東方戻界録 〜Return of progeny〜 作:四ツ兵衛
前回を読んでくれた方はわかると思いますが、今回は内容がちょっとアレです。苦手な方はバックをお願いします。
では、本編をどうぞ。
大変なことになった。幽々子の提案のせいで妖夢と風呂に入ることになってしまった。
「家に着替えとタオル取りに行ってくる。」
「わかりました。」
「待ってるわよ〜。」
俺は姉さんから貰った封力石を使って研究所に戻った。このまま逃げてもいいのだが妖夢に嫌われるのは嫌なので俺は覚悟を決める。自分の部屋に行き、着替えと替えの包帯、タオルを引き出しから取り出す。タオルは体に巻く用二枚、体を拭く用二枚、予備二枚の計六枚を持っていく。そして、封力石を使って白玉楼に戻る。
「戻ってきたわね。じゃ、楽しんできてね〜。」
(なんで幽々子はこんなにノリノリなんだよ。)
「範人さん行きましょうか。」
「あ、ああ。」
俺は妖夢についていく。
「妖夢、風呂入るときはタオルを体に巻いてくれ。そうしてくれないと直視できないから。」
「私は別に見られても大丈夫ですよ。寝るときいっしょでしたから、もう裸くらい見られてもいいって思っています。」
「妖夢がよくても俺がアウトだから。」
「それにお風呂では裸の付き合いが当たり前ですよ。」
「……わかった。でも、俺は巻いていいか?」
「範人さんもですよ。」
「えぇー⁉︎」
それはいけない。本当にいろいろアウトだから。俺も妖夢のこと好きだよ。でも駄目だから、それは本当に駄目だから。
「頼む。妖夢のことはもういいから、俺だけでもタオルを巻かせてくれ。」
「仕方ないですね。わかりました。」
よかった。わかってくれた。
「そのかわり、私の体を洗ってください。昨日の夜お風呂に入れてないので。」
「は⁉︎俺が妖夢の体に触れと?」
「はい。全身お願いします。」
おい、嘘だろ。何だこのすごく恥ずかしい取捨択一は?
「どうしますか?」
「うう……。」
やばい本当に困った。どっちもすごく恥ずかしい。こうなったら、ストレートになんでいっしょに入りたいか訊いて話をそらそう。
「そういえば、なんで妖夢は俺といっしょに風呂入ろうとしているんだ?」
俺みたいなやつと入って何が得なんだろうか?
範人さんがストレートに訊いてきた。なんでいっしょに入りたいか?と。私は自分がなんでいっしょに入りたいかを考えて顔が真っ赤になった。もういい、言ってしまおう。
「それは……
範人さんのことが好きだからです。」
言ってしまった。会って2日目でこんなこと言うのは自分でもおかしいと思う。だが初めて会ったときから好きだったのだ。範人さんに嫌われてしまうかもしれない、それが怖くて言えなかった。
俺は突然の告白に驚いたが嬉しかった。なんだ、そうだったのか。妖夢は俺のことが嫌いじゃなかったんだ。妖夢は俺のことを好きになってくれたのか。こんな俺のことを。
「そうか、俺も妖夢のことが好きだよ。」
俺も妖夢に自分の気持ちを伝えた。
「えっ?」
「実は初めて会ったときから、好きだったんだ。」
「そうだったんですか?私もいっしょです。」
「二人で風呂に入ることだけど、少し抵抗があったんだよ。嬉しかったんだけどね、自分は好きでも相手がどう思っているかはわからないから。普通に恥ずかしいこともあるんだけど。」
「そうですか。なら、互いに好きだとわかった今はどうしますか?」
「妖夢がいいなら、喜んでいっしょに入るよ。でも、タオルは巻かせてもらうよ。俺も見られたくないものがあるからね。」
「なら、体を洗うのは?」
「……仕方がないから洗うよ。そういう条件だからね。」
「でも、体を洗う用のタオルはありませんよ。素手で洗ってもらうつもりでしたから。」
(妖夢は何を考えていたんだ。)
「予備でタオル持ってきたから。」
俺と妖夢は脱衣所に入る。
「ちょっと、向こう向いてて。」
俺は少しの間妖夢に向こうを向いてもらい、その間に服を脱ぎ、包帯を外し、タオルを体に巻く。
「もういいよ。」
妖夢は俺の格好を見て驚いているようだ。
「どうした?」
「なんでタオルをそんなに上に巻いているんですか?」
「見られたくないものは背中にもあるからな。」
「そうですか。私も脱ぎますので先に入っていてください。」
「ああ。」
俺は先に風呂場に入る。白玉楼の風呂場はかなり広い。少しして妖夢も入ってきた。俺は妖夢の体を見ないように逆を向く。見たくないわけではないが、自我を保てる自信がないため見ないようにした。
俺は自分の体を洗っている。しかし、背中にはうまく手が届かない。どうしたものか。妖夢には極力、背中の傷痕を見てもらいたくない。魔理沙たちのような反応をされるのは嫌だ。
「範人さん、背中に手が届かないなら私が洗いましょうか?」
妖夢に声をかけられてしまった。背中はあまり見られたくないが妖夢の好意も無駄にしたくない。
「上半身だけでもタオルを外すなら、私の体を洗うときもどちらか半身だけでいいですよ。」
よし決定、洗ってもらおう。さすがに妖夢の下半身を洗うわけにはいかない。
「頼むよ。気持ち悪いかもしれないけど。」
「私は気味悪がることはないと言ったじゃないですか。大丈夫です。」
妖夢にタオルを渡す。妖夢は俺の背中を見ても別に驚く様子もなく、普通に洗ってくれた。
「次は範人さんがお願いします。」
俺は覚悟を決めて妖夢の体を洗い始める。背中を洗うときは別にいいのだが、前を洗うときはどうしても胸に当たってしまう。胸を洗うときにいたっては揉むような感じになってしまった。だが、なんとか自我を保ち続けることができた。
「終わったよ。」
「ありがとうございました。」
俺は風呂にはいる。しばらくして妖夢も風呂に入ってきた。
「別にこっち見ても平気なんじゃないですか?もう触ったんですし。」
「そういうもんかな?」
「そうだと思います。それにそのうち見ることになると思いますよ。先に慣れておいてください。」
そのうちに見ることになるとか、何かやばい言葉が聞こえた。それに、そういうのに慣れるのも問題だと思う。
俺は妖夢のほうを向く。
「そういえば、背中の傷痕見ても平気だったのか?」
「はい。範人さんのことが少し心配になったくらいです。」
「ならいいんだけどな。」
「そろそろ出ましょうか。」
「そうだな。」
俺も妖夢も風呂を出て、体を拭き、服を着る。気がつけばかなり時間が経っていた。
「範人さん、これからどうします?」
「何を?」
「この後、何しますか?」
「もう昼だし、昼食でも作るか。」
「そうですね。幽々子様も待っているでしょう。」
俺と妖夢は台所に向かった。
昼食を作り終え、並べる。デューは橙と遊びに行ったらしい。姉さんは逃げたのだろう。俺、妖夢、幽々子の三人での昼食だ。
「「「いただきます。」」」
幽々子は猛スピードで食べる。もちろん、十人前だ。
「そういえば、二人は互いの気持ちわかった?」
「「はい。」」
俺も妖夢も互いに好きなことがわかったため、そう答える。それを聞いた幽々子はかなり嬉しそうだ。
「じゃあ、どこまでいったの?随分と長く入っていたみたいだけど。」
「互いに体洗ってもらいました。」
(ド直球に答えるな!)
妖夢、もうちょっといい言い方はないのか。それはさすがに直球すぎるぞ。
「それなら、結婚とかは考えているの?」
「「け、結婚⁉︎」」
俺も妖夢も一瞬で顔が赤くなる。しかし、俺はすぐに落ち着き冷静に答える。
「俺はまだ十六歳だから、結婚はまだ先だな。」
「そう、妖夢はどう考えているの?」
「私は範人さんのことを待ちますよ。」
「ふふ、楽しみね。妖夢と範人が結婚すれば、美味しいごはんがいままでよりもたくさん食べられるわね。」
「妖夢、結婚したら、うちに来い。ここにいたら大変だから。」
「是非そうさせていただきます。」
「待って、それは困るわ。」
「「冗談だよ(ですよ)。」」
「びっくりさせないでよ。本気で焦ったわ。」
((まだどうするかは決めてないけど。))
「ははは。」
「ふふふ。」
三人での昼食はとても面白い。午後は何をしようか。
展開早すぎですねわかります。
フラグは極力建てない方針でいこうと思います。範人は真面目で一途ですからね。
範人の怪我についてはそのうちに詳しく書こうと思っていますが、だいたい四章あたりになりそうです。
次からは紅魔館になります。
質問などあれば、よろしくお願いします。
ではまた、次回お会いしましょう。