星を司るプロの話   作:零円

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短め。


11 機械

「俺のターン!」

 

 ディスクが選んだ先攻は光莉。光莉は5枚の手札を見て、そのうちの1枚を手に取る。

 

「順当に行こうか。俺は『増援』を発動。デッキからレベル4以下の戦士族を手札に加える。この効果で『星因士 ベガ』を手札に加える」

「知っているぞ。召喚・特殊召喚に成功した場合、手札の『テラナイト』モンスターを特殊召喚出来るカードだな」

「知ってるなら楽でいいな。『ベガ』を召喚。『ベガ』の効果で『星因士 ベテルギウス』を特殊召喚。こいつは『ベガ』と同じ条件で、墓地の『テラナイト』カードを手札に戻せ、自身を墓地に送るカード。対象カードが無いから、発動しないけどな。

 まずはコイツだ。俺は『ベガ』と『ベテルギウス』の2体でオーバーレイ!2体の光属性レベル4モンスターでオーバーレイネットワークを構築!神話に名を連ねし月影の化身。現れろ!エクシーズ召喚!ランク4『武神帝-ツクヨミ』!!」

 

 守備表示で召喚される『ツクヨミ』。

光莉はカードを2枚伏せてから、効果の発動を宣言する。すると『ツクヨミ』周りを停滞していたオーバーレイユニットの1つが、『ツクヨミ』へと吸い込まれた。

 

「コイツの効果は1ターンに1度、エクシーズ素材を取り除き発動出来、手札を全て墓地に送った後、手札が2枚になるようにドローする」

 

 1枚しか残っていなかった手札を墓地へと送り、2枚引き直す光莉。その2枚を確認し、立てていたプランを変更する。

 

「追加で1枚、カードを伏せてターンエンド」

 

 場には防御力2300のモンスターと3枚の伏せカード。盤面としては磐石に近いといってもいいだろう。

 相手のデッキは分からないが、それでも融合使いであることは違いない。なら、様子見としては十分過ぎるほどだ。

 

「行くぞ、俺のターンだ。ドロー!」

 

 1枚引いた総司。決めていたのだろう、6枚の内の1枚をすかさず出した。

 

「『レスキュー・ラビット』を召喚!」

 

 ヘルメットを被った兎が姿を現した。その姿に、ゲッと光莉が顔を歪める。

 このモンスターは、かつてサモプリサモプリキャットベルンベルンDDBDDBオラァ!という魔法の呪文で、多くのデュエリストを恐怖のどん底に叩き落としたコンボカードの1枚、『レスキュー・キャット』の同族。このカード1枚でモンスターを2体並べられる、『強欲な壷』とよく似た1:2交換を行えるモンスターである。厳密に言えば、召喚権とか色々あるから『強欲な壷』ほど綺麗な1:2交換ではないが。些細な問題だ。

 かの猫はレベル4以下の同名獣族という縛りでデッキからモンスターを展開出来る効果であったが、此方の兎は、レベル4以下の同名通常モンスターという縛りしかなく、このカードで恐竜族モンスターを展開してエクシーズを行う、『兎ラギア』は今でも有名な話である。

 

(流石に融合次元がエクシーズしてくるとは思えねぇけど……。何が来る?)

 

 光莉が警戒レベルを上げる。そんな中、総司はプレイを続けた。

 

「こいつを除外する事で、デッキから同名通常モンスターを2体、特殊召喚する!俺は『レアメタル・ソルジャー』2体を特殊召喚!」

 

 青い装甲に身を包んだ機械戦士が2体登場した。攻撃力900と、スペックが心許ない。

 

「『馬の骨の対価』を発動!効果で『レアメタル・ソルジャー』1体を墓地に送って、2枚引く!」

 

 ドロー!と勢い良く2枚のカードを引く総司。続け様に『打ち出の小槌』を発動し、3枚の手札をデッキに戻して引き直すと、2枚目の『馬の骨の対価』を使用。もう1体の『レアメタル・ソルジャー』も墓地に送られ、2枚のカードを引いた総司。

 手札交換だけとは言え、ここまでプレイを続けて、未だ手札6枚とターン始めの初期枚数のままであった。あれだけ手札を交換すれば、素材と『融合』カードも揃っているのだろうとは容易に察せられた。

 

「『闇の量産工場』!墓地の『レアメタル・ソルジャー』2枚の手札に加える!」

 

 ここに来て、手札が初期値を上回る。

 

「行くぞ!俺は『パワー・ボンド』を発動!」

 

 そうして発動したのは、機械族専用の融合魔法であった。

 

「場か手札から機械族融合モンスターに記された素材と同じになるようにモンスターを墓地に送って、エクストラデッキからそのモンスターを特殊召喚する!俺は『レアメタル・ソルジャー』と『レアメタル・レディ』を融合!

 蒼き鋼の戦士と紅き鋼の戦士!神秘の渦の中、交わりて新たな姿に昇華せよ!融合召喚!現れろ、『レアメタル・ナイト』!」

 

 青い装甲を纏った男。それだけ言えば『レアメタル・ソルジャー』と同じに聞こえるが、その手には大きなランスを持ち、装甲自体も刺々しく攻撃的な印象。だが、レベル6と半上級のレベルを持っているにも関わらず、攻撃力はたったの1200だった。

 

「随分貧相な攻撃力だな」

「ふん。貴様もステータスで物事を判断する脳筋男か」

「なんだと?」

「見ていろ。『パワー・ボンド』の効果により、『レアメタル・ナイト』の攻撃力は倍になる!」

 

 1200が2400へ。それでも、同じレベル6の帝モンスターと並んだだけ。言ってしまえば及第点だ。

 

「バトルだ!『レアメタル・ナイト』!『ツクヨミ』を攻撃!パワーランス!」

「……とりあえずこれで行くか。罠発動!『くず鉄のかかし』!」

「なんだと!?」

「攻撃宣言に発動出来、相手の攻撃を無効化!その後このカードをセットする!」

 

 『ツクヨミ』の前に立ちはだかるように現れたかかしが、『レアメタル・ナイト』の槍を受け止めた。

 そのまま弾かれ、自軍の場へと戻る『レアメタル・ナイト』。かかしはカードに戻り、再び光莉の場にセットされる。

 

「『古代の機械』みたいに攻撃時の魔法・罠制限は無いみたいだな」

「ぐぬぬ。メイン2。俺は『おろかな埋葬』を発動し、『マシンナーズ・ピースキーパー』を墓地へと送る。カードを1枚伏せて、エンドフェイズ。『パワー・ボンド』のデメリットにより、召喚した融合モンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。俺は1200のダメージを受けて、ターンエンドだ」

「俺のターン。ドロー!」

 

 勢い良く引いた光莉は、ドローカードを確認する。

 

(『星因士 リゲル』……いいドローだな)

「俺は『星因士 リゲル』を召喚!召喚時に発動する効果の対象は自分!攻撃力を500上げて、2400にする!

 行くぞ、バトル!『リゲル』で『レアメタル・ナイト』を攻撃!」

 

 拳を構えた『シリウス』が、『レアメタル・ナイト』へと向かう。攻撃力は互角。このままでは相打ちだが、『レアメタル・ナイト』が3枚のカードで召喚されたモンスターであるのに比べ、光莉は召喚権こそ使ったものの『シリウス』1枚のみの損失で済む。この差は大きい。

 

(あのセットがコンバットトリックの可能性もあるけど、元々の攻撃力が1200の『レアメタル・ナイト』じゃ、多少の変動は焼け石に水。攻撃反応系の可能性の方が高い。ここで踏めるなら踏みたい所だが)

 

 だが、光莉の予想に対して、総司はカードを発動させない。

 攻撃宣言、バトルステップ、ダメージステップと段階を経て、伏せカードではなく『レアメタル・ナイト』自身の効果が発動した。

 

「『レアメタル・ナイト』の効果発動!相手モンスターとバトルするダメージステップの間、攻撃力を1000ポイント上昇させる!」

「っ!? 成る程、そういうモンスターか」

「バトルは止まらない!『レアメタル・ナイト』!迎撃しろ、パワーランス!」

 

 『レアメタル・ナイト』がランスを振るい、逆に『シリウス』を撃破する。上昇した数値分、1000ポイントのライフが削られ、光莉は苦笑気味に笑った。

 

「バトル限定とはいえ、3400になるモンスターか。少し面倒だな。

 メイン2。『ツクヨミ』の効果で手札を墓地に送って2枚ドロー。これでターンエンドだ」

 

 お互いに1度ずつ攻撃して、それぞれ光莉が3000で総司が2800とほぼ互角のライフという状況で、総司のターン。カードを引き、メインフェイズへ。

 

「俺は『マシンナーズ・ギアフレーム』を召喚!」

 

 オレンジ色の体躯を持つマシンが、総司の場に召喚される。出されたモンスターを前に、『レスキュー・ラビット』を召喚された時以上の嫌な顔をする光莉。

 

「『ギアフレーム』は召喚成功時、デッキから『マシンナーズ』と名のつくカードを手札に加える!俺は『マシンナーズ・フォートレス』を手札へ!」

「やっぱそいつか、面倒臭い!」

「手札の『フォートレス』と『レアメタル・ソルジャー』を墓地に送り、『マシンナーズ・フォートレス』を特殊召喚!」

 

 戦車のような体を持つモンスター、『マシンナーズ・フォートレス』。機械族デッキの切り札的モンスターであるこのカードは、手札からレベル8以上になるように機械族モンスターを墓地に送ることで、手札・墓地のいずれかから、特殊召喚出来るモンスターである。

 自己再生能力と効果を2つ持つこのモンスターは、光莉のデッキの天敵だ。打点2500すら突破の危ういテキスト重視の低火力且つモンスター除去を戦闘をモンスター効果に頼っているからである。戦闘破壊された時及びモンスター効果の対象になった時に発動する効果を持ちながら、自己再生してくる『フォートレス』が天敵でない筈が無いのだ。

 

(まずい。今の手札じゃ、『フォートレス』を突破出来ない)

 

 2枚の手札と3枚の伏せカードの内容を思い出し、表面に出さず心中で渋い顔をする光莉。

 幸い使い回しの効く『くず鉄のかかし』がある限り、戦闘においては幾分有利に事を運べるが、それでも除去カードを引かれてしまうとその限りではない。

 

「バトル!まずは『フォートレス』で『ツクヨミ』に攻撃!」

「その攻撃は止める。『くず鉄のかかし』!」

 

 3体居る総司のモンスター。その攻撃である1撃目を『くず鉄のかかし』で防ぐ光莉。

 だが、『レアメタル・ナイト』による2撃目は防げず、『ツクヨミ』はそのまま破壊されてしまった。

 

「『ギアフレーム』で直接攻撃!」

「攻撃宣言時に『エクシーズ・リボーン』を発動!守備表示で『ツクヨミ』を蘇生させ、このカードをエクシーズ素材にする!」

 

 破壊されたばかりの『ツクヨミ』が蘇生する。モンスター増減により、攻撃対象を再選択するタイミングまで戻された総司は、舌打ちを一つして、攻撃を取りやめた。

 そのままターンも終了し、光莉のターンになる。

 

「俺のターン。ドロー」

 

 ライフこそ無傷だが、戦線は一気に返されてしまった光莉。1枚引いたカードも芳しく無く、『マシンナーズ・フォートレス』を無傷で突破する術が、現在の光莉には無かった。『ツクヨミ』の引き直しに掛けようと、光莉はカードを1枚伏せて、『ツクヨミ』の効果を起動する。

 墓地に送られたのは『ラーズ』と『シャム』。つい1ターン前に、『ツクヨミ』の効果で『モンスター・スロット』を捨ててしまったことが悔やまれる。『リゲル』を捨てて引けば、『モンスター・スロット』と『ラーズ』のコンボを狙えたというのに。

 

「2枚ドロー」

 

 せめて何かと、一縷の望みにかけてのドロー。引いた2枚はどちらもモンスターカード。

 コンボギミックが多くなり過ぎた為、単体でも使いやすいカードをと考えて入れたうちの1枚と、長く光莉を支えているモンスター1枚。ポーカーフェイスを意識していても、つい顔がにやけた。

 

「俺は『ゴブリンドバーグ』を召喚!」

 

 3機編成の飛行機に乗ったゴブリン達が現れる。その3機のからは紐が伸び、その紐がコンテナを吊るしていた。

 

「『ゴブリンドバーグ』は召喚成功時、手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚出来る!来い『星因士 デネブ』!」

 

 飛行機から吊るされていたコンテナが落とされ、そこから『デネブ』が現れる。

 これで場には、2体のモンスターが並んだ。

 

「この効果を使った『ゴブリンドバーグ』は守備表示に変更。更に『デネブ』は特殊召喚に成功した場合、デッキから『星因士』モンスターを1体、手札に加える。俺が加えるのは『星因士 アルタイル』だ」

 

 この守備表示になる効果故、タイミングを逃すモンスターも多いが、『テラナイト』モンスターであれば、そんな事はなく、効果は発揮される。同じ戦士族の為にサポートも共有出来る。似た効果を持つ『ブリキンギョ』よりこちらが優先される理由はここにあった。

 

「俺は『ゴブリンドバーグ』と『デネブ』の2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!星光纏いて現れろ!闇を切り裂く眩き王者!エクシーズ召喚!ランク4『H-C エクスカリバー』!」

 

 『ツクヨミ』に続くは『エクスカリバー』。3体の素材が必要な『星輝士』モンスターと違い、戦士族という縛りはありながらも2体のモンスターで出せ、打点も十分。この状況を突破するのも、問題ない。

 

「バトルだ!『エクスカリバー』で『レアメタル・ナイト』を攻撃!一刀両断!必殺神剣!」

 

 大剣を振りかぶり、『レアメタル・ナイト』へと『エクスカリバー』が向かう。

 

「『レアメタル・ナイト』はやらせない!罠発動『ゲット・ライド』!墓地のユニオンモンスターを正しい対象に装備出来る!俺は『ピースキーパー』を『レアメタル・ナイト』に装備させる!」

 

 ユニオンモンスター。モンスターカードながら、装備魔法カード扱いでモンスターに装備出来るモンスター郡の事である。マイナー故、余り使われることが少ない。

 『ゲット・ライド』を始め、サポートカードはそれなりの枚数あり、装備モンスターの戦闘破壊を代替わり出来る効果もあるのだが、いかんせん単体でアドを取りづらいという欠点がある。加速してなんぼの現環境に置いて、速度が心許ないというのも、目立たない理由の一因だろう。

 

「読んでたよ!『おろかな埋葬』使った段階でな!?カードが装備された時に伏せカード発動!『サイクロン』!」

「っ!?」

「『ピースキーパー』を破壊!」

 

 装備するためパーツを分解された『マシンナーズ・ピースキーパー』がそのまま突風に煽られて破壊される。きょとんとした『レアメタル・ナイト』に、容赦無しの『エクスカリバー』の一撃が襲い掛かり、『レアメタル・ナイト』も破壊された。

 ぱっと見不意打ちに近いが、きちんとテキストは適用している為、『レアメタル・ナイト』の攻撃力は3400まで上昇した。よってダメージは600ポイントである。

 

「『ピースキーパー』の効果で、デッキからユニオンモンスターを加える!『ギアフレーム』を加えるぞ!」

「『フォートレス』2体目出てくるのは嫌だなぁ。これでターンエンド」

「俺のターン!ドロー!」

 

 カードを引いた総司。3枚になった手札だが、余り芳しくない。モンスターカードが先程サーチした『ギアフレーム』のみなのである。ここで機械族モンスターが引ければ、2体目の『フォートレス』を召喚出来た為、一気に有利に動けるのだが。

 

(使うか、『貪欲な壺』?)

 

 初手手札から来ていた『貪欲な壺』。墓地のモンスター5枚のデッキに戻し、2枚引くカードだ。

 総司の墓地には『レアメタル・ソルジャー』2枚『レアメタル・レディ』『マシンナーズ・ピースキーパー』『レアメタル・ナイト』の5枚が眠っている。発動条件は満たしているのだが、如何せん墓地に置いておきたいモンスターが殆どだ。豊富な回収手段と蘇生手段を用いて、通常モンスターを並べて融合するのが総司の基本戦術なのだ。『貪欲な壺』を使った結果、蘇生や回収の為のカードを引いてしまうと、目も当てられない。

 

(どの道、攻撃力4000のモンスターに攻撃を止める『くず鉄のかかし』があるしな)

 

 このターンはいいかと、総司は今引いたカードを伏せる。

 

「『ギアフレーム』の効果で『フォートレス』に装備する。表示形式はこのままだ。これでターンエンド」

「お前のエンドフェイズに『エクスカリバー』の攻撃力は元に戻る。

俺のターン。ドロー」

 

 ドローし手札を見てむぅと、光莉は唇を尖らせる。

 

(『フォートレス』が本当に邪魔だな。何とか『デルタテロス』に繋げても、『ギアフレーム』を装備してるから、1度は破壊から免れる。とはいえ、『トライヴェール』でバウンスして『ギアフレーム』を使い回されるのも癪だな。しかもライフ削りけれないし)

 

「……カードを伏せる。『エクスカリバー』を守備に。終了だ」

「……俺のターン」

 

 動けぬまま、ターンが一巡。カードを引いた総司は、引いたカードを見て、「うむ」と頷いた。

 

「俺は『マシンナーズ・ギアフレーム』を召喚!」

「ッ」

 

 動きを見せた総司に、光莉が構える。

 

「効果で『マシンナーズ・フォートレス』を手札に加える!そして罠発動!『補充要員』!」

「『補充要員』だと!?」

「効果で墓地から『レアメタル・ソルジャー』2体と『レアメタル・レディ』を手札に加える!」

 

 『補充要員』は墓地に5枚のモンスターが存在している時、その内攻撃力1500以下の効果モンスター以外のモンスターを3体手札に加えるカードだ。主に【エクゾディア】デッキなどで、パーツを墓地から回収する時に使われる。罠カードという事、闇の量産工場と違い制限が有ることを考えると使いづらい印象を抱くが、効果モンスター以外という条件の為、エクストラのカードも回収出来ると言うメリットがあり、一応の差別化は出来る。単純に回収枚数が多い、というのも十分利点だ。

 

「手札から『融合』発動!『ソルジャー』と『レディ』を融合!来い、『レアメタル・ナイト』!」

「そいつか」

「更に『ソルジャー』と『フォートレス』を捨て、『フォートレス』を特殊召喚!装備していた『ギアフレーム』の合体も解除し、特殊召喚する!」

 

 因みにユニオンモンスターを装備解除して特殊召喚する場合は表側攻撃表示のみである。

 

「これで1度止めるだけの『くず鉄のかかし』で防ぎきれるか?」

「……」

 

 総司の場には『フォートレス』2体『ギアフレーム』2体『レアメタル・ナイト』の5体。一気に場を制圧された。

 

「バトルだ!『フォートレス』で『ツクヨミ』を攻撃!フルナパーム・ショット!」

「『くず鉄のかかし』!」

 

 全砲塔を開いての一斉掃射を行った『フォートレス』であるが、その砲弾を『かかし』が全て受け止める。だが、これが出来るのは1ターンに1度だけ。

 

「2度目は防げない!『フォートレス』で『ツクヨミ』に攻撃!フルナパーム・ショット・セカンド!」

「ぐぅおおおお!?」

 

 砲撃が『ツクヨミ』を粉砕する。爆風に煽られた光莉が蹈鞴を踏む中――

 

「『レアメタル・ナイト』で『エクスカリバー』に攻撃!パワーランス!」

 

 先程の仕返しとばかりに、大きく槍を振るった『レアメタル・ナイト』が『エクスカリバー』を強襲し、破壊した。

 

「やばいな」

「これで終わりだ!行け、『ギアフレーム』!ダイレクトアタック!」

「罠発動『ゴブリンのやりくり上手』!チェーンして速攻魔法『非常食』!コストで『やりくり上手』を墓地に送って、1000ポイント回復する!

 更に『やりくり上手』の効果!解決タイミングで1枚+墓地の『やりくり上手』の枚数分ドローして、1枚をデッキの下に戻す!解決タイミングの枚数は2枚!よって2枚引いて、1枚を戻す!」

 

 俗に言う【やりくりターボ】。ライフの回復とハンド増強を一緒に行う有名なコンボだ。

 必要な枚数が少し多いのが難点だが、決まった時のアドバンテージは他のコンボと一線をきす程だ。

 

「だが、3600のダメージは受けてもらうぞ!」

 

 『ギアフレーム』の攻撃力1800。その倍の3600のダメージが光莉を襲う。『ギアフレーム』が振るった拳に殴られ、ゴロゴロと光莉は地面を転がった。残りライフも400まで削られる。

 

「いってぇな」

「ふん。運良く生き残ったか。これでターンエンド」

「……言ってくれるな」

 

 勢い良く立ち上がった光莉は、服についたホコリを叩き落す。

 

「モンスター5体並べただけで、いい気になるなよ」

 

 にやりと挑発的に笑みを浮かべた光莉が、デッキトップに手をかける。

 

「この程度、いつだって突破してきたんだよ!俺のターン!」

 




4.3
カード名の間違い訂正:シリウス⇒リゲル
カード名の間違い訂正:レアメタル・ヴァルキリー⇒レアメタル・レディ
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