魔法少女リリカルなのは!?「フェイクヒーロー」   作:ヘルカイザー

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どうも〜

お久しぶりでございます…………

すいませんやっと時間ができてこれだけです…………

早く他のも書かないとですけど……時間がかかりそうです。

この時期は忙しくていけません……

では!

よろしくお願いします。


第9話《力と代償》

「フェイトちゃん……だったよね? 」

 

「え? う、うん……」

 

「君とは初めましてになるね? 僕は飛影 潤。よろしく」

 

「あ、うん! 私はフェイト・テスタロッサ。今はハラオウンが付くんだけど。と言うか……用って何なのかな? こんな所で2人きりで」

 

私はこの子が編入してきた日、何故か話があると言われ校舎裏に呼ばれた。最初はどんな話をするんだろうと思っていたが、次の瞬間、私は最初に疑わざるおえなかった。彼が敵であるかどうかを。

 

「姫子ちゃんはどうしてる? 」

 

「姫子? ひ、姫子なら風邪で休んでると思う」

「怪人にやられてその後どうなったの? 」

 

「!? ……君……何者? どうして知ってるの? 」

 

「できればそんなに身構えないで欲しいかな。僕は別に君の敵じゃない。ちょっと怪人と縁があるだけ」

 

そう言い悲しい顔をされたので私は申し訳なくなった。どうやら本当にその事実を知ってるだけのようで、勝手に敵と警戒したのは間違いだった。

 

「その……ごめんね? 」

 

「ううん。別にいい。それより、できれば姫子ちゃんに会わせて欲しいな? 」

 

「姫子に? ……ごめん私の判断じゃ……あ! じゃ、明日まで待ってくれないかな? 面会してもいいか聞いてみるから」

 

「本当? うん、分かった」

 

これで潤の話はおわった。だから今度は私の番。私はどうしても聞きたい。どうしてアリシアお姉ちゃんが生きているのか。どうして一緒にいるのかを。

 

「あ、あの潤? 」

「え? 」

 

「あ、ごめん!? 名前呼んだらマズかった? 」

 

「ううん! そんな事ないよ、ちょっとびっくりしただけ。呼び方はそれでも大丈夫」

 

「うん! それで……アリシアお姉ちゃんの事なんだけど……」

 

そう聞くと、潤は説明しだした。しかしその説明は所々疑問が残る物ばかり。詳しく聞こうと思ったが、それはそれで失礼だと思った。どんな理由があったかは分からないがせっかくアリシアお姉ちゃんを助けてくれたのだ。感謝しても彼の嫌がる事をする理由はない。

 

「それじゃ、また教室で」

 

「え? う、うん…………貴方は何者なの? 」

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

「潤君〜んふふふ」

 

「す、すずかちゃん? ちょっとくっつき過ぎじゃ……」

 

「そうよすずか? 少しは周りの目を気にしなさい? 」

「嫌! 」

 

「……す、すずか? 」

 

私は親友がデレデレになった姿を帰り道で見せられている。一緒にフェイトとなのは、アリシアもいるのだがそんな事すずかはおかまいなしに潤の腕に抱きつきながら歩いている。甘い。甘すぎるのだ。ここだけ空間が湾曲している。

 

「潤君? 明日一緒に学校行いかないかな? 私登校も潤君にこうしてたいな? 」

 

「い、いや……その……」

「だぁぁぁああああああああ!? やめなさいよ!? 恥ずかしいのよ!!! 何てむず痒い……ひっ!? ……あ……わわ……」

 

「ちょっとうるさいかなアリサちゃん? 」

 

一瞬何が起こったかわからなかった。しかし私の目の前にある手を見て私は顔を青く染める。すずかが私の歩いている目の前の電柱に拳を入れたのだ。電柱は少しヒビが入り欠けている。

 

「「「あれは逆らったらダメな奴(なの)」」」

 

「すずかちゃんそこまでしなくてもいいんじゃ」

「いいのいいの! えへへ〜潤君〜」

 

結局の所、潤と離れていた期間が長すぎたすずかは潤にべったりしていないと気が済まない様子だった。正直凄く羨ましい。私もあんな相手が欲しいと思うが恥ずかしいので言わない。

 

「っ!? 」

 

「ん? どうしたの? 潤君? 」

 

「い、いや……ごめんすずかちゃん! 」

「あ、潤君!? 待って!? ……まさか…………」

 

潤は突然ハッとした顔になり、すずかの腕を無理矢理解いて何処かへと走り去る。私達はそれを呆然と見ていたがすぐに後を追いかけた。あの様子は尋常じゃない。それに彼が怪人と関わりがあるのを知っているすずかと私は心配せずにはいられなかった。

 

「どこ行ったのよ……」

「あ! アリサちゃんあっち! 」

 

なのは達と別れ、二手で探した。私はすずかと探し回ったが、その時、むこうの空き地の方で大きな音がした。そして顔を見合わせた私とすずかはその空き地に走る。すると、そこには潤と頭が電球の怪人が対峙していた。だが私達から見れば、このままでは潤はが殺されるという未来しか見えなかった。

 

「せっかくの獲物を……誰だか知りませぬがこれ以上邪魔をするなら怪我をしますよ少年? 」

 

「一つ答えて貰う」

 

「ほぉ〜? いいでしょう。子供のわりには肝がすわっているようです。気に入りました。で? 一体なんでしょうか? 」

 

「お前が人から何かを吸い出すように奪うあの行為はなんだ? 」

 

「クックック……何だ、そんな事ですか? そんな物は答えるまでもありませんが……人の魂、それを吸い出しているのですよ」

 

「魂? 」

「さよう! そして魂を抜かれた者は一週間以内にその魂を戻さなければ2度と目を覚ます事はありません。まぁ〜もっとも、私が死ねば吸収した魂は元の場所へ帰りますがね? 」

 

「そうか……なら良かった」

 

突然潤が笑みを見せる。会話の内容は私達の所まで聞こえるが内容は理解できない。どれも非科学的なものばかりだからだ。しかし怪人が攻撃しだそうとした時、私の横にいた筈のすずかはいつの間にか走り出していた。私は止めようにも間に合わない。

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

「死になさい! 」

「くっ!? 」

 

「意外にすばしっこいですね? ですが……これで」

「やめて!!! 」

 

「!? すずかちゃん……」

 

僕は怪人の拳をかわしながらスキをうかがっている時、僕と怪人の間にすずかちゃんが入り込み、両手を広げて怪人の前に立ちはだかる。僕は迷った。ここで変身してしまえばすずかちゃんにバレてしまう。だがこのままではすずかちゃんの身が危ない。

 

「何ですか? お嬢さん? 邪魔をすると言うのですか? 」

「する……潤君を傷つけるって言うなら何度だって邪魔するよ!!! 」

 

「ならば……死になさい、フラッシュ・バッがっ!? ……くっ……今度は何者ですか!? 」

 

怪人がすずかちゃんに向け、魂を吸収する技を使おうとした時、怪人は横から蹴り飛ばされた。誰かと思えば、同じクラスの佐藤君だ。すずかちゃんは驚いている。けど僕は驚かない。何故なら僕は彼が強い理由を知っている。

 

「アリサの親友に手を出すなんざ、許される事じゃないな? 電球野郎」

「佐藤!? あんたどうしてここに……」

 

「ん? 怪人の気配がしたから? と〜、月村大丈夫か? あと、クラスメイトB君」

 

「うん……君が僕の認識をどう思ってるか分かったよ…………」

 

「冗談だ、そう怒るなよ。お詫びにこの怪人、倒してやるから! ……変身! 」

 

そう言って近くの車にデッキをかざす佐藤君。すると彼はかざしたデッキを現れたベルトに差し込み、銀色の戦士へと姿を変えた。それにすずかちゃんは知らなかった為か驚いている。

 

「またくだらないヒーローの登場ですか? いい加減鬱陶しい! 」

 

「それはこっちのセリフだ! 」

 

佐藤君と怪人の戦いは始まる。一見、佐藤君の方が押しているように見えた。しかし、あの怪人はどこか余裕の雰囲気。やはり僕の思っている事は間違いじゃないのだ。この怪人は今までの怪人とはちがう。言葉をはっきり話せるのもそうだが、基本的にステータスが上がっている。しかもまだ底を見せていない。だから油断した瞬間取り返しのつかない事になる。だが佐藤君もそれは分かっているようだ。態度はあんなんだが、戦い方は油断していない。

 

「ちっ、やるじゃねぇ〜か? 」

 

「フフ、お褒めにあずかり光栄ですよ。しかし

……ここまで」

 

「何? 」

 

「フラッシュカーニバル! 」

 

「なっ!? ぐっ……眩しいなクソ……」

 

怪人の頭から強烈な光が放たれた。そしてそれにより、僕らは視界を奪われる。眩しくて何も見えないのだ。だがこれでは敵も何も見えない筈。僕はそう考えていたが、それは甘い考えだった。

 

「きゃぁぁぁああああああ!? 」

 

「っ!? バニングス!? 」

「「アリサちゃん!?」」

 

「この娘は頂いていきますよ? おっと! へんな考えは起こさない事です。さもなくば、死にますよ? フフ。では、御機嫌よう」

 

「待て!? ……クソ……クソったれ!!! 」

 

「アリサちゃん……そんな」

 

一瞬だった。一瞬目を潰されたスキにアリサちゃんは怪人に捕まり、連れ去られた。佐藤君は大声をあげて悔しがる。すずかちゃんはショックを隠せずに両膝をついた。勿論僕も悔しい。何も出来なかった。しかしやはりこうなのだ。正体を知られ、大切な者が近くにいるとき、絶対にその人が危険な目にあう。無関係ならばさほど怪人も目をつけない。怪人は汚くもこちらの弱点を確実に狙ってくるのだ。

 

「すずかちゃん、大丈夫だから落ち着いて? 」

「大丈夫じゃないよ、アリサちゃんが、アリサちゃんが!? 」

 

「大丈夫、大丈夫だから」

 

「!?……潤……君? 待って、どこ行くの!? 」

 

僕はすずかちゃんを落ち着けてアリサちゃんを助けに動く、だが勿論そんな事はすずかちゃんには言わない。でも言わなくても分かるのだろう。すずかちゃんは僕を止めるように前に回り込んだ。

 

「潤君、アリサちゃん助けに行くの? 」

「……うん」

 

「で、でも……潤君1人じゃ危ないよぉ……」

 

「大丈夫、絶対アリサちゃん連れて戻ってくるから」

 

「嫌……また潤君が帰ってこなかったら、私は「俺も一緒に行く! 」佐藤君」

 

「いいだろ? 俺もこのままじゃすまさねぇ! 足は引っ張らないつもりだぜ? これでも力はある」

 

ジッと熱い眼差しで僕を見つめる佐藤君。信じてない訳ではない。それに今回は1人じゃキツそうだ。となれば、僕が出す答えは決まっている。

 

「うん、行こう! 」

 

「へ、そうこなくっちゃな! 」

 

そして僕らは、アリサちゃん救出へと出た。

 

 

◇◆◇◆

 

 

俺は情けない男だ。守ろうと駆けつけたつもりが、守れなかった。いなくなって気づく事もあるのだろう。俺は守りたい。友を今度こそ守りたいと誓った。でもバニングスがさらわれて感じた感情はそんな生温い物じゃなかった。後悔とか、そんな感情ではない。俺が何を犠牲にしても守りたいと感じた。怒り、憎しみ。それを怪人に抱くほどに。

俺は転生者だ。精神年齢も割と高い。だからこそこの感情が何かを俺は知っている。知りたくもなかった、この胸の痛みを俺は知っているのだ。

 

「なぁ? お前どうして怪人の場所が分かるんだ? 俺でもここまで正確には分からない。まさかとは思うが……お前転生者じゃないのか? 」

 

「転生者? 」

「あ、いや、忘れてくれ(転生者ではないのか……)」

 

俺と飛影は飛影の案内で怪人が向かったであろう場所へと向かった。だが俺はこの時不思議で仕方なかった。転生者ではないこいつが、どうしてこんな力を持ち、どうしてこの世界の主人公達と関わっているのか。しかし原作で言えば、この世界はもう大きく異なってしまってる。だから飛影のようなイレギュラーが存在したとしても不思議じゃない。でも俺はどこか引っかかる事があった。こいつは……飛影はどこか変だ。人として持っていなければならない何かが欠けている。俺はそう感じていた。

 

「ついた、ここだ」

 

「ここ? ……墓場じゃねぇか…………」

 

ついたのは墓地。それもこの町で一番大きな。しかもそこはいつもとはとは違う雰囲気が出ている。何かがあるのは間違いなかった。俺と飛影はゆっくりと墓地に入る。しかしその瞬間、地面からゾンビのような兵隊が大量に出現し、俺達を囲む。そして思わず俺達は互いの背中を合わせた。

 

「クソ……面倒だな」

「佐藤君? 」

 

「んあ? 何だ? 」

 

「ここは僕がやる。佐藤君は先へ」

「バカ、お前1人に…………。ちっ……分かったよ。頼むぜ、飛か……いや、『潤』! 」

 

「あ……うん! 」

 

潤はゾンビを引きつけ、そのスキに俺は先へと走る。そして俺はこの時心底、感じていた。こいつとは、ダチになれると。

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

「さて……ここなら誰も見てない。そろそろ終わらせよう。いるんだろう? 出てきなよ」

 

「グゥ〜? ナゼワカッタ? 」

 

「君が怪人である限り、僕にはわかる。逃がしなどしない」

 

ゾンビ達の後ろから現れたのは3メートルはあろうかと言う大きなゾンビ。どうやらこいつはこのゾンビ達の親玉だ。ならばこいつを倒せば片がつく筈だ。

 

「コシャクナニンゲンダ。フラッシュサマヘノミヤゲ二シテヤロウ」

「なるほど、あいつの配下か。だけど……僕は負けない。君達怪人がこの世に存在する限り! 」

 

「グゥ〜……オマエハナニモノダ? 」

 

「僕は……お前達怪人の邪魔者だ! 覚えておけ! フっ……変身! 」

【マスクチェンジ……ゴウカ! 】

 

「!? オマエタチ、エサノジカンダ! 」

 

僕が剛火に変わると同時にゾンビ達が僕へと襲いかかる。だから僕はそれを次々に殴り飛ばした。そうされたゾンビは拳を受けた箇所から燃え盛り、消滅していく。だがゾンビ達は倒した先から補充するように地面から這い出てくる為、なかなか親玉の所までたどり着かない。

 

「グゥ〜フフ。コイツラハ、フジミダ! ソシテ、オマエハココデ、シヌ! グゥ〜フッフ、ハーッハッ【マスクドライブ……ゴウケンレッカ! 】ッ!? 」

 

【ファイナルマスクドライブ……ゴゴゴ ゴウカ!! 】

「うおぉぉぉぉおおおおおおおおお、はぁぁぁああああああ!!! 」

 

僕はカードをバックルへと挿入し、右拳に炎を灯した。そしてそのまま左手でもう1枚カードを挿入し、右拳を自分の真下の地面へと振り下ろした。

 

「バカナ……ゼンメツ……ナゼ……ナゼワガヘイハフッカツシナイノダ!? 」

 

怪人は今の状況を見て動揺していた。僕がやったのは、右拳にともした炎を極限まで威力を高めた物を地面へと流し込み周囲の物を焼き尽くすというもの。そして、僕の炎には浄化の力がある。だからゾンビ達は消滅し、もうこの場には現れない。

 

「後はお前だけだ」

 

「グゥ、グゥ……コシャクナ、ニンゲンフゼイガァァァァアア!! 」

 

怪人は両手を振り上げて僕の方へと全速力で走ってくる。今、怪人は確実に冷静さを失った。

 

【ファイナルマスクドライブ……ゴゴゴ ゴウカ!! 】

 

「グゥワァァアアアアアアアアア!! 」

「せいっ、やぁぁああああああ!!! 」

 

「ドフゲガァ!? 」

 

走ってくる怪人に対して、僕は背中を向け、怪人が背後に迫ったタイミングで回し蹴りを放った。当然、これは僕のフィニッシュ技の為、怪人は後ろへと吹っ飛ばされる。しかしここで妙な違和感があった。いつもなら、流し込んだ僕のエネルギーで爆発する筈の怪人が爆発しなかったのである。しかも怪人はフラフラと立ち上がった。

 

「グゥ……フフ、フハハハハハハ!! ムダダ! オレハフジミ! シヌコトナド、ナイノダ! 」

 

「……なら、何度でも倒すまでだ! ……っ!? 消え……がはっ!? 」

 

怪人は突如として僕の視界から消えた。だがすぐに僕の後ろに現れると巨大な拳で僕を殴り飛ばす。完全に無防備だった僕は、その辺の墓石を壊しながら10メートル近くぶっ飛ばされた。

 

「ぐっ……急に……速く」

「シリタイカ? 」

 

「なっ!? ぐがっ……かっ……がっ……」

 

「オレハ、シネバシヌホドツヨクナル。ダカライマノオレハオマエヨリツヨイ! グゥ〜フフ、このままシメコロシテヤロウ」

 

「あ……か……は……」

 

僕の首を鷲掴みにした怪人は僕を持ち上げながらその手をしめていく。ヤバイと思った時にはもう遅かった。息ができずに意識が段々となくなり、抵抗しようと上げていた両手の力も抜ける。しかし朦朧とする意識の中で、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「潤!!! 」

 

「グゥ? 」

「あ、アリシア……ちゃん……! ぐっ、はぁ!! 」

 

「グゥオォ!? 」

 

「ごほっ、ごほっ!? 」

「潤、大丈夫!? 」

 

アリシアちゃんの声は僕の消えゆく意識を一気に引き戻した。そして悪足掻きをするように、僕は怪人へと力の限りの蹴りをお見舞いする。するといい所に入ったようで、怪人は僕から手を離すと後ろへとよろけた。

 

「アリシアちゃんどうしてここに」

「心配したからに決まってるじゃん! 潤はバカだよ、私も今はすずかの気持ちがよく分かる! もうお願いだから1人で……行かないで」

 

「……アリシアちゃんごめん。アリシアちゃんの力、貸してくれないかな? 」

 

僕がそう言うとアリシアちゃんは無言で頷いてくれた。そして僕らは立ち上がり、僕は1枚のカードを。アリシアちゃんは腰にベルトを出現させ、僕と同じカードを。

 

「いくよ、アリシアちゃん! 」

「うん! 」

 

「「変身!! 」」

 

【【マスクチェンジセカンド……カミカゼ! 】】

 

「!? ……ナ、ナンダ」

 

 

アリシアちゃんは僕の中へと溶け込み、僕の力となる。剛火という魂の炎は、今、再び神風と変わった。

 

 

◇◆◇◆

 

 

「どこだ。潤の奴、この先って言ってた筈だが……っ!? バニングス!? お、おい、しっかりしろ。おい!! 」

 

「……ん、佐……藤? あ……うっ……えぐっ怖かった、怖かったよぉ……」

 

「……悪かった、助けてやれなくて……なぁ〜俺さ、お前が攫われっう!? ……バ……ニングス? 」

「え? 何これ……違がっ、私の意思じゃ!? ……あ……ああ……どうして……どうして私こんな事……そんな…………」

 

私は佐藤の声で目を覚ました。しかし、それで安心したのも束の間、私は異常な行動を取っていた。泣きながら佐藤にしがみつく傍、私の右手は一本のナイフを所持しており、それを私の意思とは関係なく、佐藤のお腹を貫いたのだ。私は訳が分からなくなってパニックを起こす。そして佐藤の苦痛に歪んだ顔を見て、私はさらに取り乱した。

 

「ねぇ、お願い……し、しっかり……嫌、嫌……」

「大丈夫……だ。これぐらいどって事ない。それよりも……覚悟は出来てるんだろうな? お前の仕業だろ? クソ電球!! 」

 

「ほぉ〜私の洗脳だと見抜きましたか? 」

「アホかお前。お前以外だれがいんだよ……ぐっ」

 

「辛そうですね? ではお察し! 」

 

「え……佐……藤…………」

「!? ……お、おい……おい!? バ、バニングス!? ……貴様……何を……した」

 

私は急に意識を奪われ、その場に崩れ落ちる。もはや、佐藤の名前をつぶやく事しか出来ずに。

 

「魂を吸い取って差し上げました。もう、そのお嬢ちゃんは死んでますよ? お察し! 残念でしたね? 」

 

 

◇◆◇◆

 

 

「嘘だ……」

 

「嘘? フフ、見てわかりませんか? 綺麗な顔じゃないですか? フフフ」

 

「嘘だ……嘘だ……嘘だ! 嘘だ!! 嘘だぁぁあああああああ!!! 」

 

「安心しなさい。貴方もすぐにお嬢ちゃんの元へ送って差し上げますよ、フラッシュ・バック! ……なっ!? 」

 

怪人が放った光線は俺の前で湾曲するように弾かれる。だがそれは不思議な事ではない。何故ならこいつは俺の怒りに火をつけた。そうなれば、こいつが荒ぶらない筈はない。俺の核、にして相棒。サイバー・エンド・ドラゴンが。

 

「な、なんなのですかこのドラゴンは!? 」

 

「許さねぇ……貴様は絶対に許さねぇ……俺の大切な……護りたいと思った女を……よくも……よくも! 変……身! 」

 

「!? 馬鹿な!? 貴方は自分を映す場所でしか変身できない筈、なのに何故」

 

俺は確かに自身を映す場所でしか変身は出来ない。だが、俺の前に現れたサイバー・エンド・ドラゴンがその答えだ。こいつの身体は銀色で鏡のような装甲をしている。だから俺はこいつに移して変身した。

 

「行くぞ……サイバー・エンド・ドラゴン!!! 」

 

サイバー・エンドの咆哮、それと共にカードを1枚バイザーへと勢いよく差し込んだ。

 

【オーバーベント……パワー・ボンド! 】

 

「ぐっ……くわぁ……な、なんなのですかこのエネルギーは!? 」

 

「終わりだ! 」

【ファイナルベント! 】

 

「……ぐっ、フフ。終わりですと? 終わるのは貴方の方です! フラッシュ・ゲイザー!!! 」

 

怪人の頭からは強烈な赤い光が発射された。しかしそんな物は意味をなさない。何故なら俺が使ったオーバーベント。これは自身の力の限界を超え、そのエネルギーを爆発させて一時的にパワーアップさせる物。そのエネルギーはそいつ如きの攻撃で消える程小さな物じゃない。しかし同時にこのカードを使う事は俺の命に大きく関わる。

 

「死になさい!! ……!? そんな馬鹿な!? ぐっ……がっ、やめろぉぉぉぉおおおおおお!? 」

「うおぉぉぉぉおおおおおおおおおお、でぇりゃぁぁぁあああああああああ!!! 」

 

俺は怪人の光線を飛び蹴りで弾きながら怪人を貫く。そして怪人はフラフラとしたのち、バンザイをして弾け飛んだ。だが同時に着地した俺も意識を失った。

 

「はへ……ヒハ……遊び……すぎ、ました……あ……よ、鎧道士さまぁぁあああああああああ!? 」

 

 

「うっ……あ……はぁ……はぁ……バニン……グス…………」

 

 

◇◆◇◆

 

 

「うっ……ん? ここ……は? あ……佐藤!? 佐藤! 佐藤? 起きて! 嘘でしょ……お願……い…………」

 

私はふと、目を覚ました。けどそこには倒れた佐藤がいる。目を瞑り、ピクリとも動かない。だから私は駆け寄った。しかし佐藤は動いてくれない。怪人はどうしたのかと思ったが、近くに焼け焦げた跡があるので倒したのだと分かった。

 

「ねぇ! ねぇってば!? どうしてよ……どうして……っ!? 佐藤……」

 

倒れた佐藤の上で泣きじゃくっていた私の手を急に強い力が握りしめた。当然、握ったのは佐藤。でも佐藤の意識はない。どうやら私の声に反応して握ったようだった。しかし私は胸に暖かい感情がハッキリと感じた。安心と心強さ。

 

「もう……ひぐっ……うっ……ばが……さとぅの……ばがぁぁ…………」

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

「ふ、はぁっ!!! 」

 

「ヌッ!? グアッ!? 」

 

カミカゼになった僕は怪人をただの拳一撃で吹き飛ばす。剛火の時とは比べ物にならない程の力。改めて感じるこの力の大きさ。これも全てアリシアちゃんのおかげと思うと僕はとても心強かった。

 

「バカナ……ナゼカテナイ! ナゼコンナニツヨクナッタンダ!? ウガァァァアアアアアアアアアアアア!!! 」

 

【潤来るよ! 】

 

「うん、分かってる。けど……これで最後だ! 」

【ファイナルマスクドライブ・セカンド……カカカ カミカゼ!! 】

 

「はぁっ! 」

 

「グゥ〜! シネェェェェエエエエエエエエ!!! 」

「【でりゃぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!】」

 

僕の方へと走ってくる怪人に対して僕は、空高くジャンプし、身体をぐるぐると回転させながらその周りに風を纏わせ、怪人へとキックを放つ。すると怪人は僕の風に影響されてか動きが止まり、そのまま僕のキックを受けた。

 

「ウッ……ガッ……ソン……ナ、バガナァァァァアアアアアアア!? 」

 

キックを受けた怪人は、蹴りが直撃した場所に描かれた風と言う紋章を中心に斬り裂かれ始めると、そのまま弾けた。どうやらカミカゼになった事で浄化の力も上がってるらしい。怪人はもうそれ以上復活しなかった。

 

「倒した……」

【やったね、潤! 】

 

「うん……でも……」

 

「きゃっ!? ……てて……もう!? だから急に変身とかないでってば!! まったく潤……は? あ、れ? 」

「アリシアちゃん!? 」

 

「潤…………」

 

「アリシアちゃん!? アリシアちゃん!! 」

 

僕達は完全に安心していた。怪人を倒し、気を抜いた僕が変身を解いた直後の事だった。アリシアちゃんはその場に倒れ、その顔は血の気が引き、青くなっていた。僕はこの時もう少し考えて気づくべきだったのだ。これだけ強大な力が、何の代償もなしに使える訳がないという事実を…………

 

 

◇◆◇◆

 

 

「うっ……あれ? ここ……は? 」

 

「姫……子……ちゃん? 」

 

「ん? あれ? なのはちゃん? どうしたの? え? ちょっ!? どうして泣いて、きゃっ!? 」

「姫子ちゃん!? よかった……よかったよぉ……えぐっ……ひぐっ……うわぁぁぁ」

 

「なのはちゃん……ごめんね。なんか……心配かけたみたい」

 

 




次回もよろしくお願いします。
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