IS fate extra   作:赤弓

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夜の邂逅 2人の出会い

昼間行ったビーチバレーの激闘から数時間後

一夏は同盟について話し合うため簪の部屋へと向かっていた

 

 「まさかあそこまで怒られるとは・・・」

 

 (ごめんなさい・・・)

 

旅館での食事後、部屋へと戻った一夏を待っていたのは姉からの説教だった

曰くあの女は何だの、あいつらの身体能力は化け物か!?など延々と聞かれたのである

その後、箒たちいつものメンバーも合流したので飲み物を買ってくると部屋を後にしたのだ

 

 (あ、ご主人様ここじゃないですか?ランサーのマスターの部屋)

 

 (ホントだ。危うく通り過ぎるところだったよ)

 

一夏はそのままドアの前へと立つと、数回ノックし相手の反応を待つ

するとクラスメイトの子らしき女の子がドアを開けてくれた

 

 「誰ですか・・・ってお、織斑くん!?」

 

 「夜中にごめんな

  更識さんってこの部屋だよね?悪いけど呼んでもらっていいかな」

 

 「は、はははははい!!ちょっと待ってて!!」

 

ドアを開けた子はそう言うと大急ぎでドアを閉め、部屋の中から叫び声が聞こえる

しばらくすると、浴衣がよれよれになった更識さんが息を切らして出てきた

 

 「更識さん・・・どうしたの?」

 

 「・・・なんでもない・・・」

 

 (ご主人様・・・どこまで・・・)

 

その姿に首を傾げる一夏だが、簪の気迫に思わず押し黙った

一夏の横ではキャスターが服の袖を目に当ててヨヨヨと涙をながしている

 

そしてそのまま旅館を後にした一同は、山道を少し外れた位置まで移動した

ちなみにサーヴァントの二人はここに来る途中で実体化している

 

 「・・・ここらへんでいいかな?」

 

 「そうですね、この辺なら人は来ないでしょう」

 

そう呟いた一夏はその場で立ち止まり、真剣な表情で簪に振り返る

 

 「更識さん、単刀直入に聞きたいんだ

  君は聖杯戦争に何のために参加したんだ?」

 

 「私は・・・自分の力で大切な人を守りたいだけ・・・」

 

簪も一夏の目を見ながら答える。その目にはしっかりとした決意が映っていた

そんな簪を見た一夏は顔を抑えて、笑いを堪えている

 

 「なにがおかしいのっ!?」

 

そんな一夏の姿をみた簪は激昂し、一夏に向かって怒鳴りつける

一夏はそれに対し、首を振って簪の目を見つめ返して呟く

 

 「いや、まさか俺が後で言おうとしてた事

  そのまま言われるとは思ってなかったから・・

  昼から思ってたけど、やっぱり似た者同士なんだな・・・俺達って」

 

そう言うと一夏は少年のような笑みを浮かべる

その言葉と笑みに簪は顔を赤くしながら一夏から目を逸らした

 

 「ご、しゅ、じ、ん、さ、ま~?」

 

そして一夏の後ろからキャスターの不機嫌そうな声が響く

 

 「な、何を怒ってるんだ?キャスター」

 

 「べっつにぃ~。わたし、怒ってないでーす

  だってこんなのいつもの事ですし、分かりきっていましたから」

 

キャスターはそう言うと頬を膨らませ、そっぽを向く

一夏はそのキャスターの行動の意味がわからず首を傾げるばかりだ

 

 「・・・?まぁいいや

  それで簪さん、提案なんだけど・・・俺と同盟を組んでくれないか?

  まだ、他のサーヴァントとマスターがどんな奴かも分からないけど・・・

  もしかしたらIS学園にも攻め込んでくる奴がいるのかもしれない

  それで皆が傷ついたら、俺は俺自身を絶対に一生許す事ができないと思う」

 

簪は一夏の言葉を真剣に受け止める

何故なら自分も一夏と同じ立場にいるのだから

もしかしたら自分のせいで姉や親友、その他の人まで死ぬかもしれない

その可能性を考えるだけで冷や汗が頬をつたい、心臓の鼓動が早くなった

 

 「私も・・・皆を守りたい

  お姉ちゃんや、本音や、虚さん、大事な人を・・・ううんIS学園の皆を守りたい」

 

 「じゃあ・・・」

 

 「同盟、成立・・・だね」

 

簪がそう言うと一夏は笑顔になり、簪の手を握りながらお礼を言う

いきなり手を握られた簪は真っ赤になり、頭から湯気が出ている状態である

 

 

 

 「・・・同盟が成立したのはいいんだけどよ

  キャスター、俺らって完璧にマスターに忘れられてねぇか?」

 

そう呟いたランサーは同じく話に参加できなかったキャスターの方を見る

だが、キャスターはランサーの言葉が全く耳に入っていないようだ

 

 「まずは金的、次も金的、懺悔しやがれ!!これがとどめの金的だぁぁっ!!!!」

 

キャスターは物騒な言葉を叫びながら、近くにある木を蹴り続けている

ランサーはそれを確認すると再び自分のマスターたちに目を移した

 

 「あ、更識さん。せっかく同盟組んだんだから

  俺のこと名前で呼んでくれよ。中のいい友達は全員俺のこと名前で呼ぶしさ」

 

 「じ・・・じゃあ、私のことも・・簪でい、いいよ・・いち・・か・・」

 

 「おうっ、これからよろしくな簪」

 

 「う・・・うん」

 

一夏と簪の周りには一方的のような気もするが、桃色の空気が漂っていた

どう見てもイチャついてるようにしか見えない二人を見てランサーはため息をつく

 

そして再びキャスターに視線を戻すと、蹴りの威力と速度が増していた

それを見た後、ランサーは首を鳴らして顔を上にあげる

 

 「風が・・・冷てぇなぁ・・・」

 

そう呟いて空を見上げるランサーの背中には哀愁がただよっていた

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