東方戻界録 〜Return of progeny〜 作:四ツ兵衛
魔理沙が弾幕を飛ばしてくる。なかなか良い弾幕だが、魔理沙の弾幕はレイジの弾幕に比べたら、大したことはない。余裕でかわすこともできるし、こちらの弾幕で相殺することも簡単だ。話にならない。久しぶりの弾幕勝負だったが、軽く勝てそうだ。
(魔理沙は、これで本気なのか?)
そんなことを考えていると魔理沙が動いた。
私は手加減しながら弾幕を放っていく。どれも直線的、どれもゆっくりだ。
(なかなかやるな。)
いくら手加減しているとはいえ、ここまで完璧に対処されるのは初めてである。範人の動きは驚くほど余裕に満ち溢れている。このままでは、絶対に勝てない。そう考え少し本気を出すことにした。
魔「魔符『スターダストレヴァリエ』」
私はスペルカードを発動した。
魔「魔符『スターダストレヴァリエ』」
魔理沙がスペルカードを発動した。おびただしい数の星型弾幕が襲いかかってくる。魔理沙が少し本気になったようだ。
範「そう来なくっちゃ、面白くない。」
そう言って、スピードを少し上げる。確かに、弾幕は多い。それでも、かわす隙間はあり、まだまだ余裕である。かわすことができなくても、向こうよりも少し強い弾幕を放てば、相殺したり、押し勝ったりできる。
しばらくして弾幕が薄くなった。時間経過によりスペルカードの効果が切れたようだ。
(かなり良い弾幕だったな。さて、次はこちらの番だ。)
スペルカードを取り出し、詠唱する。このくらい躱し切ってもらわなければつまらない。
「粒符『パーティカルストーム』」
私は自分の目を疑った。ただでさえ速かった範人の動きが更に速くなり、弾幕を軽々とかわされたのだ。一発だけでも当てるためにも、更に弾幕を濃くしたが、全く当たらなかったのだ。
そうして時間が経過し、スペルカードの効果が切れてしまった。弾幕をかわしている範人の動きを最初のうちは目で追うことができた。しかし、弾幕が濃くなり、最も濃くなった時には、もはや目で追うことなど敵わず、残像を残して、瞬間移動しているような速さだった。
(すげぇ、なんて速さだよ。)
私が、驚いていると範人が動いた。
範「粒符『パーティカルストーム』」
範人がスペルカードを発動すると、範人の両手の上で粒子が渦を巻き始め、それぞれの手から一つずつ粒子の竜巻が発生し、発射された。私はその二つの竜巻をかわした。
しかし、それぞれの竜巻は私の周りを回り始め、大量に弾幕を発射してきた。範人はその更に外周を回りながら、私を狙って弾幕をこれまた大量に発射してくる。
(どんなスペルだよ。)
私は、焦りながらも弾幕をかわしていく。弾幕の相殺をしようとしてみたが、範人の弾幕の方が威力が高く、相殺できなかった。そして、時間が経ち、スペルカードの効果が切れた。何発か掠ったが、直撃はしないで済んだ。範人の圧倒的な強さが分かったため、本気を出すことにした。
少し驚いた。何発か掠ることはあっても、魔理沙は直撃することなくスペルカードをかわしきった。これなら少しは楽しめるかもしれない。
(まさか、かわしきるとはな。もう少し本気になってもいいか。)
俺は少し本気になることにした。まだ、この姿での本気だが……
「ここからは、本気でいかせてもらうぜ。」
「そうか、こっちも少し本気になろうと思ったところだ。さっきのでは物足りなくてなぁ。」
俺はネックレスを外し、それに力を込めた。ネックレスは大剣に変化し、俺はそれを片手に持った。クリムゾン、それがこの剣の名前だ。
魔理沙は、弾幕を発射しながら、範人の弾幕をかわしていく。対する範人は、弾幕を発射しながら、覇剣クリムゾンを片手で振りまわし、魔理沙の弾幕を斬撃で消滅させていく。
魔理沙と範人は同時にスペルカードを取り出し、同時に発動した。
魔「恋符『マスタースパーク』」
範「破斬『大切断ハルバード』」
魔理沙のミニ八卦炉から途轍もない威力の巨大なレーザーが発射される。同時に、範人の覇剣クリムゾンが巨大な斧に変化し、それが振り降ろされることにより、凄まじい破壊力の斬撃が生み出され、発射された。
魔理沙のレーザーは範人の斬撃を押し返して進もうとし、範人の斬撃は魔理沙のレーザーを縦に切り裂いて進もうとする。スペルの衝突により、辺りを衝撃波が襲い、二人の姿は舞い上がる砂塵により、見えなくなる。
しばらくして砂塵が晴れると、えぐれた地面には、範人と魔理沙を抱き抱える少年が立っていた。
初めての戦闘描写でうまく書けているかどうかが不安です。さて、範人と魔理沙の勝負は、範人の勝利です。弾幕勝負の中で範人が誰かを思い浮かべて心の中で名前を出していましたね。最後に魔理沙を抱き抱えていた少年も気になると思います。少年の正体は次回明かそうと思います。ではまた、次回お会いしましょう。