紅き刀、全てを切り捨てる   作:ハイな人

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皆様、ごきげんよう。ハイな人デース。では第十血始めますぅ!


第十血 霧血月

────────

 

 

 

 

 

鷲「……ん?」

 

外から何か聞こえる気がする────。そう思った鷲也はベッドから降り、外の景色を見る。そこにはいつもの滑り台やジャングルジムがあった。

 

鷲「……気のせいか」

 

そして再び鷲也は眠りに就こうとした。すると

 

???「…が……の……か」

 

鷲「!?」

 

声が聞こえた鷲也は飛び起き、懐中電灯を持ち、部屋の中や廊下に出て辺りを見回すが人どころか影すら見当たらない。

 

鷲「今…かなり近くから聞こえた気が……」

 

???「なんじゃ、儂の声が聞こえておったのか」

 

鷲也は背後から声が聞こえた所に手に持っていた懐中電灯を投げつけた。しかし

 

???「最近の若者は物騒よのぉ」

 

という声と同時に懐中電灯はグチャッ!という音がしながら砕け散った。鷲也が声のした方に視線を向けると長髪の黒い髪の毛を腰まで伸ばし、赤と黒の混じった目の色をして、和服姿の少女がベッドの上で座っていた。

 

鷲「…何者……いや、お前は一体なんなんだ?」

 

鷲也はその少女が人間でないことは何となく察していた。鷲也のその問いに少女はフッと笑い、目を細めながら

 

???「儂の名は血染刀「霧血月」お主らの言葉で言うと妖刀じゃの」

 

と言った。その答えに鷲也は信じられないという顔をした。しかしすぐに我に返り、霧血月を睨む。

 

鷲「……そんな妖刀様がこの俺に何の用だ。まさか俺を殺しに来たとか言うんじゃないよな」

 

霧血月は「カッカッカッ!」という笑い声を出しながら鷲也の方を向いた。その笑いに鷲也は更に睨んだ。しかし、霧血月は更に嬉しそうに笑った。

 

霧「儂に向けてそんな眼を向ける若造なぞ、生まれて初めて見たわ!やはり気に入ったぞ、村正 鷲也」

 

鷲「なんで俺の名前を知ってる!気に入ったってどう言う事だ!それにどうやって俺の部屋に入って来た!それに────」

 

霧「やめいやめい。儂はそんな話をしに来た訳では無いのじゃ。それにそんなに問うても儂はそこまで答えられぬ」

 

霧血月は指を3本立て「3つまでじゃ」と言った。鷲也は3つまでなら質問をしてもいいということを理解し、慎重に質問の内容を考えた。

 

鷲也は一つ目の質問をする。

 

鷲「なぜ俺の名前を知ってる」

 

その問いに霧血月は

 

霧「それはお主が奴の子孫だからじゃ」

 

と答えた。更に鷲也は第2の質問をする。

 

鷲「奴ってのは誰だ」

 

霧「……それは答えられぬ」

 

鷲也はそれ以上追求すれば確実に自分の命が無いことを悟り、3つ目の質問をした。

 

鷲「俺達が騒いでいるのになぜ誰も起きてこない」

 

霧「刻が止まってるからのぉ。さてこれで3つ問うたの。今度は儂から質問させてもらうぞ。お主、ここがどこか分かるか?」

 

鷲「どこってそりゃあ────!?」

 

鷲也は辺りを見回す。部屋だと思っていたその場所は外であった。

 

霧「ふむ。べっど?とやらから降りた後、再び床に就いたのを不審に思っていたのじゃが、やはりか。ここで2つ目じゃ。お主、後ろを見てみろ」

 

鷲也は霧血月の言う通り後ろを振り向く。するとそこには────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鷲「なんで…なんでここが燃えてんだよ!」

 

鷲也の育った施設が燃えていた。あのうるさくも楽しく居られるあの場所が燃えていた。

 

鷲「おい、霧血月!時間が止まってんだろ!先生やガキ共を助けろよ!」

 

鷲也の叫びは虚しく、霧血月は何処か悲しそうな目で

 

霧「残念じゃが…もう手遅れじゃ」

 

と答えた。鷲也は両膝を地に着け、霧血月の言ったことが信じられないという表情でいた。そして鷲也の手の甲に涙が一つ。また一つと落ちていった。

 

鷲「……」

 

霧血月は絶望しきった鷲也の肩に手を回し最後の質問をした。

 

霧「…ここを燃やした者は未だに御用となっておらぬ。そこで最後の質問じゃ。『仇を取ってみぬか?』」

 

鷲也は顔を上げる。そこにもう涙は無く、涸れていた。

 

鷲「いいぜ…相手が人間だろうが妖怪だろうが関係ねぇ……そいつを……『殺す!』」

 

 

 

 

これは悲しき人斬りの過去……

 

村雨 凶邪と名前を変えたのはこの後である。




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