<<Chrono Drive Online>>(仮)   作:Wisadm

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0Chapter//Reality
プロローグ1


<<Chrono Drive Online>>...

 

このゲームが出来たのは、VR技術が一般に普及してから3年後、絶対の安全性を約束されたフルダイブシステム対応型端末<<Attraction-Ω>>が完成し、発売されてすぐのことだった。

 

フルダイブシステムというのは、一般的に脳が発する身体への命令を遮断し、その命令をシステムが受信してVR空間内のアバターへの命令に書き換え、その逆に、VR空間内のアバターが受ける五感の情報を、脳へと直接伝えることにより、まさに今、自分がそこにいるように感じることが出来ると言う画期的なシステムのことだ。

 

このシステムが確立されたときは、世界中の人々が熱狂していたのを俺はよく覚えている。しかしながら、このゲームの開発が決まったときの世界中のゲーマー達のそれにはとても敵わないだろう。

 

実際、そのときの俺は、ものすごく近所迷惑なレベルで浮かれていた。というか、ご近所さんに「うっさいわ、ボケェ!!」と怒られました。

…スイマセン、反省してます。

 

と、とにかく…世界中のゲーマー達もきっと、俺と同じレベルで浮かれていたに違いない。

きっとそうだ、うん!

なぜなら、この<<Chrono Drive Online>>は、世界初のVRMMORPGだったからだ。

だったからという言い方をしているのにはちゃんと理由がある。

この話事体が10年前のことだからだ。

 

なんで10年も前の話をこの場でしたかというと、このゲームがもうすぐリニューアルするらしいからだ。

案外根深いファンが多かったこのゲームのことだから、これを期にまた始める人や、ご新規さんも増えるかもしれない。

というか、そうでないと困る。

 

人が増えないと困る理由は簡単なことで、今現在、このゲームを遊んでいるプレイヤーは俺しかいないからだ。

3~4年前までは、かなりの人数が遊んでいたはずなのだが、2年前の春までにはほとんどの人が他の会社のゲームに流れていき、

今では、独り寂しくソロプレイに励んでいる俺しかいない。

 

まあ、おかげさまで俺のアバターはレベルにパラメータ、すべてのスキルをカンストさせるという当初の目的も達成できたので文句はない。

文句はないが、俺以外に人がいない為、自慢できないのが悔やまれた。

 

しかし、その苦悩もあと少しだ!! 昨日、ゲームの運営からメールが来て、最後の最後まで遊んでくれた礼にと、リニューアル版のゲームを優先して頂けることになったからだ。

 

こうしちゃいられない!! 今日もさっさと家に帰って素材と資金の調達だぁ!!

 

 

 

「…と、思っていたのですが、

          本日、正式にリニューアルを発表しました為、

   本日よりリニューアルするまでの間こちらのサービスはご利用いただけません。

                 期間 4/9~5/9   運営スタッフ

                                   だ、そうです。マジか?」

 

どうしよう…することがない…今日は学校も早く終わったから、リニューアルに備えて素材と資金の調達をするつもりだったのだ。

俺、リアルの遊び友達とかいないもんな。

 

「あ、そうだ。正式にリニューアル発表したんなら、新しい情報とかサイトにないかな…」

 

俺はその日、妹が帰ってくるまでの間、寂しさを紛らわせるため独り言を呟きながら、公式サイトを眺めていた…

 

この後、俺は日がな一日独り言を呟きながら公式サイトを見ていたので、ここいらで自己紹介しようと思う。

 

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俺の名前は、琴見(ことみ) 影斗(えいと)

ゲーム大好きな高校1年生 6歳のときにこのゲーム<<Chrono Drive Online>>にはまり、最後の一人になっても遊び続けた。

あまりにもゲームばかりし続けたためか家族、特に妹あたりから嫌われている。

学校が終わるとすぐに家に帰っていたため親しい友達はいない…というか、友達がいない。

あと、ゲームのし過ぎで目つきが悪いが、それ以外はいたって普通の目立たない人物。

自分で言ってて泣きそうになるな、これ…

 

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そうこうしてるうちに、玄関でドアの開く音が聞こえた。 たぶん、妹が帰ってきたのだろう。

はぁ、今日は何言われるんだろ…憂鬱でしかない…

 

「たっだいま~!」 …テンション高いとか、嫌な予感しかしない。

 

「…おかえり。」 「ちっ、クソ童貞だけか。ブッて損した…。」

 

あって一言目がそれかよ。 

この口の悪い美少女が俺の妹、琴見(ことみ) 光瑠(みつる)だ。 

妹は、めんどくさそうに言い捨て部屋へと向かう。

途中、思い出したかのようにこんなことを言い出した。

 

「あ、そうだ。クソ童貞お兄様、金くれね?」

 

こいつは、俺を何だと思ってるんでしょうか?

 

「いくら?」 「一万程」 「嫌だ…といったら?」 「テメーの大事なパソコンを粉々にすんぞ?」

 

横暴すぎるっ!! と、言えたらどれだけいいだろうか… 残念ながら俺は妹には勝てない。 

妹が美少女なのもあるが、こいつは、俺以外の前では常にブッているのだ。

 

つまり、俺の味方はいないも同然。 妹に言わせれば、「戦おうすること自体がおこがましい」とのこと

昔は、こいつも可愛かったんだがなぁ おにぃちゃ~んて、それも今では昔の話です。  

 

その後、財布の中身をむしりとられた俺は、朝になるまで部屋に篭るのであった。 シクシク…

 

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