。次に右隣にいた、桜色の髪を腰まであるストレートロングにしライトグリーン一色の(透流達から見て左側に)リボン付きのカチューシャをし、瞳はライトブラウンでモデルの様なスラッとした体型のせいもあり、胸の大きさがより強調されている。そして、何処か全体的に桜をイメージしたような落ち着いた雰囲気の少女が一歩前に出て自己紹介をし始める――

 

「皆さん。初めまして、篠宮 結李嘩といいます。早くこのクラスに馴染めるように頑張りますね。後は、刃君と奏ちゃんとは幼馴染です。とりあえず、これぐらいでしょうか。では、私の《焔牙》を紹介しますね――《焔牙》」

 

 その力ある言葉を発しながら右手を前に突き出すと、《焔》がその腕ごと包み込むように広がり、そして弾けると――

 

 (今度は一体何の《焔牙》なんだ?あれは…銃なのか?)

 

 そう結李嘩が右手に持っているのは紛れもなく銃なのだが、ごく普通に存在している銃などとはかけ離れた形なのだ。詳しく言うと、見た目はトリガーとグリップの部分以外は、大小様々な箱状の物をくっつけてマガジンの無いアサルトライフルの形?にしたような何か。

 

「これが私の《焔牙》の、大型可変式銃です」

 

 (あれで一応銃なのか…って、今また可変式って言ってなかったか?)

 

 そんな事を透流が心の中で呟いていると、結李嘩が説明し始めた。

 

「私の《焔牙》は、アサルトライフル・マシンガン・ショットガン・アンチマテリアルライフル・グレネードランチャー・RPGの全部で六種類に変形する事が出来ます。では、今言った順番に変形させていきますね」

 

 そして先程の刃と奏の《焔牙》よりもはるかに複雑な変形をする。そして、本来のサイズよりも少し大きい銃が出来る。

 

「これが、アサルトライフルモードです」

 

 そして、次々と変形させていく――

 

「二つ目がマシンガンモード……三つ目がショットガンモード……四つ目がアンチマモード……五つ目がグレランモード……最後にこれがRPGモードです。これで《焔牙》の紹介も終わりです」

 

 全ての変形を見せ終わると《焔牙》を戻して一歩下がる。そして、推薦入学者最後の一人である、腰までありそうなライトブラウンのストレートロングの髪を、二つの大きな桜色のリボンでツーサイドアップテイルにし、瞳はライトグリーンのこれまたモデルの様なスラッとした体型で、こちらもまた胸の大きさが強調されていて、身長は隣にいる結李嘩という少女とほぼ同じぐらいの活発そうな雰囲気の少女が一歩前に出ながら自己紹介を始める――

 

「どうもー。皆さん初めましてだよー。私は篠宮 李々嘩。双子姉妹の妹の方でーす」

 

 その言葉にまたしても教室がざわつく。そう、この姉妹も言われるまで気付かないぐらい見た目が結構違うのだ。しかし、顔の雰囲気がどことなく似ているので一度姉妹だとわかれば、驚く事でもない。

 

 (結李嘩と李々嘩は姉妹なのか、まぁ確かにどことなく雰囲気が似てるしな)

 

 そんな事を思う透流。そして、李々嘩は――

 

「あとー、勿論おりっちとかなっちとはー幼馴染だよー。皆よろしくね♪そしてー私の《焔牙》を紹介するよー――《焔牙》」

 

 そして力ある言葉を発しながら、右手を頭の上へ高く上げると《焔》がその腕を巻く様に高速で上っていき、元々右手があったであろう位置すら越え教室の天井にまで届きそうな所で腰位置まで右手を下ろすと《焔》が弾け李々嘩の《焔牙》が姿を現す――

 

 (あれは…ランスだな、少し変わってるのは槍部分の先端から真ん中ぐらいまで、かえしが沢山あるのとランスのサイズがやたらデカイ所か……)

 

 透流はやたらデカイと思っているようだが、李々嘩のランスは全長3.5mで、本当のランスは4~5mを超える物もあるからまだこれでも小さい方なのだが。そして教室にいる生徒達も、前三人の《焔牙》が特殊過ぎたせいか見た目が少し違うくらいのランスとしか認識していない。そんな皆の様子を見た李々嘩は――

 

「あーっ!皆もしかしなくても、唯のランスとしか思ってないでしょ!!私のランスは、唯のランスなんかじゃないんだからねっ!皆聞いて驚くなよー…このランスの正式名称は、二重反転型回転式ガンランスって言うんだからね!」

 

 しかし李々嘩が正式名称を言っても、半分理解出来ているか理解していない生徒しかいない。

 

 (ガンランスはゲームなんかで知っているが……二重反転型回転式ってなんだ?)

 

 そして、透流も半分しか理解していないのである。そして李々嘩は――

 

「うーん……やっぱわからない人の方が多いねー。まぁ、しょうがないか。えーと…それじゃあまず、ガンランスについてね。ほらこの柄に近い槍の部分が、笠みたいになってる所に穴があいてるでしょーこれが銃口ね。これが一周回るように等間隔に計6門ついてるの、要はー突撃しながら撃てるって事。そしてー、二重反転型回転式ってのだけどー回転式は文字通り回転するって事―。それで二重反転って言うのは、主に飛行機・ヘリ・船舶とかで採用してる技術で、回転させるプロペラ・ローター・スクリューなんかを同軸に配置して、各組を相互に逆方向に回転させるの。色々効果があるんだけど、主に機体とか船体にかかるカウンタートルクってのを相殺するための仕組みねー。一応説明してみたけど、皆の反応見てると見せた方が早そうだねー。という事で、実際に見せてみましょー」

 

 李々嘩が言うとランスのかえしが付いている部分が上半分と下半分で逆方向にゆっくり回転する。すると、李々嘩が補足をする。

 

「ホントはねーこれ、マッハ1まで回転速度あげれるよー。今はやらないけどねー」

 

 予想外の補足に教室の生徒達は――

 

 …(((――え!!??)))…

 

 心の中での驚きが重なった。

 

「おぉー。皆驚いてるね♪まぁそういう事で、私の自己紹介は終了だよー♪」

 

 《焔牙》を戻した李々嘩がそう言うと――

 

「あ!そうそう、うさセンセからぁ君達新入生にーこの四人の事で一つお知らせがありまーす☆それはー、この四人も九重くんの様に《異能》なんだけどー♪九重くんと違ってこの四人は《特別》って言うのに分類されてるからね☆まぁ、詳しい説明はメンドーだから《特別》についてはー、本人達から聞いてね♪ はい!お知らせ終了ー」

 

 (《特別》?何だそれ?)

 

「それじゃあ♪四人は自己紹介も終わったしお席の方へどうぞ♪どうぞ♪――でわでわー四人も座った所でー☆この後の事についてぇちょちょいと話したらぁ。少しの間休憩にしまーす☆じゃあ♪この後はね――」

 

 この後の事について話した。

 

「――この後の事については以上だよ♪それじゃあうさセンセが戻って来るまで休憩だよー☆」

 

 そして、うさ先生が教室を出て行くと一部を除くほとんどのクラスメイト達が、一斉に刃達四人を囲む。勿論質問攻めをするために――

 

 (流石に、これは……)

 

 (ふぇぇー……)

 

 (予想はしてましたけど……)

 

 (うへぇー…こんなに無理だよー…)

 

 刃達四人はそれぞれそんな事を思っていたが、うさ先生が戻って来るまでの十五分間。結局、解放されることなく休憩時間が終わるのであった。

 






皆さん、第3話はどうでしたか?

私は予告通り第3話で刃達の《焔牙》にふれることができて一安心です。

今回はコロコロと話の視点が変わるのでどう書けばいいか悩みながら書きました。読みやすかったでしょうか?読みづらかったらごめんなさい。

さて、実はプロローグから第3話・後までひっくるめると五話分なのですが・・・話の内容的に、まだ原作の第一巻の四分の一までいったかな?ぐらいです。かなりスローペースですごめんなさい。

次回は今週中を目指して頑張ります。それでは、次回また会いましょう。
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