東方戻界録 〜Return of progeny〜   作:四ツ兵衛

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最近は文章が思いつくの〜嬉しいの〜♪でも、文字数が少なくなってきたー!


第七十一話 W再会

範人の女体化が解けてから1カ月。彼は元に戻った喜びを噛み締めて生活していた。

女体化している間の一週間は彼にとって地獄だった。昼は人里に行けば男に求婚され、あるときは罪と書かれた袋を頭に被った変態集団に追いかけられた。夜は夜で、妖夢に女として犯され、搾られるという地獄を味わい続けさせられた。フランに会えば、胸を吸われる始末。彼は泣く泣く毎日を過ごすしかなかった。

しかし、今は違う。性別が元に戻ったことでそれが起こることはなくなった。妖夢の誘惑は相変わらずだったが……

現在、彼はミッションの帰りだ。隣にはフランの姿がある。実は今日の仕事はまだ終わりではない。3日前にジェットから連絡があった。「もうこの世界に未練はない、向こうの世界に行きたい」と。彼にはジェットを幻想郷につれて行くという仕事が残っていた。

 

「お客さん、そろそろ到着するぜ。」

 

「ああ、ありがとよ。リック。」

 

「へへへ、どうだ?俺もドライビングテクニック上げただろ?」

 

「ああ、最高の(乗り心地の悪さを誇る)ドライブだったよ。」

 

そんな会話の中、リックの運転する車は研究所跡地に乗り入れる。派手なドリフトをして車が止まり、範人とフランは飛び降りるように降車した。範人が報酬の入ったアタッシュケースをトランクから取り出すと同時にリックは車を発進させ、派手なドライビングテクニックを見せつけながら去っていった。

リックの車が視界から完全に消えたところで今度はフランクリンに連絡する。範人は彼にジェットが早く来た場合のためとして監視を頼んでいたのだ。

 

『もしもし……』

 

「もしもし、おじさん?ハントだけどさ、ジェットは来なかった?」

 

『いや、まだ来てないが……』

 

「それだけわかればいいよ、ありがとう。バーイ。」

 

『おう、じゃあな!』

 

範人は通話を終了する。どうやら、ジェットはまだ来ていないらしい。間に合ったということで彼がホッとしていると、研究所跡地に一台のタクシーが乗り入れてきた。タクシーは範人たちの目の前で止まり、1人の少年が降りてくる。この少年こそ、範人たちが待っていたジェットである。

 

「ありがとうございました。」

 

ジェットはタクシーの運転手にお礼を言う。タクシーの運転手も軽く頭を下げてから、車を発進させ、公道の方へと去っていった。

早速といった感じでフランがジェットに飛びつき、抱きしめる。普通の人間なら痛い程の力だったが、彼は痛がる素振りを見せず、ただ顔を赤くした。範人は2人の様子を見て「微笑ましい」と思いながら、ニヤニヤしている。

 

「ほどほどにしておけよ、フラン。どうせ、向こうに行っても大好きとか言いながら抱きしめるんだろ?」

 

「はーい♪」

 

「よしよし。それじゃ、向こうに戻るかな。」

 

範人は封力石を何もない空間にかざす。瞬間、そこにスキマが出現した。ジェットはギョッとした表情を浮かべるが、彼の隣には吸血鬼であるフランがいる。「ありえないことも起こりうるのだ」と、自分を納得させた。

ふと「ありえないこと」という言葉からジェットはあることを思い出した。

 

「範人さん、これが何かわかりますか?」

 

そう言って、ジェットは上着の裾を少し上げ、腹部を露出させる。範人がそこを見ると、ジェットの腹部…右脇腹に黒い魔法陣のようなものがあった。しかし、範人にはそれが魔法関連であること以外に何かわからない。

 

「わからないな。どうしたんだ?」

 

「今日の朝起きたらあったんだ。お父さんに訊いたら、向こうに行けばわかる、って言われたんだけど…範人さんならわかると思って……」

 

「いくら向こうの住人であってもわからないこれくらいあるさ。それに、わからないことがあった方が刺激になって楽しいだろ?向こうに着いてからのお楽しみにとっておきな。」

 

「わかりました。」

 

「早く行こうよ〜♪」

 

フランが範人の白衣の裾を引っ張る。引っ張られている繊維が悲鳴をあげており、範人は「はいはい」と返事をする。

3人が幻想郷につながるスキマを潜ろうとしたとき、彼らの背後に何者かが舞い降りた。

 

「ちょっと待ってくれよ。」

 

「ん?誰だ?」

 

範人が振り向くと、そこにいたのは自身と同じくらいの身長、そっくりな顔をした男だった。異なるのは髪型と瞳の色くらいである。しかし、その背中には水掻きのついた人間の手のような羽があり、人間ではないことを示していた。

範人とジェットはその男に心当たりがなかったが、フランには一瞬で誰かがわかった。

 

「ジェイドだ〜♪」

 

「久しぶりだな、フラン。実に476年以上ぶりの再会になるな。」

 

フランはジェイドに飛びつき、ジェイドはそれを優しく受け止める。フランを受け止めるジェイドの姿がフランに飛びつかれたときの範人に重なって見えるのは気のせいではないだろう。ジェットはそれを見て嫉妬したのか範人の白衣を握りしめる。

 

「こういうのはレミリアにやってもらいたかったんだけどな……」

 

「お姉様ならみんなの前ではしないだろうけど、2人きりのときにたくさんすると思うよ。それとプラスでその後に色々と……」

 

「自分で思うんだけど、その色々がわかるって怖い。」

 

フランの行動にジェイドは苦笑いする。

彼としては再会1人目の飛びつきは妻であるレミリアがよかったらしい。それも、再会の後に多々あるとはわかっていたのだが、やはり初めてが重要ということだろう。

ジェイドはフランを地面に下ろすと、範人の方を見た。2人の目が合う。

 

「君が今のゴートレック家当主かな?なかなか良い眼をしているじゃないか。」

 

「確かに現在の当主は俺だ。でも、苗字は変更したし、双子の兄貴もいるからよくわからない。ただ単に家を継いだだけだ。」

 

「まぁ、いいや。それよりも、俺も幻想郷に連れて行ってくれ。レミリアが待っているんだ。」

 

「もちろんOKだ。スキマの中へどうぞ。」

 

範人たち4人はスキマに入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スキマを抜けると、そこはお決まりとなった研究所。

このまま、紅魔館に向かうのも範人にとってはありだったが、せっかくなので家に上がってもらうことにした。

 

「ほほう、現在の家はこういうものなのか。」

 

「少し待っててくれ。紅茶を入れてくる。」

 

客人たちをリビングに招き入れ、範人はキッチンに向かう。ジェットは自身の身体に突然現れた魔法陣が気になり、右脇腹をしきりに気にしていた。その様子に気づいたジェイドが話しかける。

 

「どうした?」

 

「今日の朝、起きたら身体に魔法陣が現れていたんです。」

 

「なるほどな。見せてくれるかな?」

 

ジェットは無言で上着の裾を上げる。

ジェイドは多少だが、魔術に関しての知識があるため、魔に関するものに興味があったのだ。

彼がその魔法陣を見た瞬間、表情が一瞬だけ変わった。しかし、誰もその表情の変化に気づかなかった。

 

「少年、君の名前は何と言うんだい?」

 

「ジェット・アルカードです。」

 

「なるほどな。(そういうことだったのか……)これは何かの封印だ。もしかしたら、すごいものかもしれないぞ。」

 

ジェイドの言葉にジェットは目を輝かせる。自分の中に何か特別なものがあるかもしれないということは、彼くらいの年齢の子供からすれば素晴らしいことだった。

そこへ範人が紅茶を持ってきた。ジェイドは一杯だけ飲み、ホッと息を吐く。

何かとは言ったものの彼は術式の全てを読み解いていた。しかし、封印されているものが何かは教えなかった。衝撃的な事実にジェットの思考が耐えうるかが心配だったためだ。「我、吸血鬼の記憶を封印す」術式にはそう書かれていた。

紅茶を飲み干したフランが口を開く。

 

「そうだ!せっかくジェイドがこっちに来たんだから、お姉様を驚かせてみようよ。」

 

「ほう……どうやってだ?」

 

「それはね〜……

 

 

 

……てことだよ。」

 

「なるほどな。面白いかもしれない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェイドが幻想郷に来た翌日。幻想郷に明るい朝は訪れなかった。




さて、今回は挿絵があります。ジェイドを描きました。どうぞ!


【挿絵表示】


うーむ……顔が幼いな。でも、バランスは悪くないのでは?と思っています。背中の羽根のイメージがわかりにくいと思うので言ってしまうと、バイオハザード リベレーションズのノーマンの大きい方の手です。
……わかりにくくなったかもしれませんね。
絵…もっと上手くなりたい。


ちょっとお知らせです。
プロローグ、第一話、第二話を改造しました。今読み返すとあれはひどかったですね。状況、心理描写に対して、会話が多すぎたと思い、状況、心理描写を書き足してみました。
気がむいたら読んでもらえると嬉しいなぁ、というものです。


ではまた、次回お会いしましょう。
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