東方戻界録 〜Return of progeny〜   作:四ツ兵衛

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範人が戦いで能力をあまり使っていないような気がしています。デューレスの能力も戦闘でまだ出番が来ていません。彼らの能力の出番はそのうち増やそうと思います。
では、本編をどうぞ。


第二十二話 研究所に侵入者

今、人里では噂が広がっている。数人の男たちが夜に化け物を目撃したらしい。

 

「夜に俺は見たんだよ。湖の上で全身から炎を噴き出す黒い化け物を。あんなの妖怪でも説明がつかねぇ。」

 

「本当かい、骨本さん。向かいの栗里さんも同じこと言ってたぞ。」

 

「細川さんも同じこと聞いたんですか。化け物が出たって。」

 

「それ私も存山の奥さんから聞きました。夫が青い顔して帰ってきたって。」

 

私はそれを聞いてかなり気になった。これだけ大勢の人が話しているのだ。絶対に何かあったに違いない。

 

「これはネタの匂いがしますね。」

 

話を聞いて情報は充分だ。あとは正体を突き止めるだけ。そういえば最近、幻想郷に外来人が来たらしく同時に大きな建物も来たらしい。これは何か関係がありそうだ。

 

 

 

 

 

朝だ。目を開けると真っ赤な天井がある。起きて早々目に悪い。そういえば、紅魔館に泊めてもらったんだった。欠伸をして、部屋から出る。

 

「お兄ー様!」

 

「……!」

 

部屋を出た途端にフランに飛びつかれた。フランは吸血鬼だから力が半端なく強い。俺は吹っ飛ばされて、部屋へ後戻りする。

 

「イテテ……。いきなり飛びつくなよ、危ないだろ。」

 

「ごめんなさい。」

 

「普通の人間にはするなよ。絶対死ぬから。」

 

「はーい。」

 

「朝から大変ね。」

 

あきれた顔でレミリアが声をかけてきた。

 

「ははは、本当に大変だよ。痛いし……。」

 

「フランもやめてあげなさい。」

 

「わかったよ、お姉様。」

 

なんだろう。返事はしているけど、これからやめてくれるとは思えない。

 

「朝食食べるでしょ。食堂に行くわよ。」

 

「そうだな。」

 

「お兄様、おんぶしてー。」

 

「はいよ。」

 

これくらいなら妖夢も許すだろう。俺はフランを背負って食堂に向かった。レミリアが変な目で見てくるが気にしないようにする。

 

 

 

食堂に入るなりみんなに質問される。

 

「範人さん、付き合っているんですか?」

 

「範人、昨日の話は本当?」

 

「本当だよ。付き合っているかどうかはわからないけど。」

 

「どこまでいったんですか?」

 

それは答えられない。

 

「……。」

 

「朝食にするから静かにしなさい。」

 

困っているところでレミリアがみんなを黙らせる。レミリア、ナイス。

 

 

 

朝食を食べ終えるとレミリアに話しかけられる。

 

「宴会のとき料理で困ったら咲夜を向かわせるから、いつでも言いなさい。」

 

「それは大丈夫だと思うよ。俺も料理はできるから。」

 

「そう。まあ、困るかもしれないから覚えておきなさい。」

 

「ありがとう。会場準備がある明日に手伝いは頼むよ。じゃあ、俺は帰るから。デューのことを頼んだぞ。」

 

これ以上ここにいると話さなければならなくなりそうだ。俺は封力石を使用して素早く研究所に帰った。

 

 

 

研究所に帰ると何故か玄関が開いていた。誰か侵入者でもいるのだろうか?だが、姉さんが来た可能性もあるためあまり気にせずに家の中に入った。

 

「さて、準備しないとな。」

ガタッ

「ん?」

 

やはり、誰かがいる。俺はタングステンの粒子を家の中に漂わせる。いた。廊下に粒子が通れないところがあったためそこに誰かがいることは間違いない。俺はそこへ向かった。

 

 

 

 

 

「何もないぜ。でかい建物だから何かあると思ったんだけどなー。」

 

私は特に成果も得られなかったため、帰ることにした。玄関に向かう。誰もいないから帰るのも楽だな。

 

「誰だ!」

 

「やばい、見つかった。」

 

誰もいなかったはずなのに誰かに見つかった。私は逃げようとして箒に乗ろうとするが体が動かない。全身に何かがまとわりついている。

 

「捕まえたぞ。誰だテメェは?」

 

声の主が現れた。粒子が集まって体が組み立てられていく。体が組み立てられるとそこには知り合いがいた。

 

「え⁉︎魔理沙、なんでここに?」

 

「なんで範人がここにいるんだよ。」

 

「なんでって、ここは俺の家だぞ。」

 

「……悪い範人、ひとまず離してくれ。」

 

「わかった。」

 

範人が了承すると私にまとわりついていたものが離れ体の自由がきくようになった。

 

「ここで話すのもなんだから、居間で話そうか。」

 

OHANASIではないことを祈るぜ。私は黙って範人についていった。

 

 

 

 

 

魔理沙を居間に連れてきて尋問を開始する。

 

「さて、なんで魔理沙はここにいたのかな?正直に話してもらおう。」

 

「いや〜、飛んでたらでかい建物があったから、気になって入っちまったぜ。」

 

「目的は?」

 

「け、見学だぜ。」

 

魔理沙が目を逸らしながら言った。絶対に嘘だ。

 

「今の嘘だな。正直にこたえろ。」

 

「……本当は何かお宝があると思って入ったんだが、何もなかったぜ。」

 

「そうか。正直でよろしい。今回は見逃してやろう。」

 

「あ、ありがとう。」

 

「そうそう。何もないとか言ったが、研究所のほうには金になるものはいくらでもあるぞ。」

 

「なんだって⁉︎」

 

「さて、この話は今はやめよう。」

 

「お、おう。」

 

魔理沙のところに話しに行こうとしていたがちょうどいい。宴会について話そう。

 

「実は明日の夜に宴会を開くんだが……。」

 

「何!それは本当か?」

 

「ああ、紅魔館のフランが紅霧異変のときの宴会に参加できていないらしくてな。レミリアに頼まれた。」

 

「よし、みんなに伝えてくる。」

 

「ちょっと待ってくれ。料理とかは用意できるけど他に何を用意したらいいんだ?」

 

「酒を頼む。」

 

魔理沙の口からすごい言葉が飛び出した。

 

「はあ、酒⁉︎お前ら何歳だよ?」

 

「十六だぜ。」

 

「おい、それ犯罪だろ。」

 

「ああ。お前のいた世界では酒を飲むには年齢制限が必要なのか。ここには、そんな法律なんてないから気にしないほうがいいぜ。」

 

どうやら幻想郷では酒を飲むことに関して年齢制限がないらしい。

 

「なるほどな。それなら、俺のいた世界の酒を用意しておいてやるよ。」

 

「おう、頼んだぜ。てか、料理は誰が作るんだ?」

 

「俺だが。」

 

「範人、お前料理できたのか?」

 

「できるよ。」

 

「なら、あとで優も連れて来るから夕食作ってくれ。」

 

「わかった。じゃあ、みんなに宴会のこと伝えといてくれ。」

 

「おう、任せとけ。」

 

そう言うと魔理沙は箒に乗って飛んでいった。忙しいやつである。さて、やっと準備が始められそうだ。

 

「こんにちは〜。」

 

思った矢先にこれである。今度は誰だよ。準備が始められないじゃないか。

 

「誰だろ?」

 

ドアを開けるとそこには黒い翼を生やした黒髪の少女がいた。

 

「こんにちは。誰だ?あんた。」

 

「私は新聞記者をしている射命丸 文です。今日は取材に来ました。」

 

「そうか。まあ、立ち話もなんだから中で話をしようか。取材は受けるよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

取材は面倒くさいが引き受けて、俺は居間へ案内する。

 

 

 

「で、取材内容はなんだ?」

 

俺はストレートに質問してみる。

 

「それよりもまずは名前と年齢を教えてください。」

 

「俺は旅行 範人、歳は十六だ。」

 

「なるほど、彼女はいますか?できれば名前も。」

 

そういうことも聞くのかよ。やっぱ、取材受けなきゃ良かった。

 

「いるよ。名前は出さないけど。」

 

「あやや、やはり名前までは教えてくれませんか。では、次の質問です。この建物は何ですか?」

 

「今、俺たちがいるのが家、廊下でつながっているのが別館、一番大きな建物が研究所だ。」

 

「研究所では何の研究をしていたのですか?」

 

「生物研究だ。見たければ明日の夜、宴会のときに案内する。」

 

「範人さんはもしかして偉い学者さんだったりしませんよね。」

 

「博士号なら持っているけど、自分が偉いのかどうかはわからないな。」

 

「そうですか。では、最後の質問です。炎を噴き出す黒い化け物って知っていますか?」

 

俺のことだ。でも、黒い化け物って……ひどいな。誰かが見ていたのだろうか?まあ、知られているなら正直に話したほうがいいだろう。

 

「知っているよ。ていうか、それ俺だから。」

 

「あやや、まさかの本人でしたか。いったい何があったのですか?」

 

「まずはこれを見てくれ。」

 

俺は全身を変異させた。全身が黒い甲殻に覆われる。

 

「今は室内だから炎を出すことはできないけどたぶんこれだろ?」

 

「おお、すごいです。範人さんは人間ではないのですね。」

 

『人間ではない』俺の心にその言葉は深く突き刺さる。だが、初対面ならばそう言ってしまうのは仕方がない。俺は少し落ち込んだが、すぐに気をなおす。

 

「俺は完全に人間ではないけど、人間ってことにしてくれ。これは生物兵器の能力だ。俺は元々完全に人間だったが生物兵器に改造してもらったんだ。」

 

「そうでしたか。人外なんて言ってすみません。でもそれなら、彼女が誰かがもっと気になりますね。」

 

「教えないから。」

 

さすがにそれを教えるわけにはいかない。妖夢にも迷惑だ。

 

「そういえば、宴会を開くと言っていましたね。私がみんなに伝えておきましょうか?」

 

「それは助かるね。頼むよ。」

 

「では、私はこれで失礼します。宴会は明日の夜ですよね?」

 

「ああ、頼んだよ。」

 

「お任せください。」

 

そう言うと射命丸は飛んでいった。これで準備ができる。




範人はフランを恋愛対象としては見ていません。妹のように思っています。(レミリアには他の人?が用意してある。)
範人は妖夢以外にはぶれません。フランの頼みを断ったのも妖夢のためです。
ではまた、次回お会いしましょう。
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