読者の皆様毎度どうもです。
今回は《新刃戦》前夜まで一気に話が進みますのでご了承ください。
原作やアニメで名前の出てこないクラスメイトの表記をどうしようかと迷った結果、――ちゃん/――くん という形にしました。
では前置きもこの辺にして・・・
それでは、第6話をどうぞ↓
入学四日目午前の授業は《無手模擬戦》――今日から始まる授業の一つで、自由組手だ。
その模擬戦では、ユリエと巴が周囲の注目を浴びていた。
「あの二人、なかなかいい動きするなー」
「ユリエちゃんも。巴ちゃんも。がんばれー!!」
「ユリエちゃんは、自身の速度を活かしたヒットアンドアウェイ型ですね」
「ともっちは、受け流しの防御が上手いんだね♪」
その刃達の横では透流がトラに何やらツッコまれていた。と、そこで終了のホイッスルが鳴りうさ先生が、休憩の後は相手を変えてするように言っていた。そして――
「ねえねえ。ユリエちゃん。相手がいないなら、奏としよ?」
「いいのですか?」
「うん。いいよ。ユリエちゃんとなら楽しそうだから」
ユリエは何処か嬉しそうな顔をしているように見えた。そして、組手の開始位置に二人が立つと周りに居たクラスメイト達が皆注目する。それもそうだろう、皆《超越の創造者[イクシエイト・クリエーター]》である奏の実力を見てみたいのだ。
「奏―…程々にしとけよー」
「うん。わかった、お兄ちゃん」
刃が声を掛ける。
「なぁ、奏の実力ってどれぐらいなんだ?」
刃の隣に居た透流が聞いてくる。
「それは、見てからのお楽しみだ」
そう刃が言うのと同時にホイッスルが鳴る。
「ユリエちゃん。からどうぞ」
「ヤー。……では」
言い終わるやいなやユリエが一気に間合いを詰めるのだが、ここで驚きの現象が起きる。それは、間合いを詰めたユリエが奏へと右手でパンチをするとそのまま奏の体をすり抜けたのだ。
「っ!!」
驚いたユリエは集中が途切れてしまう。そして――
「すごいね。ユリエちゃん。けど、ざんねんだよ」
いきなり後ろから耳元にそっと囁かれた瞬間――
「っ!?」ガクッ――
突然、膝の力が抜けそのまま倒れこむが両手を前にだし四つん這いの格好で止まる。そして、一瞬にして起こった出来事にうさ先生と刃達四人以外のクラスメイト全員が驚く。そんな中ユリエは――
「……い、一体何をしたのですか、奏?」
何が起こったのかわからずとりあえず立ち上がりながら奏に聞く。
「ん? 最初のはね。残像だよ♪ あとは、ひざかっくん」
「ヤ、ヤー…残像ですか…それと、ひざかっくんとは?」
「説明はしにくいから。実演してあげるね。ユリエちゃん」
そう言いながらユリエの後ろに移動して――
「えい♪」
膝カックンをする。またしてもユリエが倒れそうになるが、今度は奏がそのまま抱き抱えるように止めたため倒れはしなかった。そして――
「まだやる?」
「ヤー」
組手を再開するが結果としては、ユリエは奏に対し全く歯が立たないのであった。そして終了のホイッスルが鳴り、二人が透流と刃達の所へ戻って来た後は刃と透流が組手をする。勿論、透流の完敗だったが。その後は何事もなく無事に午後の授業も終わり、夕食も固定化したメンバー(透流・ユリエ・トラ・巴・みやび・刃達四人)で食べ終え、それぞれが部屋へと戻り今日という日が終わっていった。
五日目、今日も相変わらず午後はマラソンなのだが・・・・・。
「遅いな……」
「みやびのことか?」
透流の呟きに巴が答える。
「確かに、昨日はこのぐらいの時間帯にはみやびはゴールしてたしな」
「みやびちゃんどうしたんだろう……」
「ここ数日で、かなり成長していましたし……一体どうしたのでしょうか、みやびちゃん」
「私達が、皆に合わせて走っていた時はー…平気そうだったよね? みやっち」
と、ここで巴に酸素吸入器を当てられながら介抱されていた女子が少し回復したのか透流や巴、刃達の会話に入ってくる。
「か…奏ちゃん……私…走りきれたよ……頑張ったよね?」
「うん。がんばった。えらいよ――ちゃん!!(泣)」
そして泣きながら介抱されている女子へ抱きつく奏。
「く、苦しいよ…奏ちゃん。……でも…こんな……顔されたら…退学なん…て、できないよ。もっと……かんばらなくちゃね」
そう実はここ数日、毎日のように二、三人と退学しようとするクラスメイトを奏は泣きながら抱きついて止めていたのだ(男女問わず)。その結果、クラスメイトから退学者がでる事はなくむしろ、こんなにも自分達の事を心配してくれる可愛い奏ちゃんを泣かせてはいけないと、クラスメイト達は一致団結しているのである。そして――
「巴ちゃんありがとう、だいぶ楽になったよ」
「それはよかった」
「あ! そう言えば、みやびちゃんだけど半周ぐらいの所で足捻ったみたいで木に寄り掛かって座ってたよ。ごめんね私も一杯一杯で、どうにも出来なくて置いてきちゃったの」
どうやら、みやびは足を捻って動けないようだ。
「本当かそれは!」
「うん。ごめんね巴ちゃん」
「いや、キミが謝る必要はない。しかし、さすがに私で――」
「俺が行ってくる」
巴が何か言いかけた所で透流がそう言った。
「申し訳ない、九重。私が不甲斐ないばかりに」
「そんなに自分を責めないでくれ、橘。じゃあ、行ってくる!」
そう言ってコースを逆走していった。
しばらくして、刃達四人や巴にユリエそしてトラが待っているとみやびをおんぶした透流が戻ってきた。どうやら、みやびは本当に足を捻っただけらしくこの後のいつものメンバーでの夕食にはちゃんと来た。そして今日も一日が終わる――
土曜日――今日は《絆双刃》のパートナー申請の最終日。
大半のクラスメイト達はパートナー申請のために、何処か様子がそわそわしていたが刃達四人には関係のないことである。なぜなら、最初から仮の《絆双刃》ではなく本当の《絆双刃》であるからだ(刃&奏ペア、結李嘩&李々嘩ペア)。そのため、クラスメイト達から声を掛けられる度にそう言うとビックリされていた。さらに刃達四人は、暇つぶしがてら透流とユリエがどうなるか結李嘩の例の能力で傍観していたりもした。そして、いつもと同じメンバーでの夕食時に透流とユリエ本人から正式な《絆双刃》になったと報告された。
時は過ぎ、週明け月曜朝。ハイテンションうさ先生にイジられるローテンションな透流とトラ。そしてうさ先生はサラッと重大発表をする。
「――という事でぇー☆ 《新刃戦》を行っちゃうよー♪」
その言葉に、クラスメイト達が驚きや戸惑いの表情をする。しかし、そんな事お構いなしにうさ先生は話を続ける。
「――いきなり何を言い出すのよこのクソメガネーって。……あ、今の三國センセに内緒ね☆」
{あっ♪ 今の事くにっちに後で言ってこよ♪}
{李々嘩ー…あまり、うーちゃんをイジメるなよー}
刃は李々嘩の念話にツッコミつつうさ先生の話を聞いていた。そしてうさ先生が大体のルールを説明し終えたところで一言。
「全員☆ 敵♪」
そんな事を言うと、またもやクラスメイト達が様々な反応をする中でうさ先生は話を付け足す。
「あとあとー☆ 刃君達は見回り役なのでぇー 生徒同士の戦闘には参加しないよー♪」
その言葉にとある女子生徒が聞き返す。
「それはねー♪ 刃君達が参加しちゃうとぉ 誰も刃君達には勝てないからだよー。だって皆みたでしょー。《無手模擬戦》での強さ、あれでもまだ遊んでたレベルだよー☆ 刃君達♪」
うさ先生の言葉に驚きつつも納得した顔をするクラスメイト達であった。
その日の昼休み。いつものメンバーでの昼食中(正式な《絆双刃》が決まってからはタツも加わった)――
「それにしても《新刃戦》に参加出来なくて、残念だったな刃。それと、見回り役頑張れよ」
「まぁ、予想通りの展開だし残念ではないなー。それと俺達が参加したら、お前ら10秒すらもたないだろうし」
「うっ……それは、否定できないな……」
「だろ。そういう事だから、透流達も頑張れよ」
などと言い合いながら話をしていると、ユリエはトラが言った実験体という意味でのモルモットを動物のモルモットと勘違いし、「私はハムスターの方が好きなので」と言うその一言で、タツ以外は皆椅子からずり落ちそうになるのであった。
《新刃戦》まで残り四日――しかしいくら戦闘技術訓練校といっても、学科勉強は当然あるわけで・・・・二時限目の英語の授業終了のチャイムが鳴ると、教室内のそこかしこからクラスメイト達のため息が聞こえる。そして、机に突っ伏している透流の周りにいつものメンバー(タツは机に突っ伏して微動だにしないので除く)が集まる。透流は勿論だが意外な事に、巴やみやびも英語は苦手なようだそれを成績優秀なトラに「情けない」とツッコまれたりもしていたが、話の矛先がユリエへと変わり一体何ヶ国語出来るのかを巴に聞かれ――
「六ヶ国語です」
「「「「六っ!?」」」」
透流・巴・みやびに成績優秀なトラまで驚くが、驚いていない人達が四名いた。
「六かぁ…まぁ、普通に考えればすごいのか」
「ユリエちゃんは、頑張り屋なんだね」
「そうですね、一応普通の高校生? と考えれば六ヶ国語も出来るのはすごいと思いますよ」
「ユリっちもなかなかやるねー♪」
その四人の反応に刃に巴が質問する。
「む……。ではキミは何ヶ国語出来るのだ?」
「一応言っておくけど、俺のみじゃなくて奏達も俺と同じだからな。そして勿論、話す・聞く・書くの、三要素もしっかり出来てる上での数だからな」
「う、うむ…。わかった」
刃の前置きに巴が返事をすると、透流達も刃の方を見る。そして――
「米英語は勿論だとして中国語に関しては、本当は細かくわかれてんのを台湾語だけを別物として、それ以外は中国語にカウントすっとしてアジア圏だけでも日本語含めて11…そして後は、EUの全公用語+αで31だから合わせて四十三ヶ国語だ」
「「「「「よ……四十三っ!?!?」」」」」
あまりの多さに、透流達五人は目を皿のようにして驚いていた。
「ねえねえ。ユリエちゃんは。ギムレー出身なんだよね?」
「ヤー。そうです」
「奏達も。ギムレー語出来るよ」
「そうなのですか?」
「うん」
「あっ! 確かギムレー語って、北欧系の言語に似てたよね? もしかして……ユリっちの出来る内の三つはー…北欧系かな♪」
「ヤー。その通りです」
そしてこの後の三、四時限目は《無手模擬戦》の授業となる。今日は 透流 対 李々嘩 ・ ユリエ 対 結李嘩 だったのだが勿論透流達は勝てない。そして奏は、組手が終わったペアへタオルやスポーツドリンクを配ってまわっていた。一方で刃はというと、みやびに無手模擬戦での身体の動かし方のアドバイスをしていた。
《新刃戦》まで残り二日――今日は四時限目の保健の授業で応急処置での包帯の巻き方についてやっていた時に余り物同士で組んでいた透流と巴だが、どうやら透流が変に包帯を巻いたらしくそれをうさ先生に誤解を招くような指摘をされ何やら騒いでいた。というか、教室を飛び出していった巴を透流が追っかけて行った。その様子を見ていた刃達は――
「何してんだろうな……透流の奴」
「ふふ、透流くんもやっぱり年頃な男の子ですからね」
刃の呟きに、綺麗に包帯を巻かれた結李嘩(刃が巻いた)が答える。一方で近くにいた李々嘩は――
「私がとるっちと組んであげればよかったかなぁー?」
などと言っているが、若干Mっ気が出ているせいか微妙に息が荒い。そして、李々嘩に包帯を巻かれた(勿論綺麗)奏はそのままの状態で他のクラスメイト達の所へとヘルプに行っていた。
その日の夕食後、透流は動かし足りない体を動かそうとトレーニングルームに向かう途中でラウンジにいる刃達と巴を見つけ声を掛けるが、謝ってきた巴の土下座をやめさせるのに必死になっていた。そして――
「ところで、橘はここで何をして――って将棋?」
そう巴は刃と将棋をしていた。
「ああ、しかし相手が強すぎてどうしても勝てないのだ……」
「いやいや、巴も十分に強いって」
「連勝しているキミに言われても、正直嬉しくないのだが……」
「なぁ、一体今何回戦目だ?」
「今は六回戦目となるな。そして、私は一勝も出来ていないのだ……はぁ…」
そんなやり取りをしながらも手は現在進行形で動いていて、巴がため息をつく。だがしかし、現実は非常なり。そんなため息をつく巴に刃は――
「巴、王手」
「な、何ぃ! し…しかも、これは完全に詰みではないか……」
六連敗目を喫しガックリと肩を落とす巴。その隣では奏と李々嘩がチェスをしていたのだが、こちらはこちらで――
「チェックメイトだよ。李々嘩ちゃん」
「ま、また負けたー!!」
うがぁー!! と唸りながらテーブルに突っ伏す李々嘩。その様子を見ながら、李々嘩の隣で微笑む結李嘩。ちなみに、李々嘩はこれで七戦中七敗である。そんな様子の巴や李々嘩を見ていた透流は「ドンマイ…」と呟いたのだった。
いかがでしたか。原作通りだとこの後に透流とみやびのお話があるのですが・・・・ガッツリカットです。スンマセン・・・
今回は一気に時間が進んでいったと思いますが、読みづらかったでしょうか? 毎度の事ですが読みづらかったらごめんなさい。私としても読みやすく書けるように頑張っていきたいです。
次回はついに《新刃戦》ですが・・・ほとんど刃達の視点なので戦闘描写は全然というか殆どありません。なので、先に謝罪をしておきます。
大変申し訳ございません(謝)
そして次回なのですが・・・実は私、四月から新生活もといキャンパスライフが始まるのですが、引越しのために荷物を詰めなくてはいけないためしばらくの間、パソコンが使えないのと原作のラノベをダンボールにインしてしまうため書く事が出来なくなるのです・・・・
ですので、かなりギリギリまで粘りますが3月31日の夜中の2時ぐらいまでに投稿出来なかった場合は4月10日以降の投稿になります。予めご了承ください。