IS fate extra   作:赤弓

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福音接近・戦の幕開け

簪と同盟を結んだ翌日、一夏は千冬に呼ばれ集合場所へと向かっていた

何でも今日は丸一日ISの各種装備と試験運用を行うらしい

 

 (ご主人様~、何で遊べないんですか~せっかくの海なのに・・・)

 

 (さっきも説明したろ?

  というか遊びたいんなら簪と一緒に遊べばいいんじゃないか?)

 

一夏がそう言うと、キャスターは「はぁ」とため息を吐く

 

 (ご主人様・・・鈍感すぎです・・・)

 

 (・・・・??)

 

一夏はその言葉の意味を聞こうとしたが、集合場所に到着したので断念する

集合場所には現在、専用機持ちメンバーと箒が既に到着していた

その後で千冬から今日やる事の説明があった後、鈴が疑問を口にする

 

 「あれ?織斑先生、箒は専用機持ちじゃないんじゃ・・・」

 

 「ああ、それについては・・・」

 

 「ち~ちゃ~ん!!!!」

 

声が響く。そちらの方向を見るとうさ耳をつけた女性が崖を駆け下りているのが見えた

それを見た専用機メンバーは一夏を除いて唖然としている

 

 (ご主人様・・・アレは・・・)

 

 (東雲 束・・・ISを開発した箒の姉さんだよ)

 

それを聞くとキャスターは千冬にアイアンクローをされている束を見つめる

 

 (どうしたんだ?)

 

 (あの人・・・いえ、何でもないです)

 

キャスターと会話している一夏をよそに、束は紅椿のフィッティングを開始する

そしてそのまま箒による紅椿の試運転を行っていた一同に一つの連絡が入った

それは特命任務レベルAのIS学園からの依頼であり、千冬はそれを見て顔をしかめた

 

専用機持ちメンバーはそのまま臨時の作戦本部に集合する

そこで告げられたのは今回の任務を専用機持ちメンバーで行うと言う事だった

そして束の提案により、その作戦は箒と一夏が担当する事になる

 

 (キャスター、悪いんだけど俺が作戦に出てる間は簪のところにいてくれないか?)

 

作戦のため、出撃場所に向かう途中に一夏から告げられた一言にキャスターは硬直する

 

 (な、なんでですか!?ご主人様を守る事こそ私の努めなんですよ!!)

 

 (いや、キャスターって空飛べないだろ?

  だから俺が飛んでる間は一緒にいれないじゃないか)

 

 (それはそうですけど・・・)

 

それでも、とキャスターは立ち止まり不満げな表情を一夏にむける

一夏はそれを見て心配するなと告げると、駆け足で出撃場所へと向かった

キャスターは一夏を見送ると、指示どおり簪の元へと移動した

 

今日は自由行動日であり、簪は現在釣りをしているランサーの隣で本を読んでいる

 

 「マスター、こんなところにいていいのか?

  昨日の着ぐるみ着た嬢ちゃんとでも遊んでりゃいいじゃねぇか」

 

 「いい・・・昨日みたいな事が無いように貴方を監視する方が重要だから」

 

そう告げる簪にランサーはため息を吐くと視線を再び竿の先に移す

 

 「それより、その釣り道具はどうしたの・・・?」

 

 「釣り糸と針は落っこちてた。竿はその辺の枝をへし折って、餌は現地調達だ」

 

 「そう・・・」

 

その時、簪の後ろにある茂みがガサガサと音をたてる

 

 「ど、どうも・・・」

 

するとキャスターがその茂みから気まずそうに出てきた

 

 「何でこんな所にいんだよ?あの坊主はどうしたんだ」

 

 「ご主人様はお仕事です・・・

  ですからその間はあなた達といるようにと」

 

ランサーの質問にキャスターは半泣きで理由を告げる

簪はそれを見て、その隣に腰掛けると慰めるようにキャスター話しかける

本来、聖杯戦争中に自分のマスターの傍に敵サーヴァントがいるのは防ぐべき事だ

いくら同盟を組んでいるとはいえどそれは変わらない

 

だが、キャスターを慰める自分のマスターを見て

ランサーはその光景に苦笑いを浮かべると再び釣りをし始めた

 

 (ま、あの坊主がそんな不意打ちするような真似はさせねぇだろうしな)

 

ランサーは昨日であったキャスターのマスターである一夏の事を思い浮かべる

同盟を結んだ帰りに少し話したのだが、そんな真似をするような奴には見えなかった

自分のマスターと同じで、殺し合いを良しとせず戦争を止める意志を持つ者

 

 「変わり者だねぇ・・・今回のマスターたちは」

 

 「ランサー・・・何か言った?」

 

 「何でもねぇよ、マスター」

 

ジト目でこちらを見る己がマスターにランサーはとぼけるように誤魔化す

 

 (まぁ、こんなのも悪くはないわな)

 

ランサーはそれに戦えねぇのは不満だが・・・と呟くと小さく笑った

 

 

 

ー 1時間後

 

 「・・・・・・・ッ!?」

 

簪の隣で寝ていたキャスターが突然飛び起きた

その顔は青く染まり、耳と尻尾はピンと立って冷や汗が頬をつたっている

 

 「ご主人様・・・?ご主人様っ!!」

 

 「・・・・!?ランサー!!」

 

 「おうよ!!」

 

キャスターはそう呟くと、全速力で駆け出した

それを見たランサーと簪もただ事ではない事を感じ、その後を全速力で追いかける

ランサーが最速のサーヴァントという事もあって、幸いすぐに追いつく事ができた

 

 「キャスター、どうした!!いったい何が起きた!!」

 

ランサーは走りながらキャスターに問いかける

 

 「ご主人様が・・・ご主人様が・・・」

 

しかし、キャスターはそう呟くばかりでランサーの言葉が耳に入っていない

そして、森を抜け砂浜にきたところで移動している三人に何かが飛来してきた

 

 「!?キャスター!!避けろぉっ!!」

 

 「ッ!?」

 

三人に回避されたそれは凄まじい速さで砂浜に突き刺さった

そして、砂埃が晴れてそこにあったのは・・・矢だ

 

 「矢・・・まさかアーチャーか!?」

 

聖杯戦争におけるサーヴァントのクラス。その1つであるアーチャーの狙撃だ

それを理解しながらもキャスターは一刻も早く一夏の元へと向かおうと駆け出した

 

遠距離から飛来する矢。それを放つ存在を無視し、一夏の元へ向かおうとするキャスター

だが、その進行方向に放たれた矢が幾本も突き刺さり動きを止める

そして再び狙撃。まるで一夏の元へキャスターが向かうのを妨害するかのように

 

キャスターの胸で嫌な予感が膨れ上がる

早く一夏の元へと向かわねばならないのにこれでは向かう事ができない

 

アーチャーが見えない距離から狙撃している以上、こちらが圧倒的に不利

ましてやランサーにはマスターを抱えているハンデもある

防戦一方の膠着状態が続くことにキャスターは下唇を噛んだ

 

しかし数分後、アーチャーからの狙撃が止まる

膠着状態が続く事を良しとしなかったのか、他に理由があったのかは知らないが

これぞ好機とばかりにキャスターとランサーはその場を駆け出した

 

そしてそのまま森の中を駆け抜けて旅館へと戻った三人

 

 「ご・・・主人・・・様・・・?」

 

そこで三人が見たものは血を流し、旅館に運ばれる一夏の姿だった

 

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