東方戻界録 〜Return of progeny〜 作:四ツ兵衛
では、本編をどうぞ。
やっと、宴会の準備ができる。宴会のこと白玉楼にも伝えに行くか。姉さんに手伝ってもらわなければ、外の世界には行けないし。ここにいないなら白玉楼にいるのだろう。財布の中にキャッシュカードと千ドルくらいを詰め込む。俺は封力石を使って白玉楼に向かった。
「こんにちは〜。」
白玉楼には思った通り姉さんもいた。早速、用件を伝える。
「姉さん、明日の夜に宴会を開くんだが食材や酒とかを外の世界に買いに行きたいんだ。酒は俺だけだと買えないからいっしょに来てもらってもいいか?」
「いいわよ。なら、これを渡しておくわ。」
そう言って姉さんがくれたのは、また封力石だった。
「これは貴方のいた世界の研究所跡地と別荘、今の研究所をつなげてあるわ。依頼がきたときとかに使いなさい。」
「ありがとう。助かるよ。」
「ねえ、紫。外に行くなら私も連れてってよ。外の世界の食べ物が気になるの。」
「いいわよ。これを付けておきなさい。外の世界でも実体化した状態で存在できるわ。」
「綺麗な腕輪ね、ありがとう。妖夢もついてきなさい。」
「わかりました。」
「じゃあ、準備はいいわね。」
姉さんがスキマを開き、俺たちはスキマに入った。
一週間ぶりに戻ってきたが、すごい久しぶりなような気がする。俺たちがついた場所は研究所の跡地、今では森になっている。元々、森の中に隠れるように建てられた研究所だったためか、違和感はなかった。木の種類が研究所の敷地の場所だけ異なっているが……。
「さて、森を抜ければ人里でそれもかなりの都会だ。はしゃぎ過ぎて目立つなよ。あと、飛ぶことは厳禁な。」
この世界ではどうしてもエージェントスイッチが入ってしまい、口調が偉そうになってしまう。
「はーい。」
「わかりました。」
「妖夢はその刀を隠しておけ、事件になりかねない。」
「でも、どうすれば……。隠し持つなんてできませんよ。」
「妖夢にはこれを渡すわ。」
姉さんが妖夢に渡したのは封力石。スキマを物置き代わりにするということだろう。
「こっちは範人の分よ。」
俺にも渡す。なるほど、これなら荷物が増えても持ち運べなくなる心配がない。
「ありがとうございます。」
「ありがとう。」
「じゃあ、行きましょう。まずはお酒ね。」
俺は酒を飲んだことがないがどこで良質なものが売っているかは知っている。まずは酒屋へ行く。
「着いた。」
「ここに来るのは二週間ぶりかしら。」
研究所跡地から、徒歩十分。顔馴染みのおじさんが店主をしている酒屋だ。居酒屋もやっていて姉さんはこの世界に来たときちょくちょく来ていたらしい。
「こんにちは〜。おじさんいる?」
「おお、久しぶりだなハントとゆかりん。」
「今日はたくさん買うわよ。」
「おう、ゆかりんのことだ。たくさんってことは大樽三つくらいは買うだろ。いつでも用意してあるぜ。」
(姉さん、いつもどのくらい買ってたんだよ!)
「今日はいつもの二樽と日本酒二樽、ウィスキーを一樽、あとは赤ワインを一樽お願いね。」
「あいよ。瓶六本おまけしとくよ。」
「ありがとう。お会計は?」
「いつもでもおまけして一万ドルだけど、今日はさらにおまけして九千ドルだ。」
「キャッシュカードで。」
「はいよ、毎度あり。代わりに支払うなんて、ハントはスゲェ金持ちだな。どうすりゃそんなに金が入るんだ?」
「ははは、それは秘密だよ。」
姉さんはその場でスキマを開く。おじさんは姉さんの正体を知っているので特に驚く様子もない。俺もスキマを開き、そこに日本酒の樽とウィスキーの樽、赤ワインの樽を入れていく。
「次は食材だな。」
移動中に妖夢が話しかけてきた。
「範人さん、さっきの言語は何ですか?私には全く理解できなかったんですが。」
そういえば、幽々子と妖夢はわけがわからず呆然としていたな。
「あれは英語だよ。この国で使われている言語でこの世界の公用語だ。」
「そうなんですか。今度教えてください。」
「いいよ。幻想郷じゃ使わないだろうけど。」
「ありがとうございます。」
白玉楼での過ごし方が一つ増えた。
「さて、このスーパーマーケットでいいか。」
「範人ー、お菓子買ってー。」
幽々子が子供のように言ってくる。少しは大人らしくしてもらいたい。
スーパーでは野菜や肉などの食材、調味料、お菓子を買った。幻想郷に海はないため、魚は海水魚を多く買った。たくさん買っても研究所に巨大な冷蔵庫があるから大丈夫だ。お菓子の占める割合がやけに多かったような気がするが気のせいだろう。かなりの金額になったため、俺がキャッシュカードで一括払いしたときの店員の顔はマジでおかしかった。今は買ったものをスキマに入れているところだ。
「範人ってお金持ちだったのねー。びっくりしたわー。」
幽々子はお菓子を食べながら言った。お菓子の割合が多かったのは気のせいではなかったようだ。
「妖夢は玉の輿ねー。」
「ゆ、幽々子様⁉︎」
「幽々子、妖夢をからかうのはやめてくれ。まあ、妖夢を誰かに渡す気はないがな。」
「範人ったらかっこいいわねー。良かったわね妖夢、範人は妖夢を嫁にする気よー。」
それを聞いた妖夢は顔が真っ赤になっている。かわいそうだし、少し幽々子を懲らしめないとな。
「幽々子、これから昼食にするつもりだったんだけど、幽々子の分はなくてもいいか?」
「ちょ、それは卑怯よ。」
「じゃあ、からかうのをやめてやれ。」
「はーい。」
「範人さん、ありがとうございます。」
これでしばらくは大丈夫だろう。食べ物が関係していれば幽々子も少しは懲りたはずだ。
スキマに荷物を入れた後、俺たちは適当に食べ放題の店を見つけてそこで食べることにした。普通の店だと幽々子の食費はバカにならないからな。
「食べ放題なんて気がきくじゃない。」
なんてことを幽々子は言っていた。しかし、幽々子、お前のためじゃない。俺の財布のためだ。お前の食欲の前では俺の資産が全て消えかねない。
食べ放題の制限時間は一時間だったが、幽々子はその店の料理を三十分で全て完食した。もちろん、その店は臨時休業になった。幽々子は俺なんかに比べたら、とんでもない化け物だ。
昼食の後、俺たちは研究所跡地まで戻りそこからスキマで幻想郷に帰った。
白玉楼に戻ってきた。宴会のことを伝え、研究所に帰ろうとする。
「じゃあ、明日の夜の宴会来てね。あ、今日の夕食は魔理沙が来るから来てもいいよ。まあ、妖夢だけならいつ来てもいいんだけど。」
幽々子が来たら、食費がやばい。
「そうですか。幽々子様、範人さんの家に行ってきてもいいですか?」
「いいわよー。なんなら、そのまま泊まってきてもいいわ。この前は範人が白玉楼に泊まったんだから。それに私は今日、紫の家に泊まる予定だし。」
「ありがとうございます。範人さん少し待っていてください。準備してきます。」
「おう。」
妖夢は白玉楼の中へ走っていく。少しすると帰ってきた。
「じゃあ、お願いします。」
俺は妖夢といっしょに家に帰った。
店長「ピンクの大食い女を今後出入り禁止にしろ。」
紫はいろいろな世界に行っているためいろんな言語を話すことができます。
紫「ゆかりんはすごいの。」
範人のキャッシュカードの中には、これまでのミッションで稼いできた大金が入っています。幻想郷でのお金に替わったのはほんの一部です。
ではまた、次回お会いしましょう。