インフィニット・ストラトス 黒い鳥降臨 作:禿げ眼鏡(三十路)
ハインツ達の告白から翌日
二日目は丸一日ISの装備試験運用とデータ採集に追われる。特に専用機持ちは大量の装備のデータ採集、武装の最終チェックが待っていた。
学園専用ビーチ
ハインツside
千冬「各員、班ごとに振り分けられたISの装備試験を行え。専用機持ちは専用パーツのテストだ。すぐに開始しろ。迅速かつ正確にな。」
ハインツ「不具合の一つも見逃すな。作業一つ一つが操縦者の安全を守っていると思え!」
「「「「はい!」」」」
ハインツの檄が飛ぶ。装備や整備の不具合一つで操縦者が死ぬことだって有り得る。ハインツ達は戦場で生きてきた。戦場の花形はパイロットだが、花形を支えているのはメカニックマン達。彼等を無くして万全の状態なぞ有り得ないのだ。
ハインツ(・・・・さて、奴は何をするか・・・・)
ハインツは財団が何か仕掛けを施すことを予見していた。特に今日は福音が太平洋上で試験運用することは更識の情報で確認済だ。もし福音が暴走した場合の準備はすでに整えていた。
ハインツ(ヘルムート・・・・福音が暴走した場合の先制攻撃の為にVOBで高高度から攻勢を仕掛ける。しかし・・・・)
万が一の可能性もある。もし作戦が失敗したら・・・・杞憂かもしれないが戦場は常に不安要素が多い。
ハインツ(もし、もし福音の他に敵の部隊が展開されたら・・・・こちらの戦力は少ない。しかも前以上の大部隊が投入されたらこちらが押し負ける。)
ハインツが思考していたその時である。
千冬「ハインツさん、束が来ました。」
ハインツ「そうか。」
ハインツは素っ気なく答えた。
ハインツ「専用機持ちは全員集合!黒鷲隊も集まれ!」
ハインツsideend
束side
束「ちーちゃん、親方来たよ❤」
ハインツ「親方言わない。」
「「「「親方wwww」」」」
ハインツ「草生やすな、草。久々だよこのやり取り。」
ギュンター「親方ww」
一夏「親方ww」
悠翔「親方って・・・・皆笑いすぎだよ。」
ハインツ「・・・・」
ギュンター「いてっ!」バシッ←ハリセン
一夏「ほげっ!」ゲシッ!←蹴り
ギュンターと一夏は罰を受けた。ただし悠翔だけは罰を受けなかった。
ハインツ「・・・・束さん、頼んでおいた例のアレ完成したのか?」
束「もっちろ~ん❗例の新装備、いっくんの新たな刃のお披露目の前に・・・・」
千冬「?」
束「初めまして、クロエとラウラの母で箒ちゃんの姉の篠ノ之束です。みんなヨロシクね。」
千冬「(あの束が・・・・見ず知らずの人間が二人程度とは言え普通に挨拶しただと!)
昔の束を知っている千冬が驚くのも無理はない。束は元々究極の人間嫌いである。そんな彼女が普通に挨拶したのは衝撃の一言に尽きた。
セシリア「お初にお目にかかります。イギリス代表候補生のセシリア・オルコットと申します。ガーランド先生や織斑先生達には日頃お世話になっております。」
束「おー、カッコいいね。流石貴族令嬢、高貴なオーラが漂ってるよ。」
セシリア「ありがとうございます」ペコッ
鈴&シャル「「たっばねさーん!」」
束「おーう、鈴ちゃんシャルちゃん久々だね。」
鈴「えへへへへ~久しぶり~」
シャル「僕も束さんに会いたかったんですよ~」
千冬「・・・・」ムゥ~
クロエ&ラウラ「「ムゥ~」」
三人が膨れっ面になっていた時に束はある少年を見つける。
束「おや?君が例の・・・・」
悠翔「悠翔・エクスィステンツです。ガーランド先生にお世話になっております。」
束「・・・・」ジィー
悠翔「・・・・あの、俺の顔に何かついてますか?」
束「ゆー君って呼んでいい?」
悠翔「え?」
束「ゆー君でけって~い❤」
何かあだ名つけられた悠翔であった。
束「君が簪ちゃん?」
簪「は・・・・はい・・・・」オドオド
束「ふふふふ、そんなに怯えなくても大丈夫だよ。私ははー君達を利用しようとする輩以外の味方だからね。君のお姉さんのたっちゃんも私の味方だから・・・・
お願いね?」
簪「はい。」
そんな時である。
真耶「たっ、大変です!織斑先生!」
いつも慌てている真耶だが、いつも以上の慌てぶりである。どうやらただ事ではないようだ。
千冬「どうした?」
真耶「こ、これを!」
端末を覗く千冬。画面をみた千冬の表情は曇り始めた。
千冬「特命任務レベルA・・・・現刻より対策及び状況を開始されたし・・・・まさか!」
真耶「は、はい!ハワイ沖で試験稼動して・・・・」
ハインツ「しっ!他の一般生徒に聞こえるかもしれん。
気をつけてくれ。」
真耶「す、すみません。」
千冬「山田先生、生徒達に連絡を。テスト及び作業は直ちに中止。別命があるまで旅館自室で待機せよと。」
真耶「りょ、了解です。」
ハインツ「・・・・動きがあったな。」
ギュンター「どうやら、俺達の出番のようだ。」
束「はー君達の・・・・ラウラを利用した敵が動いたんだね?」
ハインツ「専用機持ち全員は旅館の待機室に集合!」
一夏「何があったんです・・・・ハインツさんの敵が、現れたんですか。」
ハインツ「そうだ、作戦会議を行う。時間がない!すぐに状況開始だ。」
「「「「「はい!」」」」
ハインツ(財団・・・・覚悟しろよ。首を洗って待っておけ!)
ハインツsideend
一方、学園では
ヴー!ヴー!
スクランブル発進する一機のISの姿があった。ヘルムートである。実はハインツが待機状態のシュヴァルツェア・アードラーから楯無に緊急用の信号が送られていた。受信と同時にヘルムートに出撃命令を下した。
ヘルムート(・・・・財団・・・・かつてマスターの敵であり、私のオペレーションプログラムの基盤を造り上げた人間。しかし貴様はこの世界で何をするのか。)
楯無『ヘルムートさん。』
ヘルムート『どうしました?楯無さん。』
楯無『一夏君達をお願いね。』
ヘルムート『了解しました。シュヴァルツェア・ヴィント発進する。』
ゴウッ!
ヘルムート『VOB展開、最大速度で高高度から目標地点付近に向かう。』
量子変換されたVOBがヘルムートの機体、シュヴァルツェア・ヴィントに纏われる。
遂に最大の作戦が始まろうとしていた。
こっからデカイ山場だ。どうしよう。