恋姫無双ー進むべき道ー   作:x麒麟x

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ネタを入れないと書けない…!


6話

~西涼近くの森~

 

西涼を出た徹は、馬に背を預けながら座って目を瞑り考え事をしていた。

 

(原作まで五年…。それなら三年は修行、二年は各州を回りながら修行だな。三年の修行の目標は、『体と武術の基礎の向上』、『気の扱い、気を使う技を高めること』、『距離を取られた時のため、投擲の習得』…今のところはこんなところだ。遠距離武器はクナイぐらいの小さい剣を投影で作って投げれば、残弾を気にしなくても良い。)

 

今後の予定を頭の中で組み立て、決定する。

そして、目を開け…自分の右を見る。

 

「…ヒヒン?」

「お前をどうしよう…?」

 

馬と目が合い、目の前の問題をどうするか悩む。

現代での乗馬経験など無く、しかも鐙がない。

手綱はくれたが、素人が乗るにはかなり厳しい。

 

「とりあえず、乗ってみるか…。なぁ、えーと…」

(名前もつけてないから呼びにくいな)

「まずは名前からだな。(おぼろ)なんてどうだ?」

「ヒヒン?ヒヒーン♪」スリスリ♪

「お?気に入ったか?なら良かった。なぁ、俺を乗せてくれないか?」

「ブルルル」

 

名前を決め、馬にどうかと聞いてみると機嫌が良さそうに嘶く。

その様子を見て気に入ったと判断した徹は、朧に乗せてくれと頼み、朧もそれを聞き立ち上がる。

 

「よいしょっと…、んで手綱を持ってと…」

 

朧に乗った徹は、馬騰に教わった操縦方法を一通りして、乗馬になれる。

それを二刻ほど続けると馬が速く歩くぐらいには乗れるようになった。

 

「よし、ここまで出来た。後は走らせるんだが…、尻に危機感を覚えるな…」

 

朧を走らせようとするが、乗馬で良く聞く尻へのダメージが怖い。

しかも、クッションとなる鞍もない。

 

「尻は諦めるか…。よし、朧。北部に向かって走ってくれ!」

「ヒヒーン!!」

パカラッ!パカラッ!

(あ、これはアカン)

 

朧は元気良く走りだした。

今まで溜まっていたストレスを発散させるかのように思いっきり(・・・・・)…。

つまり…

 

「いったい!尻が痛い!上下運動スゴすぎぃ!」

 

徹の尻は犠牲になったのだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~涼州北部~

 

徹は涼州北部の村で横になっていた。

なぜなら…

 

「…(白目)」チーン

 

死んでいるから。

西涼から北部まで半日で来たがその間、朧は休憩無しで走り続けた。

なので、徹も休憩無しで乗り続けた。

つまり、徹の尻のHPが0になっても朧は走り続けたのだ。

もうやめて!徹の(尻の)HPはもう0よ!

 

 

 

 

 

 

村に着いて丸一日、徹は眠り続けた。

そして、起きて一言目が

 

「オデノカラダハモウボドボドダァ!」

 

オンドゥル語だった。

 

「ウソダドントコドーン!…はっ!ここはどこだ!?」

 

オンドゥル語をもう一つ喋ってから、気を取り戻した徹。

村に着いたときの記憶が無いのか、慌てる。

 

(っ!まずは落ち着け…。確か俺は朧に乗せてもらって北部を目指してた。そして、朧が止まらず…ウッ,アタマガ。

そ、それから…村に着いて…その先の記憶が無い。ということはここは村か?)

 

記憶を思い出す徹。

一部思い出せないところもあったが、自分の現在位置を把握する。

 

「天照も荷物もあるな。朧は外か?」

 

寝ていた部屋の中に天照と荷物を見つけた徹は、荷物を背負い、天照も腰につける。

そして、家を出ると…

 

 

 

 

「ヒヒーーン!」

 

 

目の前に馬の顔があった。

 

「ファ!?」

 

それに驚き、一歩後ろに下がろうとするが

 

「ブルル♪」スリスリ♪

 

目の前の馬・朧が頭を胸に擦り付けてくる。

 

「っと、よしよし。無事だったか朧」

 

朧の頭を撫でる徹。

そして、半刻ほど撫で続けた徹は周りを見渡す。

 

「朧?村の人がどこにいるかわかるか?」

 

周囲には人影は無く、朧に人がいるか聞く。

 

「ブルルル」グイッ,グイッ

 

それを聞いた朧は、徹の服の袖を軽く噛み引っ張り、村を進む。

 

 

 

 

 

~村長の家~

 

「おぉ、起きたか。旅の者よ。体は大丈夫かの?」

「えぇ、大丈夫です。休ませてもらってありがとうございます。」

「いやいや、大丈夫じゃよ。それにしても、驚いたわい。いきなり馬が村に入ってきて、しかも乗り手は白目を向いて気絶しているのを見たときはのぉ」

「面目ありません…」

 

村長の家の中で対面して話し合う村長と徹。

そして徹が一通り謝り終えたところで、徹は村長に聞いた。

 

「それと、村長。五湖との国境線はこの近くですか?」

「ん?北にもう少し進めば砦があって、そこが国境線じゃが…それがどうしたんじゃ?」

「いえ、聞いてみただけです。五湖に少し用があって…」

「…もしや復讐か?ならばやめておくんじゃな。奴等は強い。並大抵の武では返り討ちにされるだけじゃ」

「いえ、復讐では無いのでご安心を。それでは、村長お世話になりました」

「もう出るのか?もう少し休み…」

「いえ、先を急ぐので。ありがとうございました」

 

お礼を言い、村を出発する。

目指す先は五湖との国境線…。

 

 

 

 

 

~砦近く~

 

「あれが砦が」

 

徹の視線の先には、大きな砦があった。

門も大きく、ここを守るのにどれほど力を入れているのかが、良くわかった。

 

(それにしても、異様に門が横に広い…。涼州の騎馬を一斉に出すためか)

 

門の大きさへの疑問に、自分なりの回答を叩き出す。

 

「おっと、目的は砦じゃない。近くに山は…あれがいいな」

 

辺りを見渡し、砦の斜め後ろにある連なった山に狙いをつける。

 

「よし、朧。次の目的地はあそこだ」

「ヒヒーーン!」

 

手綱を操り、朧に指示を出す。

それに従い、山に向かって走り出す。

 

 

 

 

 

 

~涼州北部のとある山~

 

山に着いた徹は朧から降り、歩きながら山の地形を調べていた。

 

「…よし、川だ。これで水には困らないな。ここは食べ物も豊富だし、住むには適している。後は洞窟でもあればいいんだが…」

 

川を見つけ喜ぶ徹は、雨と風を防げる洞窟を探そうとするが…

 

「っ!?」バッ!

 

その場で横っ飛びをする。

直後…

 

ザクッ!

 

徹がさっき立っていた地面に剣が降り下ろされた。

 

(こんなところで襲撃!?盗賊か!?)

 

避けた徹は、襲撃者から距離を取るため、前に飛びながら体の向きを襲撃者の方に向ける。

そして、襲撃者を見て驚く。

 

(こいつ五湖の兵か!?)

 

顔に白い仮面で鎧は胸部分しか無く、武器は血の着いた包丁のような剣。

原作で出てきた五湖兵と全く同じだった。

 

「グガァァァァ!!!」

「ちっ!言葉は通じんか!」

 

問答無用で襲ってくる五湖兵。

迎え撃とうと徹も攻撃するが…

 

ガギィ!ガギィ!

 

中々倒せなかった。

 

(っ!?そこらの盗賊とは比べ物にならない!兵一人でここまで強いとは…!)

 

今までの盗賊は徹一人でも、数十人なら問題はなかった。

盗賊一人一人の質が低かったからだ。

しかし、五湖兵は違う。

日々涼州の強兵と戦い、その質は高い。

なので、盗賊と五湖兵では強さが違いすぎた。

 

(仕方ない!あれで終わらせる!)

 

鍔迫り合いの状態から、右足で蹴りを放ち、五湖兵はそれを避けるため、後ろに飛ぶ。

両者の間に距離ができる。

そして、徹は天照を鞘に納めた。

それを見た五湖兵は怒り狂う。

舐められていると感じたのだろう、一直線に走ってくる。

 

「ガァァァァ!!」

(あと三歩…二歩…一歩…今!)

 

五湖兵が徹の間合いに入った瞬間、縮地で距離を詰め、喉元に一閃。

 

「ガッ…ガァ…」

 

喉から大量の血を流しながら倒れる。

 

「ふぅ…」

(これが五湖兵…。盗賊とは訳が違う。強さもそうだが、殺すことに迷いがない。恐らく、五湖兵にとってこちらを殺すことは虫を殺すことと大差が無い。にしても…、なぜここに五湖兵が?)

 

天照を布で拭き、鞘に納めながら、五湖兵について考える。

そんな最中に…

 

「おい!こっちに足跡があるぞ!」

(っ!?人の声!こちらに来る!)

「朧!」

「ヒヒーーン!」

 

誰かの声が聞こえたため、朧と一緒にその場を離れる。

少し離れた所の森に身を隠した、すぐ後に涼州の兵だろうか、何人かの兵が五湖兵に近づく。

 

「隊長!五湖兵が死んでいます!?」

「何!?」

「これは…首が切られてますね。獣が殺ったわけではなさそうです」

「そうだな。これは明らかに刃物だ。まぁ、助かった。俺達が戦うことが無くなったわけだしな。砦を抜けたのは一人だったな」

「はい。確認されたのは一人です」

「よし、なら帰るぞ」

「は?誰が殺ったのか確認しなくてもよろしいので?」

「別にいいだろ。今から探して見つかるとも限らん。全員!砦に帰るぞ!」

 

涼州の兵達は死体を放置して、その場を後にする。

 

(なるほど。砦を抜けて逃げてきたのか)

「にしても、五湖兵はこんなに強いのか…。修行の相手にはちょうど良いな」

 

そう、徹が涼州の北部に来た理由は、実戦経験を積む相手に五湖兵が良いと考えたからだ。

山の中で修行をして、時折五湖の領地に忍び込み実戦をする。

この時代は現代ほど国境をしっかりと守っていない。

流石に大群は通さないが、一人なら簡単に抜けられるのだ。

 

「涼州の兵達も遠くに行ったな。探索を再開するか」

 

当初の目的である、洞窟を探す徹。

徹と朧の姿は森の中に消えていった…。

 

 

 

 




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