<<Chrono Drive Online>>(仮)   作:Wisadm

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2Chapter//VR Research Club
1.ある暑い夏の日


 

 

 

夏、陽光が焼けるように熱く、実際に焼けたアスファルトが陽炎を発生させている中を三人の学生が歩いていた。

俺こと琴美(ことみ) 影斗(えいと)、友達の安達(あだち) 友輔(ゆうすけ)、幼馴染の風音(かざね) 愛理(えり)の三人である。

俺たちは夏休みまでにどの部にも所属しなかった為に、夏休みにもかかわらず担任に呼び出されていた。

 

「暑い…何故、夏というものはここまで暑いのか?」

 

友輔が心底絶望した様な声で言う。

 

「確か、夏になると地球の傾きの関係で他の季節よりも太陽との位置関係が垂直に近くなるからだったはず…」

 

それに答える俺。

 

「どうでもいいよ…。早くクーラーで涼みたい」

 

それに対して冷たいツッコミを入れる愛理。

そのツッコミが周囲の気温を下げてくれるのならどれだけいいか…

 

ただ、言ってることは全くもってその通りだと思う。

あまりの暑さに会話が続かず、さっさと学校を目指した。

 

 

 

 

 

「はい、コレ持って生徒会室行って来なさい」

 

職員室に入ってすぐに担任にそんなことを言われた。

(クーラーがよく効いている)

渡されたのは『入部届け』と書かれた紙だ。

(クーラー気持ちいい)

意地でも部活に入れということらしい。

(もう少しここに居たいけど、)

何を言っても聞いてもらえそうに無いのでさっさと職員室を出た。

(クーラーを独占している教職員に殺意を覚えた)

 

 

「生徒会室ねぇ。そういえば、俺自分の通ってる学校なのに生徒会の人とか誰も知らないな…」

 

人がいない静かな廊下を移動しながら呟く。

 

「「え!?」」

 

すると、二人に驚かれた。なぜ?

 

「い、いや。この学園の生徒会って言えばかなり有名だからな。知らないとは思わなかった」

「へぇー、そうなんだ。初めて知った。でも、何でそんなに有名なんだ?」

「ほら、この学園は小学校から、大学までの一貫校だろ。しかもOBは意外と、大きく社会に貢献している人が多い有名校だ。そんな所の生徒会が有名じゃない訳ないだろう」

「そんなもんか?」

「そんなもんだ。それにだ…」

 

友輔はそこで言い難そうに話を一旦止め、ちらりと愛理を見て耳打ちしてきた。

 

「現生徒会長はこの学園の理事長の娘で、才色兼備、んで―――『巨乳』だ」

 

友輔は少しニヤけていたが、俺は気付いてしまった。

 

「それって、今日は居たりしないよな?」

 

セリフだけ聞くと思春期の高校生らしい会話だと思う。

顔色が青や白でなければ、だが。

どうやら、友輔も気付いたらしい。

 

「…いないよな?頼むよ、頼むからいないと言ってくれ!!」

「クソッ!!世界は何処まで俺たちに厳しいんだ!?」

 

そんな中、2人が絶望している元凶はと言えば、

 

「どうしたのさ?速く行こうよ」

 

と、元気におっしゃっている。

 

理不尽だ。と、俺達は思った。

思ったが、それを面と向かって言えるわけも無く…

黙って、愛理の後に付いていった。

 

 

 

「ここか…」

 

目の前にあるのは生徒会室の扉だというのに、今の俺には地獄の門に見えそうだ。

なんというか、あれだ。

初めて入る迷宮で何かあるのは分かっているのに何が起こるか分からない様な焦燥感とも不安ともつかないあの感覚…

ゲーム脳になってるな、ゲームやらない人には分かりにくいかもしれないが俺にはこれが限界なんだ。

分かってはいたけど、我ながら凄いコミュ障だ…

 

「さぁ、行こうじゃないか2人とも」

 

そんな現実逃避も虚しく、愛理に引っ張られ俺達は生徒会室に足を踏み入れた。

 

「失礼しまーす!」

 

生徒会室の内装は意外と厳かで、奥に1人だけ座っている人影のせいか、まるで王城の謁見のm…もうやめよう。

自分がどれだけゲーム脳か暴露しているみたいで心が痛い。

 

「ム?あぁ、入部しなかった子達だね?初めまして、生徒会長の天戯(あまぎ) 菜月(なつき)だ。わざわざ生徒会室まできてもらって悪いね」

 

天戯 菜月と名乗った先輩は、友輔からの前情報で予想していたよりも大人っぽい、美少女というよりは美女という方がしっくりくる人物だった。

髪はベルベットのような艶やかな黒、背が高く胸も大きい…

 

「――牛乳(うしちち)はモゲればいい」

 

何も聞こえなかった…

それでいいじゃないか?な?

 

愛理から発生している黒い何かで胃に穴が開きそうだ…

さっさと終わらせて帰りたい。

 

「それで?どんな部がいいんだね?何もなければ入ってほしい部があるのだが」

「入ってほしい部って、どういう部なんですか?」

「ム?聞いてくれるのかね」

 

興味を持ってくれて嬉しいのか先輩は少し口角を上げた。

 

「私の妹のような子が、作りたいと言っていた部なのだがね?何分人数が集まらなかったらしく、私のところに打診に来ていたのだよ」

「あの、どういう部かを聞いたんですが」

「ン、すまないね。どういう部か?だったね。簡単に言えば――そう、VR研究部だよ」

 

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