東方戻界録 〜Return of progeny〜 作:四ツ兵衛
最後の方、エロ注意です。
紅魔館 主の部屋
紅に染まった館の自室でレミリアは目覚めた。勝負が終わったときの記憶がない。それで彼女は自分が勝負に負けたことを理解した。
レミリアは顔を横に向ける。ベッドの端にはジェイドが座っており、レミリアを見ていた。彼女は身体を起こし、窓の外を見る。外は夕方。空を覆っていた影は消えていた。
「あの…ジェイド……」
「ん?どうした?」
「おはようのキスをちょうだい。」
「いや、外のは朝日じゃなくて夕日だからな。それと、楽しみは夜にとっておけ。」
ジェイドの言葉にプクーと頰を膨らませるレミリア。その様子が可愛らしく、ジェイドは彼女の頭を撫でる。頭を撫でられて表情を崩すレミリアだが、その様子がどこか犬のように見えるのはジェイドだけだろうか?主の風格が感じられない。
「さて、他の住人たちが大食堂に集まっている。行くぞ。」
「もっと撫でて〜♪」
「後でな。」
「ムゥ〜……」
またもや頰を膨らませるレミリアだが、今度はジェイドに通用しなかった。ジェイドは無言でレミリアを持ち上げる。突然のことにレミリアは驚いた。普通に持ち上げられても驚いただろうが、その持ち上げ方がお姫様抱っこだったためより驚いた。
レミリアが頰を紅くする。それを見たジェイドが不思議に思って訊ねる。
「どうした?これくらい、前に何度もやっただろ?」
「でも、久しぶりだし、突然だったから……(本当は違う意味で抱いてもらいたかったなんて言えない)」
「ほら、嫌なら自分で歩いて行けばいいんだぞ?」
ジェイドは意地悪な表情でレミリアを下ろそうとする。このままの方がよっぽど良いレミリアは「嫌だ!」とだだをこねる子供のようにジェイドに強く掴まった。その様子を見たジェイドはクスリと笑い、大食堂に向かった。
『おめでとう(ございます)!』
大食堂に入った2人を待ち受けていたのは祝いの言葉だった。祝いの言葉と共にクラッカーが鳴らされる。
大食堂には紅魔館の住人が全員集まっており、今回の誘拐の協力者 範人の姿もあった。その範人がジェイドとレミリアの前に歩み出る。
「再会おめでとう!どんな気分だ?」
「未だにこの光景が信じられないわ。でも、嬉しい。」
「やっと約束を果たせてよかった。レミリアに会えて本当に良かった。」
「そうか、それは良かった。協力した甲斐があった。」
レミリアもジェイドも満足している様子だ。範人はニッコリと笑顔を浮かべると、正面玄関に向かった。レミリアは引き止めようと声をかけたが、彼は「仕事の打ち合わせがあるから」と言って、紅魔館から出て行った。実際は仕事の打ち合わせなどあるはずもなかったのだが……自分はこの場に相応しくないと思ったのだろう。範人の些細な気遣いである。
レミリアが振り返ると、咲夜が壇上に上がっていた。従者…裏方であるはずの彼女が何故壇上に上がっているのか?とレミリアが不思議に思う。すると、咲夜が壇上で口を開いた。
「今日、この紅魔館の主であるレミリア・スカーレット様とその夫ジェイド様が再会なされました。紅魔館使用人一同、お二人の再会を自身の幸せのように嬉しく思っております。そこでここに宴会を開くことになりました。
お嬢様には勝手な行動で誠に申し訳ありませんが、窃盗の常習犯から『宴会が幻想郷流だ!』と聞きました。楽しんでいただければ幸いです。」
咲夜は大きく息を吸い込み……
「お二人の再会を祝って、乾杯!!!」
宴会が始まった。
レミリア自身、宴会は嫌いではなかった。先の読めない運命というものも好きだった。しかし、かなり落ち込んだ。何が起きるかを見抜けなかった自身が情け無いのだ。能力を使ってないのだから当たり前のはずなのだが……
落ち込むレミリアをジェイドが頭を撫でて慰める。そこにフランがやって来た。その隣にはジェットも一緒だ。
「どう?驚いた?」
「貴女はなんでいつも勝手なことを……嬉しいけど、驚きすぎたわよ!」
「えへへ〜、ごめんなさい。」
謝るフランだが、その表情からは全く反省の色が読み取れない。それを見たレミリアはため息を吐いた。ジェイドもやれやれといった表情を浮かべている。ジェットも申し訳無さそうな表情だ。
「2人共に楽しいならもっと楽しそうにしようよ!ほら、何か食べよう♪」
「あ、ああ。」「え、ええ。」
フランはあまりはっきりと肯定しない2人を席へと引きずっていった。
「デューレスさーん…抱きしめてください〜♪」
「Why⁉︎」
「そ、それなら私を美鈴の代わりに……」
「どうしてこうなったんですか……?」
デューレスは酒に酔った美鈴と咲夜に言い寄られていた。今はまだ軽い修羅場である。
デューレスはパチュリーに「help me」の視線を送る。しかし、彼女は興味がない様子でプイと目を逸らした。そんなパチュリーの隣では、これから映画でも見るようなワクワクした目の小悪魔がポップコーンを手にしている。助けてくれそうな範人も帰ってしまった。「ここに味方はいないのか?」とデューレスは泣きそうになる。
そんな彼を挟んで美鈴と咲夜の言い争いはエスカレートしていた。
「デューレスさんは私のことを好いているんですよ。咲夜さんはお嬢様の側で仕える身なんですから、付き合ってイチャラブしている時間なんてないでしょう?」
「門番の仕事をサボって居眠りしている貴女にだけは時間云々について言われたくないわね。大丈夫よ。そのための時間は他を頑張って削るわ。この気持ちが好きだという気持ちなら、そのくらい全然平気よ!」
「なんか話が勝手に進んでいるんだけど……何がどうした?」
状況が飲み込めず、デューレスは混乱する。彼を混乱させている要因は複数あるが、最も混乱させているものは先程より飛びかっている「好き」という言葉である。
デューレス自身、誰かに恋愛感情など抱いたことがない。美しい女性や可愛い少女を見ても純粋に「素敵だな」や「可愛いな」などと思うだけである。そもそも彼自身、自身が恋愛対象になるとは思っていないのだ。
美鈴と咲夜は一触即発の危機。そこに欲しいけどいらない助け舟が出された。
「それなら、デューレスさんに直接聞いたらどうですか?」
声の主は小悪魔。彼女は意地悪な笑みを浮かべている。その様子はもう小悪魔ではなく悪魔だろう。隣りではパチュリーがため息を吐いていた。
美鈴と咲夜は互いに向き合うと首を縦に振り、デューレスの方を向いた。そして、同時にこう言った。
「「私たちのうち、どちらが好みですか?」」
「ええ⁉︎」
デューレスは焦った。どちらが好みと訊かれて、どちらかだと答えてしまえば、片方が傷ついてしまう。かと言って、答えないわけにもいかない。答えなければ、粘菌事件の宴会の時と同様に追い回される可能性があるからだ。あれはデューレスの中では一種のトラウマになっている。背後から怪力の生物が追いかけてくるなんて考えたくもなかった。
困りきったデューレスは酒を飲んだ。今更だが、彼は人外としては酒にあまり強くない。鬼との酌み交わしなど、おそらく1分程でギブアップだ。
彼は少し酔った。酔いのせいで彼の中で少しだけ存在している性癖が表に出た。ここで表に出した方がいいと思ったのかもしれない。
「すみません、咲夜さん。私、巨乳派です。」
「何ィー⁉︎」
デューレスの抽象的な答えに、どこぞの大佐のような声を上げて驚く咲夜。ショックを受けた表情で固まる彼女からは魂が抜けてしまったようにも見える。そんな彼女の様子を見たデューレスは悲しい気持ちになった。自身の言動で誰かを傷つけてしまったことが堪らなく悲しいのだ。
悲しむデューレスと魂が抜けてしまったような咲夜を見て、小悪魔はクスクスと笑っていた。美鈴はデューレスに背後から抱きついている。恋愛には興味がない様子のパチュリーだったが、彼女も女性。恋を侮辱するような小悪魔の態度にはさすがに怒りを覚えたようで魔王のような形相で小悪魔を睨みつけた。途端に小悪魔は黙る。
「ごめんなさい、咲夜さん。
でも、私は貴女のことを嫌いではありませんよ。むしろ好きです。」
「ほ、本当?」
「はい。
恋愛対象としては(多分)見ていませんが……」
デューレスの言葉で咲夜に色が戻る。それと同時に彼女の中では巨乳に対する憎悪に似たものが湧き上がってきた。咲夜は無言で美鈴を睨みつける。美鈴もまた、咲夜を睨み返した。火花が飛んでそうな程に激しい睨み合いにデューレスの顔がこわばる。小悪魔はまたしても心の中でワクワクしていた。
「美鈴……」
「何ですか?」
「その胸切り取ってやらぁ!」
「(これはマズイ!)逃げるんだよぉ〜。」
咲夜の思考が暴走した。ナイフを持ち、逃げる美鈴を追いかけていく。2人は大食堂を抜け、廊下へと姿を消していった。能力を使っていないのは咲夜なりの優しさだろう。それを見た小悪魔もこれから女の戦いが見れるということで追いかけていった。その場には呆気にとられていたデューレスと2人の様子に興味がないパチュリーだけが残された。
「デュー……」
「何でしょうか?」
パチュリーに呼ばれたデューレスが彼女の方を振り向く。パチュリーは着ている服の襟元を少しはだけさせて、デューレスに見えるようにしていた。その襟元から覗く胸はかなり豊満だ。パチュリーが普段の彼女からは想像できないような甘い声でデューレスに言う。
「貴方…巨乳派って言ったけど、私のはどうかしら?何かそそられるものはない?」
「そうですね……ないと言えば嘘になります。」
「だったら、私を抱いてみない?」
「喜んで遠慮させていただきます。」
デューレスはパチュリーの質問に笑顔で答えた。パチュリーはデューレスの答えを聞いて「相変わらずブレない」と笑った。彼女は若干本気だったのだが、断られてもショックを受けないあたり、流石といったところだろう。頭の中で何度も「諦めない」とつぶやいている。
デューレスは質問に答えながら「自分も恋をしていいのか」と思っていた。
レミリアの自室。レミリアとジェイドはそこにいた。2人共、宴会では酒を控えて、早めに切り上げてきたのだ。
何故か?
理由はこれから2人で行う夜戦で、よりしっかりと快感を得るためである。酒に酔っていてはアルコールが軽い麻酔の役割を果たし、100%の快感を得ることができない。
ジェイドが服を脱いでいる隣りでレミリアも服を脱いでおり、ほんの十数秒で2人は全裸になっていた。
ジェイドがベッドの上で仰向けになり、レミリアがその上に馬乗りになる。476年前とほとんど同じ体制である。
「実に476年ぶりね。」
「そうだな。レミリアはあまり変わってないみたいだが?」
「それは貴方も同じでしょう?私だって、身体がもっと成長すると思っていたのよ。」
「そういうことじゃなくて、変わらず可愛いってことだ。」
「ありがとう。」
レミリアはジェイドと唇を重ねた。互いの口内に舌を侵入させ、舐め合い、絡み合わせる。粘着質なディープキスは互いの頭の中を白に染め、理性を溶かしていく。そのディープキスは数分に及んだ。唇を離したとき、レミリアの身体は紅潮しており、荒く息をしていた。ジェイドはレミリアが馬乗りになっている自身の腹部にヌルヌルとした感触を感じていた。
「ジェイドぉ……おっぱい…揉んで……」
「わかった。」
ジェイドは言われた通りにレミリアの胸を揉む。レミリアの小さな胸…俗に言う貧乳はジェイドの手の中で小さく形を変え続ける。その中心にある乳首は興奮したレミリアの加速した血流により、硬くなっていた。それでも構わず揉みしだく。時折、指先で乳首をつまんだり、弾いたりするとレミリアは可愛い声で色っぽく喘いだ。その声にジェイドは興奮してしまう。
ジェイドがレミリアの胸から手を放したとき、彼女は準備万端といった様子でジェイドに言う。ジェイドの腹部にあるヌルヌルとした感触はさらに強くなっていた。
「ハァ…ハァ……ジェイドが上手だから、こんなに濡れちゃった。こんなにしたんだから…私を満足させてよね?」
「もちろんだ。476年分、激しくしてやるよ。俺もたまっているんだ。」
「ふふふ……孕ませてもらおうかしら?子供が欲しいの。
お願いね、ア・ナ・タ♪」
「ああ、できたらな。俺だって子供が欲しいし……
じゃあ、いくぞ!」
ジェイドは身体を起こして、レミリアと唇を重ねる。レミリアの身体から力が抜けてくると同時にジェイドがレミリアを押し倒した。
その後、紅魔館の一室には主の喘ぎ声が朝まで響き続けた。
これでよかったんや、これで……
おねショタっていうジャンルはあるけど、ロリおに(萃香じゃない)ってあまりないですよね。
え?あるって?あ、よく考えたら、たくさんあるかも……
次回は番外編といった感じになります。正直、何話になるかわかりません。1話になるか、それとも今まで通り3話になるか、またはもっと多くなるか……
一先ず、蜘蛛島さんのお話になることは間違いないです。幻想郷に来る前の範人が唯一失敗したミッションにしてもよかったのですが、雰囲気とか、話を出すタイミング的に第四章がぴったりでした。
第四章は範人に最も近いオリキャラが登場します。2人目の主人公と言っても過言ではありません。その方はこの作品では主人公になれませんが……
第四章はシナリオ考える上で最も燃えた章です。まだ、全て考えついているわけではないですが、それでも一番燃えた章になると思います。エンドまで、一応考えがまとまっている感じですし……
次章から(今章も入るかな?)イチャイチャシーンが増えると思いますのでご了承を……範人も18才になるわけですしね。
ジェイド「やったね、つっkk(以下略」
それ(つっkkのところ)、私のあだ名⁉︎
↑実話
あ、ちょっとタイトル変えると思います。今までのタイトルはストレート過ぎました。(反省)
次回も待っていてくれると嬉しいです。
では!