楓「……!!」
楓はバッと飛び起き、辺りを見回す。そこは見慣れない部屋。だがしかし、1度だけ来たことがある部屋だった。
楓「……」
楓は自分の寝かされていたベッドや体を見る。特に目立った外傷はなく、鎖で拘束をされている訳でもなく、ただそこに寝かされているだけであった。
凶「あぁ、起きたのかい」
楓「……!」
凶邪が扉を開け、その手に霧血月を持って現れる。元々が紅い霧血月が更に赤く染まっているのが見え、楓は警戒をする。しかし凶邪は手をパーにして
凶「待った待った!今回ばかりは争う気は無いよ。まぁ、戦う気ならやめといた方がいいと思うけどなぁ?」
と言ってベッドの横にある椅子に腰掛け、霧血月を地面に置く。その動作を見て、楓は警戒を解いてはいないが戦闘態勢は解いた。
凶「君をここに連れ帰ったのは君に興味が出来てるからだ。色々と聞きたいこともあるしね。そうじゃなきゃ君、捕まった時点でもう死んでたよ」
確かにその通りだと楓は思っていた。凶邪の実力ならもう自分を殺せてもおかしくはない。凶邪の言う通り、もう死んでいるだろう。
凶「……博麗の巫女が言っていた「両親を残酷に殺された」っていう話が気になってるんだけど、話す気はあるかい?」
凶邪がそう聞くと楓はキッと凶邪を睨み、ぷいっとそっぽを向いた。
凶「……話す気はない、か。まぁいいさ」
凶邪は立ち上がり、棚から1枚の写真を楓に見せた。
凶「俺は以前、「俺と同じだね」って君に言ったよね。その理由を今から説明するよ。あれは今から8年前かな────」
「ぐぼァ!」
180cmはあるであろう男は裏路地のゴミ箱に吹っ飛んでいった。そしてその男はそのまま気を失った。
???「ハァ…めんどくせーなぁ」
まだ中学2年生の凶邪──村正 鷲也(むらまさ しゅうや)はため息をついた。帰路を歩いていたら不良に絡まれ、金を出せやの通行料払えだのと言われ、不良を殴り飛ばした。そして気絶した不良を片手で持ち上げ、仲間の方へと放り投げた。仲間の不良は
「ヒッヒェェェーーー!」「覚えてやがれぇぇぇー!」
と、そんな悲鳴や言葉を発しながら不良達は気絶した不良を抱えて逃げていった。
???「鷲也君!」
鷲也の後ろから20代前半であろう女性が裏路地の中に入ってきた。
鷲「……先生」
???「もう!また喧嘩して!不良に関わっちゃダメって何回も言ってるでしょ!」
先生と呼ばれたその人は鷲也の事を怒りながらも手を引いた。
鷲「……すいませんでした。由衣子先生」
鷲也は由衣子に頭下げ、謝罪をした。
由「もういいよ、鷲也君。先生もあんまり怒ってないし、鷲也君だけが悪い訳じゃないよ」
由衣子はそう言って笑いながら鷲也の手を引いて行った。
鷲「お前ら、戻って来たぞ」
「あ!鷲也兄ちゃんだ!」
扉を開け、由衣子と共に戻って来た鷲也の声に一人の子供が反応する。
「お兄ちゃん!」「おかえりー!」「お兄ちゃんあそぼあそぼー!」
等々色々な声が聞こえて来る。そんな光景に鷲也は自然と笑みがこぼれ
鷲「しゃあねぇなぁ。ほら、Wii持ってこい。先生、いつぐらいに飯は出来るんだ?」
由「まだまだ時間かかるから、いっぱい遊んであげて」
そう言って由衣子は食事の用意をしに行った。鷲也は子供達と色々な遊びをし、食事を食べ、子供達を眠りにつかせ、宿題をして眠りつく。そんな日々が続くと思っていた。
────しかし、そんな日々は突然打ち壊された。
こんな感じで、皆さん!サヨナラ!