~西涼~
「やっと着いた…。少し寄り道しすぎたな…」
涼州を治めている馬騰が住む都、西涼までやって来た徹。
その表情は疲れが滲み出ている。
それもそのはず、西涼までやって来る間に盗賊に襲われた回数は十を越え、賞金首を狩ったのは最初のを合わせて五回。
結果、本来なら歩きで十日の道を倍以上の時間をかけて来たのだ。
まぁ、一人で歩いてたら、盗賊からしたら絶好の餌ですよね。そりゃ、襲われるわ。
「寝よう…。宿屋で寝よう…。飯食ってから寝よう…」
血走った目で呟きながら歩く徹。
その、あまりの雰囲気に通行人は徹を避けて歩く。
そして、宿屋に着き…
「あ、いらっしゃ…、ヒィ!」
「すいません…、一人部屋空いてますか…?」
「は、はいぃぃぃぃ…(ガクブル)」
「そうですか…、なら宿泊で…」
(えぇぇぇ!?嘘でしょ!?こんな怖い人が泊まるなんて!?)
「え、えぇと、ご飯はどうなされm」
「今すぐ食わしてください、お願いします、何でもしますから」
「は、はい!すぐにお持ちいたしますので、食堂でお待ちください!」
店員にビビられながらも、宿泊成功。
そして、腹が減った徹は、ご飯と聞き即反応。
一気に捲し立て、現代のネタまで持ち出した。追い詰められすぎである。
「ふぅ…、ごちそうさまでした」
二刻後、宿屋の食堂でご飯を食べ、正常に戻った徹がいた。
「えっと、よく食べますね」
「ん?あぁ、さっきの子か。さっきはすまなかった。睡眠不足と食料不足で意識が朦朧としていてな。驚かせてしまった、すまない」
「あぁ、いえ(わぁ、すごく丁寧な人だ)、そういえば、この後はどうしますか。疲れているなら、お部屋で眠りますか?」
「あぁ、そうさせてもらう。部屋は?」
「二階の奥の部屋になります。あと、こちらが鍵です」
「ん、そうか。ありがとう」
宿屋の娘とそんな会話をして、宿屋の部屋に向かう。
そして、部屋に入り荷物を置くと寝台に転がり、寝た。
翌日、起きた徹は宿屋の庭に出て、いつも腰に挿している剣で素振りをしていた。
その速度は遅く、一本一本集中して振っていた。
「999…、1000!、ふぅー…」
終わったのだろう、徹は一息つき、柔軟を始めた。
そして、宿屋に…
「さて、近くの川に走っていくか。汗も流したいし」
戻らなかった。
ねぇ?君、現代人だよね?普通は日本刀千回振って、すぐ走るとか無理だよね?
と言う、読者の声が私には聞こえる。
しかし、考えてほしい。二年もの間、朝は農作業をして、昼から山を全力で登り、基礎体力作りをしたり、組み手を休憩なしで暗くなるまでやったりしているのだ。
そりゃ、体力バカになりますわ。
「ピキッ!今なんか貶されたような…?」
待って、君に孫家の超人的な勘は無いよ?何で、地の文を察知してるの?怖いわぁ。
「…なんかムカつくがまぁ、いい。行こう」
そんな無駄なやり取りをしながら、川に走っていく。
男の入浴シーン?んなもん需要ないわ!
町に戻るまでカット!
「ふぅ、水は少し冷たかったが、気持ちよかったな」
汗を流してさっぱりしたのだろう。上機嫌な様子で宿屋に戻る。
「(ガチャ)すまない、今戻った。ご飯は食べられるか?」
「あっ、お帰りなさい。何処にいってたんですか?部屋の前から話しかけても、反応がなかったから心配しましたよ?」
「ん?あぁ、朝から鍛練をして、汗をかいたからな。川まで流しに行っていた」
「そうだったんですか、お疲れ様です。それと、ご飯ですね、大丈夫ですよ」
「そうか、ありがとう」
そんな会話を宿屋の娘と交わし、食堂にいく。
席は大半が埋まっており、厨房も忙しそうだ。
徹も炒飯とスープを注文して空いている席に座る。
少し待つと、炒飯とスープが席に置かれた。
炒飯とスープからは湯気がたち、美味しそうな香りが漂う。
「おぉ、旨そうだ。それでは、いただきます」
鍛練で疲れていたのか、かなりの早さで食べる。
そして、半刻も経たぬうちに
「ふぅ、ごちそうさまでした」
完食。
席を離れ、部屋まで荷物を取りに行く。
荷物を持つと、一回まで降り
「それじゃ、娘さん。俺はこれで」
「はい!ご利用ありがとうございました!」
そんな声を聞きながら宿屋を出る。
(さて、それじゃ本題といこう。馬岱を確認したいが、どうするか?城に潜入するか?ダメだな、バレた時の逃げ道がない。町を出てきたところを狙う?確実性が低いな。…手詰まりか)
馬岱の確認方法を模索するが、有効な手段が見つからない。
(さて、どうするか…?あっ、賞金首の賞金を忘れてた。仕方ない、賞金をもらってからからまた考えよう)
道中、狩った賞金首を忘れていた徹。
課金をするため、城に向かう。
少し歩くと城の門が見え、門の前には門番がいる。
「すまない、少しいいか?」
「ん?どうした?」
「賞金首の賞金を貰いたいのだが、入ってもいいか?」
「何?すまない、少し確認させてくれ」
「あぁ、わかった。この袋に入ってる。五人分あるから、重いので気を付けてくれ」
「はっ?五人?そんな馬鹿な…」
半信半疑で袋を受けとる門番。
持った途端に、
「うぉっ!?重たっ!?」
「だから重たいと言ったぞ?」
「いや、冗談だと思ったんだが…、(ガサガサッ)…確かに五人分あるな。少し待ってくれ、担当の奴に確認してもらう」
「その間、ここで待てばいいのか?」
「いや、確認には一刻ほど欲しい。暇なら城の中でも見るか?」
「いいのか?」
「あぁ、流石にその剣は預からせてもらうし、身体検査もするがな」
「わかった。なら、城に入らせてもらう。一刻後にここに戻ればいいのか?」
「あぁ。それじゃ、こっちに来てくれ。案内する」
そうして、実にあっさりと入城。
部屋に案内され、そこで身体検査を問題なく合格し、剣を預ける。
(入れたのはいいが、ここから馬岱を探すのは厳しいな…。武将なら鍛練をしている可能性が高い。鍛練場と庭を探すか)
そうして、歩いていく徹。
侍女や文官に道を聞きながら、鍛練場に到着。
そこには、あの特徴的な茶髪とポニーテールは無かった。
(外れか。なら、庭に行くか)
鍛練場を離れ、庭を目指す。
少し歩くと、金属音が聞こえる。
ガキィン!ガキィン!キャー!?
(むっ?これは当たりか?)
物影から庭を盗み見ると、そこには茶髪のポニーテールが三人居た。
(三人!?十字槍を持っているのは馬超で、その前に居る一番幼いのが馬岱だな。なら、あの東屋に座っているのは馬騰か?)
模擬戦をしていたのだろう。馬超がお尻を着いている馬岱に槍を向けている。
「へっへーん!今回も私の勝ちだな!」
「むー!蒲公英は、お姉様みたいに脳筋じゃないのにー!」
「待て、蒲公英!それじゃ、私が武術しか取り柄がないみたいじゃないか!?」
「合ってるでしょー!書簡を見ると、目を回す癖にー!」
「何を~!?」
模擬戦が終わって、そんな口喧嘩をする二人。
そこに馬騰が口を出す。
「はぁ~、止めろ二人とも。」
「母様!だって蒲公英が!」
「私のせいにしないでよ!悪いのはお姉様だよ!ねぇ、叔母様!」
「(ピキッ!)蒲公英、叔母様は止めろと言ったはずだが?」
「(ビクッ)は、はい!すいませんでしたー!!」
「へへん!怒られてやんの!」
「翠も止めろと言ったはずだ」
「うっ…!ご、ごめんなさい…」
「それでいい。それに、蒲公英。お前も武将になるなら、武術は必要だろうが?言い訳をするな。翠も勝ったのは良いが、槍の振りがブレてる。下半身を鍛えろ。」
「「はい…(はーい…)」」
「それと、そこの物影に隠れている奴。出てこい」
馬騰は、徹が潜んでいる方を見ながら言った。
(バレている!?気配は抑えていたはずなのに…!」
バレているなら、隠れている意味はなく、素直に物影から出る。
(っ!?こいつ、何て眼をしている…!?)
「ん?見ない顔だな?貴様、誰だ?」
「旅の者です。ここには、賞金首の賞金を貰いに来ました」
「そうか」
「おい、お前!何で隠れてたんだ!もしかして五湖の…!」
そう言い放ち、徹に十字槍を向ける馬超。
「やめろ」(ゴツッ!)
「いたっっっ!!!!」
((うわ、痛そ…))
そんな馬超を止めるために、頭を殴る馬騰。
そして、それを見てシンクロする徹と馬岱。
「すまんな、うちの馬鹿娘が」
「あぁ、いえ。気にしてませんから、大丈夫です」
「っっっっっ!?!?馬鹿って言うなぁ!」
「だってお姉様、馬鹿じゃん」
「っ!?蒲公英ぉぉぉ!!!」
「きゃぁぁぁ♪お姉様が怒ったー♪」
「待てぇぇぇぇぇ!!!」
追いかけっこを始める二人。
「元気なお子さんで」
「一人は娘ではないがな」
「そうなんですが?」
「あぁ」
そして、それを見る大人組。
「そういえば、お前は賞金を貰いに来たんだよな?。時間は大丈夫なのか?」
「ん?あぁ、そうですね。あと半刻は有りますので大丈夫かと」
「そうか、それなら少し頼みを聞いてくれないか?」
「?」クビカシゲ?
「どうしてこうなった」
そう呟きながら、日本刀を持ち庭にいる徹。
その前には…
「では、よろしく頼む」
馬超の持つ十字槍より、大きい十字槍を構える馬騰が。
馬騰の頼みとは、自分との模擬戦だった。
最初は断ろうとしたが、そこは年期の差か、言いくるめられた。
武器がないと断ろうとしたが、部下に取ってこさせるし、時間がというと、ここに持ってくるよう伝達しておけと部下に言う。
職権乱用である。
「いや、勝負にならないだろ…」
「そうなの、お姉様?」
「そりゃ、そうだろ。考えてみろ蒲公英。あいつは剣で、母様は槍。この時点で攻撃の射程距離が広い母様が有利だ。しかも、あいつの剣、めっちゃ細いぜ?母様の一撃で折れるよ。それに、あいつからは強いって感じが全然しないし、男だぜ?。勝負になんないよ」
「それもそっかぁ」
そんな二人を見て、結果を予想する馬超と馬岱。
それを聞いた馬騰は…
(本当にそうかな。確かにあの剣は細い。けど、俺の勘が訴える。(警戒しろ)と…。それに…こいつがこんな眼をしている理由を聞かなくてはな…。あんな年の子がしてはいけないあの眼をしている理由を…)
「細い剣だな?実践に耐えれるのか?」
「これですか?まぁ、そう思いますよね。けど、大丈夫ですよ…。この剣は」
スラァ…
「俺の相棒ですから」
「「「綺麗…」」」
そう言うと同時に、日本刀をを抜く。
その刀身を見た、三人は思わず感嘆の言葉を漏らす。
刀身は白く、汚れもない。柄は白を基調として、所々に赤い部分がある。
「ずいぶん綺麗だな。その剣の名前は何て言うんだ?」
「天照といいます」
「そうか、良い名前だ」
そして天照を鞘に収める。
「ん?抜かないのか?」
「ええ。」
「そう、それじゃ…始めるぞ」ブワッ!
そう言うと同時に、馬騰から殺気が放たれる。
(っ…!?これが涼州の英雄、馬騰の殺気!全身が槍で突き刺されている感じだ…!」
殺気を受け、体が強ばる。
しかし、負けじと徹も殺気を放つ。
(良い殺気…。けど、まだまだ青いな…)
それを受け、余裕な表情の馬騰。
そして…
「西涼の太守、馬騰と愛槍、烈閃!参る!」
「徹と愛刀、天照!いざ、尋常に勝負!」
その言葉と共に、駆け出す馬騰。
いや、駆け出そうとして足を前に踏み込んだ…
「「「なっ!?」」」
瞬間には、懐に徹がいた。
それを見て、驚く三人。
(いや、だが剣は収めたまま!充分に間に合う!)
馬騰は一瞬焦ったが、徹が剣を抜いていないのを見て、落ち着く。
距離を取るために前蹴りをしようと…
ゾクッ!
(っ!?)
しようとした瞬間に悪寒が走る。
それは戦場を駆け抜けて、培ってきた勘。
それに従い、馬騰は槍の穂先を上に向け、防御の構えになる。
ガギィィィィィィン!!!!
庭に響く甲高い金属音。
それの発生源は、徹の天照と馬騰の烈閃からだった。
「まさか今のを防がれるとは…!流石は馬騰殿…!」
「いや、かなり危なかった…!まさか、抜剣で攻撃してくるとはな…!」
そう、馬騰が言うように徹がしたのは、日本で言う居合い。
この時代、抜剣で攻撃すると言う考えはない。
そのため、徹の居合いはこの時代の武将には、かなり有効なのだが…
「けど、それをするにはもう一度剣を収めないといけないし、今度は効かない」
馬騰が言うように、居合いは弱点が多い。
一度防がれてしまえば、戦闘中に刀を収めなくてはならない。しかも刀を収めた以上、次の攻撃は居合いでいくと宣言しているようなもの。
一度限りの技なのである。
「それじゃ、今度は私の番だ!」
「グッ!」
蹴りで距離を取り、それを受ける徹。
そして、馬騰は槍で突いてくる。
「せいっ!せいっ!」
(ちっ!やりにくい!)
趙雲の時とは違い、ただ突くだけではなく、フェイントも混ぜてくる。
突いてくると思えば、引っ込めて距離を詰めて蹴ってくる。
隙が出来たと思えば、それは罠という風に趙雲とはまさに、技量が違う。
「ほらほら!防戦一方だぞ!」
「そうは…っ!言われても…ちっ!」
槍を刀で逸らしたり、体捌きでなんとか避けてはいるが、かなりギリギリな徹。
そんな光景を見て…
「最初のは驚いたけど、やっぱりこうなるか。男の方が負けるのも時間の問題だな」
「けど、あの男の人すごいよ?叔母様かなり本気出してるのに、なんとか防ぎきってるよ?お姉様ならとっくの前に沈んでるよぉ」
「ぐっ…!」
痛いところをつかれ、唸ってしまう馬超。
一方、徹は…
(このままじゃ押し切られる!距離をとれ!)
天照で槍を上に弾き、縮地で後ろに下がる。
「おっと?にしても、その剣凄いな。衝撃は流しているとしても、壊れる様子がない。何で出来てるんだ?」
「それは秘密で。それと、次で最後にしましょう」
「ん?何故だ?私は久々に対等の勝負、しかも男が相手でまだまだ続けたいのだが?」
「これ以上続けても、先程のやり取りが続いて負けるからですよ。それなら、この一撃にかけた方が良いかと」
「ほぅ、状況判断も中々。あぁ、いいぞ。次で最後にしよう」
その言葉を最後に、二人は構える。
徹は足を前後に開き、天照を上に。
馬騰も足を前後に開き、こちらは槍の穂先を徹に向けて。
「「…ゴクッ」」
観客の二人は、その張りつめた雰囲気に思わず唾を飲み込む。
構え合う二人の間に、庭の木から落ちた一枚の葉っぱが入る。
その葉っぱが地面に落ちた瞬間…
「「…!」」
同時に動く。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
馬騰は徹に向けて渾身の突きを放つ。
(読み通り!)
「はっ!」
徹は馬騰の攻撃を前に跳躍して避ける。
そして、勢いのまま…
「もらったぁぁぁ!!」
天照を降り下ろす。
馬騰は槍を突きだしているので、前のめり。
これは避けれないと誰もが思った…
「っ!おぉぉぉぉぉぉ!!!!」パッ!
瞬間、馬騰は槍を離す。
そして、更に前に一歩踏み込み…
「せいやぁぁぁぁ!!!!」
徹の腹に拳をシュート!チョウエキサイティン!
「えっ!?ちょ!?ぐへぇぇぇぇぇ!!??」
「「えええええぇぇぇぇぇ!?!?」」
その行動も、誰もが予想外だった。
馬超や馬岱、殴られた徹本人も驚きの声を上げ…
「ぐっ!?はっ!?ぶへぇぇぇ!?!?」
地面を水切りのように飛んでいく。
そして、やっと止まったかと思うと…
「っ…、まさかあの姿勢から殴ってくるとは思いませんでした。俺の完敗です」
腹を触りながら立ち上がり、そう宣言した。
「いいや、お前はよくやった。俺相手にここまで善戦できる奴は中々いない。誇れ」
「涼州の英雄にそこまで言われると嬉しいですね」
そんな会話をする二人に馬超と馬岱が近寄り
「おい、母様!殴るなんて卑怯だぞ!」
「何を言ってる、翠。これは模擬戦、つまり実戦を模したものだ?お前は戦場で殴ってきた相手にそんなことを言うつもりか?」
「うっ…」
「そうですね。いつつっ…、戦場では卑怯だの反則だの言ってられません。馬超様、戦場は皆生きることに必死です。だから、どんな汚い手も使ってきます。覚えておいてください」
「うぅ~、でも私は正々堂々戦いたい…」
「はぁ、全くこの馬鹿娘は…」
馬超は殴ったのが反則だと思ったのか、そう言ってきたが、母親どころか殴られた本人にさえ説き伏せられ、意気消沈。
さらに、馬岱は…
「ねぇねぇ、お兄さん?なら、罠を使っても良いの?」
「ん?当然です。軍師だって策のために罠を使います。なら、使っても良いでしょう」
「へぇー、そうなんだぁ」ニンマリ
などと、将来どうなるかが決まった瞬間であった。
魏延、合掌。チーン。
~成都~
その頃、成都では
ピキーン「はっ!?今なにか私にとって良くないことが決まったような…!」
「ん?どうしたんじゃ、焔耶?」
「あっ、いえ!何でもないです、桔梗様!」
といった会話がされていた。
~西涼~
「さて、娘たちへの良い刺激にもなっただろうし、俺も楽しめた。確か名前は…なんだったっけ?」
「徹と言います」
「ん?それは真名じゃないのか?」
「いいえ、私は捨て子なので姓はないんです(嘘だけど)」
「そうか?それなら徹、少し話をしないか?」
「はっ?話…ですか?」
「そう、二人で話をしたい」
馬騰は立ち上がった徹に誘いをかけた。
それを見た馬超は
「ちょっ!待てよ、母様!こんな正体がわからない奴と二人っきりで話すなんて、私は反対だぞ!?」
「えぇ?そう?蒲公英はいいと思うんだけどな~?」
「蒲公英!?」
それに反対する馬超。
今日会ったばかりの人物と母親を二人にするのが不安なのだろう、当然の反応だ。
「はぁ、うるさいぞ、馬鹿娘。お前もさっきの戦いを見ただろう。あんな真っ直ぐな太刀筋の奴が暗殺などするか。それに、俺が殺されるとでも?」
「ぐ、ぐぬぬぬぬ…」
自分の武に自信があるのか、そんなことをいう馬騰。
それを聞いても安心できないのか、馬超は唸ってしまう。
「はぁ、もうめんどくさい。お前らは乗馬の練習でもしとけ。後で見に行った時に、無様な姿見せたらしごくからな」
「「えええええぇぇぇぇぇ!?!?理不尽だぁぁぁ!?」」
「黙れ。さっさと納得しなかったのが悪い。ほら、逝け」
「ちょ!なんか文字違う気が!?」
「ちょっと待って!?蒲公英反対してないよぉ!?」
「うるさい、逝け」
「ちくしょぉぉぉぉぉ!?」
「お姉様のばかぁぁぁ!?」
そう叫びながら、走り出す二人。
目尻に涙が見えたのは言わない方がいいだろう…
そんな二人を見送った馬騰は城に向けて歩き出す。
「とっ、馬騰様。どこに行くんですか?」
「ん?あぁ、私の私室だ。話をするなら、そこがいい」
と言って、また歩き出す。
それを見た徹は慌てて付いていく。
設定の徹の使用武器を天照にしました。