HIGH SCHOOL D×D ―――(再)――― 作:ダーク・シリウス
バラキエルの家族の家に夜を過ごして翌朝。
「いやだー!今日も一誠くんとオーフィスちゃんと遊びたいの!」
朱乃の我がままの声が一日目の生活が始まった。
「で、親バカなバラキエルさんよ。結局お前は連れて来てしまったわけだ」
「・・・・・すまん」
「たった一日でもうイッセーは朱乃に気に入られたってか。将来、女キラーになるんじゃね?」
「あの子はお前のようなやつにならないっ!」
「それはどういう意味だバラキエル!」
失礼な物言いを言ってきたバラキエルに不機嫌な面持になるアザゼルの横から。
「大勢の女性を手に掛け、誰一人として結ばれようとしない女癖が
神クラスのアザゼルさまのように一誠さまはならないとバラキエルさまは申しております」
「第一印象・・・・・毒舌を吐くような女じゃないと思ったんだがな・・・・・」
「否定できる材料がございますのであればどうぞ申し上げてください」
冷たい視線をくるリーラから逃れるように顔を逸らすアザゼル。
そしてこの話を逸らす材料はないかと必死に思考を張り巡らし、
アザゼルに「?」と疑問符を浮かべている一誠たちを見て・・・・・。
「よーし、イッセー。修行を始めるぞ!俺について来い!」
「「逃げた・・・・・」」
一誠を荷物のように脇で抱えてどこかへとこの場から逃げるように
魔方陣を展開して光と共に去って行った。
「アザゼルおじさん、ここはどこなの?」
「昨日、知り合いに頼んでお前に相応しい師匠との待ち合わせばだ」
「アザゼルおじさんが師匠じゃないの?」
「俺もそうだぞ。だが、俺の専門は神器の扱い方やそれに関する指導だ」
どこかの山の山岳にいた。そこで誰かと待ち合わせの様子。
後にリーラやオーフィス、朱乃もバラキエルに送られて山岳に現れた。
「アザゼル、ここで何をするつもりだ?」
「ああ、サバイバルだ。そろそろ来る頃だが・・・・・」
空を見上げるアザゼル。その仕草に誰もが不思議そうに釣られ、視線を紫の空へ見上げた。
すると、オーフィスが一言。
「懐かしい龍の波動」
アザゼルたちの視界に巨大な影が空に、こちらへ猛スピードで向かってくる。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!
地響きと共にそれは目の前にそれは目の前に飛来してくる。盛り上がった地形にいた為、
一誠と朱乃のような小さい身体の子供は地面に転んでしまった。
土煙が舞い、それが収まった後、眼前に現れたのは―――。
「・・・・・ドラゴン?」
「おう、お前と同じドラゴンだ。元がつくがな」
ニヤニヤと口角をアザゼルは上げながら述べた。全長十五メートルほどある巨大生物。
大きく裂けた口、生え揃う凶暴そうな牙、野太い腕に、丸太みたいに太い脚、
横に広がる両翼。目の前のドラゴンは目元を細め、
「これはなんの冗談だ。オーフィスにあり得ないドラゴンが目の前にいるなどとても信じられん」
「タンニーン、久しぶり」
「お、大きい・・・・・」
「ドラゴン・・・・・」
オーフィス、朱乃、一誠と順に漏らす。目の前にドラゴンがいると一誠は目を輝かせ、
朱乃は初めて見る凶暴そうな生物に委縮して一誠の背中に隠れる。
―――その様子をバラキエルは物凄く複雑そうで表情にも浮かばせるほどだった。
「アザゼル、よくもまあ悪魔の領土に堂々と入れたものだな、
と言いたいところだが俺の疑問を解消してくれるな?」
「オーフィスの存在と、イッセーのことだろう?」
「ああ、そうだ」
タンニーンと言うドラゴンは頷き、ジッと一誠とオーフィスを見詰める。
「オーフィスはイッセーの親と交流していてな、訳あってオーフィスはイッセーと共にいるんだ」
「その理由は後ほど聞こう。それでこの者についてだ」
「イッセーは死に掛けたんだ。自分の兄貴にやられてな。
丁度そこへオーフィスが現れてイッセーはあの両親の子供だと知り、
自分じゃ助けれないからグレートレッドに助けを求めた結果、
グレートレッドの肉体の一部とオーフィスの力を得て復活した訳だ」
「・・・・・本当なのかオーフィス」
「本当。我、グレートレッドに助けを求めた」
一誠の命を救ったオーフィスがハッキリと肯定する。
オーフィスに向ける視線を一誠に戻し、ガリガリと頭を掻いた。
「どうしてグレートレッドまで出てくるのが不思議でならないが、
お前たちの話は本当なのだろう。でなければその小僧からオーフィスとグレートレッドの波動を
感じるわけがない。―――長く生きて様々なドラゴンを見てきた俺がこんなに驚く
ドラゴンが生まれるとは驚愕を通り越して実に愉快だ」
「だろう?俺もコイツに興味津々でしょうがないんだ」
「で、俺は何をすればいい。俺を驚かせたくて人伝で呼んだのではないのだろう」
「ああ、イッセーにドラゴンの力の使い方を一から教えてやって欲しいんだよ」
アザゼルはタンニーンにそう頼み込む。「ドラゴンの力?」とイッセーは小首を傾げる。
「今のお前はドラゴンだ。それはもう分かってるな?」
「うん、何度も聞くし」
「だからお前を強くするにはドラゴンの力も勉強しないといけない。分かってくれるな?」
「分かった」
素直に頷いて納得する一誠。子供の判断力は若干危うい。
「普通に聞き受けるなその小僧。何一つ疑うという感じがしないぞ」
「アザゼルおじさんは僕を強くしてくれるって約束したんだもん」
瞳の奥から純粋な光が見え、タンニーンはアザゼルに一言。
「アザゼル、子供の純粋を付けこんで弄ぶではないぞ」
「俺はどこまで外道な奴なんだよ!?つーか、信用しろ!」
「ん、僕は信用してるよアザゼルおじさん」
「・・・・・お前の言葉を聞くと、目から汗が出てくるぜ」
キラリとアザゼルの目に光る何かが―――。
「しかし・・・・・小僧の中にいるドラゴンもまた興味深いものだ。聞こえているのだろう?」
一誠に、いや一誠のうちにいるドラゴンに語りかけるように話しかける。
すると、山岳地帯に三つの巨大な魔方陣が出現してそこから巨大な生物が出現した。
「うわ!ドラゴンだ!」
『やはり驚いたか。いや、私たちもまた驚いているがな』
「封印されているにも拘らず
『この子が有する魔力がとても膨大ですのでね。その魔力を借りることで現世に出れるようになったのです』
『オーフィスの魔力による恩恵、だな』
前足が長い背中に六枚の金色の天使のような翼を生やし、
頭上に金色の輪後輪がある全身が金色のドラゴン、
凶暴で獰猛そうな血のように赤い目の全身が紫なドラゴン、
肩に突起物のようなものが二つある他、背中と肩、腕や太ももにも赤黒い輪後光が
二重にあって体は尾と繋がっており、四対八枚の翼に黒が赤に浸食された感じで
入り混じっていた。手首と足の甲に鋭利な刃物状な物が生えて頭部に鋭い一本の角にも
赤黒い二つの輪後光がある。胸に妖しく光る赤い宝玉のようなものがある
ドラゴンたちの姿が晒す。
『すっかり悪魔に慣れたようだなタンニーン』
「ふん、あの邪龍の筆頭格の一角のお前が封印されていたとは知らなかったぞネメシス」
「邪龍?なにそれ?」
タンニーンの会話に気になった単語を復唱した一誠をアザゼルは説明口調で言う。
「邪な龍、または邪悪な龍と言う。普通のドラゴンより凶暴で力も強い。
お前が宿していたこの邪龍は他の邪龍より凄い邪龍なんだ」
「じゃあ、他にどんな邪龍がいるの?」
アザゼルの説明を真摯に訊き、目を輝かす。
「一番有名なのは『
『
『
「おお・・・・・っ!」
「・・・・・おい、まさかだと思うが会いたいなんて思っちゃいないよな?」
「ダメなの?」
思わず額に手を当てるアザゼル。ドラゴンに、それもドラゴンの中でも
最も出会いたくないドラゴンを求め始めた一誠に。理由はきっと単純だろう。
「会ってどうしたい?」
「見てみたい!」
珍しいものを見る目で瞳を輝かせる一誠。邪龍を可愛い動物でも
思っているのではないかとアザゼルは危惧する。
「無理だ。今言った三匹は今どこにいるか分からないし、
アジ・ダハーカに至ってはどこかに封印の形で退治されたって話だ」
『クロウ・クルワッハなら、生前見掛けたことがあるがな』
「なに?あの邪龍、まだ生きていたのか?」
『人間の姿でな、人間界と冥界を行き来して見聞しているそうだ。修行を兼ねてな』
とんでもない情報を入手した。邪龍の筆頭格の一匹はまだどこかに生きているという情報を。
「あのドラゴンはまだ退治か封印されていなかったのだな。意外だ」
『邪龍の中で最強の邪龍だぞ。そう簡単にやられはしない』
「それもそうだな。さて、話はここまでにして修行を始めるか」
「具体的にどんなことするの?」
「なに、俺と勝負をするのさ」
タンニーンは目を細めながら口角を上げる。
対してそんなタンニーンを品定めするように視線を上下に動かして一言。
「・・・・・身体の大きさが全然違うんだけど」
「身体の大きさが問題ではない。お前はグレートレッドの肉体で作られた身体を
有しているんだ。人間だった頃よりはかなり頑丈で丈夫な身体になっているはずだ」
「そうなの?全然分からないんだけど」
「ああ、取り敢えず俺を殴ってみろ」
そう言うタンニーンの言う通り一誠は、殴りかかった。身体の大きさが違い過ぎる故に、
一生懸命走ってくる一誠を見下ろすタンニーンは、
「えいっ!」
ドッ!
「ぬっ!?」
地面を抉りながら十メートル先まで吹っ飛んだ。タンニーンの足は巨大な為、
タンニーンにとってはちょっとしか吹っ飛ばされていない感覚だが、
アザゼルたちは目を丸くして開いた口が塞がらないでいた。
「・・・・・こいつは驚いたな。見掛けに反して凄い力だ」
プラプラと殴った手を振るう一誠を見据え、「末恐ろしいドラゴンだ」と心の中で漏らした。
「(今はともかく将来性を考え下手すると生前の二天龍を上回る強さになるかもしれん)」
それは本人次第だがなと付け加え、一誠にこう言った。
「新米のドラゴンのお前に俺たちドラゴンの戦いを教えてやる。覚悟しろよ」
「お願いします!」
―――○●○―――
「つ、疲れた・・・・・」
「だ、大丈夫・・・・・?」
「なんとか・・・・・想像していた修行より凄かった・・・・・」
堕天使の領土にあるとある建物の一室にうつ伏せで倒れる一誠に朱乃は心配そうに
見詰めていた。その背にちょこんとオーフィスが乗っかっている。
「何時もしていた修行より過酷・・・・・」
「一誠くん、大きな火の球から逃げてばっかりだもんね」
「ドラゴンの身体だからってアレは熱いよ」
「タンニーンの力、魔王並み」
「魔王ってどれぐらい強いの・・・・・?」と漏らす一誠。
朱乃は純粋な眼差しで一誠に言葉を放った。
「でもでも、お父さまも驚いていたよ?『まだ小さいのに良くあれだけ動けるな』って」
「イッセー、頑張った」
「それ、褒めているの・・・・・?」
「「褒めてる」」
二人同時に言われ、「そうか」と短く言うだけで、眠気が徐々に一誠を襲う。
「眠い・・・・・」
「じゃあ、一緒に寝る?」
朱乃がそう言った時、扉が開いた。一誠はリーラさんかな?と思って目を扉に向けると、
予想していた人物ではない人物が信じられないとした表情と共に目を丸くしていて
一誠を見詰めていた。
「・・・・・なんで、ここに・・・・・?」
「え、ヴァーリ?」
「・・・・・」
ダークカラーが強い銀髪の子供、一誠の友達であるヴァーリがいた。
お互いここにいるとは露も思わず、
しばらく呆然としていたがヴァーリが先に動いた。
「一誠・・・・・!」
「わっ」
オーフィスが背に乗っかられたまま身動きが取れない一誠に飛び付くヴァーリ。
誰もヴァーリを止める者は存在しないかと思えば、
『待てヴァーリ』
「青い、翼・・・・・?」
突如広がるように光る青い翼が生え出して声と共に青い翼が点滅する。
その声に制止され、ヴァーリは不機嫌な顔だけ後に向ける。だが、翼は言い続ける。
『久しいな、オーフィス』
「久しい、アルビオン」
青い翼に返事をするオーフィスに一誠と朱乃、ヴァ―ルが「うん?」と小首を傾げた。
「オーフィス、ヴァーリはアルビオンって名前じゃないよ?」
「アルビオン、オーフィスとは?」
一誠とヴァーリから疑問をぶつけられるも、オーフィスは一誠に答えた。
「違う、あの翼がアルビオン。イッセーと同じドラゴンを宿してる」
「えっ、ヴァーリもドラゴンを宿してるの?」
「・・・・・っ」
ビクリと身体を震わせ、何かに脅えるように小さく頷いた。オーフィスを背からどかして
ヴァーリに近づいた一誠は、
「僕と同じだねヴァーリ!なんか嬉しい!」
「・・・・・え」
満面の笑みを浮かべる一誠に「どうしてそんな反応をするんだ?」と
心底不思議そうに目を丸くした。
「受け入れて、くれるの?」
「ん?ヴァーリはヴァーリでしょう?ねね、どんなドラゴンを宿してるの?僕は邪龍と二匹のドラゴンだよ」
『邪龍だと?いや・・・・・やはりそうだったか』
青い翼は点滅しながら納得したとばかり自己完結する。
「一誠・・・・・」
「なに?」
「怖がらない・・・・・?ドラゴンを宿している友達に」
「それだったら僕のことどう思うのさ。僕自身、ドラゴンみたいなんだよ?」
「まだドラゴンらしいことはできないけどさ」と一誠は少し残念そうに言う。
「一誠が・・・・ドラゴン?」
『間違いないぞヴァーリ。この人間、龍が放つオーラを感じる。完全にドラゴンだ。
ただし、人型ドラゴンと言った方が良いだろう』
「イッセーは、グレートレッドの肉体の一部と我の力で復活した」
『イレギュラーなドラゴンだ。そんなドラゴンが成長したら二天龍より上回るではないか?』
「イッセーはグレートレッドの子供。でも、誠と一香を悲しませたくないから
我の力も与えた。だからイッセーは我と同じ存在」
『真龍と龍神の子供か。ドライグが聞いたらさぞかし驚くだろう』
アルビオンから「ドライグ」という名を聞きオーフィスに誰なのか一誠は聞いた。
「ドライグはアルビオンと同じ存在、ドライグとアルビオンは二天龍と呼ばれている」
「じゃあ、ドライグとアルビオンはどれだけ強いの?」
「我より弱い」
「・・・・・?」
オーフィスが強い?と不思議そうに小首を傾げる一誠だった。
そんな仕草を窺わせる一誠にアルビオンは声を掛けた。
『イッセーとやら。オーフィスのこと知らないのか?』
「オーフィスはオーフィスでしょ?」
『・・・・・どうやら知らないようだな』
アルビオンは一誠の反応を読み取り、オーフィスのことを説明した。
『オーフィスはお前と同じドラゴンだ。「
無限の体現者であり、俺とドライグ、二天龍を上回るドラゴンの中で最強のドラゴンだ』
「ん、アルビオンの言う通り」
「へぇ、オーフィスってドラゴンなんだねぇー」
『さっきからそう思わせぶりな発言を発していたんだがな。しかも軽く受け入れられているし』
「だって、オーフィスは僕の家族だもん」
ギュッとオーフィスを抱きしめながら笑む一誠。オーフィスもまた一誠を抱き締めた。
「むーっ」
「朱乃ちゃん?」
「朱乃のお家に一緒に住んでいるのに朱乃は一誠にとって家族じゃないの?」
頬を膨らませる朱乃。何だか仲間外れされている気分で瞳を潤わせ、
今にでも泣きそうな顔をする。その顔を一誠に向けて答えを言うまで待っていると。
「違うよ」
「え?」
一誠から「違う」と言われ、心の底からショックを受けた。
家族=友達と認識している朱乃にとって否定される事はどれだけ酷く―――。
「今のはアルビオンにそう答えただけで、朱乃ちゃんは僕と一緒に寝たからもう家族なんだよ?」
「っ!」
泣き顔から一変して明るい顔と成り、朱乃は一誠に抱きついた。
「朱乃も!朱乃も一誠と家族だからね!」
「イッセー、我も」
「分かってるよ」
抱き合う三人を見詰め、羨望の眼差しを向けるヴァーリ。
何だか自分と一誠がいる距離と立場が違うと思わされ、
静かにここから離れようと足が動いた時、
「ヴァーリ!」
背中から抱きついてきた一誠に驚くヴァーリ。
「どこに行こうとするのさ?ヴァーリも僕の家族なんだから一緒にいようよ?」
「・・・・・家族?」
「うん!仲が良い友達はみんな家族だってお父さんとお母さんが言ってたもん。
だからヴァーリも僕の家族だよー」
「良かったですねアザゼルさま」
「何がだ」
「ヴァーリさま、喜んでいますよ?」
「ふん、あいつはイッセーの傍にいるだけで喜ぶんだよ」
「当然です。一誠さまは優しいのですから」
「それで無自覚で自分に好意を抱かせた後が大変だと言うことをあいつは知らないんだぜ?」
「大丈夫です。最後はどうなろうとアザゼルさまのようにだけはなりませんし
させませんから」
「・・・・・お前、嫌いだ」