IS fate extra   作:赤弓

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狐と一夏 IS学園へ

 (なぁ・・・キャスター)

 

IS学園へと戻る電車の中、俺は頭の中でキャスターに向かって話しかける

 

 (何ですか?ご主人様

  ひょっとして私の姿が見えなくて寂しかったんですか?」

 

嬉しそうにそういうキャスターに俺は小さくため息を吐く

 

 (いや、これからのことなんだけどさ・・・

  他のマスターやサーヴァントの情報は何も無い

  いったいどうすりゃいいんだ?)

 

 (そうですね~、とりあえずご主人様にはいつもどおり過ごしていただいて・・・

  私は向こうに着いたらご主人様に近づく敵を感知する結界を学園に張っておきます)

 

 (助かる。流石に千冬姉たちは巻き込みたくないしな・・・)

 

 

 「次は、IS学園前~、IS学園前~」

 

 「もう着いたのか・・・」(降りるぞ、キャスター)

 

 (了解です)

 

 

電車から降りた俺は真っ直ぐへと寮に向かう・・・のだが、その途中で箒たちに捕まった

 

 「さて一夏?説明してもらおう」

 

 「何故、わたくし達との訓練を放棄して・・・」

 

 「勝手にどっかいっていたのか話してもらうわよ」

 

 「一夏、僕も訳を聞きたいな」

 

 「おとなしく吐いた方が身のためだぞ、嫁よ」

 

5人とも青筋を浮かべながら迫るのはやめてくれ。怖いから

 

 (モテモテですね、ご主人様。流石イケメン魂の持ち主です♪)

 

 (どこがだ!!コレの!!全員怒ってんじゃねぇか!)

 

その後も起こられ続ける俺をよそにキャスターは隣で

 

 (鈍いですね・・・ここは私が積極的に・・)

 

とか呟いていた。・・・いったい何が鈍いんだろう?

 

 

かくして5人の説教が終わり、ようやく開放された俺は自分の部屋のベッドへとダイブした

 

 「ぬおお・・・・ベッドが気持ちいいぜぇ・・・」

 

 「お疲れ様です。ご主人様」

 

キャスターも俺の部屋の中では実体化し、隣のベッドに腰をかけている

・・・あれ?何だろう、やけに眠い・・・

 

 「今はよくお休みになってください

  ただでさえ、私の召喚で消耗しているのですか・・・」

 

 「・・・そうする・・・あ・・誰かがもし部屋に入ってきたら・・・」

 

 「鍵をかけておきますから大丈夫です

  もし鍵を突破されたら私は霊体化しておきますし」

 

なら大丈夫か・・・

 

 「ごめん、あとはまかせた・・・おやすみ・・・・」

 

 「おやすみなさい、ご主人様」

 

キャスターのその声を最後に、俺は静かに眠りについた

 

 

 

 

 

 

 「ご主人様・・・?」

 

 

 「・・・・・・・」

 

 

 「フフッ、もうお眠りですか?」

 

私はそういいながら今日、私のマスターとなった少年の頬をつつく

こうしてみるとなかなかイケメンですね・・・ジュルッ、あらあら涎が・・・

 

さて、ドアに鍵をかけてその上に結界を張って・・・と

防音、攻撃遮断、防臭などいろいろ得点付きの特性結界です

ま、明日の朝にご主人様か私が中からドアを開ければ解除されますけどね~

これでご主人様も安らかにお休みになれるはず。ああ、私はなんて良妻狐なんでしょう

 

「これでいいですね。じゃあ、おやすみなさい~」

 

私はそのままご主人様の隣で眠りに着いた

 

 

 

ー 翌日、早朝

 

 

 『ドガアァァァァァ!!!!!!!!!!』

 

 

 「な、ななな何!?いったいどうしたの!!敵襲!?」

 

 

寮中に響き渡るような爆発音で僕、シャルロット・デュノアはベッドから飛び起きた

辺りを見回すといつのまにかルームメイトであるラウラの姿が無い

また、一夏の部屋へといっているのだろうか・・・ってそうじゃなくて!!

僕はそのまま近くにあったジャージに着替え、いつでも動けるようにする

 

そして数秒後、勢いよく自室の扉が開けられた

 

 「シャルロット!!起きろ、シャルロット!!」

 

 「ど、どうしたの?ラウラ・・・」

 

するとそこには焦った顔をした半泣きのルームメイトがいた

 

 「ど、どうしたではない!!大変なのだ

  私がいつもどおり嫁の部屋へ行き、添い寝をしようとしたのだが・・・」

 

 「一夏と添い寝ってのは許容できないけど・・・それでどうしたの?」

 

 「ドアが開かないんだ!!!!」

 

 「はい?」

 

ドアが開かないって・・・それだけ?

 

 「それなら鍵がかかってるんじゃ・・・」

 

 「私はちゃんとピッキングした!!完璧だ!!!!」

 

・・・威張っていうことじゃないよ、ラウラ

 

 「それなのに開かないのだ!!あの忌々しいドアが!!!!

  私と嫁との夫婦生活をたばかるあのドアが!!あの忌々しいドアが!!!!」

 

 「・・・大事な事だから2回言ったんだね

  それでその忌々しいドアをいったいどうしたの?」

 

 「ISを展開してレールカノンで破壊を試みた」

 

 「・・・じゃあ、さっきの轟音はラウラのせいか

  ところで後頭部のそのたんこぶはひょっとして・・・」

 

 「教官に殴られたっ!!」

 

 「・・・当然だと思うよ?」

 

 (レールカノンをぶっ放したら中にいる一夏は無事なのかな)

 

・・・と心配していた僕は間違ってない。決して間違ってはいないはずだ

だから次のラウラの言葉を聞いて僕は本当に驚いたんだ

 

 「それでも壊れなかったんだ!!あのドアは!!」

 

 「・・・なんで?」

 

 「それを教官に説明したら教官も不思議に思い、教員のマスターキーを使用した

  だが、それでも開かない。あげく集まった全員で破壊を試みたが傷一つ付かないのだ」

 

その言葉が信じられなかった僕は、部屋をでてラウラと一緒に一夏の部屋の前へと向かう

 

するとそこには寮の生徒や、織斑先生など大勢の人がドアを開けようとしていた

 

 「ぐっ・・・何故、開かん!!」

 

 「先生、どいてください!!こうなったら甲龍の衝撃砲で!!」

 

 「しょうがあるまい・・・許可する!!全力で放てぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

・・・うわぁ、すごいことになってる

織斑先生も一夏が心配なのだろうか、何が何でもドアを破壊しようとしてるし

 

そう思っていると、衝撃砲が放たれドアへと着弾しその余波で体が吹き飛びそうになる

だが、煙が晴れるとそこには傷一つ付いてないドアがたたずんでいた

 

 「もう、何なのよ!?このドアはぁぁぁぁ!!」

 

 「聞こえるか!?私だ、千冬だ!!聞こえたら返事をしてくれっ、一夏ぁっ!!!!」

 

鈴が叫び、織斑先生はドアを叩いて必死に一夏へと呼びかける

だが、一夏からの返事は無い。ひょっとして一夏になにかあったんじゃ・・・

そう考えたらいてもたってもいられなくなった

 

 「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 「一夏!?どうした!!一夏ぁっ!!!!」

 

突然、一夏の悲鳴が聞こえた

 

 「一夏っ!?」

 

 「一夏さん!!大丈夫ですか!?一夏さん!!」

 

その言葉に全員顔を青くしながらも必死に叫び続ける

・・・お願い、一夏・・・無事でいて・・・

 

 

 

 

ー その頃、一夏の部屋の中

 

 「ん、むぅ・・・もう朝か・・・」

 

いつもどおりの朝、今日は少し早く起きたな・・・と思いつつ

俺はベッドに手をついて起き上がろうとしt- ムニュッ・・・ムニュ?

 

 「もう・・・ご主人様ってば・・・朝からダ・イ・タ・ン♪」

 

 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

何で!?何で隣に知らない女の子が!?・・・そういえば昨日・・・

 

 「思い出しましたか?ご主人様」

 

 「ごめん、まだ混乱してる・・・キャスター・・・だよな」

 

 「はい、クラスはキャスター、真名は玉藻の前

  ご主人様に呼び出され、良妻狐のデリバリーにまいりました」

 

俺は昨日の出来事を思い出し、ため息を吐く

 

 「わかった、全部思い出したけど・・・

  なんでキャスターが俺の隣で寝てるんだ?」

 

 「それは良妻狐なんですから、添い寝を・・と」

 

 「やらないでいいから、本当に心臓に悪いから」

 

イケズ・・・と呟くキャスターを背に俺はジャージに着替える

 

 「ご主人様?いったいどちらへ?」

 

 「早く起きすぎたからな。ちょっとジョギングだよ」

 

 「私も付いていきます。ご主人様をお守りしなきゃいけませんし」

 

 「だ、大丈夫だよ!!だからキャスターはここで待っててくれ、絶対!!」

 

冗談じゃない!!万が一、誰かに見られたら・・・・まずい事になる、確実に!!

 

 「しょうがありませんね・・・ではここでお待ちしています

  なにかあったら念話、もしもの時は令呪をつかって呼び出すよう」

 

 「了解・・・」

 

ベッドに座るキャスターを背に俺はドアへと向かう。そして俺はドアノブへと手をかけた

 

 

・・・今思えば、俺は何故この時点でキャスターを霊体化させていなかったのだろう

悔やんでも悔やみきれないこの失態に気づかぬまま、俺は地獄へと続く扉を開いたのだった

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