インフィニット・ストラトス 黒い鳥降臨 作:禿げ眼鏡(三十路)
学園で戦闘が終わった後、財団の意識が回復し取り調べをした。N‐WGIX/vから無理矢理引き剥がした際にあまりの激痛で気絶と覚醒を何度も繰り返したからだ。
取り調べの際に複数の事が判明した。
第一に亡国の最高幹部が全員逮捕または死亡したこと。トップが他組織の暗殺で死に、最高幹部の跡目争いが激化したからだ。財団はそれを利用して、偽情報を組織内に流し、亡国幹部の所在を警察に流した。その結果、幹部達は逮捕されたか組織内の抗争で死亡したのである。
第二に、逃亡した委員会上層部が全員、財団の手によって殺されたことだ。トロントに逃亡したと思われたが、実は南アフリカのヨハネスブルグの近郊の企業家の鉱山に逃げてようとしていたのである。その企業家はある男の手から逃れて鉱山に逃げようとしていたが、空港に到着した瞬間に撃ち殺された。しかも運が悪いことに委員会上層部全員もその現場で射殺された。
その暗殺者が何者であるかは財団も知らなかったが、少なくとも財団は調べるつもりはなかった。
ハインツ達も誰に殺されたかを調べるつもりはなかった。誰に殺されたか、誰に依頼されたか・・・知った所で殺されては元も子もないからだ・・・
第三に、財団の動機だが・・・
財団が何故、かつてのように意識を電子化せずに四肢を切断してまでハインツを殺そうとしたのか・・・財団はこう答えた。
「この眼で死ぬ姿を見たかった・・・意識だけの・・・化け物になる前にさぁ。」と。
しかしハインツはこう返した。
「人間やめようとした中途半端の化け物のなりそこないが言うことじゃねぇよど阿呆が。」
と・・・
さすがの財団も怒り狂いそうになったが、ある男の一言で状況が一変する。
「お前は化け物じゃねぇ・・・人間の皮を被った獣だよ・・・それも理知的で狡猾に振る舞っているつもりの・・・」
ファットマンが放った哀れみを込めたたった一言が財団の理性を
崩壊させた。
「ヴェェェェェアァァァァァァァァァァ!」
それまでかつての世界で理知的に振る舞い狡猾に立ち回っていた男が
この世界でかつての精彩を失い、発狂した。
さすがのハインツもこれ以上取り調べを行うのは困難だと断定し、学園の懲罰房に放り込まれた。
また学園に潜入した亡国機業の戦闘員達も末端の構成員であることがわかった。彼等も財団同様、取り調べを行った。しかし彼等から聞き出せる情報は何の役にも立たず、彼等も懲罰房に入れられることになる。
その3日後、国連に引き渡され国際司法裁判所で判決を待つことになった。
しかし裁判が行われる前日に財団達は自ら命を絶った。奥歯に隠された青酸カリ入りのカプセルを自ら噛み砕いたのだ。
財団と亡国機業の構成員達の自殺によって裁判は中止、何もかもが永久に葬られた。
その後ハインツ達は学園での戦闘の事後処理に追われ、当初予定していた結婚式も先延ばしになってしまった。
最後の最期まで全てを掻き回した道化は醜態を晒し、情けなく死んでいった。
だがハインツにとってはどうでもいい存在になっていた。最初は肉片を残さず殺すつもりだったが、財団のあまりの醜態に興醒めし、殺す価値すらないと見捨てられていたからだ。
こうして学園での大規模な戦闘・・・後にIS学園戦役と呼ばれる決戦はこうして幕を閉じたのである。