東方戻界録 〜Return of progeny〜 作:四ツ兵衛
範人は人間だが人間ではない何かでもある。最初に会ったときはまだ少ししか感じとれず、核心には至らなかった。話をしている内に普通の人間だと思えた。
しかし、魔理沙が来たとき、一瞬だけだが、範人からは人間ではないものの気配がした。周りを威嚇するような人間ではありえないほど強い、生物の気配だ。そして、その考えは魔理沙との弾幕勝負で核心に変わった。
範人のスピードは、普通の人間にはもちろん、弾幕勝負をする私たちにさえ、実現することが非常に難しい速さだった。ここまでは、特訓を積み重ねたと言えばどうにか成り立つ。しかし、魔理沙と範人がスペルをぶつけ合ったとき、範人の腕がこれも一瞬だけだったが、黒い甲殻に覆われた。
生物の中にはこのような甲殻を持つものもいるが、体から甲殻を突然発生させるようなものは、普通の生物どころか妖怪にも存在しない。ましてや、そんなことができる人間なんて存在するはずがない。だから、範人は完全な人間ではない。
霊夢に完全な人間であるかを質問された。俺は、包帯を巻く手を止めて考える。俺は、完全に人間である、と答えたかった。だが、できない。父さんから貰ったこの体を否定するわけにはいかない。だから、答える。たとえ、みんなの期待を裏切ったとしても、
「俺は、完全な人間じゃない。」
「俺は、完全な人間じゃない。」
(嘘だろ!)
私は範人の答えを信じられなかった。いや、信じたくなかった。範人は人間だ。範人とは、今日友達になった。時間はあまり経っていない。それでも、範人は大切な友達だ。私と弾幕勝負をして全力の50%も出さずに勝つなんて、たしかに化け物だ。でも、人間ではない、とは思えなかった。それに、たとえ、人間でないとしても、友達であり続けることに変わりはない。
「俺は、完全な人間じゃない。」
(なんだって!)
範人と会ってから、あまり時間は経っていない。だが、範人が悪いやつではないことはよく分かっている。魔理沙の弾幕を余裕で全てかわすなんて、人外もいいところだが、それでも人として接していたとき、範人はとても嬉しそうだった。そんな範人が人間であることを否定なんてできるはずがない。範人が人間でない場合、分かり合えないことはきっと発生してしまう。しかし、範人が人間でなくても、友達であることはできる。
「俺は、完全な人間じゃない。」
やはり、範人は完全な人間ではなかった。この答えを聞いた瞬間、みんなの表情が曇る。当たり前だ。質問をした私ですら、受け入れたくない答えなのだから。だが、私の答えは最初から決まっている、たとえ範人が人間ではないとしても友達でいること、これが私の答えだ。
全員が言葉を失い、重たい空気が流れる。しかし、範人がその沈黙を破った。
空気が重い。俺が人間であるか、ないか。みんなそのことで悩んでいる。ここは、幻想郷、ご先祖の願いを叶えれられると、俺の願いが叶うと受け入れてもらえると聞いて来たはずなのに…。人間であるか?などという小さなことにとらわれている。俺は自分が何者なのかを話すことに決めた。
「…兵器。」
「「「…え?」」」
「俺は、生物兵器だ。」
範人が生物兵器であることが分かりました。タグを見て分かっていた方が多かったと思います。駄文だと思いますが、コメントで悪口はやめてください。次回は、範人の過去を書こうと思います。ではまた、次回お会いしましょう。