魔法少女まどか☆マギカ ~The Rebellion~ 作:フルーツジュース
魔法少女…それは人々に希望を振りまく『正義の味方』
魔女…それは人々を襲い、恐怖に陥れる『悪』
そう思っていた
けど、違った。
魔女は魔法少女のなれの果てだった
私が今まで戦っていたのは…何のためだったの?
マミは一人、夜の街を歩いていた
それを遠くから見つけたのは、赤い髪の少女…
ソーディアスを追ってこの街に来ていたかつての弟子、佐倉杏子だ。
(マミの奴…何やってんだ?)
杏子はマミの後を追いかけ始める。
第10話
ー 廃ビル ー
建物内は明かりが灯っていないため、暗い。
マミはその奥で変身し、自身のソウルジェムを破片の上に置き、マスケット銃を構える。
そして、引き金を引こうとした
「オイ! マミ!」
「…佐倉さん、久しぶりね」
が、追って来ていた杏子が呼びかけ、その方向を振り向く。
「アンタ…何やってんだ!?」
「見ての通りよ…」
「一体どうしちまったんだよ!?」
「そうね…アナタはまだ知らなかったわね」
「ソウルジェムは私達の魂で
…いずれグリーフシードになるってことを!!」
「!?」
マミの発言に、杏子は固まってしまう。
「どういう…ことだよ」
「私達は皆、キュウべぇに騙されてた!! 利用されてたのよ!」
マミのソウルジェムがみるみるうちに濁っていく。
「早く浄化しろ!!」
「出来るわけないじゃない!!」
「魔女も…昔は私達と同じ魔法少女だった!!」
「人殺しをしておいて…私だけのうのうと生きることなんか出来ない!!」
再びマスケット銃を自身のソウルジェムに向けるマミ。
「力ずくで抑えるしかねーみたいだな!!」
杏子は真正面に突っ込みながら変身。
マミもそれに反応し、応戦する。
「佐倉さん…何故止めるの」
「流石に…目の前で死なれちゃ後味悪いんでね!!」
ー 戦いが始まる数分前、裕樹に電話がかかってきた。
相手はほむらだった。
「どうしたんだ?」
『巴マミが失踪したわ』
「何だって!?」
突然の事に、驚く裕樹。
「場所わかる!?」
『いいえ…探知できない』
『そしてもう一つ、問題があるの』
「何?」
『魔女が出現しかかってる』
「…」
一瞬考えた後、裕樹はあることを思いついた。
「そうだ…!」
「オイ…インキュベーター! 出てきやがれ!」
裕樹が呼ぶと、キュウべぇが物陰からひょっこり出てくる。
「やれやれ、消えろと言ったり出てこいと言ったり、わけがわからないよ」
「御託はいい! 今すぐ巴先輩の居場所を探れ! 今すぐにだ!」
「わかったよ」
裕樹の息づかいは荒く、手は震えていた。
自分が間に合わなかったせいで、友を亡くしたあの日を思い出していたからだ。
(もうこれ以上…大切なモン失ってたまるか!!)
「暁美さんは魔女をお願い!」
『無茶よ! あなた一人でどうにかなるわけ…』
「無茶でも何でも、やらなきゃ後悔するだけだ!」
「ごめん、もう電話切るよ!」
電話を切ると、裕樹はキュウべぇの指示通りに一目散に走り出す。
先輩…どうか早まらないでくれよ!!
戦いは数十分に及んでいた。
「はっ!」
槍を構え、突撃する。
当然銃弾が飛んでくるが、槍の柄で叩き落とす。
槍を地面に突き刺して急ブレーキ、その勢いでマミに右回し蹴りを仕掛ける。
ガッ!
銃をリボンで束ねて地面に突き立て、蹴りを防ぐ。
そしてすぐさま反対側の手で銃撃を放つ。
至近距離で放たれた銃弾が杏子の頬を掠める。
「相変わらず甘いね、この期に及んで、アタシを殺そうとしない」
槍を地面から引き抜いて距離を取り、そう言う。
「あなたこそ」
マスケット銃を構え直す。
お互いの体力は限界に近づいていた。
「こっちもそろそろキツいな…」
杏子が最後の一撃を放とうとする。
マミもすかさず銃撃を放つ。
その時だった。
「やめろおおおおおおおおおっ!!」
ここまで走ってきた裕樹が、杏子にタックルを仕掛け、押しのけたのだ。
完全に予想外の横槍に、杏子は対応出来なかった。
突き飛ばされ、背中を地面について倒れる。
そして…
「がっ…ああ」
「え…?」
マミの放った銃弾は、割って入った裕樹の左肩に直撃していた。
赤い血が勢いよく噴出し、呻き声を上げながら倒れ込む裕樹。
「そんな…」
膝を折り、力無く地面にへたり込む。
私は…矢本君を…友達を
そう考えた瞬間、マミのソウルジェムの濁りが加速する。
「…!!」
それを見た裕樹は左肩を押さえて近づき、マミのソウルジェムを手にとる。
そして、ポケットからあるものを取り出す。
グリーフシードだ。
「プロティオンに貰っといてよかったよ…」
以前、プロティオンが倒した魔女のグリーフシードを、裕樹は譲り受けていたのだ。
まだ一回も使っていない、まっさらな状態のグリーフシードだ。
ソウルジェムに当てると、みるみるうちに穢れを吸収していく。
「これで…今は…大丈…」
バタッ
言い終わる前に、裕樹は意識を失い、倒れてしまった…
裕樹の走るスピードに関してはおかしい所がありますが、キュウべぇに最短経路を教えてもらったと思って下さい…
裕樹の使ったグリーフシードは4話に出てきたプロティオンが倒した魔女の奴です