HIGH SCHOOL D×D ―――(再)―――   作:ダーク・シリウス

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エピソード30

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吸血鬼の根城に誘拐され早三日。一誠とルーラは部屋に閉じ込められた監禁状態も続いたが、

リィゾやプライミッツ・マーダーと同伴なら町に出ても良いとようやく監禁状態から解放された。

 

「え、私は・・・・・?」

 

「お前は隙あらば襲い掛かるだろうからダメだ。

その上、怖がられているから監視もとい護衛は無理だろう」

 

「Oh・・・・・」

 

二人は久し振りの外に出かけた。が、一誠とルーラは重要なことを頭の中から抜けていた。

 

「「寒いっ!」」

 

―――防寒着を着ていないことをだ。寒がる反応をする二人へリィゾは話しかけた。

 

「お前たちの必要なものを買わないといけないな。それに寝間着姿のままでは格好もつかないだろう」

 

「プライミッツ・マーダー、僕たちを乗せて!」

 

「というか、私たちを靴も無しに歩かせることを

考慮していなかったのですか・・・・・」

 

二人の子供を乗せる巨大な白い魔獣。それでも寒い為、

ルーラは一誠の背中にしがみ付いて温もりを感じる。それでも寒い為、

 

「ね、翼出していい・・・・・?」

 

寝袋みたいに翼でルーラと一緒に包まれたいと切なる思いで懇願したが、

 

「ダメだ。他所者であるお前が天使の翼とやらを出してみろ。

直ぐに敵だと認知され捕まって殺されるぞ」

 

「他所者って、僕たちを寝ている間に連れてきたくせにそれはあんまりだよ・・・・・」

 

「そうです理不尽です。他所者が邪魔なら今すぐ私たちが暮らしていた施設に送ってください」

 

「・・・・・」

 

渾身の攻撃を食らい、痛いところを突かれリィゾは返す言葉も見つからず

プライミッツ・マーダーと共に町へ赴いた。そこで寒さに震えながら一誠とルーラが

目にしたものは―――純白の雪に包まれた見知らぬ町並み。

テレビでよく見かけるヨーロッパ風の造りの建物がずらりと並んでいた。

 

「ねね、リィゾお兄ちゃん」

 

「・・・・・なんだ」

 

「リィゾお兄ちゃんって一人で出掛ける時ある?」

 

「血を吸いに時々な」

 

「それ以外は?」

 

「ない」

 

他愛のない雑談をしつつ、プライミッツ・マーダーの背に乗りながら服屋を目的地に向かう一行。

その際、ちらりちらりと一誠とルーラに視線を送る町の住民=吸血鬼が多いことに気付く。

 

「僕たちのことを見てくるね」

 

「他所から来た者だと気付いたみたいだからな」

 

「この町にいる住民は全員、吸血鬼・・・・・」

 

「教会が長年探し求めていた本拠地だ。教会はともかく天界の天使や神すら

好きこのんで足を踏み入れる場所ではないからな」

 

ザッザッザッと雪を踏みしめながらルーラの呟きを拾って答えたリィゾ。

何時の間にか繁華街に辿り着いて目的地である服屋に辿り着いた。

 

―――数十分後―――

 

「暖かい!」

 

「これで少しは安心できました」

 

「ありがとうございました!」と元気よく感謝の言葉を送られたリィゾは黒い目を一誠とルーラに向けた。

 

「もうすぐ冬の季節は通り過ぎるが、人間のお前とドラゴンのお前たちでは

この環境には慣れないだろう」

 

「吸血鬼は冬に強いの?」

 

「強い弱いとは無縁でな。ただ単に寒いという概念は無いだけだ」

 

「へぇ、いいなぁー寒くないって。それだったら一日中外に遊んでも風邪引かないよね」

 

「そういうものか?」

 

「うん、そういうものだよー」

 

プライミッツ・マーダーの背に乗らず自分の足で立つ一誠の目にある物が飛び込んできた。

 

「おっきい城があるね。あれ、王さまが住んでいるの?」

 

遠くにある巨大な石造りの城。石造りの古めかしい趣であり、異形が住む独特の魔の

オーラも城全体から醸し出している。その城に興味を引かれている一誠にリィゾが警告した。

 

「あの城には近づくなよ。お前たちにとって危険な場所だ」

 

「はーい」

 

「・・・・・本当に分かっているのか?」

 

少し怪しいが、素直に返事をしたからには取り敢えずこの話を終わりにして

次に行こうと歩き始める。リィゾについていく二人と一匹。主に一誠とルーラが満足するまで

リィゾとプライミッツ・マーダーは付き合わなければならない。

 

「そう言えばさリィゾお兄ちゃん」

 

「なんだ」

 

「吸血鬼って本当に太陽の光に浴びると死んじゃうの?」

 

パクリと料理屋でロールキャベツやグリルされた肉料理など食べる一誠がそう質問してきた。

その問いにリィゾはこう答えた。

 

「死ぬというよりは弱点に過ぎない。夜の住人、闇の住人と称されている吸血鬼は

その通り夜しか動けないのだからな」

 

「でも、朝でも起きていたよね?」

 

「太陽の光を直接当たらなければ問題なく活動できるのだ。

この場所も濃い霧の結界で太陽の光を遮断しているから、私たち吸血鬼は昼夜問わず

活動できる。ただし、この結界から出て人間の町に行く時は夜しか動くことができない」

 

「だから吸血鬼は夜しか遭遇しないのですね」

 

スープを口の中に入れながらルーラは納得したと話に加わる。

 

「じゃあ、寝る時も吸血鬼は朝になると寝ないといけないの?」

 

「そう言うわけでもない。朝のうちに外へ出掛ければ人間から吸血鬼になった者たちが

城下町をうろついているか店を構えている。姫は夜型の吸血鬼で人間の私生活と真逆な

生活を送っているに過ぎない」

 

「アルトルージュは純粋な吸血鬼なのですか?」

 

「それがどうかしたか?」

 

「いえ、あまりにも身長が私たちと同じぐらいなのにどこか大人みたいな立ち振る舞いをしているので」

 

「そういうことか」とリィゾはルーラにこう答えた。

 

「無理もないな。姫は病で亡くなった父上の代わりに家を継いでおられるのだ」

 

「お母さんは?」

 

「教会の者に殺された。だからこそ姫は立派な吸血鬼になろうと頑張っておられるのだ。

先代から付き従っている私とフィナはそんな姫の騎士として忠誠を誓っている」

 

と、リィゾは昔を思い出しながら口にすると一誠はポツリと呟いた。

 

「そっか、アルトルージュも頑張っているんだね」

 

「・・・・・何が言いたい?」

 

「うん」と一誠は答える。

 

「僕も強くなろうと頑張っているんだよ。だからアルトルージュも頑張っているんだなって」

 

「なぜ強くなりたいと思う?」

 

「見返す為」

 

「誰にですか?」

 

「兵藤家の皆に。僕、皆から『弱い』、『弱虫』ってただ弱いだけでイジメられていたんだ。

その上、僕は兄ちゃんに殺された」

 

ルーラは目を見張り、リィゾは無表情で一誠の話に耳を傾ける。

一誠は何か思い出したのか言葉を訂正した。

 

「ああでも、死に掛けていたって言えばいいのかな。お腹に包丁を刺されて公園で

倒れていたらオーフィスが現れて、グレートレッドのところに連れて行かれて一緒に

僕を助けたって聞いたから」

 

「酷い・・・・・」

 

「仕方がないよ。僕が弱かったのは本当だし・・・・・イジメられるのも当然だったかもしれない」

 

と、言うが。

 

「弱いからってイジメが正当化されるわけないじゃないですか!」

 

ルーラが声を張り上げた。

 

「一誠くんはその時もっと抵抗するべきなんですよ!

だから他の皆さんが抵抗しない一誠くんをイジメるんです!」

 

「・・・・・最初は抵抗したよ。でも、僕一人じゃどうしようもなかった。

僕に味方をする大人や子供は一人もいなかったもん。寧ろ大人まで僕をイジメていた」

 

「そんな・・・・・!」

 

「でも、二人だけいたよ。それが唯一の救いだった」

 

朗らかに笑みを浮かべ、「だから今の僕がいるんだよね」と言い続ける。

 

「だから僕は決心したんだ。ドラゴンに生まれ変わったんだから皆を見返してやるって。

人間じゃなくなったけど、それでもやれることはある。まずは強くなって皆を見返す。

それが今の僕の目標なんだ」

 

「お前を殺した兄はどうする気だ?」

 

リィゾは尋ねた。一誠は首を縦に振って言い切った。

 

「思いっきり殴る」

 

「・・・・・それだけか?お前を殺しかけた兄に対する扱いは?」

 

「今はこれしか思わないよ。もっと成長したら他の事をするかもしれないけどね」

 

「逆に自分も殺そうとは思わないのか?」

 

「殺したら人殺しになるじゃないか。それだけは絶対に嫌だししないよ。

例え、大嫌いな人でもそんなことしない」

 

「殺さなければ大切な人間が死んでしまうとしてでもか?」

 

「もしもそうだったら僕は庇って守るよ」

 

一誠から返ってくる答えにリィゾが最初に思った言葉は「甘い」だった。

別段と復讐心を抱いているわけでもなく、ただただ子供らしい「仕返し」を望んでいるだけだ。

確かに今はまだ子供な一誠がそれだけしか思えないのは当然と言うべきか。

だが、成長した一誠は仕返しをする対象の兵藤家と兄にどんな方法で対処するのだろうか。

 

「甘いな・・・・・」

 

「僕はケーキじゃないよ?」

 

「・・・・・そう言う意味で言ったわけではない。分からないのならば気にするな」

 

「わかった。気にしないね」

 

―――対応力が凄いな。

 

「ふぅー、お腹一杯。ごちそうさまでした」

 

「美味しかったですね」

 

「そうだねー。アルトルージュの城にキッチンがあったら料理したい」

 

「子供なのにできるのか?」

 

「できるよ?簡単なものしか作れないけど。もしかしてある?」

 

期待の目がリィゾに向けられる。リィゾは肯定と頷けば、

 

「じゃ、帰ったらキッチンの場所を教えて?皆の分を作るから」

 

「プライミッツ・マーダーの監視の下でならばいいぞ」

 

「いいよそれでも。いつまでもあの部屋にいると暇でしょうがないもん」

 

放っておいても勝手に生きるだろうと思っているリィゾだが、何時までも監禁状態を

続けていると何を仕出かすか分からないと考えを改めた。

一誠は確かに力を有しているし本気で事を起こせば脱出は不可能じゃない。

 

「分かった。城に戻ったら案内しよう」

 

「やったっ」

 

「よかったですね。良かったら私も手伝いますよ?」

 

「じゃあ、一緒に作ろうねー」

 

笑みを浮かべる一誠にルーラも笑みで頷いた。

 

「・・・・・(奇妙な生活になりそうだなこれは)」

 

吸血鬼と教会の人間、ドラゴンという奇妙な生活。リィゾはそう思わずにはいられなかった。

 

―――○●○―――

 

 

それからまた数日が経つ。アルトルージュの城に変化が訪れた。

 

コンコン。

 

「アルトルージュー。朝食の準備ができたから起きてよ」

 

とある扉の前で扉にノックをする一誠と一緒にいるルーラとプライミッツ・マーダー。

城の主からの返事がなく、「むー」と唸る一誠は何かを閃いたのか、横にいる獣に頼んだ。

 

「プライミッツ・マーダー。悪いけど起こしに行ってくれない?」

 

『・・・・・』

 

「何でそんな事をしないといけないんだと」眉間にシワを寄せるプライミッツ・マーダー。

だがしかし、

 

「僕が中に入って起こしに行ってもいいならいいけど?」

 

『・・・・・』

 

一誠がそう述べて扉に手を掛けた。主の部屋に他所者が入らせるわけにはいかないと思ったようで、

渋々とながら自分から扉を開けて中に入り。

 

『プライミッツ・マーダー・・・・・?あなたがこの部屋に入ってくるなんて

珍しい・・・・・ってどうして私を咥えるの?』

 

中からそんなやり取りの声が聞こえてくると、ネグリジェ姿のアルトルージュが

プライミッツ・マーダーに咥えられて出てきた。

 

「おはよう、アルトルージュ」

 

「・・・・・私は眠いのだけれど」

 

「だーめ。朝食ができたから起きるの。食べ終わったら寝ていいから」

 

「・・・・・朝食ですって?」

 

目の前に朝食があるのにどういうことなのと思うアルトルージュだが、一誠はルーラと

一緒にどこかへ向かった。

 

「リィゾお兄ちゃん。朝食の時間だよー」

 

 

~~~しばらくして~~~

 

 

アルトルージュ、リィゾ、フィナの三人は一誠とルーラの部屋に集まって

目の前に置かれた数々の料理に目を向けていた。

 

「・・・・・これ、どうしたっていうの?」

 

「私には分かり兼ねます」

 

「あの美少年の料理とならば食べずにはいられないだろう!」

 

一人は嬉々としていた。そして三人を呼び寄せた張本人は、

 

「はい、プライミッツ・マーダーのご飯だよ」

 

『・・・・・』

 

大きな皿に盛られた数枚の分厚いベーコンと大量のサラダ。そしてスープ。

これが自分の餌であると言うことにプライミッツ・マーダーは目を疑った。

 

「それじゃ食べよっか。いただきます」

 

「一誠くん、ここは主に感謝の祈りを捧げるべきだと私は思うのです」

 

「うーん、でも、ここは施設じゃないしアルトルージュの城だよ?」

 

「それはそうですけど・・・・・」

 

「帰ったらちゃんとお祈りするから、今は食べよう?お腹空いているでしょ?」

 

「うっ・・・・・」

 

そう言われるとその意識をしてしまった上にグゥーとルーラのお腹から鳴った。

ルーラは恥ずかしげに真っ赤になった顔を俯かせるとコクリと小さく頷いた。

 

「でしょ?じゃあ早く食べよ?冷めたら美味しくなくなるもん」

 

「わ、分かりました・・・・・」

 

「じゃ、改めていただきます!」

 

「いただきます・・・・・」

 

両手を合わせて述べる一誠を真似てルーラもした。なんとなく置いてけぼりな吸血鬼組は、

 

「・・・・・しょうがないから食べましょうか」

 

「・・・・・はっ」

 

「いただきます!」

 

『・・・・・』

 

三人と一匹も手作り料理を食べ始めた。ベーコンに目玉焼き、サラダにご飯、パンとシンプルな朝食。

 

「あら・・・・・意外と美味しいのね」

 

「子供が作ったにしては・・・・・」

 

「シンプルだがこれは美味しい。それにプライミッツ・マーダーも満更ではない様子で」

 

ハグハグと程良く焼かれスパイスが効いている分厚いベーコンを頬張る

プライミッツ・マーダーの姿を指摘したフィナ。

 

「やったね、ルーラ」

 

「はい。初めて料理をしましたが喜んでくれてなによりです」

 

小さな二人のシェフは三人と一匹の反応と様子に嬉しそうだった。

 

 

―――同時刻―――

 

 

リーラたちはルーマニアに辿り着いて吸血鬼の本拠地の情報を収集していたが

情報どころか手掛かりすら得れない状態でいた。

 

「やはり、簡単に集まりませんか・・・・・オーフィスさま、どうですか?」

 

「イッセーの龍の波動を感じない。この町にはいない。吸血鬼も」

 

「そうですか・・・・・」

 

肩にオーフィスを乗せたままリーラは歩き続け捜索をしていた。ストラーダ猊下と

クリスタルディ猊下と二手に別れているものの、自分と同じく情報を得られないでいるだろう。

 

「吸血鬼の存在は知っていましたが・・・・・この町に潜んでいないとすれば・・・・・」

 

不意にリーラは山に目を向けた。異形が住むには世間の目を掻い潜り尚且つ、

滅多に人間がやってこれないような場所で暮らしている。それは冥界も天界も

神話体系が住んでいる領域も同じ。

 

「山・・・・・でしょうか」

 

「リーラ、誠と一香に教えない?」

 

「・・・・・いえ、これは私たちで見つけなければいけません。誠さまと一香さまの

手を煩わせるわけにも参りません」

 

頑なに最も有効的な手段をしようとしないリーラ。これはメイドとしてのプライドではなく、

一誠を愛する一人の女として意地でも見つけたいと切なる想いから来る行動。

オーフィスはそれ以上追求せず、一誠から感じる波動を探知しようとしていると、

 

「・・・・・この龍の波動」

 

「見つけましたか?」

 

オーフィスが漏らした龍の波動。期待が籠った声音のリーラに一誠のものではないと

首を横に振った。

 

「リーラ、あっち」

 

「・・・・・なにかあるんですか?」

 

「ん、知ってる龍の波動を感じる」

 

町と人に溶け込んで紛れている龍がいるとリーラは悟りオーフィスが指す方向へ歩み始めた。

人と擦れ違い続け、店を通り過ぎ、横断歩道を渡り―――。

 

「久しい」

 

黒いコートを身に包み金と黒が入り乱れた長髪の女性にオーフィスは声を掛けた。

女性はゆっくりとリーラに振り返る。金と黒の双眸がリーラとオーフィスを確かに捉え、

口の端を愉快そうに吊り上げた。

 

「これは奇遇だな。こんな所でオーフィスと出会うとは・・・・・。

それとも私が探知していなかったから気付かなかっただけかな?」

 

「・・・・・オーフィスさま、このお方は?」

 

オーフィスと面識がある女性。ただ者ではないと肌で感じるリーラはオーフィスに問うたところ、

 

「この者『三日月の暗黒龍(クレッセント・サークル・ドラゴン)』クロウ・クルワッハ」

 

「―――邪龍・・・・・!?」

 

邪龍の筆頭格の一匹である最強の邪龍がルーマニアに、しかも人間界に紛れて堂々と

横断歩道を渡ろうとしていた。その上、人の形をしてリーラは驚きの色を隠せないでいた。

 

「戦うか、オーフィス」

 

向こうは戦う場所は無関係だとばかり、構えだし身体からプレッシャーを放ち始めた。

だがしかし、オーフィスは一言述べた。

 

「我、忙しいから戦わない」

 

速攻で拒否されたクロウ・クルワッハは、しばし固まった。そして構えを解いた。

 

「忙しいとはどういうことだ」

 

「我とリーラ、イッセーを探している」

 

「イッセー?」

 

「我らの家族」

 

と、オーフィスは告げた。クロウ・クルワッハはオーフィスとリーラを何度か交互に見て問うた。

 

「その者を見つければ私と戦えるか?」

 

「ん、戦える」

 

それを聞いてクロウ・クルワッハは嬉しそうに笑みを浮かべた。

 

「なら、私も探してやる。名前と特徴を言え」

 

「名前は兵藤一誠。グレートレッドの一部の肉体と我の力で復活したドラゴンだから

直ぐに見つけられると思う」

 

「・・・・・何だそのドラゴン。グレートレッドの肉体を持ったドラゴン?」

 

「イッセーは一度死に掛けていた。我がイッセーを助けるため、

グレートレッドと一緒に助けた結果そうなった」

 

淡々と述べるオーフィスから一誠に関する情報を聞くたびに

クロウ・クルワッハは笑みを絶やさなかった。

 

「面白い・・・・・そのようなドラゴンが強くなれば楽しめそうだ」

 

「ん、今のイッセーはちょっとだけ強い。イッセーは他のドラゴンを宿している。

クロウ・クルワッハと同じ邪龍のネメシスとアジ・ダハーカも」

 

「なんだと、本当か?」

 

「我、嘘は言わない」

 

次の瞬間だった。クロウ・クルワッハから不気味な魔力のオーラが迸った。

その迸りはまるで歓喜を露わしているかのようだった。

事実、最強の邪龍の顔は狂喜染みた笑みを浮かべていた。

 

「くははははっ。あのネメシスとアジ・ダハーカを宿している。

しかもあの兵藤の一族の者でグレートレッドの肉体とオーフィスの力を持つドラゴン。

―――これほど愉快で心躍ることは今までなかったぞ。

いいだろう、本格的にお前と協力してイッセーとやらを見つけてやる」

 

「イッセーは吸血鬼に連れ去られた」

 

「吸血鬼か・・・・・分かった。私が見つけ次第、直ぐにお前のところに連れて来よう」

 

翼を広げてクロウ・クルワッハは空へと消えて行った。

 

「・・・・・オーフィスさま、あの邪龍に頼んで大丈夫でしょうか?」

 

「他の邪龍よりちょっとだけマシ」

 

「そうですか・・・・・」

 

最強の協力者も得たリーラとオーフィス。引き続き探索を続けるのであった。

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