「うげっ」
「お! 湊じゃん!」
昼飯を作ったときに塩胡椒が切れてしまって、丁度いいから諸々買い足そうと町に出たら、最悪なことに一誠のデート(仮)にブッキングしてしまった。レイナーレの方に視線をチラッと向けてみる。うっわ、めっちゃ警戒されてますやん。やっちまったもんなぁ。
買い出しなんて明日にして、大人しく家に引きこもってればよかったのに、俺。
「で、どうしたんだ? さっきスゴイ声が出てたけど」
「いや、まさかお前と会うとは思ってなかったからな」
「なんだよ、俺とは会いたくないってか?」
「そういう意味じゃねえよ。ただ買い物に来てただけなんだけどな。今日はデートだって言ってたろ? だから、邪魔する訳にはいかないと思ってさ」
「お前って奴は、ホントに……」
「悪いな、デートの邪魔しちまって。天野さん……だったっけ?
こいつ変態だけど、悪いヤツじゃないからさ。仲良くしてやってくれよ」
「おい、変態は余計だ!」
「ははっ、そうだな。じゃあデート、楽しみな」
あとは夜になったら乱入するだけだ。ああ……なんだか心配になってきた。タイミングを間違えて、一誠が殺される前に乱入。なんてことになったら洒落にならない。
あ、リアスにバレないようにしないといけないな。原作介入はしなきゃいけないけれど、悪魔になる訳にはいかない。いや、別にグレモリー眷属が嫌いっていうのじゃないんだけどね。眷属になっちゃうと色々としがらみで、俺が本当にやりたいことが出来なくなっちゃうんだよな。
はぁ、上手くいくかなぁ……。というか、夜までどうやって時間を潰そう?
そういえば『仲良くしてやってくれ』って言った時に、レイナーレが一瞬辛そうな顔をしてた。もしかして……
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さて、夜になった。一誠の元に行かなければならない。ところが、1つ問題が発生してしまった。
……そもそも一誠って何処にいんの?
「馬鹿じゃないかにゃ?」
「言ってくれるな、黒歌」
それは今自分で思ったから……。何か一誠の居場所を知る方法はないか……。いやでも、たとえ居場所が分かっても、建物って訳じゃないからルーラじゃ跳べないか。
「あれ? 何だあるじゃん。居場所を特定して、尚且つそこに転移する方法。
じゃあ黒歌、ちょっと行ってくるわ」
「あれ、私留守番?」
「あのねぇ、お前自分の立場分かってるの? 今の所属云々より前に、一応主人殺しの大罪人ってことで追われてるだろ。現状のお前と一緒に行動したら安全なはずの行動も、一瞬のうちにミッション・インポッシブルだっつーの。俺はトムク〇ーズじゃないからな」
「そういえば私ってそんな立場だったね」
あははは〜と陽気に笑う黒猫。こんの万年色ボケ発情猫め……、自分が置かれてる立場を完全に忘れてやがったな?
これはお仕置きが必要かなぁ〜?
「『かなしばり』」
「!?」
黒歌の動きを止める。身体を痺れさせるだけの『でんじは』とは違って、完全に動きを止められるので今回はこっちを使うことにした。
そして、完全に動きが止まって身動きが取れない黒歌の目と鼻の先にまたたびを設置する。さて、これで準備は完了した。
「『結』!」
「!?!?」
仕上げとして黒歌を結界の中に閉じ込める。あ、言い忘れてたが今の黒歌は黒猫モードだ。
「さて、それじゃあ行ってくるよ!」
『もしかしてこのまま私を置いていくつもりにゃ!? あぁ……訊くまでもなさそうだにゃ。めっちゃイイ笑顔にゃ』
よく分かっているじゃないか。
さてと、一誠の気を探って………………お、これかな?
「じゃあ、黒歌。俺が帰ってくるまで頑張ってね! 留守番よろしく!」
『私……耐えられるかなぁ……』
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俺が一誠の元に転移するとそこには既に槍に貫かれた後の一誠の姿があった。概ねタイミングは合ってるかな。
「まったく、仲良くしてやってくれって言っただろ? ……まあ、こうなることは知ってたんだけどな」
「貴方……やっぱり只者じゃないわね。この場面を見られた以上は生かしておく訳にはいかない。死んでちょうだい。私のことならいくら恨んでもらっても構わないわ」
レイナーレが俺に向けて光の槍を投擲してくる。投擲したってことはあれは遠距離わざと考えていいよな。それならうってつけの『わざ』がある!
「『ミラーコート』」
「嘘っ!?」
俺が展開したミラーコートに衝突した光の槍は、俺に影響を及ぼすことはなくその威力を2倍にしてレイナーレの元へ反射された。レイナーレは間一髪で躱すが、その威力は落ちることなく夜の空へ向かっていき空を覆っていた雲を吹き呼ばし消えていった。
「おお、スゴイな。流石は堕天使さまと言ったところか」
「貴方……本当に人間なの?」
「生物学的にも俺の意識的にも人間だよ。神器を持っている時点で人間確定だろ?」
まあ、ヴァーリという例外もいるんだけどな。
「さて、次はこっちの番だ。手始めに、『でんげきは』」
俺の掌から電撃が放たれる。
「こんなもの!」
レイナーレはその電撃をヒラリと躱す。しかし、
「キャアアアアア!」
電撃は消えること無く、レイナーレへ元に曲がり直撃する。
『でんげきは』は所謂必中わざというヤツで、必ず相手に命中するのだ。まあ、威力が低いから使いようだな。
「な、何なの今の雷撃は……」
「悪いな。今のわざは絶対当たるようになってるんだわ。空を飛ばれてちゃただの人間の俺には辛いからな。卑怯だなんて言うなよ?」
さて、
「『リフレクター』、『ひかりのかべ』、あと『めいそう』も積んでおくか」
「何をブツブツ言っているの? 逃げる算段でもつけていたのかしら?」
「いや何、所謂下準備って奴さ」
「あら、そうだったの? それならその下準備の成果が出る前に始末しないとね!」
そう言うとレイナーレはこちらに向かって滑空してくる。
こっちだって5回終わらせたんだ。やらせてもらおうか。
「『ぼうふう』」
「何、この風!?
自然の物じゃない……貴方の仕業ね?」
「流石にこれだけじゃダメージは受けないか……。なら、ピカ様の力を借りるしかないか。『10まんボルト』!」
「キャアアアアア!」
さっきの『でんげきは』とは比べ物にならない程の電圧の電撃がレイナーレを襲う。
「さっきのよりも……キツい……」
「そりゃ威力が違うからな」
具体的に言うと30くらい。『かみなり』の命中を信じてはいけない(戒め)。使いたいなら『あまごい』でも使えばいいんじゃないかな。
さて、ここからだ。そう思った時、魔力を感じた。やっべ!
「『ほごしょく』」
「消えた!? 何処へ行ったの!?」
自分の体を景色と同化させ、視界から消える。数秒後に見えたのは、グレモリー家の紋章。ふぅ、危ない危ない。
『悪いが、今日はここまでだ。俺もグレモリーに正体を知られるのは困るんでね。俺のことは話さない方が賢明だと思うぞ? お前だってただの人間にそこまでされたと知られたくはないだろうからな。それじゃあ』
「くっ……」
まあ、それじゃあとか言いつつも近くで展開を見届けるんだがな。
レイナーレは悔しそうな呻きを1つ漏らすと飛び去っていった。恐らくアジトにしているあの教会だろう。まあ、場所は予めしらべておいたから、乗り込もうと思えば何時でも乗り込める。そんなことはしないけど。
その後に転移してきたのは予想通り、駒王町を統轄している悪魔、リアス・グレモリー。本当にどうでもいいことなんだけど、リアスやソーナ会長以外に人間の町を管轄している悪魔っているんだろうか? そんな話を聞いたことはないんだが……。
でもこの後のバイサーみたいなはぐれ悪魔の討伐命令が出るくらいだし、他の場所にもいるんだろうな。リアスの前任もいたみたいだし。
「少し遅かったみたいね……」
確かに原作よりも遅い。原作では意識が薄れていった一誠が最後に見たのはリアスの紅い髪だったはずだ。あれ? そうなると一誠が最後に見たのは俺の可能性がワンチャン?
「ごめんなさいね。命を救うためとはいえ、あなたの許可なく
そう言ってリアスは悪魔の駒だと思われるポーンの駒を一誠に近づけるが、その駒は弾かれてしまう。
「どうして!? 何故弾かれるの!?」
するとリアスの懐に入っていた7つのポーンの駒が独りでに飛び出し、一誠に与えようとしていた1つと合流した後に一誠の身体へと吸い込まれていった。
「ポーンを8つも消費するだなんて……」
リアスは一言呟くと一誠を抱えていった。あいつ、それなりに重かったはずなんだけどなぁ……まあ、そこは流石悪魔ってことで納得しておく。
それにしても、駒1つじゃ転生出来なかったってああいうことだったんだな。まさか
さて、俺もそろそろ家に帰るとするか。ん? 何かを忘れている。そんな気がする。なんだ? なんか買いたい物でもあったっけ?
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「ただいま〜」
おや? 家にいる時は必ず返ってくるはずの返事がない。確か家にはいたは……ず……
リビングには結界の中でグタッとなっている黒猫がいた。あっちゃ〜……完全に忘れてたな。流石に寝ちゃったか。結界の中じゃ窮屈だろうし、解除してやろう。
「『解』!」
すると、寝ていると思っていた黒歌が飛びかかって俺を押し倒した!
「……おかえり、湊」
「お、おう。ただい……ま?」
壮絶に嫌な予感がする。そう、ひしひしと。
「私、ずっと待ってたのよ?」
「そ、そうか。ごめんな、待たせて」
何故ならば黒歌から口癖である『にゃ』が抜けている。というかですね、黒歌が乗っかかっている右足の太ももがどんどん濡れてきてるんですよ。一体なんででしょうね(棒)。
「いいのよ? ちゃんと戻ってきてくれたから。ちゃんと相手してよね?」
「な、なんの?」
「私があんなに誘惑してるのに、湊ったら全然つれないんだもの。あれ結構ショックなのよ? 私ってそんなに魅力ないかしら?」
「いや、そんなことないぃ!?」
突然首を舐められる。あぁ……これはヤバい。今日こそ逃げられないかもしれないっすわ……
「抵抗しないと好きなようにしちゃうわよ?」
「え、嘘!?」
黒歌は俺から降りると下半身の方へ近づいていく。ちょ、まっ……
本当はもう少し早く更新したかったんだけどねぇ……
感想とか待ってます。