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昼休みヒロは体育館の倉庫でマットの上に寝転がっていた。いつも授業は受けずここで寝て携帯ゲームをして、ダラダラすごすのがヒロにとっての日常だった。すると、体育館にボールの音が響く。噂の転入生が1人バスケットボールをついていたのだ。その音にイライラしたヒロは倉庫を出て転入生の元に行く。
「なあ、、うるさいんだけど?」
転入生はヒロを横目で見る。
「誰?」
「てめぇこそ誰だよ。ってか俺寝てたんだよね。静かにしてくないかなぁ?」
「寝たいなら保健室に行けばいい。」
転入生は再びドリブルをし出した。ヒロは転入生のボールをはじき胸ぐらを掴む。
「調子に乗るなよ。」
「君、バスケやってたの?」
「はあ?」
「いや、、油断してたとはいえ俺のドリブルをカットしたから、」
ヒロは手を離した。すると、転入生はヒロに話しかける。
「勝負する?」
まるでヒロのことをバカにするように挑発する。
「3点先取な。」
「オッケ〜」
……
「はあはあ」
「はあっはあ」
「俺の勝ちだね。」
転入生はそういった。
「お前、、、名前は?」
「久那衣(くない)」
「俺はヒロ。お前かなりうまいな。」
久那衣はドリブルをつきながらスリーポイントラインより二歩距離を置く。
「ボストンのストリートで鍛えたからね。」
その時体育館に文の声が響いた。
「ヒロ‼︎午後の授業はちゃんと出なさい‼︎」
ヒロが振り向いた隙をつき久那衣はロングシュートを放った。ボールは回転し綺麗な弧を描いてネットを通過した。
「うそでしょ、、、スリーポイントより遠いのに。」
ヒロは思わずそうこぼした。
「向こうでは俺の身長は低いほうだからロングシュートはかなり練習したよ。」
「やるな〜」
文は転がってきたボールを手に取った。
「えっと、、あんた達友達になったの?」
「知らねーよ。」
ヒロがそう答えた。
「なによ。それより、午後の授業は必ず出てよね。修学旅行の話し合いだから。」
「修学旅行?」
二人は口を揃えてそう聞いた。
「そうよ、うちの学校は二年生の時に修学旅行なの。え、ヒロ知らなかったの?」
「初耳。」
「まったく。お願いだからちゃんと来てね。」
久那衣にパスし体育館を出て行った。
それからというものヒロと久那衣はバスケのおかけで仲良くなっていた。時は少し流れ修学旅行当日ヒロはカバンを持ち家を出る。
「ヒロ。」
父親に呼び止められた。
「これを持って行ってくれ。」
そう言って革の手袋を差し出す。
「はあ?これから沖縄に行くんだぜ?しかも今は五月向こうはもう夏、手袋なんて」
「いいから、持って行きなさい。」
「な、なんだよ。」
いつも以上に真剣な目にヒロは動揺しつつ手袋を受け取る。
「誰かを守るために全力で生きなさい。じゃ、気をつけてな。」
父親はにっこり笑い手を振った。
「んだよ、気持ち悪りぃ。」
ヒロはカバンに手袋をしまいながら学校に向かった。父親は家に入り床の間に座る。ヒロの母親がお茶を持ってきてテーブルに置く。
「これで、よかったの?」
「あいつは俺の子だ。大丈夫だ。」
その時家のチャイムが鳴る。母親が玄関のドアを開けると黒服の男が立っていた。
「あの、どちら」
男はサイレンサー付きの銃で額を撃ち抜いた。男は遺体を踏みつけ床の間にいる父親に銃口を向ける。
「ヒロ。本当にすまない。」
その言葉を最後に父親は目を閉じた。