東方戻界録 〜Return of progeny〜 作:四ツ兵衛
では、本編をどうぞ。
目が覚めると妖夢の顔が近くて驚いた。寝ている間に抱きつかれていたようだ。このままでは身動きがとれないため、肩を叩いて妖夢を起こす。
「おはよう。」
「おはようございます。」
「起きて早々悪いんだけど、離してくれないかな。」
妖夢に離してもらい、自室に向かった。服を着替えてキッチンに向かう。リビングには既にみんなが集まっていた。すぐに朝食を作り、テーブルに並べる。
「「「「いただきます。」」」」
朝食を食べ始めて既に魔理沙と優に質問する。
「お前ら、だいぶ雰囲気が良くなったけどどうしたんだ?互いに告白でもしたか?」
「「なんでわかった。」」
二人とも息ぴったりだ。さすが恋人同士。
「お前らが互いを意識していたことなら、博麗神社でいっしょに昼食を食べたときから気づいていたぞ。優は俺に説明してくれたしな。」
「……ばれていたなら仕方ないな。」
「おい、魔理沙。」
「確かに私は優に告白されたし、それを受け入れたぜ。」
「良かったな。カップル成立おめでとう。」
「すごいですね。範人の読み通りです。」
「じゃあ、範人と妖夢はどうなんだ。妖夢が呼び捨てにしているから、かなり仲が良いんだろ。」
「まあ、話していいかな。お前たちのことを知ったんだから。妖夢もいいよな?」
「私は構いませんよ。範人がいいなら。」
「ありがとう。なら、話そうか。俺と妖夢は恋人同士だ。」
「そうだったのか。いやー、よかったぜ。いっしょに恋話できるやつがこんなに近くにいたなんてな。」
その後はほとんどが恋愛についての話で朝食が終了した。
片付けを終わらせてみんなで会場の準備をしたが、優が能力で手伝ってくれたおかげで会場の準備はすぐに終わった。ものを運ぶ場合、優の能力は便利すぎると思う。会場の準備が終わったとき、俺はあることに気づいて一人で探し物をすることにした。
「俺はちょっと探し物してくるから、何かして暇つぶししていてくれ。」
みんなにそう言い残し、研究所の倉庫へ向かう。確かあれは倉庫にあったはずだ。
範人が探し物をしに行ってしまい暇になってしまった。そこへ魔理沙さんが話しかけてくる。
「妖夢ー、範人と出会ったきっかけは何なんだ?」
「あっ、それは俺も気になる。」
「私も気になりますね〜。」
私は話そうとするが違和感に気づく。今の言葉、一人多かったような気がする。周りを見るとこういう話を一番聞かれてはいけない人(人じゃないけど)がいた。
「なんで文さんがいるんですか?」
「何かネタの匂いがしたので来てしまいました。で、範人さんとのきっかけは何ですか?」
「話すわけないじゃないですか。文さんに聞かれたら記事に過大表現して書かれるから嫌です。」
文さんの新聞は決して間違ったことは書いていない。しかし、事実であっても過大表現や勘違いされてしまうような表現で書かれてしまう。
「断っていいのですか?範人さんに妖夢さんの恥ずかしい写真を送ってしまいますよ。」
「どんな写真ですか?というよりも、そんな写真いつの間に撮ったんですか?」
「妖夢さんの裸の写真です。風呂に入っているときに撮らせていただきました。」
このパパラッチめ……。それは盗撮だ。お巡りさんこの人を逮捕してください。だが、その写真は範人には意味がない。
「文さん、それはいっしょに風呂に入ったことのある範人には無駄ですよ。」
「「⁉︎」」
「お、これはいいことを聞きました。どこまでいったんですか?もしかして、既にあんなことやこんなことをしたんですか?」
しまった。つい話してしまった。範人、ごめんなさい。
恥ずかしさと文さんの言葉で私は顔が赤くなってしまった。
「そ、そんなことしてませんよ。」
「そうですか。じゃあ、適当に書かせていただきます。」
「うわぁぁ、話します。話しますから変なふうに書かないでください。」
私は半分泣きながら頼んだ。そこへ範人が戻ってきた。
「どうしたんだ?」
「おっと、ご本人が来ましたか。範人さん、妖夢さんとはどういったきっかけで?」
「妖夢、文が原因か?」
私は黙って頷いた。範人の顔は笑っているがその心には怒りが湧き上がっているだろう。
「文。」
「おや、話してくれるんですか?いいですねー、範人さんは話がよく通じて。」
「O☆HA☆NA☆SI☆しようよ。」
範人の体を黒い甲殻が覆い、炎を噴き出し始めた。
「おお、炎を出すとこうなるんですか。じゃあ、写真を一枚。」
「文、お前ふざけてんのか?
炎陣『フレイムライン』」
「ギャアァー。」
文さんが炎に包まれた。でも、範人なら殺さない程度に威力を抑えているだろう。炎が消えると体から煙を上げる文さんが倒れていた。それを見て魔理沙さんと優さんが呆然としている。
「は、範人。お前、すごいスペルだな。あと、さっきの姿も。」
「そりゃどうも。」
「範人、文さんはどうしましょう?」
「ほっとけ、どうせすぐに復活する。」
そう言って範人は笑う。どうやら、怒りは既に収まっているようだ。
「そういや、妖夢が言ってたんだけど。妖夢と風呂に入ったことがあるって本当か?」
「本当だ。」
「マジかよ。恥ずかしくなかったのか?」
「最初は恥ずかしかったけど、そのうち慣れた。」
「探し物って何だったんですか?」
「秘密だが、ヒントは紅魔館に関係のある物だ。」
「範人ー、時間もそろそろ昼だし、昼飯にしようぜ。」
「そうだな。妖夢、いっしょに作るか。」
「はい。」
私たちは家の中へ向かった。私を含めて三人はきっとこう思っただろう。範人は絶対に怒らせてはいけない、と。
昼食を食べ終えた頃に客人が来た。紅魔館のメンバーである。
「お兄様!」
会って早々、フランにまた吹っ飛ばされた。飛びつくな、と言ったのに……。
「手伝いに来てあげたわよ。」
「ごめん。会場の準備はもう終わったんだ。」
「何よ。せっかく手伝いに来てあげたのに。」
「ごめんね。レミリアの出番は宴会までほぼないよ。」
「うー。」
レミリアがカリスマに似合わないかわいらしい声を出してヘコんでいるが無視しよう。
「おう、範人。相変わらず仕事が早いな。」
「デューも来たのか。」
「あー!お前は門番の巨人兵。」
「なんと!お前は本泥棒」
会って早々に魔理沙がデューに突っかかっていく。
「泥棒とは失礼な。死ぬまで借りるだけだぜ。」
「それを泥棒っていうんだよ。」
「お前がいたから、昨日は本を借りれなかったんだぞ。」
魔理沙、それを一般的に泥棒って言うんだよ。それと魔理沙がデューに突っかかっている理由がわかった。紅魔館の図書館に侵入しようとして、門を強行突破しようとしたらデューに追い返されたんだろう。
「お兄様、彼女って誰?フランが自分で交渉してみる。」
うん。交渉って聞いてなんかすごい嫌な予感がする。
「フラン、どうやって交渉するの?」
「もちろん拳でだよ。で、彼女って誰?」
妖夢逃げろ。マジで逃げろ。殺されかねない。
「範人の彼女は私ですが……。」
妖夢がフランの質問にこたえてこちらへやってくる。もうダメだ…おしまいだぁ……。
「お姉さんは誰?」
「魂魄 妖夢です。私に何かご用ですか?」
「私はフランだよ。お姉さん、お兄様といっしょに生活していいかな?」
「! それはどういう意味ですか?」
妖夢の表情が変わる。落ち着け、剣を抜こうとするな。それとフラン、もう少しオブラートに包んだ話し方はできないのか。
「別にお兄様を独占するわけじゃないよ。お兄様といっしょに寝たりするだけだよ。」
「まあ、範人をどう思っているかによって変わりますね。フランさんは範人をどう思っているんですか?」
「お兄様はお兄様だよ。その言葉のまんまだよ。」
「そうですか。なら、いいですよ。範人を異性として見ていないなら。」
よかった。フランの好きと妖夢の好きは、ベクトルが違うことに気づいてくれた。
「わーい。じゃあ、これからお姉様って呼んでいい?」
「私は構いませんよ。」
「ありがとう。じゃあ、私のことはさん付けじゃなくてちゃん付けで呼んでよ。」
「わかりましたよ、フランちゃん。これからよろしくお願いします。」
「よろしくね、お姉様。」
「そんな、私以外に向かってお姉様だなんて……。」
レミリアがさらにヘコんだ。なんか、レミリアがすごくかわいそうに見えてきた。
「範人さん、手伝うことはありませんか?」
「うーん、そうだね。じゃあ、宴会の料理を作るとき手伝ってよ。妖夢と俺だけじゃさすがにキツイ。」
「わかりました。では、そのときにお呼びください。」
「よろしくねー。」
咲夜はレミリアに駆け寄り、必死になぐさめ始めた。レミリアってカリスマ性に溢れているけど、心は結構お子様なのかもしれない。
俺たちは今料理を作っている。仕込みは昨日の夜や朝のうちにできるものはしておいたため、今は短い時間で作れるものか仕上げだ。咲夜はキッチンを見てすごく驚いていた。
「範人さん、できました。」
「範人、こっちもできました。」
「ありがとう。じゃあ、あとは俺だけか。」
咲夜も妖夢も仕事が早くて助かる。しばらくして、俺も料理を仕上げた。そこへデューとフランと優がやってきた。
「できたみたいだな。運ぶのは手伝おう。」
「フランも手伝うー。」
「俺も手伝うよ。」
「ありがとう。」
「じゃあ、運びましょう。」
料理や酒は全て運び終えた。気がつけば、もう少しで夕方六時である。宴会の参加者はもう集まっている。初めての宴会はどんな宴会になるのだろう。
スペルカードとして技を使用する場合は殺傷力が死なない程度に抑えてあります。あくまで死なない程度ですがね。
優の能力って超便利だと思います。だって、空気とも移し換えることができるんですから。テレポートも自由自在。
感想、アドバイス、質問お待ちしております。
ではまた、次回お会いしましょう。