インフィニット・ストラトス 黒い鳥降臨 作:禿げ眼鏡(三十路)
海上で開戦の幕が切られた頃
学園内作戦本部兼管制室
『こちらSフィールド15号砲台、海上で戦闘開始を確認。敵IS四個小隊が第2防衛圏内に侵入。LLLと交戦中の模様。』
『Eフィールド3号砲台、敵IS部隊の一部が第2防衛ラインを突破!海岸に近づきつつあります!』
管制室には各防衛ラインの砲台観測手からの情報が飛び交っていた。防衛艦隊やLLLがいるとはいえ、戦力の差は圧倒的ではないが不利であった。
千冬「敵部隊が海岸に侵入したら専用機持ちと各砲台で迎撃せよ。遠慮はいらん、大火力で叩き潰せ!」
千冬の檄が管制室に響く。
千冬「それともう一つ伝えなければならない事がある。」
管制室が一度静かになる。
千冬「誰一人死ぬなとは言わん・・・一人でも多く生き延びろ!学園の防衛部隊として、全員の役割を・・・確実に果たせ!これは我々に課せられた試練だ!この下らない戦争を全員で終わらせるぞ!」
彼女は防衛部隊全員に命令する。一人でも多く生き延び、全員で役割を果たしこの戦いを終わらせると・・・
とはいえ彼女もただ手をこまねいて見ている訳ではなかった。
千冬「・・・束、例の部隊の展開できているか?」
束「準備okだよちーちゃん。」
千冬「そうか・・・楯無、聞こえるか?」
楯無『準備完了です。いつでも動けます。』
千冬が束に指示した事・・・それは・・・
束「もすもす?ヤークトティーガー隊聞こえる?」
ヤークトティーガーアインス『UNAC1からUNAC3全機出撃準備完了。』
ヘルムートと同型のUNAC部隊が楯無と共にある場所で出撃の用意をしていた。
千冬「真耶、束・・・ここの指揮を頼む。」
真耶「お任せください、織斑先生。」
束「お任せあれ~」
千冬は束達に指揮を任せ、ある場所へ向かう。
千冬「ド三下連中が・・・おそらく、学園の防衛ラインをくぐり抜けて地下区画に侵入してくるだろう。大方こちらの動力施設を破壊するのが狙いだろうな。」
敵部隊は学園に侵入し、防衛部隊と学園内のシステムを無力化するのが狙いだと千冬は推測する。推測ではあるが状況を考えれば、敵が学園に対する攻勢は明らかである。
千冬「さて、私も撃って出るとしよう。」
そう言って千冬は迎撃に向かう。
束「ちーちゃん、気をつけてね・・・」
千冬「・・・行ってくる。」
束に見送られ千冬は学園の地下区画へ向かう。敵部隊の殲滅・・・彼女が今すべき役割である。
束「さーて、やろうか皆!」
『はい!』
そして束達は学園を守る為、前線は出れずともやるべき役割はたくさんある。大事な生徒達を守る為に・・・
地下区画付近
千冬「・・・学園はやらせる訳にはいかんのでな。私は私の役割を果たそう・・・」
彼女はISを持っていない・・・いや正確に言えば持っていたが正しい。かつての愛機暮桜は地下深くに封印されていた。持っていたとしても恐らく千冬は扱えるかどうか分からなかった。
千冬(私は前線で使えるかわからん・・・だがせめて・・・ハインツさん達が心置き無く前線で戦えるように・・・私は地下に侵入した敵を凪ぎ払おう。)
彼女は一人心の中で誓う。己が出来ることをするために。
千冬「この髪型にするのも久しぶりだな・・・」
動きやすいようにポニーテールにした千冬。そして彼女は地下区画のゲートに立つ。日本刀を六本携えて、今彼女達の戦いが地下で始まろうとしていた。
千冬「初代ブリュンヒルデ・・・織斑千冬、推して参る!」
ゲートが開いたと同時に彼女達の戦いは今、幕が切られた。
一方、学園では
Sフィールド
ハインツ「来たぞ、全機戦闘用意!」
『了解!』
すでに開戦の幕は落とされていた。敵IS、いや敵AC型ISである、UNAC‐XXX部隊が学園の第1、第2防衛ラインをくぐり抜け海岸に到達していた。
ドガガガガガガガガガ!
各フィールドの砲台が一斉に火を噴いた。一機、また一機と墜ちてゆく。それでもなお、敵部隊が学園を目指し、突撃する。しかし、敵部隊の眼前には専用機持ち達と黒鷲隊が立ち塞がる。
ハインツ「全機突撃ぃぃ!」
ぶぅぅぅぅぅぅぅぅん!
ハインツ達がガトリングと、ミサイルの集中砲火を敵目掛けて放たれた。
いくら対実弾防御(KE防御)が高くても火力が集中すれば装甲は剥がれ、機体は爆散する。
ハインツ「まず、一つ!悠翔、一夏!そっちに3機行った!片付けろ!」
一夏「前進する!悠翔、援護を頼む!」
悠翔「支援なら任せろ!行け!」
ぶぅぅぅぅぅぅん!
悠翔がガトリングで支援し、敵部隊に突貫する一夏。敵の銃弾を白式"鳳凰"が持ちうる機動力で回避する。
一夏「おらぁぁぁぁ!」
ザン!ザシュ!
一機を雪片で縦に切り裂きながら後ろに回り込み、もう一機の胴体を草薙剣で突き刺す。
一夏「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
そして残った一機を
ガァァン!
左足で蹴り倒す。
一夏「沈めぇぇぇぇぇぇ!」
ザシュ!
倒れた残りの一機の胴体に草薙剣を突き刺した。
一夏「ふぅぅぅぅぅぅ・・・」
唸るように息を吐く一夏。突き刺した剣を引き抜き、ハインツ達はまだ来る敵部隊に向き直る。
ハインツ「ちっ、まだ来るか・・・」
悠翔「鬱陶しい。」
一夏「しつこい・・・」
三者三様ではあるが、どれも忌々しげな反応であった。
しかしそのその時であった。
ヒィィィィィィィィィィン!
超音速で接近してきた物体が学園に近づいて来ていた。
一夏「なんだ!」
悠翔「おいおい、マジかよ・・・」
その物体とは
ハインツ「あれは・・・まさか!」
???「そう、そのまさかさ!」
かつてハインツと悠翔が倒した死神部隊最後の強敵
かつて世界を滅ぼした者・・・N‐WGIX/vが降臨した。彼等と戦った時とは違い、特殊な粒子は散布されていなかった。
ハインツ「来たな、下衆野郎!」
財団「まぁ、なんとでも思えばいいさ。機体は再現出来たけど、あの粒子発生装置だけは再現できなかった。ま、死にゆく君達には関係無い・・・ここで死ね!」
戦争はまだ続く。
奴が来ました