恋姫無双ー進むべき道ー   作:x麒麟x

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4話目にして、原作キャラ登場。


3話

~町の宿屋~

 

「さて、旅に出るのはいいが、今後の行動について決めるとしよう」

 

徹は村を出た後、野菜を売りに来た町まで戻り、宿で考え事をしていた。

 

「とりあえず、この世界が真恋姫なのか無印なのかで、大分行動が変わってくるから、それの確認。これについては、西涼に行って馬岱が居るかどうかで分かるだろう。後は、原作が始まるまでの時間か…。これについては、3年以上かかることを願うしかないな。後は、西涼に向かいながら考えよう。今は時間が惜しい」

 

そう言って立ち上がり、宿屋を出て、とある(・・・)情報を集めながら、旅のための道具を買い、西涼に向かい歩いていく。

 

 

 

 

~西涼に向かう街道~

 

(旅のための資金をどうするか…。大道芸や屋台なんかじゃ確実性に欠けるし、そこまで出来るだけの技量がない。一番手っ取り早く、確実なのはアレなんだが…な。

っ!?迷うな!分かっているだろう!?アレが一番、資金も稼げ、実践経験も積める最善の方法なんだ!やるしか…ないんだ…)

 

街道を歩きながら、考え事をする徹。

そして、足を止め覚悟を決めた顔をした。

その後、また歩き出したがその足取りは街道をまっすぐに進まず、ある山に向かっていた…

 

 

 

~山の中腹~

 

「たしか町で聞いた情報だと、ここら辺のはずなんだが…?」

 

日も落ち、辺りが暗くなった頃、徹は黒い外套(コートのようなもの)で顔を隠しながらとある山の中を進んでいた。

 

「よし、ここら辺から索敵するか」

 

徹はそう呟くと、目を閉じ体から微弱な気を放出した。こうすることにより、ソナーのように敵の位置を調べることが出来るのだ。

索敵をしながら山の中を進んでいると…

 

「…っ!見つけた…!」

 

反応があったのだろう。走り出し、山の森の中へ入る。そうして、進んでいくと森の先には洞窟があった。

 

(成る程な、これでは見つからないはずだ。敵の追っ手は森で振り切り、洞窟に逃げ込んだわけか。見張りは…二人か…)

 

そう、徹が町で聞いたのは、賞金のかかった盗賊に関わる情報だった。

盗賊が逃げた方向やそれらしき人物を見かけたなどの情報を集め、最終的に盗賊がいると判断したのが、この山だった。

徹は茂みの影に隠れ、見張りの隙を探す。

見張りの二人は暇なのだろう、雑談をしていた。

 

「暇だ~。なぁ、見張りって意味あんの?誰もこんなとこ来ねぇだろ」

「あるに決まってるだろう。俺たちは賞金がかかってるし、最近は暴れすぎたのか、西涼の軍にも目をつけられてる。いつ誰が来てもおかしくないんだよ」

「だけどよぉ、しばらくは襲ってないから、ここの場所を探し出すのは至難の技だぜ?街道から離れてるし、森で隠れてるしな」

「親方が見張れって言ってるんだ。ごちゃごちゃ言っても変わらねぇよ」

 

そう話す二人。

ここがバレないと思っているのか、辺りに対する警戒心は低かった。

 

(ふむ…、警戒は緩いな。これなら、後ろを振り向いたところに縮地で近づけば…いけるか?)

 

そう判断するして、足に気を纏い、いつでも近づけるよう準備する。

 

「しっかし、いいよなぁ、中の奴等は。今頃酒を飲んで宴会だろ?」

「愚痴るなよ。交代が来れば俺たちも飲めるさ」

「だとしてもだぜ?俺たちが外で見張ってるのに、中は宴会とかやる気無くなるぜ」

 

そう言いながら、後ろの洞窟を見つめる二人。

 

(今だ!)ダッ!

 

その決定的な隙を逃さず、茂みから出て縮地で一気に近づく。

そして、腰から刀を抜き…

 

「シッ!」

 

ザシュ!

 

見張りの首を落とす。

 

「えっ?」

 

唐突に訪れた同僚の死に、理解できないのだろう。そんな声を出してしまう。

その隙に刀を返し、もう一人の見張りの体を斬る。

 

「フッ!」

「ガハッ…!?」

 

見張りを殺した徹は、刀を納め膝を着き、息を荒くする。

 

「ハァ…ハァ…」

(やっぱりまだ人を斬る感触には慣れないな。本来なら慣れてはいけないんだが、俺の進む道は人を多く殺す。人を斬る度にこの様じゃ、計画を成功させるのは到底無理だ。慣れなきゃ…な)

 

現代人である徹が、人を殺すという忌むべき行動に慣れるのは困難である。

そこで、徹が出した解決法はこの賞金首狩りである。

これならば資金も稼げ、実践経験も積める。

そして何より…人を殺さなければならない。

この3つの特徴から、これが一番計画に最善と考え、選んだ。

 

(ハァ…ハァ…。幸い、素早く処理できたから、中の奴等は気づいてない。更に、酒も飲んでいるということだ。これなら、中も制圧できるな。)

 

そう判断した徹は、息を整え洞窟に侵入。

洞窟の中の構造は簡単で、細い道と大きな空間が続いていた。

 

(一個目の空間は、物置なのか荷物が置いてたな。二個目は手下が寝るのか、毛皮が敷かれていた。気配はこの先に大量にいるんだが…なぜ動かないんだ?声もしないし…罠か?)

 

警戒しながら進み、気配のある空間の近くにたどり着いた徹。壁に隠れ、盗み見るとそこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(…酔いつぶれて寝てるだけかよ…)

 

地面に転がって寝ている盗賊たちの姿があった。

その予想もしなかった結末に呆れる徹。

なんだろう、台無し感がすごい。

 

「まぁ、戦うことが無くて助かるが…なんだかなぁ」

 

そう言い、盗賊たちが起きないよう、首を一瞬で斬り落としていく。

首を落とす度に、徹の顔は歪む。

 

(っ…、無抵抗の人を殺すのは、更に精神的に辛いな)

 

しかし、そう思いながらも手は止まらない。止めてはいけない。

そして、盗賊の親方らしき人物の首を落とすと、徹はその場に倒れこむ。

 

(…やっと…終わった。これが俺の進むべき道か…。ハハッ、これで俺も殺人鬼の仲間入りか…。もう現代には戻れても元の生活は出来そうにないな。これで、退路は断った。後は、道を進むだけだ…)

 

そう考えながら意識が落ちていくのを感じとる。

人を殺し、精神的に限界なのだろう。

目を閉じた瞬間、徹の意識は完全に落ちた。

 

 

 

 

 

翌日、盗賊の拠点で目を覚ました徹は、盗賊の親方の首だけ、袋に入れていた。

賞金首の討伐の確認方法は、似顔絵に書かれているリーダー格の首を関所で渡すか、大きな町の役所に渡すかの二方法しかない。

そのため、親方の首だけは保管していたのだ。

その後は、盗賊たちの死体を1ヶ所に集め、燃やす。

疫病対策のためだ。

埋めるのがいいのだろうが、数が多いので火葬を選んだ。

そして残る問題が…。

 

「この財宝だよなぁ…。俺一人で運ぶのは無理そうだし…、かといって放置するのもなぁ。」

 

盗賊の溜め込んだ財宝である。

基本、賞金首が抱え込んでいる物は、討伐者が好きに出来る。

だが、今回は盗賊が持っている財宝が多すぎて、運搬に困るのだ。

 

「…仕方ない。一回町に戻って、運んでくれるのを手伝ってくれる人を募集すr…!誰か近づいてくる。まさか…盗賊が外に出ていたのか?」

 

財宝の運搬方法を考えていた徹の索敵に誰かが引っかかる。

外に出ていた盗賊が戻ってきたと考えた徹は、壁に隠れ近づくのを待つ。

相手が側を通り様に斬るようだ。

 

(あと少し…三…二…一…今!)

 

相手が側を通り、斬りかかる。

 

「…っ!?」

 

しかし、相手はすぐさま反応。手に持っていた槍で斬撃を防ぐ。

 

(防がれた!?)

 

防がれたことに驚いた徹は、一瞬硬直。

相手はこの隙を見逃さず、徹の腹を蹴り、距離を取る。

 

(ちっ…!槍使いに距離を取られた!)

 

槍を相手に意識することは懐に潜り込むこと。

そうすれば、小回りが効かない槍は一気に劣勢になる。

しかし、一旦距離をとれば、懐に潜り込むのは難しい。

そのため、この場で劣勢なのは徹の方だった。

 

「ほぅ、流石は盗賊!陰からいきなり斬りかかるとは…!やり方が汚いな!」

 

そう叫んだ相手を徹は見る。

槍使いは髪は青く、頭にプリムの様なものを被っている。

服は蝶を模した、白を貴重とした服装。

そして、一番特徴的なのが、逃げちゃダメだで有名なアニメの作中に出るロンギヌスの槍に似ている、二又の槍。

これを見て、徹は思った。

 

(あれ?こいつ原作キャラの趙雲じゃね?)と。

 

<じゃね?>と疑問文なのは、原作より明らかに幼いのだ。

背丈は小さく、雰囲気も原作では妖艶といった感じだったのだが、目の前にいる趙雲からは妖艶などといったものは感じられない。

そう考えている徹に趙雲は、

 

「ほぅ…、敵を前にして考え事か。盗賊の癖に生意気な!」

 

徹の態度が気にくわなかったのか、そう言い放ち攻撃してくる。

 

「ちょ…!待て!話を聞け!」

「そちらから斬りかかってきて何を言う!」

(確かに!)

 

趙雲を止めようとするが、当の本人は話を聞く気無し。

殺る気満々である。

 

(仕方ない…!原作キャラ相手に辛いが、無力化するしかないか…!)

 

原作キャラを殺すわけにはいかず、無力化を試みる。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

趙雲は気合いを入れながら突撃。趙雲の槍の突きを横に動いて避ける。その動きを予測していたのか、槍を横凪ぎにして殴ってくる。それも屈みながら避け、縮地で趙雲に向け体当たり。

 

「なっ!?」

 

徹の速度に驚いたのか、避ける動きすら出来ず、体当たりをまともに受ける。そして、倒れた趙雲の首に刀を添え…

 

「…!?好きにしろ…」

 

敗けを悟ったのか、そんなことを言う。

そんな趙雲に徹は説得を試みる。

 

「はぁ。落ち着け。俺はお前の敵ではない」

「何?そんなことを信じられるか!なら何故、斬りかかってきた!」

「それはすまない。盗賊の残党が戻ってきたと思ってな」

「何?盗賊の残党?ならお主、ここにいるはずの盗賊は…?」

「…俺がすべて始末した。」

「っ!?お前一人でか!?」

「…あぁ」

「?何故、そんな言いにくそうに言う?」

「実はな…」

 

盗賊を制圧するまでの経緯を説明していると、最初は真面目に聞いていたのだが、最後のオチを話すと…

 

「ハッハッハッ!成る程、それならお主一人でも倒せるわけだ!」

 

と笑いだした。

 

「ハァ~、ハァ~。いや~、ここまで笑ったのは久しぶりだ。感謝する。」

「そんなことで感謝されてもな…」

「ハッハッハッ!確かに!」

「はぁ。まぁいい。そういえば、何故、ちょu、貴女はここに?」

「む?あぁ、いや、盗賊がここに居るという噂を聞いてだな、駆けつけてわけだ」

「成る程、そういえば貴女の名前は?」

「おっ?そういえば、名乗ってなかったな。私は趙雲というものだ、よろしくな」

(やはりか…、しかし不味いな…)

 

徹は、自分の予想が外れてないことを確信。

だが、ここで原作キャラと接触するのは計算外だった。

今は外套で顔を隠しているが、自分の素顔を見られる訳にはいかない。

見られてしまえば、計画の大きな妨げになってしまうからだ。

 

(ここはさっさと別れるのが上策か…)

「よろしく頼む。では、私はこれで…」

「まぁ、待て。私だけ名乗るのはおかしいだろ?さぁ、お前も名乗れ。あと外套も外せ」

(ですよねーーー!!!)

 

そう言われてしまうと動けなくなる。

しかし、徹はここで原作キャラと会うとは思っておらず、偽名など一切考えてない。

思考が纏まらない徹が出した答えは…

 

「…名は無い。周りからは死神と呼ばれていた。あと、外套は外さん」

 

などという、明らかにふざけた答えだった。

 

「何?それはどういうことだ?」

 

と趙雲はその答えを不思議に思ったのか聞き返してくる。

 

「俺は捨て子だから名は無い。その代わり、いつも黒い外套を着ていたからな、死神と呼ばれていた。外套を外さないのは、顔に火傷の跡があって、不愉快にさせないようにしてるんだ」

「ふむ…、成る程…」

(どうみても、納得してないな…。さて、どうするか…)

 

納得しているように頷いてはいるが、眼が明らかに納得していない。

といって、逃げようとしても中々逃がしてくれないだろう。

 

(ここは…物で釣ってみるか)

「まぁ、趙雲殿が来てくれて助かった」

「ん?盗賊はもう居ないのだろう?なぜ、助かったのだ?」

 

そう言いながら、立ち上がる徹。

徹の言葉を聞いて疑問に思い、趙雲は問い返す。

 

「いや、なに。少し困ったことがあってな…。人助けと思って手伝ってくれないか?」

「?」

 

徹の言っている意味が分からないのか、首をかしげる。

そんな趙雲を置いて、先に進む徹。

それを見て、慌てて徹の後を追う趙雲。

 

 

 

 

 

 

 

「こ、これは…!?」

「これを運ぶのに困っていてな。半分持っていってくれないか?」

 

趙雲の前にあるのは、盗賊が溜め込んだ財宝。

そう、徹は趙雲に財宝を半分持たして、さっさと別れようとしたのだ。

 

「だ、だが、盗賊を倒したのはお主だ。これはお主が手にするべきではないか?」

「そうだが、これ全部を俺一人で運ぶのは無理だ。趙雲殿が居なければ、近くの町の人に助けを求めていたんが、ちょうど良かった」

「む、むぅ…」

 

しかし、中々頷かない。

恐らくは、自分は何もしていないのに財宝を受けとるということが嫌なのだろう。

そんな趙雲に徹は、

 

「なぁ、趙雲殿。何もしていないのにこれを受けとるのを嫌がるのは分かる」

「む?あ、あぁ。流石にこれだけのものを受けとるには抵抗があるな…」

「だろうな。しかし、俺は貴女を襲ってしまった。これはそれの謝礼…というわけにはいかんか?」

 

と言われ、困った顔になる趙雲。

かなり悩んだ末、

 

「…ハァ。仕方ない、分かった。これを謝礼として受けよう」

「そうか。助かる」

「お主も性格が悪いな。私が受けとるまで、押し付ける気だっただろう?」

「まぁな、これを受け取ってもらわないと、ここと町を行ったり来たりだからな。それは面倒だ」

「全く、悪事の片棒を担がされた気分だ」

 

といい、財宝を袋に詰める趙雲。

それを見ながら徹も袋に詰め、その作業が終わったら、趙雲と共に洞窟を出て、街道まで戻った。

 

「さて、ここでお別れか。趙雲殿は確か、洛陽を目指すのだったな、お気をつけて」

「うむ、お主もな。西涼までまだまだ距離もあるゆえ」

 

そう言いながら、別々の方向へ進む二人。

二人は歩きながら、

 

(あれが、原作キャラでも上位に食い込む強さの趙雲か…。原作より若くても、あの槍の鋭さ…、流石だな…)

 

(ふむ、簡単にあしらわれしまった。世の中にはあのような強者が…。ふふっ、これからが楽しみだ)

 

と考えていた。

 




キャラ設定の徹部分に少し付け加えました。
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