東方戻界録 〜Return of progeny〜 作:四ツ兵衛
ジェットが考え込んでいる間にいつの間にかお化け屋敷の出口についてしまった。そこに顔を真っ青にした範人と妖夢が合流する。
「お兄様、お姉様、大丈夫?」
「超駄目だ。」
「わ、私ももう駄目です。」
範人と妖夢は既に精神力が限界まできている。2人にお化けは効果抜群である。
ハ…ハハハ……冗談じゃねーよ。もう二度とお化け屋敷なんて行くもんか!
ジェットが範人に話しかける。
「すみません。」
「お、おう、なんだ?」
「貴方がフランちゃんのお兄さんですか?」
「ああ、一応そうだが……。」
範人は兄妹と言ってもらえたことで内心ホッとした。
こんな少年にまで親なんて言われたらどうしようかと思ったぜ。良かった〜、兄妹に見えるのか〜。
「しばらくフランちゃんと一緒に行動させてもらって良いですか?」
範人は驚いた。まさかそんな言葉が出てくるとは思っていなかったのだ。
「俺は良いけど…フランはどうだ?」
「私は全然構わないよ〜♪」
範人はまた驚いた。
な、何ィ⁉︎まさかこいつらもうそんなに仲良くなっていたのか?あのお化け屋敷で俺たちが気絶しかけている間に一体何があった?
「そうか。…OKだって、楽しんできな。フランは約束忘れるなよ。ほら、お小遣いだ。」
「わーい♪」
「ありがとうございます。」
フランとジェットが離れてから、範人は周りの様子を伺った。妖夢も範人と同様に周りの様子を見ている。不思議なことにこの園内に感じられる人に近い者の気配はフランとジェット、範人と妖夢の他に3人ほどだけだった。しかも、場所の特定ができない。
「あの2人、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だろ。フランがいるからな。
……それに俺たちが一緒について行ったら、誰がこいつらを止めるんだ?」
範人が何もないように見えるところに赤い塗料の粒子を飛ばすとコモドドラゴンとカメレオンを合わせたような生物とノビスタドールが大量に浮かび上がった。
「それもそうですね。」
妖夢は既に抜刀し、刀を構えていた。範人もファイティングポーズをとる。
「さあ、来いよ!」
クリーチャーたちは範人たちに向けて、一斉に飛びかかった。
うーむ……おかしい。
ジェットは今とても不思議に思っていることがある。それはフランも同様のようだ。
何で他に全然人がいないんだ?今日は日曜日だから、遊園地が人でいっぱいでもおかしくないはずだよね?それにお化け屋敷に入る前は人がたくさんいたのに……おかしいなぁ。
……まあ、いいか。今は責任の取り方だよな。
ジェットはフランのほうをチラッと見る。フランは何故か上機嫌である。
うわー、誰もいなーい。これならジェットと2人きりだー♪何しようかなぁ?
「フランちゃんはどこ行きたい?僕はどこでもいいからさ。」
「私もジェットと一緒ならどこでもいいよ〜♪責任の取り方を見つけてもらわないとね〜♪」
それを聞いたジェットは自分がやらかしたことを思い出して顔を赤くする。
あんなことしたのに怒らないなんて……フランちゃん、君はすごいよ。はあ、本当にどうやって責任取ればいいんだよ。
「へぇー、デートか〜♪いいね〜♪」
2人きりのジェットとフランに見知らぬ男が話しかける。フランはその男のただならぬ雰囲気に気づき、ジェットを守るべく立ち塞がる。
「突然話しかけてきて、なんのつもり?」
「おや?僕にとって用があるのは君じゃなくてその少年だよ。そこを退いてくれないかな?」
「え⁉︎僕?どういうこと?」
その言葉を聞いてジェットは戸惑う。
「耳を傾けちゃダメ!ジェットは逃げて!」
「嫌だ!女の子を置いて逃げるなんてできないよ!」
ジェットはフランの手を引いて走り出した。
ああ、これって……私すごく幸せだ〜♪
「おやおや、仲が良いね〜♪……逃げても無駄だというのにな。まあ、他の2人はあいつらに任せるとして……僕は2人を追うとしよう。」
男は2人が逃げるのを見て歪んだ笑みを浮かべるとジェットたちのあとを追った。
範人と妖夢は自分たちの武器に着いた血を払っている。彼らの背後にはクリーチャーたちの死体が山のように積まれていた。
「なんとかなりましたね。」
「ああ、結構な数だったな。」
2人は余裕に見えるが結構な体力を消費している。実際についさっきまでは息が切れていた。
「この化け物たちは一体……ここって元の世界とは違いますよね?」
「厳密には間違っているけど、そうだな。多分、裏世界って感じだ。お化け屋敷にいたときに世界をひっくり返されたんだろうな。」
世界には表と裏がある。表から裏が見えないように裏からも表は見えない。つまり、範人たち4人は元の世界とは隔離された状態なのである。
範人はある確信を持っていた。
間違いないな。最近の誘拐事件の犯人は能力持ちだ。『世界の表裏をひっくり返す程度の能力』と言ったところか?これは面倒なことになったな。このままじゃ帰れない。早く犯人を見つけて降参してもらわないと。
「それにしても結構な量の血飛沫がかかったな。」
範人は自分たちの服装を見ながら言う。2人で200体近いクリーチャーを倒したのだ。身体に血は着いていないものの服は血だらけである。
「そうですね。帰りどうしましょう?」
「一応、替えの服は持って来てあるけど使う?」
「使います。」
「そうか。ほら。」
範人は妖夢に服を渡す。妖夢がよく着ている服に似せて範人自身が制作したものである。範人は案外、裁縫も得意だったりする。人は見かけによらない。
「ありがとうございます。」
服を受け取った妖夢はその場で着替え始める。範人はそれに見てかなり焦った。
「ここで着替えるのはやめてくれない?」
「大丈夫ですよ。範人以外に見ている人はいませんから。」
「いや、そういう問題じゃなくてな。」
範人は目のやり場に困ると言いかけたがやめた。それよりも犯人をどう探すかを考える。
「……全く、はやく済ませろよ。」
「もう着替え終わりましたけど?」
「はやっ⁉︎」
範人が考え込んでいる間に妖夢は既に着替え終わっていた。その間1秒足らず。
「範人は着替えなくていいんですか?」
妖夢は範人の着ている血だらけの白衣を見ながら言う。
「いいんだ。俺の二つ名は『Dr. blood』だからな。」
範人のエージェントとしての二つ名は『Dr. blood』。その由来はほとんどのミッションでミッション開始時に白かった白衣がミッションの終わるときには返り血で血塗れの真っ赤な白衣になってしまっていたことである。ちなみに範人はこれらの白衣を罪の償いとして着て(愛用して)いる。
「それはそうと、多分、能力持ちのやつが犯人だ。おそらく、誘拐事件の犯人も同一だと思う。」
「なるほど、じゃあその人を斬ればいいんですね。」
「……まあ、そんなところだ。」
言っていることは物騒だが、間違ってはいないため範人は頷く。
「じゃあ、手分けして探そうか。」
「はい。」
範人と妖夢は別行動で犯人を探し始めた。
……そんな2人を観察する何者かが2人。
「アイ…ツ…ラをこロ…セば……いいノ……か?」
「その通リダ。行くゾ、クラッシュ!」
「リョ…うかい……ダ、スラッシュ。」
何者かは範人と妖夢を追い始めた。
前回でスレン○ーマンはクビになりました。スレン○ーマンファンの方すみません。
範人と妖夢がクリーチャー軍団を潰しました。
存山「ヤベェよ。ノビスタドールもボッコボコだぜ!」
矢骨「あいつら化け物だろ。」
範人が気にしていることを言ってはいけません。下手すれば殺されます。それと貴方たちもアンデッドなんですから化け物でしょう。
存山「そういやそうだった。」
矢骨「下手すれば殺されるってどういうことだ?」
それは次回でわかります。ちなみに今の範人はかなりイライラしています。それとコモドドラゴン+カメレオンのB.O.W.の名前を募集しようと思います。活動報告のほうに貼っておきますので、気軽に書いてください。
矢骨「チクショー、蜘蛛島のやつマジでリア充になりやがった。」
存山「俺たちアンデッドに救いはないのかー!」
そんな貴方たちにこの妖怪。火焔猫 燐ちゃんです。
お燐「火焔猫 燐だよ。お燐って呼んでね。」
さて、お燐。貴女の趣味というか仕事ってなんですか?
お燐「死体運びだよ。そこのお兄さんたちも良い死体だね〜♪」
矢骨「なんと⁉︎」
存山「ウッ…グッ……ありがとう。」
さて、2人が感動しているところで締めます。
『ではまた、次回お会いしましょう。』
存山「次回って言っても明日「バシッ!(殴)」イテェ!」