なんとかマサラ人   作:コックリ

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悩んだ末に執筆しました「ポケモン必勝マニュアル」編!

書こうかどうか迷いましたがクチバシティまでの道中の話もなんか入れたいと思っていたので書いてみました。


果たして需要があるかどうか…。
とりあえず前後編で次の話で終わらせるつもりです。


とりあえず暇つぶしにでもどうぞ。


ノーマルマサラ人 16話

 

 

 

「お~い、もしも~し。カスミさんや~。いい加減機嫌を直しておくれ~」

 

「…………」

 

「いや、確かに『じばく』はジム戦の前から考えてたけどさ」

 

「…………」

 

「ジム戦があんな津波が起きそうなフィールドなんて知らなかったんだよ。いや、ほんとに」

 

「…………」

 

「まぁ、確かに。あの時の水死体のような状態は打ち揚げられて死に掛けのトサキントっぽくて、ちょっと笑ったけどさ」

 

『カスミのにらみつける!』

『シゲルのぼうぎょがさがった』

『カスミのにらみつける!』

『シゲルのぼうぎょがさがった』

 

「何か言うことは?」

「すいませんでした。だからその右手のメガトンパンチは勘弁してください」

 

一撃で目の前がまっくらになりそうです。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

「ところで、ここってどの辺なの?」

 

「さぁ? ハナダシティとクチバシティの間のどっかじゃないのか?」

 

 

 なんとか怒りを鎮めた自称おてんば人魚と一緒にどっかの道を歩いている。迷子である。

というのも、辺りの風景はどこを見ても真っ白の霧。

二人はこの霧のお陰で現在、道なき道を歩く迷子であった。

 

 

「アンタがちゃんと地図を見てないからこうなるのよ」

「ここで残念なお知らせだ。実はこの地図、カスミのお姉さんからもらったものなんだが、日付を見ると俺たちが生まれるより前に作られたものだった」

「……つまり」

「道が改装されて変わっててもおかしくないってことだ。霧が出て道がわかりづらかったからこの地図に頼ったんだが……その結果がこれだよ」

「くっ……姉さんっ!」

「ブイブイ」

 

 

 こんな会話をしながら霧の深い道を歩いているところから、二人と一匹はまだまだ精神的に余裕のようだった。

 

 

「ま、方角は合ってるからいつかクチバシティに着くさ」

「…そうかもしれないけど」

「というか、こんだけ歩いているのに野生のポケモンが出ないことが気になってるんだけど」

「そういえばそうね。近くに町もないのに。……アンタ、この前みたいなショッキングなゲットはやめてよね」

「……そればかりはどうしようも出来ない」

「……なんでよ。なんであんなモンスターボールを剛速球で投げるのよ…」

「長年の癖でつい……。いや、大丈夫だ! ハナダシティで実家に連絡入れた時アドバイスをもらったから、今度こそ問題ないはず!」

「……今度こそって。アンタ、前のイシツブテ以外にもこんなことあったの?」

「ノーコメント」

「それもう答え言ってるから」

「ブイブイ」

「…大丈夫だこんどこそは……ん?」

「どうしたの、立ち止まって?」

「いや、……明かりが」

 

 

 そんな会話のキャッチボールを続けていると霧の中にぼんやりと明かりがあった。

それも一つでなく複数の明かりであった。

カスミも視認したのか不思議そうに視線を向けている。

 

 

「ほんとだ……なにかしら、あれ?」

「複数あるし、なんか動いてね」

「……もしかしておばけ!?」

「ブイ~~~ブイ~~~~」

「こんな昼間からか? 出るなら人魂かもしれないけど。……あとイーブイ、うらめしや~って言いたいのか?」

「人魂だろうがおばけだろうが一緒よ!」

「待てよ、案外ゴーストタイプのポケモンかも知れないな。俺ちょっと見てくるわ」

「って、待ってよ!? 1人にしないでよ!?」

 

 

 二人と一匹が明かりへ近づいていく。

明かりはそれほど大きくなく、ゆらゆらと揺れている。

近づくと少しずつはっきりと見えてくるのは、ロウソク。

火を灯したロウソクをそれぞれ持っている数人の人影が見えてくる。

おばけじゃなかった、と安堵しているカスミを見ながらさらに近付くと、そこには……、

 

 

 

 

 

 

『さぁ、これはなんだ』

『…えっと、ズバット…ですか?』

『霧が深いからといってコウモリポケモンとは限らないぞ』

『……あ、それポッポです!』

『そのとおり。けど、わかって当然。僕たちはその得意技を聞いているんだよ』

『ポッポの得意技は【かぜおこし】、レベル5で【すなかけ】、レベル・・・』

『なのは常識だ。ポッポはどのくらいのレベルで進化する? そしてその進化形の名前は?』

『………』

『ほら、早く答えないとさらに早く走らないといけなくなるぜ』

『……っ』

 

 

 

 

 

「……………」

「……………」

「………ブイ」

 

 

「お、あんなところに公衆電話が。ちょっと用が出来たから電話してくるわ。イーブイ、お前はボールに戻れ」

「ブイ!」

「あ、アタシも」

 

 この世界は旅をするトレーナーが多いためか公衆電話は割とどこにでもある。

しかもお金を払わずに使えるというなんともすばらしい公衆電話だ。

カスミとイーブイと共に公衆電話の前に立ち、受話器を取る。

 

 

「カスミが先に電話する?」

「アンタが先で良いわよ。どうせ同じ所でしょ」

「それもそうだな」

 

 

 受話器を耳に当てダイヤルをプッシュ。

『1』・『1』・『0』と……。

 

 

 

 

「あっ、ジュンサ―さんですか。すいません、こちらに怪しい宗教団体が…」

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

「え、愛の鞭? 野外でトレーニングマシンで走ることが?」

「はい。いつもしていますから」

「なんで野外で……。トレーニングマシンって屋内で使用する物だぞ」

「それも愛の鞭なんです」

「…ゴメン、意味がわからない」

 

 

 電話でジュンサ―さんをコール、すぐさま現場へ到着された。

流石にただならぬ雰囲気を感じ、全員そのまま逮捕…というわけではなく事情を聴き厳重注意のお叱りを受けた団体様方。

聞くところによるとポケモンゼミの生徒だったらしく、団体の方もなにか問題を起こして成績を落としたくないらしく、すぐさまゼミに帰っていた。

残ったのは野外でトレーニングマシンの上で走らされていた、『ジュン』という生徒。

 

 

「…ジュンサ―さん呼んで正解だったな。俺じゃあの状況を愛の鞭で済ませそうにない」

 

あの団体も流石にジュンサ―さん相手に強く出られなかったのだろう。

おどおどしながらゼミに帰っていった。

 

 

「なんていうか…イヤイヤさせられてるんならもう少し強気で抗議したほうがいいんじゃないのか?」

「シゲルも強気でさっきの男たちをやっつければよかったのに。すぐジュンサ―さんに頼るなんて男らしくないわ」

「そんなことになったら俺は腰に着いてる空のモンスターボールに手を掛けざるを得ないな」

「……やっぱジュンサ―さん呼んで正解だったわよ。下手すれば『119』に掛けることになったかもしれないわね」

「最悪、相手が顔面スプラッターになってたかもな。……自分で言うのもどうかと思うけど」

「ブイブイ」

「……あの、何の話をしているんですか?」

 

 

なんでもない、と言って気になっていた事に話題を変える。

 

 

「ポケモンゼミって、確か学校みたいところだったよな?」

「はい、そうです。僕はそこの初級生徒です」

「その学校ってどこにあるんだ? 見当たらないんだが…」

「ああ、今は霧を出してますから見づらいんですよ。ほら、すぐそこにあります」

 

 

『キーンコーンカーンコーン』

 

 

 なんとも懐かしいフレーズが聞こえると同時に霧が晴れだす。

そして見えてくる大きな校舎がかなり近くに立っていた。

 

 

『今日の授業の霧の中は終わります。明日は雪の中での授業を行います』

 

 

 学校特有のエコーのかかった放送がかかり終わると完全に霧が晴れていた。

あの霧の原因はこの校舎のようだ。

野生のポケモンが出ない理由も近くに人口建築物のこの校舎が原因みたいだ。 

 

 

「…はぁ、明日は雪の中か…。きっと雪だるまにされちゃうよ」

「君はいつもあんないじめにあってるのか」

「いえ、いじめではありません。愛の鞭です」

「…君は実はただのマゾなんじゃ…」

「ほら、あの人を見てください」

 

 

 ジュンが指差しをした方を見ると牛乳瓶の蓋の様な眼鏡を掛けた中年の男が芝生に座り読書をしていた。

 

 

「あの人、留年して年を取りすぎちゃって、もうみんなから目を向けられなくなって愛の鞭をしてもらえないようになってるんです」

「…あれだけ年を取ってまで留年続けてるのもある意味すごいな。俺なら実家に帰ってるよ」

「そんなこと出来ませんよ。せっかく入学出来たのに親に合わせる顔がありません」

「ああ…そういえばゼミって入学金がとんでもなかったもんな。帰りづらくもなるか」

 

「あの人、僕と同じ初級なんですけど。ずっと1人で参考書を読んでます」

「あれだけ年取っても初級か…。なおさら帰りづらいな」

「ちなみに名前はベンゾウさんとか」

「いや、名前を教えられても…………え?」

「ねぇ、ポケモンゼミってどんな所なの?」

 

 

 霧が晴れてから校舎を不思議そうに見ていたカスミが会話に加わわる。

どうやらこの面子でポケモンゼミを知らないのは自分だけだと感づいたらしい。

 

 

「ポケモンゼミは全寮制のトレーナー養成学校です」

 

 

ちなみに僕は初級なんでバッジ2個分の資格があります、と前置き説明をする。

ポケモンゼミは入学金・授業料がとんでもなく高いが、卒業者には各ジムでバッジを集めなくてもポケモンリーグに参加が可能になる。

卒業するためには初級・中級・上級とクラスを上げていかなければならない。

初級はバッジを2つ分と同じレベル・中級は4つ分・上級卒業者になるとポケモンリーグ出場資格がもらえる。

なんども言うが入学金・授業料がとんでもなく高い。

 

 

「そういうわけで僕もこのゼミに居たいんです。パパとママが高いお金を払ってここに入学させてくれましたし」

「…そうだったの」

「けど、だからって愛の鞭を素直に受け入れるのもどうかと思うんだがなぁ」

「良いんです。だって問題に正解したらもっと難しい愛の鞭をさせられますから」

「……君、完全に卒業する気ないよね」

 

 

もしかしたら家に帰りづらくてずっとここに居たいだけか、と思ってしまう。

 

 

「というかシゲル。アンタやたら詳しいわね。ここのゼミのこと」

「俺の所にここのゼミから推薦状が来たことがあったからな」

「え!? 推薦状って言ったらここの入学金と授業料が免除されるじゃないですか!!」

「あ~、そんなこと書いてあったっけ」

 

 

もう捨てちまったな~、とぼやきながら思いだす。

オーキド博士の孫、という理由で推薦状が来たのか。

はたまたタマゴの第一発見者ということで一部の研究者から目を付けられたからか旅に出る数か月前に一通の推薦状が来た。

最も、内容を読んでからすぐさま興味を無くし断った。

シゲルの姉もやめときなさい、と言ってシゲルに賛同したし、祖父のオーキド博士も同意した。

 

 

「なんで断ったの? アンタってポケモンリーグを目指してるんでしょ?」

「そのつもりだけど、考えてみたらこの全寮制の校舎で限られたトレーナーとしかポケモンバトル出来ないって思ってさ」

「……ああ、なるほど。確かにポケモンのレベルが中々上がりそうにないかも」

「実践経験も乏しくなるし、ポケモンバトルも決まった闘い方になって新鮮さがないし。なにより全寮制だから遠出して目新しいポケモンがゲット出来ないし」

「確かに息苦しい環境かもしれないわね」

「………けど推薦状をもらえるなんてすごいです! この学園にはセイヨさん以外もらった人はいないんです!」

「…誰、その人?」

 

 

初級クラスのトップの人です、と懐から一枚の写真を取り出す。

 

 

「この人がセイヨさんです。初級クラスなのに既にバッジ3つ分以上の実力を持っているすごい人なんです。しかも他の生徒たちからもすごい人気もあるんです」

「人気があるって、もしかしてさっきの集団の生徒たちも?」

「はい、セイヨさんは特に男子生徒たちから人気がありますから」

 

 

 それは君もなんだろうな…と言いそうになった言葉を飲み込む。

写真の右上に書かれた、傘の下にある『セイヨ』・『ジュン』の二つの名前は見て見ぬ振り。

野暮なことは聞かないのがマナー。

 

 

「要はさっきの集団のリーダーがこの女なんでしょ。なんか性格悪そうね」

「カスミ……ひがむなよ」

「ひがんでないわよ!!」

「やめとけって。カスミが男共を侍らせてたら引くぞ。カスミは今のままで良いんだって」

「なんで慰めてるみたいな目してるのよ! 違うわよ! 姉さんやこの女がうらやましい訳じゃなんだから!」

「わかってる、わかってるって。カスミは今のままが一番ってわかってるって」

「なんかアタシを見る目がかわいそうな物を見てる目になってない!?」

「…あの僕はセイヨさんみたいに性格悪くてもかわいければいいんで」

「悪かったわね!! この女よりもかわいくなくて!!」

「えっ!? いえ、僕はそんなつもりじゃ!」

「カスミ……ひがむなよ」

「ひがんでないわよ!! わかった! こうなったらアタシがソイツに直談判してくる!!」

 

 

 肩をいからせ、大股で校舎に向かおうとしているカスミを慌てて止める二人。

が、ずるずると引きずられながらカスミを歩みを止めることが出来ない。

 

 

「待てっ! 今のお前が校舎に入ると確実に死人が出る! 落ち着け!」

「ゼミで暴力は禁止なんですよ! そうなったら僕このゼミに入れなくなっちゃいますよ~!」

「ここまで言われて黙ってられる訳ないでしょ! なんか言ってやらないと気が済まない!」

「お前は真っ先に手が出るタイプだろうが! 出会い頭に何仕出かすかわからんわ!」

「うるさい! アンタもその写真見て何も思わないの!」

「いや、俺は別にひがんでないし………ブッ!?」

 

 

 真っ先に手が出てシゲルにメガトンパンチ。

流れるようなモーションからこれまでの使用率が伺える。

ほとんどシゲル相手に使用率を増やしていってるが。

 

 

「っ痛て。わかったわかった。ジュン、写真を見せてくれ。こいつの怒りを鎮められそうな物を写真から探す」

「えっ、……あ、はい。どうぞ」

 

 

 カスミを抑えながら再びジュンの懐から出された写真に目を通す。

年は同じくらい、顔もなんの欠点も見当たらない美形。

写真に映っている後ろ姿からはなんの問題もない。

楽しそうに学友と話しているようでもあるし、性格が悪いと言われていたが、あまりそうにも見えない。

完璧超人と言われても通じそうである。

 

 

「…………ん?」

「どうかしました?」

「………いや、この写真って君が撮ったの?」

「え、ええ、まぁ」

 

 

 右上の相合傘が今頃恥ずかしくなってきたのか頬を染めながら頷く。

しかし、シゲルが気にしているのそこではなく・・・、

 

 

「…この写真、明らかにカメラ目線じゃないんだけど・・・。これどこで撮ったんだ?」

「…………」

「…………」

「…………」

 

 

すっ、と写真を懐にしまい、校舎の方へ歩いて行く。

 

 

「…今の時間ならセイヨさんはトレーニングルームに居ると思います。こっちです」

 

 

カスミがドン引きしていた。

 

 

 

 

 





うむ、サブキャラまでもがキャラ崩壊しているな。
けどこれってキャラ崩壊というのだろうか・・・。
原作でも色々とツッコミ所が多い話だった気がします。


今更ながら、カスミの扱いが原作よりもひどくなってる気が・・・。


気のせいですね!!


では、相変わらず更新速度は期待できませんが次回もよろしくお願いします。ノシ
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