東方戻界録 〜Return of progeny〜   作:四ツ兵衛

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今回は会話がメインとなります。
では、本編をどうぞ。


第二十一話 紅魔館での夕食

フランが泣き止んだため、俺は今、レミリアの部屋で話をしている。

 

「ありがとう。フランの狂気が無くなったわ。」

 

「どういたしまして。役に立ててよかったよ。」

 

誰かの役に立つことができた、それだけで俺は充分だった。

 

「デューのことは頼んだよ。」

 

「ええ、任せて。そういえば、今日の夕食は食べたの?食べてないならこちらで出すわよ。」

 

「なら、頼もうかな。みんなで話もしてみたいし。」

 

「決定ね。じゃあ、話でもして待っていましょう。咲夜。」

 

咲夜がすぐに現れた。すごい聞こえていたのか。

 

「はい、なんでしょうか?」

 

「夕食に範人とデューレスも参加するわ。二人分追加ね。」

 

「かしこまりました。」

 

すぐに現れてすぐに去っていく。かっこいい。

 

「フランを解放してあげなよ。狂気が無くなったならもう大丈夫だろ?」

 

「そうするわよ。閉じ込めていた分自由に過ごしてもらいたいから。」

 

やはり、レミリアは妹思いの優しい姉だ。

 

「ねえ、範人。生物兵器って全てあんなに再生力があるの?」

 

「あの再生力は俺と双子の兄だけだよ。」

 

「すごいわね。貴方って生物兵器としてはどのくらい強いの?」

 

「政府には最高傑作だって言われたけど、よくわからないな。」

 

「最強ってことじゃない。」

 

「最強って言われても、あんまり嬉しくないんだけどね〜。」

 

「そうだ。お願いがあるんだけど。」

 

「何?」

 

「フランは私が起こした紅霧異変のときの宴会に参加してないのよ。明後日、フランのために範人の家で宴会開いてくれないかしら?」

 

「いいよ。他にも人呼んだほうがいい?」

 

「もちろんよ。たくさん呼んでくれたほうが良いわ。」

 

「家の場所はわかる?」

 

「一週間前にこの世界に来た研究所でしょ。」

 

「わかるなら大丈夫かな。」

 

明後日に宴会か。たくさん食材を買っておかないといけないな。

そんなことを考えていると咲夜が現れた。

 

「お嬢様、お食事の用意ができました。」

 

「そう。範人行きましょう。」

 

「そうだね。」

 

俺はレミリアについて行く。

 

 

 

食堂には紅魔館のメンバーが全員揃っていた。門番もいたが、デューが門を湖面につなげ、門以外は咲夜が空間をいじったため侵入することはできない。紅魔館での食事が始まった。

 

食事中はみんなあまり話をしようとしないため静かだ。その場の雰囲気を壊すわけにはいかないため、俺も話すことはやめる。食事の後なら、普通に話ができそうだから別にいいけど。

 

食事が終わりレミリアが話し始める。

 

「知らない者はいないと思うけど、今日は客人が二人来ているわ。会うのは初めてだと思うから、パチュリーと小悪魔は自己紹介をしてちょうだい。」

 

「俺は旅行 範人だ。一週間前に幻想郷に来た。種族は生物兵器だ。よろしく。」

 

「私はデューレス・タイラントです。範人といっしょに幻想郷に来ました。種族も同じです。よろしくお願いします。」

 

「私はパチュリー・ノーレッジよ。種族は魔法使いよ。よろしく。」

 

「パチュリー様の使い魔をさせていただいている小悪魔です。名前はないのでこあと呼んでください。よろしくお願いします。」

 

「範人は名字が異なるけどゴートレック家の一族よ。デューレスとはこれから門番としてこの紅魔館でいっしょに過ごすことになるわ。この機会に理解を深めておくといいわ。」

 

レミリアすごい、場を完璧に取り仕切っている。パチュリーは紫髪の少女、小悪魔は見たままの小悪魔だ。小悪魔が興味深々の顔で話しかけてきた。

 

「範人さん、生物兵器って何ですか?」

 

「それは私も気になるわね。」

 

「生物兵器っていうのは、(以下略」

 

「なかなかすごいわね。貴方はその実験に利用されて生物兵器になったの?」

 

「いや、俺の場合は怪我の治療法で生物兵器以外に治せる方法がなかったからだね。」

 

「そうなの……。貴方はそれでよかったの?」

 

「つい最近まで悩んでいたんだけどね。父さんからもらった力だし、捨てる気はないよ。」

 

「お兄様はすごいよ。私に身体を吹き飛ばされても生きていたんだもん。」

 

フランも会話に参加してきた。

なんか今お兄様って呼ばれた気がするんだが……。

 

「フラン、今お兄様って言ったか?」

 

「うん、言ったけど。」

 

「……」

 

レミリアに睨まれる。怖い、めっちゃ怖い。

 

「範人すごいわね。どんな再生力してるのよ。」

 

「たぶん、自然死以外では死なないレベル。」

 

「……範人、フランこっちに来なさい。」

 

やばい、呼ばれた。絶対殺される。死ななくても死ぬレベルのお仕置きが待っている。

 

「なーに?お姉様。」

 

いくな、フラン。俺も行かなきゃいけなくなる。

 

「範人。」

 

パチュリーに声をかけられる。何か励ましてくれるのだろうか?

 

「何?」

 

「逝ってらっしゃい。」

 

パチュリー、少しは優しい言葉をかけてくれよ。ていうか、なんか字がおかしい。

 

「範人さん、幸運を祈ります。」

 

小悪魔は他人事だと思ってやがる。

 

(こいつら……。)

 

仕方がないのでレミリアの方へ行く。

 

「範人、フランに何かしたのかしら?」

 

目が赤くなっているし、絶対怒っている。背は低いがすごい迫力だ。すごく怖い。怯えながらも、俺はなるべく冷静にこたえる。

 

「俺は狂気から救っただけだけど。」

 

「フランは何かされた?」

 

「何もされてないよ。お兄様って呼びたいからそう呼んだだけだよ。」

 

「なら、いいわ。」

 

助かった。マジで殺されるかと思った、死なないけど。俺はみんなの所へ戻る。

 

「範人、大丈夫だったか?」

 

デューレスが声をかけてくれる。ありがとう。俺は心の底から友の存在に感謝した。

 

「心配してくれてありがとう。説明したら助かった。」

 

「なら、よかった。」

 

レミリアも戻ってきた。もう怒っていないようだ。

 

「範人、夜も遅いから今日は泊まっていきなさい。デューレスはこれから門番をしてもらうから強制ね。」

 

「お言葉に甘えさせてもらうよ。」

 

「咲夜、部屋まで案内しなさい。」

 

「かしこまりました。こちらへどうぞ。」

 

「お姉様。お兄様といっしょに寝ていい?」

 

おいコラ、ちょっと待て。なんてこと言い出すんだ。

 

「駄目よ、フラン。」

 

「そうだよ、フラン。君といっしょに寝るわけにはいかないよ。」

 

「えー、ジェイドはいっしょに寝てくれたのにー。」

 

そいつと俺を重ねられても困る。

 

「俺とジェイドは別人だから。」

 

「ねえ、お願い。」

 

「「うっ……。」」

 

フランが目をウルウルさせて上目遣いでこちらを見てくる。俺もレミリアもその顔を見て悩む。

 

「……わかったわ。」

 

「ええ⁉︎」

 

「お姉様ありがとう。お兄様は?」

 

どうしよう。妖夢のことがあるためいっしょに寝ることは避けたいが、断れば泣かせてしまいそうだ。

 

「……範人、つらそうだけど大丈夫?」

 

暗い表情で悩む俺にレミリアが声をかけてくれた。

 

「フラン、ちょっと離れててくれ。」

 

フランに離れてもらい、俺はレミリアに話す。

 

「実は俺は妖夢のことが好きで、妖夢も俺のことが好きなんだよ。だから、俺は妖夢のためにも今回は断りたいんだ。妖夢の許可がとれていないからな。」

 

「そうだったの……。ごめんなさいね。妖夢って冥界の半人でしょ?」

 

「ああ。」

 

「互いに好きなら仕方がないわね。フラン、範人は断るみたいよ。」

 

(レミリアありがとう。)

 

「ええー。」

 

「代わりに私がいっしょに寝てあげるから。」

 

「うー、……わかったよ。じゃあ、次はいっしょに寝てね。」

 

「寝れるかはわからないけど、訊いておくよ。」

 

「誰に?」

 

「範人の彼女よ。」

 

(ちょっと、レミリア!)

 

「なんだ、そうだったの。なら仕方ないね。」

 

「(チクショー、レミリアめ。)ああ、そうなんだよ。悪いね。」

 

「いいよ。お兄様に彼女がいて、勘違いされたら大変だもんね。」

 

「レミリア、ありがとう。」

 

レミリアにお礼を言い、俺は咲夜に案内されて部屋へ向かう。途中で咲夜に話しかけられる。

 

「驚きました。まさか、範人さんに既に彼女がいたとは、この世界に来てまだ一週間ですよね?」

 

「会って二日で告白されて驚いたよ。一目惚れって本当にあるんだね。俺も妖夢に一目惚れだったけど。」

 

「そうだったんですか。妖夢さんのどういったところが好みなんですか?」

 

「外見もあるけど心かな。話しやすいし、優しいし。互いの理解もしやすかったな。」

 

「なるほど。ここがお部屋となります。」

 

「案内ありがとう。」

 

「では、私はこれで。」

 

咲夜が消えた。やっぱりかっこいい。俺は部屋に入り、すぐにベッドで寝た。

 




フランは範人のことを恋愛対象としては見ていません。フランには別の人を用意してあります。
ではまた、次回お会いしましょう。
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