恋姫無双ー進むべき道ー   作:x麒麟x

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誠に申し訳ありませんでした!
リアルが多忙で執筆の時間が取れませんでした。
今後も投稿にかなりの間ができるかもしれません。




7話

~涼州北部の山~

 

「……」

 

山の中で大きな木の前で、刀を腰に差した人物が目を閉じ、佇んでいた。

半刻ほどそのままで立っていたが、

 

「っ!」カッ!

 

突然目を開き、腰の刀の柄を握り、居合いで一閃。

 

ズズズッ、ズドン!

 

木は斜めにずれていき、最後は大きな音を出しながら、倒れた。

 

チンッ!

「ふぅ~、山に籠ってもう三年か…」

 

木を斬った人物は刀を鞘に納めながら、そう呟いた。

その人物は進道 徹。

山に住み着いてから三年の月日を経た徹は外見は変わってなさそうに見えるが、服の下の体の殆どは筋肉に変わっている。

 

「そろそろ、各地を巡るとしよう。川で汗を流したら山を出るか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川で汗を流した徹は必要な荷物だけを持ち、朧に乗っていた。

 

「よし、朧。行こうか」

「ヒヒーーン!!」

 

徹と朧は三年前、世話になった村に向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?村が見えたな。朧、あそこにいってくれ」

「ヒヒーン」

 

徹の視界に外敵を防ぐための柵と入り口が映った。

一人と一頭は、そこを目指した。

朧の脚が速いこともあり、すぐに入り口に着いたのだが…

 

「おかしい…、なぜ誰もいない?」

 

そこには、門番はもちろん見張りすらいなかった。

この時代は盗賊がいるため、どんな村でも見張りはいる。

しかも、ここは砦があるといっても五胡の近くなのだ。

そんな村に見張りがいないのはおかしい。

 

「んっ!?なんだ?この強い気は…?」

 

村を探索しようとした徹が、唐突に感じた強い気。

その気は村長の家から発生していた。

 

(強い気の持ち主は村長の家?にしては、妙におとなしいような…?…っ!?なんだこれ!?強い気の近くに、分かりにくいが更に強い気!?しかも二つ!?)

 

徹は気を使った探知を行った。

その結果、強い気と更に強い気が二つあることが分かり、警戒してしまう。

 

(争っているような荒々しい気は感じないから、危険はないだろうが、一応物陰から様子を伺ってみるか)

 

行動を決めた徹は、急いで村長の家の近くに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「村人を救ってもらってありがとうごぜぇます。旅の医者様よ」

「なに、気にしないでくれ。怪我している人や病気の人を救うのがゴォォォォォドベイドォォォォォォォォォ!!!の使命だからな」

「五斗米道…?」

「ちがぁぁぁぁぁう!!五斗米道ではなく、ゴォォォォォドベイドォォォォォォォォォォォォ!!!…だ」

「は、はぁ…?」

(あの赤髪…そして確かに聞こえた英語のような発音…まさか原作の華陀か…!?)

 

少し離れた建物の影に隠れ、声の方を盗み見るとそこには、村長になにかを言っている赤髪の男・華陀がいた。

 

(そういえば、原作では各地を回って怪我人を救っているんだったな。これは嬉しい誤算だ…!五斗米道の技術は気を使っている可能性が高い…。もしかしたら、俺にも使えるかもしれない…!)

 

五斗米道は患者の体にいる病魔を針を使って滅する医療技術。

だが、ただ針を指すだけであの即効性、万能性、高い効果はおかしい。

ならば、気を使っているのではないかと推測する。

 

(華陀が村を出て、少し歩いたところで話しかけるか…。…そういえば二つの強い気はどこに行った?今は感じられないが…)

 

どこで話しかけるか決めた徹は、ふと二つの強い気が感じられないことに気付いた。

 

(…チッ!一切感じられない…。これでも探知には自信がある。それに引っ掛からないとなるとお手上げだな。今は放置しよう)

 

気による探知も行うが、結果は反応なし。

これではどうしようもないと考えた徹は、二つの強い気は放っておくことにした。

(ここからどこかに行くとなると、国境線の砦は無いだろう。となると、村になるか…。ここから一番近い村は南の山を通らなくては行けない。そこで待とう。)

 

待ち伏せの場所を決めた徹は急いで南の山に向かう。

そして…

 

(……)ジィー

(……)ジィー

 

その背中を見つめる二つの視線…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~村の南にある山の山道~

 

村の南の山に着いた徹は、山道を少し登ったところで華陀を待っていた。

 

「ここならすれ違うことは無いだろう。気長に待つか」

 

華陀が来るまで少し時間があると踏んだ徹は、朧と戯れようとしたが…

 

「…ん?かなり速い速度でこっちになにか来るな。これは…二人!?さっきの奴等か?」

 

突如、村の方から山に近づいてくる気配を感じた。

しかも気の探知を行った結果、近づいてくるのは二人。

徹は、村で感じた強い気の持ち主と想定して、警戒した。

そして、徹の視界に例の二人の姿が。

それを見た徹はつい言ってしまった。

 

「お、お前らは…!?」

 

 

 

 

 

 

近づいてきた二人はどちらも筋骨隆々…

 

 

 

 

 

 

片方は頭は禿げて、もみ上げの部分に編んだ髪の毛が一対、服はピンクの紐パン一枚のみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

もう片方は銀の髪に立派な髭、服装はスーツのような上着に褌。

 

 

 

 

 

 

 

 

現代ならば即通報な外見をしたこいつらは…!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ば、化け物だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!????????」

 

「「だ~れが視界に入った瞬間、目が腐るほどの化け物ですって~!(じゃと~!)」」

 

「お前らだぁぁぁ!」

 

とんでもない外見をしたオカマ二人?だった。

そう、ある意味恋姫で一番有名だと言ってもいい人物…

 

「私の名は貂蝉よ~ん!」

「私の名前は卑弥呼じゃ!うっふーん!」

(もう、ダメだぁ…、おしまいだぁ…)

 

おそらく原作をプレイした人なら一度は思っただろう。

(男性武将がこんなに可愛いなら、絶世の美女といわれた貂蝉はどうなるんだろう?)…と。

そして、ワクワクしながら貂蝉の登場を待っていた私達を襲ったのは筋肉モリモリのオカマ…。

プレイした人たちは心が折られたこと間違いなし。

(ちな、作者は折られました)

 

自己紹介されたが、精神を折られた徹は聞こえてない。

心の中でエリート王子の台詞を言ってしまうほどに折られている。

そんな徹を見た人?…。化け物二匹は

 

「あらあらぁん?余りの美しさに言葉が出ないのかしらぁ?」

「ふむ、それは仕方ないことじゃ。儂らの美しさは想像を絶するからのぉ」

「余りのおぞましさに言葉が出ないんだよ!」

 

化け物二匹の突っ込みどころが有りすぎる発言を聞き、正気を取り戻す徹。

しかし、直視するのは厳しいのか視線は外している。

 

「さて、ふざけるのはここまでにして、本題に入ろうかのぅ。お主、ダーリンに何用じゃ?」

「!?」ピクッ

「あらぁん?そこまで驚くことかしらぁ?私たちは知ってるわよぉん?貴方が華陀ちゃんを狙っていることを」

「…いったい何のことだ?俺はここで休憩していただけだ」

「見え透いた嘘はよせ。儂らは村でお前のことを見張っておったからのぉ」

 

華陀を待っていることを当てられた徹は、眉が動いてしまった。

それを見た貂蝉は徹の動揺を見抜き、さらに追求する。

しかし、徹は誤魔化そうとするが、卑弥呼はそれを許さなかった。

誤魔化すことは出来ないと判断した徹は仕方なく、仕方なく!(大事なことだかry)化け物二匹の方に視線を向け、言った。

 

「…そうか。俺はただ華陀に用がある。それだけだ。」

「ほぅ。その内容は?」

「お前らに言う必要があるか?」

「ないわねぇん。けど、言わなければ力尽くで聞きだすわよぉん?」

「…華陀を殺す気はないとだけ言っておく」

「「信用できん(できないわぁん)」」

「だろうな」

 

いくら口で殺さないといっても確証がない。

貂蝉と卑弥呼がこう言うのも仕方ない。

 

「…朧、離れてろ」

「…ブルルル」

 

戦闘になると予感した徹は朧にこの場から離れろと告げる。

それを聞いた朧は徹を数秒見つめ、その場から離れた。

 

「戦う気か?」

「お主が何も言わなければそうなるのぉ…」

「…そうか。ならば…投影開始!(トレース・オン)

「「なっ!?(えぇ!?)」」

「戦うことになるな!」

 

天照を作った徹は先手必勝とばかりに、貂蝉に斬りかかる。

それを貂蝉は右腕で防御!

 

ガギィィィィィィィン!!!

(っ!?斬れない!?)

(くっ!なんて重くて鋭い斬撃なのかしらぁん!)

 

徹は貂蝉の右腕が斬れないことに驚き、貂蝉は徹の斬撃に驚く。

一瞬の硬直状態に陥った二人。

しかし、ここにいるのはこの二人だけではない。

 

「退けぇ!貂蝉!」

「っ!?」バッ!

「チィ!」

 

卑弥呼は鍔迫り合いの様なことになっている徹に左ストレートを繰り出す。

それに巻き込まれないよう、貂蝉はバックステップ。

標的になった徹は、天照から片方の手を離し、卑弥呼の左ストレートを防御しようとするが…

 

「そんなもので防げるかぁ!」ドゴォォォン!

「ガッ!?」

 

バキッバキッバキッバキッ!!

 

卑弥呼の攻撃により、木を倒しながら森へ飛ばされた徹。

 

「倒せたかしらぁん?」

「それはないじゃろう。手応えが妙に軽かった。おそらく、当たる瞬間飛ばされる方向に自ら飛んで、衝撃を吸収しおったわ」

 

さっきの攻撃で倒せたかどうかを貂蝉は聞いたが、返ってきたのは、否定の言葉。

手応えの感触から卑弥呼は、徹が衝撃を軽くするため、自ら飛んだことを見抜いていた。

 

「……」

「……」

 

迂闊に飛び込むのは不味いと判断した二人は、徹が戻るのを待つ。

 

ヒュンヒュン!

 

「あら!」カキィン!

「そんなもの効かんわ!」カキィン!

 

そんな二人を襲ったのは飛んできた小刀二本。

それを腕で弾くが、弾いた小刀は

 

シュウゥゥゥ…

 

その姿を消していった。

 

「なんですってぇ?!」

「やはりこれは!」

 

この世界ではありえない現象を見た二人は一瞬動揺をする。

 

「…!」ザッ!

 

その一瞬の隙に、徹は縮地で二人の後ろに回り込む。

狙うは卑弥呼の首。

天照で卑弥呼の首を斬りつけるが…

 

「ふん!!」ガキィィィン!

「チィ!」

 

またしても、金属音。

卑弥呼の首を斬れなかった徹は、一旦距離を取る。

 

「…お主、一体何者だ?」

「…それはこちらが言うことだ。何だ、貴様らは?斬撃を防ぐほどの硬気功だと?本当ににんげ…んでは無さそうだ」

「「だーれが筋肉妖怪だとぉぉぉぉ!?(ですってぇぇぇぇ!?)」」

 

相手の正体が解らないため、卑弥呼は言葉による探り合いを行った。

しかし、返ってくるのは疑問の言葉。

その言葉につい反応してしまう人間(仮)二人。

 

「えぇい!今はそんなことはどうでもいい!お主、その奇妙な技は何だ!それはこの世界にはないものだ!」

「そうよぉん!貴方、本当にこの世界の住人!?」

「…それを貴様らが言うのか?外史の管理人(・・・・・・)?」

「「貴様(あなた)!?それをどこで!?」」

 

この世界には絶対に無い技を使う正体不明の相手に問いかけるが、返ってきたのはまさかの自分達の正体。

その言葉に動揺を隠せない二人。

 

「…お主には聞きたいことが山ほど出来たわ。絶対に逃がさんぞぉ!」

「フルパワーよぉぉぉぉん!!」

「今の自分の力、試させてもらう!」

 

「「「オオオォォォォォ!!!」」」

 

ドゴォォォォォォォォォォン!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~村から山に向かう途中の道~

 

「卑弥呼と貂蝉は先に行くと言っていたが、帰ってこないな?あの二人のことだから、誰かに殺られたということはないだろうし…?」

 

村から山に向かう道で、華陀は先に行くと告げて帰ってこない旅仲間を心配していた。

村で村長から感謝の品を!と言われ、それを断っているところに旅仲間の二人が告げたのは、このあと通る山に敵がいないか調べてくる、ということだった。

旅仲間の強さを十分に知っていた華陀は、これを許可。

だが、すぐに帰ってくると思った旅仲間は二刻経っても帰ってこなかった。

これに少しの不安を感じた華陀は、二人が行くと言っていた山に向けて急行。

今やっと、件の山が見えてきた。

 

「確か二人が調べると言っていたのはあの山だな?何もなければいいんだ…」

 

ドゴォォォォォォォォォォン!!!

 

「がっ!?なんだこの音!?山から聞こえたぞ!」

 

突如聞こえてきた、爆音。

その発生源は華陀が目指していた山だった。

 

「もしや、二人に何かあったのか…!?今行くぞ!卑弥呼!貂蝉!」

 

二人に危険が迫っていると思った華陀は、山に向けて走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、戦闘場所となった山では…

 

「オォォォォォ!」

「でやぁぁぁぁぁ!」

「アハァァァァァン!」

 

凄まじい戦いが繰り広げられていた。

 

「シィ!」

「甘いわぁ!」

「そこよぉぉぉん!」

「フッ!」

 

徹は卑弥呼に向け、天照で斬りつけるがまたしても防がれる。

その隙に、貂蝉が徹に向け右足による蹴りを放つが、咄嗟にしゃがみ回避。

 

ガシッ!

「ぜりゃぁぁぁ!」グイッ!

「あらぁぁぁん!?」

 

貂蝉が伸ばしてきた足を掴んで引っ張り、徹と卑弥呼の間に貂蝉を強引にねじ込む。

後ろ向きになった貂蝉に刺突をするが…

 

ザクッ!

「体に剣を刺して、少ししか刺さらんとは、どんな体をしている!?」

「鍛練の賜物よぉん!」

 

浅く刺さっただけ。

貂蝉は後ろにいる徹に、裏拳を放つがスウェーバックでギリギリ避けた。

そして、徹は後ろに飛び距離を置く。

 

(…決定打が決定打に成らない。斬りつけても皮膚が傷つくだけで、刺突もダメ。しかも、骨が何本か折れてる。次で決めなければ…!」

「卑弥呼、あの子をどう思う?」ボソッ

「強いな。我ら二人を相手に出来る武に、肋骨が折れとるにも関わらず戦い続ける気力。さらに、気の扱いが上手い。あの高速移動法は気を使っているのだろうが、予兆がほとんど感じられん。硬気功が無ければ、我らが負けていても不思議ではないな」

 

戦闘開始から一刻、戦闘による負傷具合は、徹が肋骨骨折に卑弥呼の攻撃を防御をした時に、腕の骨にヒビが入ってしまった。

対して、卑弥呼たちは硬気功のお陰で、皮膚が斬れているのが数ヵ所と、貂蝉のみ刺突によって浅く抉られた傷があるだけ。

徹の方が圧倒的に不利だった。

 

「……」ジリッ

 

徹は摺り足で、卑弥呼たちに近づく。

そして、縮地で一気に距離を縮めようと

 

「そこまでだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「「「!?!」」」

「これ以上戦うのは俺が許さん!」ザッ!

 

した瞬間、辺りに響く大きな声。

それを発した人物は華陀だった。

華陀は両者の間に立ち、戦闘を妨害した。

 

「華陀ちゃん!そいつは危険よぉん!はやく離れてぇ!」

「そうだ、ダーリン!こっちに来るのだ!」

「危険だとしてもこいつは酷い怪我をしている!怪我人を救うのはゴッドベイドーの使命だ!」

 

貂蝉と卑弥呼は、華陀に危険だからこちらに来いと言うが、当の本人は聞く耳持たず。

 

「…ふぅ。ここまでだな」

 

徹は天照を鞘に納め、これ以上戦闘をする気が無いことを示した。

 

「む?なら君。治療をしていいか?見た限り、肋骨が何本か骨折、左腕の骨にヒビが入っている。下手をすれば、骨が内蔵に刺さってしまう」

「やはりそうか。ならすまないが、治療をお願いする」

「うむ!まかせ…」

「ちょっと待ちなさい!?」「少し待たんか!?」

「ん?どうした?」

 

貂蝉と卑弥呼は自分達そっちのけで、話がどんどん進んでいることに呆然としていた。

さらにはさっきまで戦っていた相手を治療することに決まり、それに反応して話しに割り込んだ。

 

「あのねぇ、華陀ちゃん!そいつは危険って言ってるじゃなーい!」

「そうだぞ、ダーリン!そいつは治療してはいかん!」

「それでも俺は怪我人を見過ごせん!」

 

ワー!ギャー!ワーギャー!アイェェェェ!?

 

「…やかましいやつらだな…」

 

言い合ってる三人をみて、徹は呟いた。

 

 




硬気功…気を纏い、纏った場所の硬度を上げる技術。
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