駄作ですが、よかったらお読みください。
プロローグ
これはまだ俺の感情が残っていた時の話。
あれは中学校に入ったばかりの春だった。
俺は早くに母さんを病気で失くしていたため、父さんと二人で特に問題も無く暮らしていた。
そんなある日、父さんが再婚したいと言ってきた。
父さんが選んだ人なら俺は賛成だった。
その事を伝えると父さんは嬉しそうに微笑み、週末に紹介すると約束してくれた。 週末に父さんと相手の女性とその女性の娘さんとレストランで会うことになった。
父さんが選んだ女性は上御霊百合さんという美人の女性で優しくて父さんには勿体ないくらいだった。
俺は俺で簡単なあいさつを済ませた後、百合さんの娘の夢ちゃんと二人で話してきなさいと別席に案内された。
夢ちゃんは俺より一つ年下の小学六年生で、黒く長い髪に白い肌、整った顔立ちのまさにお姫様ってかんじだ。
夢ちゃんを見ていると胸がドキドキする。
夢ちゃんもちらちらと俺の方を見ては顔を赤くして目を逸らしている。
これから兄になる身としてはこちらから何か話題を振って話をしないと。
「えっと、夢ちゃん」
やはり胸がドキドキしている、これはまさかと思うが、世に言う一目ぼれでは無いのだろうか。
「な、なんですか?」
いきなり話かけたからびっくりさせてしまったようだ。
「えっと……その……」
だめだ、何を話せばいいか分からない。
夢ちゃんが不思議そうな顔で俺を見ている。
「いきなり俺みたいな兄が出来るなんて、突然そんな事言われても嫌だよね」
「そんな事無いです!空さんみたいなカッコイイ人がお兄ちゃんになっていただけ
るなんて私には勿体ないくらいです!」
「カッコイイ?俺が?そんな事無いよ、俺は普通だよ」
「普通だなんて、私の学校にいる男の子に比べたら、空さんはまるで王子様みたいです」
「王子様って……それをいうなら夢ちゃんはお姫様みたいだよ」
「お姫様だなんて、恥ずかしいです」
「はは、こんなに可愛いんだし俺の彼女に欲しいくらいだよ」
さらっととんでもない事を言ってしまったが、かなり恥ずかしい、夢ちゃんの顔をまともに見られなくなった。
夢ちゃんも顔を赤らめて俯いている。
なんでこんなに胸がドキドキしているんだろう、しかもこのドキドキは緊張からじゃない。不思議な感覚だ。胸も苦しい。何なのだろうこの感覚は……いや、もう分かっている。
嗚呼、俺は夢ちゃんに一目ぼれしたんだ。
でも、夢ちゃんはこれから俺の妹になるわけだし妹に告白する兄がいるだろうか?そんなのがいるのは小説や漫画だけだ。
いや、こんな事を心に秘めたまま家族になるよりは早めに言って終わらせるとしよう。
『あの、「夢ちゃん・空さん」「俺は・私は」あなたの事が好きです、初めて会ったときから「俺は・私は」あなたに一目ぼれしました!』
同時に同じ事を……って、夢ちゃんも俺の事が好き?
夢ちゃんも驚いた顔をしている。次の瞬間、俺と夢ちゃんはお互い噴き出してしまった。周りの人たちが俺たちに注目している。視線に気づいたらしく夢ちゃんが再び俯く。告白に対する返事は不要だった。その後、夢ちゃんを家まで送ることにした。道中でずっとお互いに頬を赤らめてお互いの手を握っていた。
この日、俺は可愛い妹と可愛い彼女が出来た。