「で、これは?」
ただいま黒い斧ーーーもとい、バルディッシュを構えている。
「簡単に魔法を覚えて貰おうかと思って。皆と合流しようと思うけど、飛べないと不便だから」
「飛べるのか!?」
「やっぱりそうなるよね...嘘はついて無いのになぁ…」
俺にも飛べる事が分かり、驚くとテスタロッサちゃんは目に見えて落ち込んでしまった、失敗したな。
「それで、どうすればいいんだ?」
取り繕うのも失礼かと思い、講義の先を促す。
「はい、そのまま待っていてください、バルディッシュ」
「yes sir」
バルディッシュから機械音が鳴ると同時に頭の中に魔方陣が描かれる。ふっと足元を見るとしっかりと浮いていた。
「おお、浮いてる」
「凄い、一回で成功した。」
「こりゃあ、たまげた。」
「え?」
「「え?」」
...何?失敗する事前提なの?失敗した時のこと考えたくも無いよ?
「えと、じゃあバルディッシュ、ザンバー」
「yes sir」
犬ですか?と考える間に、新たな魔方陣が頭の中に写されると、斧の先が動きだし鎌になり、その先から薄い藍色の光?が展開された。
「わぁ、キレイ...」
フェイトはその色を誉めているのだが何だか妙に照れ臭い...って!?
「イッテェ!!?」
魔法がキチンと発動した代わりに、魔法で得た浮力は消え、地面に叩きつけられた。
「大丈夫かい?」
アルフが心配してくれるが、三十センチ位痛く無い!!...訳無かった。
「とにかく!!俺はまだ一度に1つまでしか魔法は使えそうに無いようだ。後これ」
恥ずかしさを押し退ける様に纏めて、バルディッシュをフェイトに返した。
「ありがとう、でも大丈夫?バルディッシュ無しで魔法が使えるの?」
フェイトが心配そうに覗きこむ。かわいいなぁ。
「多分、いける。武器は...これで大丈夫だろ。」
近くに有った短い鉄パイプ拾い上げ、目をつむり飛んだ時の魔方陣を強くイメージする。するとさっきの様にふわふわと浮き始めた。成功だ。
「凄い、魔法...ホントに使えてる...!」
フェイトもビックリする出来だ。恐らく大丈夫なのだろう、と思いたい、マジで。
「と、言っても戦闘は出来ないからなさっきみたいな君達の分身?的な奴らとの戦闘じゃ役たたずになるから頼むな」
こんな小さい子に頼むのもアレだが、状況が状況だ。背に腹は代えられない?何か違う気が...
「任せな!!しっかり守ってやるよ、よーしなのは達と合流するかねぇ!!」
「うん、だからしっかり着いて来てね。できるだけゆっくりにするから」
「ああ、しっかり着いて行くよ」
...まあフェイト達が嬉しそうだからいっか。