千葉県船橋市と習志野市の市境にまたがって、千葉短期大学という工業系の学校と、その系列高校である千葉短期大学附属高校という学校がある。
どちらもとくに区別の必要のないときは、単に「千葉短」とよばれている。
戦時中には騎兵連隊に騎兵学校、それと化学戦学校があった場所で、短大の前身である高専は、その影響もあってか馬術をたしなむものが多かった。
これらの軍事施設は、終戦にともない撤去され、千葉短大が船橋側、附属高校が習志野側に拡大するかたちで改制、新設された。
そして今は21世紀。
千葉短高は、古くからの馬術競技、新しく取り入れたマリンスポーツ、そしてなぜか各種文芸が盛んな学校になっていた。
同人誌しか媒体のなかった時代からつづく伝統だが、いまではネット小説サイトが無料で使える環境が整ったことから、こういうところで手軽に作品を公開するものも多い。
ネットの隆盛によって息を吹き返した趣味は、囲碁、将棋、そして文芸だ。
千葉短高の2年生、西絹代は、馬術部の幽霊部員である。
せっかく買った乗馬用ブーツがもったいないので、普段ばきにしている横着ものだ。
もともとは姫ぱっつんだったのが、手入れがいいかげんなのか、ただのワンレンとなっている。
目がぱっちりしていて、まあまあ美人の部類にはいるんだろうが、残念がつくかもしれない。
体型的にはスレンダーというより、体脂肪率が低そうなアスリートにちかい。
西は、制服の内ポケットからスマホをとりだすと、これで何回目になるかわからない、さいそくの電話をかける。
「もしもーし。西でーす。私の単車、まだなおらないのですかー?」
彼女はひまさえあればやっているトライアルごっこで、3mのがけからまっさかさまに転落し、本人は無傷だったが、単車は大ダメージということをやらかした。
アルミフレームのオフ車で、そのフレームにクラックが入り、フロントサスはみごとにひんまがり、クランクケースが割れてオイルが全部もれるという惨状だ。
だから、ショップからは買いかえろといわれているが、聞く耳をもたない。
(はっきりいえば、新車買った方が安い)
「だけどぉー。愛着があるから、どーしてもなおしたいの!」
しかし、世の中には、どうしても無理なことがある。
しょーがないので附属高校の学生寮にさっさと帰り、部活がすんだ連中が帰ってくるまえに一番風呂としゃれこんで、食堂のおばちゃんたちがつくった夕食を、まださめないうちに頂戴し、
私服に着がえてラーメン屋とコンビニをまわって、門限前に帰寮した。
「あー。今日もラーメンがうまかった」
といっても、西が好きなのはこじゃれたニューウェーブじゃなく、女子高生の食べものとはとうてい思えない「二郎系」だ。
コンビニで買ってきたスイーツと、低脂肪乳1リットル、それにキーボード付きタブレットをひろげて、もう一つの日課、ショートストーリーをねりはじめる。
「そーいえば、玉田が『西絹代』って架空人物をどっかで見た。っていってたね」
玉田というのは、彼女の友人で同級生。どこで見たのか「まがれいと」という明治の髪型をしている。西よりさらにスレンダーで、戦時中の勤労女学生を思わせる女の子だ。
「ふーん。もし同人創作だったら、私は西ですが、何か。とでもいってやろう」
こうして、西絹代は、およそやったこともなければ興味もなかったエゴサーチをしてみることにした。
「え? 版権アニメの登場人物なの?」
画面に映っているのは、まるで自分に対するあてこすりではないかというスタイル画。
人の話を最後まで聞かないおっちょこちょいで、単車乗りかつ戦車乗り。
「女の戦車乗りだぁ? 普通にありえないでしょ~。
最近の深夜アニメは、ほんとうに何でもありだなあ」
どうも、女性が戦車に乗って試合するという内容の作品らしい。
しかも原作となるものは一切ない。というかこういう話自体がこれまでない。
完全オリジナルアニメ作品だ。(誰が得するんだろう?)
もう本放送は終わっているので、レンタルか配信で見るしかなさそうだ。
ゲーム機の会社の運営するネットストアで、期限付き配信が見られるようだ。
「じゃあ、明日Webマネーカード買ってきて、いっきに鑑賞でもしますか」
西は、自分の同姓同名の登場人物が、どういうあつかわれかたをするのか興味があった。
そして西は、3日かけて、1クール12話をぶっとおしで見おわった。
「あああ、何なんですかこれ?」
あつかいがどうの、というレベルじゃなかった。
「西絹代」は、まったく登場しなかった。
その人物が属する戦車隊だけは1カット登場。
しかし、優勝候補レベルの強豪のまえに、あわれ総員しかばねをさらすという絵面。
「なにこの『設定だけはあります』みたいなガンプラなあつかい!」
そのとき西は思った。
そーゆーことなら、版権サイドでスピンオフとか、二次創作とかならあるだろうと。
……全然、なかった。
主人公の小学校の同級生だとか、どうみても時代錯誤なサムライガールとかのスピンオフとかあるのに、公式が存在を明言している「西絹代」は、華麗にスルーされていた。
二次も、なかった。
原作自体人気ないらしく、ラノベ系最大手の二次サイトですらろくすっぽアップされてない。
「西絹代~。お前とことん不遇だなあ!」
鏡に向かってそういう西。
その上、やっぱりこのアニメは不人気泡沫作品のようだ。
くだんのサイトの作品数と完結率からは、そう判断するしかなかった。
同じサイトでも、あられもないパワードスーツを着た少女たちがたったひとりの男主人公を取りあうラノベの二次なら2,000作以上あるというのに、これはやっと50以上。
「不遇作品の中の不遇キャラかよ、西絹代。なら私が救うしかあるまい」
こうして、西絹代は西絹代の二次小説を書くことにきめた。
頭がいたい……。
そして、そっこーで止まってしまった。
そう、西には戦車ってみんなおなじにしかみえなかったのだ。
世間の人間にとっては、カブとスクーターとバイクの区別しかつかないのとおなじだ。
大洗は、数がすくない(しかも数量比はあとになるほど悪化する)から不利ということしか正直わからなかった。
なら、バイク屋に聞きにいこう。
すっごい論理の飛躍があるが、同じ乗り物だしなんとかなるさ。
……というくらいポジティブでないと、女でバイクは乗れないようだ。
そういう西のポジティブシンキングは、この場合にかぎり成功だった。
常連客の一人に、戦車もバイクも好きだが、ガルパンは嫌いだ。というのがいたのだ。
ちなみにそいつがなんでガルパン嫌いなのかという理由は……。
建前:戦車は漢の乗り物だ、女が乗るなんて言語道断。
本音:深夜アニメなのに、自分の分身たる男キャラがでてこないのがゆるせん。ハーレム万歳!
……というものだった。
「じゃあガルパン二次って、とにかく男キャラをだせば成功するんだね?」
西がいちばん聞きたいことは、どうすればスルーされずにすむかということだった。
それに対して彼は、
「まさにそのとおり。ガルパンに一番欠けているのが男女のいちゃラブだ!」
などと自信満々にこたえるのだった。
「だったら、登場戦車をバイクにたとえて説明してくれない?」
たしかに現状の西には、それが一番わかりやすいだろう。
西に関していえば、ドリームCB72以降のバイクならだいたいわかるといっていい。
「まず、おケイのシャーマン。これはCB400SFだな」
「可もなく不可もない。ってやつだね」
「そしてアリサのM4A1だが、これはCB650Fぐらい」
「ふーん、そんな差があったんだ」
「で、ナオミのファイアフライだが、VFR800Fぐらいになる」
「なにそのインフレ」
「17ポンド砲ってのがべらぼうなんだよ」
こんな調子で解説してもらうと、こんなかんじになった。
アンツィオ:
カルロベローチェ=ロードパル。セモベンテ=ドラッグスター400。ぴよぴよ=W650。
プラウダ:
T34/76=CB400F(現行)。T34/85=CBR400R(現行)。IS2=CB1100(現行)。
KV2=ゴールドウィング。
聖グロ:
チャーチル=隼。マチルダ=インパルスⅢ。
黒森峰:
ラング=IRON883。パンターG=FZ1 FAZER。(古くてよければYZF-R1)
ヤークトパンター及びエレファント=V-MAX。ティーガーⅡ=ZZR1400(現行)。
ヤークトティーガー=BMW K 1600 GTL。ティーガーⅠ=GSX750R(初代)。
マウス=ボスホス。
「ティーガー、けっこうしょぼいのね。ラスボスだから無茶すごいのかと思った」
「あれは乗ってる奴らがすげーんだよ。この時代は戦車にとってはドッグイヤーだ」
「ときどきクルーザーがまじってるのは、なに?」
「無砲塔だから融通がきかない」
「砲塔って、なに?」
「それから教えなきゃダメか? もういい。大洗な」
大洗女子:
Ⅳ号D型=CB400FOUR(ヨンフォア)。Ⅲ突=イントルーダークラシック。
八九式=スーパーカブ。M3リー=SR400。38(t)=CB250RS。
B1bis=CB750K。ポルシェティーガー=MVX250F。三式=KH400S。
Ⅳ号H型仕様=GSR400。ヘッツアー仕様=バルカンS。
「なにこの悲惨なラインナップ……」
「本当にそうなんだから仕方ないだろ」
「ポルシェティーガーってそこまで悲惨な失敗兵器?」
「わかりやすいだろ」(※ こいつの偏見です)
「Ⅳ号がイノベーションしてるのが救いね」
「それがあるから、主役メカがⅣ号なんだろ」
「ときどき、郵便カブですっごいコーナリングする人がいるけど、あひるってそんなかんじ?」
「初心者なのが気にくわんが、まさにそうだな」
「れま子って……」
「二輪ドリフトできるGPレーサー」
「よく、黒森峰に勝てたね」
「勝てるわけねーだろ! だから嫌いなんだよ!」
そうなんだ……。
西住みほの言う「腕と戦術」が、かぎりなくご都合主義に思えてきた西だった。
まー、とにかく理解しないと二次なんか書けない。
そー決めた西は、財布をはたいてBD(初版)を買いあつめ、そして困惑することになった。
「鑑賞の手引き……」
そんなものがついてくるとか思わなかった。
普通は、作品の中で全部わかるように作るだろー! と思う。
あほかこの監督! と思っても、誰も責めることはできないだろう。
そして……。
「この世界って、男が戦車に乗るの禁じられてるんじゃない」
男は屈強なのに、装甲に守られて戦うから戦争が残虐になる。
男だったら正々堂々裸で戦え。戦車は女専用だ。
第二次大戦後、女たちがそういう世論誘導をして、男が戦車に乗れなくした。
ちょっと言葉をたして書くと、そのような意味のことが書かれていた。
その帰結として考えられるのは、1945年8月15日以降に戦車に男が乗ったら、そいつは「卑怯者」の上に「変態」の烙印を押されるということだ。
そしてそれを決めたのは、何をしでかすかわからないことで知られる監督と、めずらしい女性脚本家だろう。
「つまり、この作品の二次で、男を戦車に乗せるってことは、監督と脚本家に、
自分の方がもっと面白くできるぞ。ってケンカを売ることだあね」
そんな異常な世界を作った理由は、察することはできる。
おおかた、どこかのプロデューサーが「メカと美少女」コンセプトの延長として「戦車と美少女」というムチャ振りをしたのだろう。
そして、監督はある意味、戦車というものをよく知っていたのだろう。
これは、ありえない組みあわせだと、即座に理解したにちがいない。
現実世界でも女パイロットはいくらでもいても、女戦車乗りはソ連にしかいない。
いや、イスラエルならいるかもしれないが。
自衛隊だって、戦車に女性は配属しない。検索したらそう書いてあった。
それもごていねいに「ガルパンのように女性が戦車に乗ることはありえない」と。
ある架空戦記作家が「超大和型戦艦の撃ちあいを書きたければ、空母と潜水艦を全部禁止する国際条約がある。というくらいの無茶をしなくてはならない」と言ったそうだが、おそらく「女性を戦車に乗せる」ということを書くためには、男を戦車に乗せないというありえない仮定が必要なんだろう。
そう、西は思った。
それを破って、男を戦車に乗せて女の子とラノベ的関係を持たせるのも、作者のウデかな。
そう考えた西は、どこかにあるだろう作劇の穴をさがすため、何度もBDを繰りかえし見た。
3回目ぐらいで、大洗側の登場人物全員を頭に入れることができた。
4回目には、西住みほという主人公は、異常者なのだということがわかった。
5回目には、ついに地獄が見えた。
この話は、女の子の日常のキャッキャウフフなんかかけらもない。
「女」を捨てた奴らばかりじゃないか。
いや、角谷、冷泉、西住まほのように中身が男というのまでいる。
しかも、戦車に乗ったら死ぬのも当然ありえることと理解している。
負けたら死ぬ……。
そうでなければ、主人公の母の叱責は、あまりにも理不尽だ。
そう、この世界では「戦車道」を学んだ女たちがあたりまえのように戦車に乗って戦場にいき、そしてそのうちの何割かは、その戦車を鋼の棺とするのだ……。
そうでなければ、主人公があそこまで乖離した人物にならないだろう。
彼女は「美少女アニメの主人公」という建前と「兵士見習い」という現実を両方ともかかえなくてはならない。
それははたから見たら、異常な行動原理の持ち主になってしまう。
冒頭で、ベッドからはね起きた彼女がすばやくやった、ふとん畳み。
あれは、陸上自衛隊高等工科学校の流儀だ。
つまり彼女は、日常的に兵士としての訓練を受けていたと言うことになる。
そして、このアニメはそのなり立ちから、おそろしく人をえらぶ。
まず、戦車のヒエラルキーを理解してなければ、半分も理解できない。
理解しやすくするのなら、高校生が使用してよい戦車を限定すればいい。
シャーマンだけでいいだろう。教習車とおなじだ。
だが、あえてそれをやってない。
まあそれでも、戦車というものにアレルギーがなければ、見つづけることはできる。
しかしながら、○島作品らしく、漫然と見ていたのでは、それだけでおわってしまう作品だ。
掘りさげたみかたも、実は要求されている。
角谷の言動が、実は美少女アニメの登場人物の範疇をこえている。
おそらく、美少女アニメを期待してみている視聴者の大部分には、角谷は奇妙なことばかり好んでやる人物とうつるだろう。
逆に、「行間読み」を得意とする人間には、あれほど面白いキャラはいないかもしれない。
問題はまだある。
色恋ざたを入れる余裕がまったくない。
すべての話が、女の世界だけで完結してしまっている。
話の上でも「男子禁制」をストイックにつらぬいているのだ。
そこに男を放りこんでも、うろうろする部外者で終わるだろう。
原作キャラは、誰もからもうとしないから。
(ついでにいうと、女湯にも入れないし)
さもなければ、自分で全部ストーリーを考える必要がある。
でも、それのどこが二次作品なんだろうか。
そして、二次作者にとっての一番の大問題がある。
きれいに終わりすぎていて、不満が残らないのだ。
逆にこれが、弱小少数の大洗がいいところまでいきながら、惜敗する話だったら、二次小説がいっぱい書かれていたにちがいない。
それこそ男を乗せるという「チート」すらかまわない。
戦車を増やしたり、強くしてもいい。
どこかで敵失を作ってもいい。
ところが現実には、あの戦力で勝ってしまったのだ。
では何の補完のしようもないではないか。
何か足したところで、話にぜい肉をつけるだけだ。
まして、原作でさえ、キャラが多すぎて全部つかい切れておらず、主要キャラなのにモブあつかいだっている。
これ以上ふやしたら、シロートの手にはおえなくなるだろう。
それともいっそ、大河小説にでもするか……。
「これは、『初見殺し』の上に『二次殺し』じゃない!」
西は、本当にそう思った。
自分にしても、たまたま自分と同姓同名の人物がデザインされていたから見たようなもので、そうでなければ、第1話の「バカバカしくなるほどの大洗艦」を見た瞬間に放り投げていた。
全部見たとしてもせいぜい、「戦車戦はすごいけどそれだけだよね」でおしまいだろう。
この仕事をしていたときの監督は「白○島」と呼ばれるそうだ。
しかし、西には逆に、これこそ黒○島の本領発揮だ。としか思えなかった。
がんじがらめで、まったく空想というものを寄せつけない。
視聴者は、彼が敷いたレールの上を、ただ走るしかないのだ。
したがって、二次をやるとしたらスピンオフか後日譚しかない。
それすらいつ「後付けの根拠」でひっくりかえされるかわからない。
「予防線を張ろうとしない相手は、つけこむスキもない」
西は、嘆息するしかなかった。
せいぜい高校生の、文芸少女未満の手におえる相手ではない。やれやれだ。
ざっくりとした設定しかない「西絹代」は、主人公にすることもできない。
まして男を出そうというなら、監督と脚本家に支援された女たちから戦車をとりもどすために女たちと戦う男にするしかない。
しかし、それにも大義がない。
「そんなに戦争がしたいのか」といわれるだけだ。
だったら、返事は決まっている。
「世の中には我々のような、手段のためには目的を選ばないという、
どうしようもない奴がいるのだ。
諸君、私は戦争が大好きだ」と。
「本当にピカレクスなヒーローだわ。北野晶夫みたい」
西は、ハードボイルド小説の一つの、バイクレーサーの主人公の名をあげてみた。
彼女は、実はラノベよりハードボイルドの方が好きなのだ。
「ガルパンがハードボイルドだ。なんていったら、きっと笑われるわね」
西は、結局ガルパンの二次は、書かないことにした。
あの高潔な女たちが、ひとりの男をめぐって醜いあらそいをする? 冗談じゃないわ。
そういうのを書くのは、男の方がむいているだろう。
男と女の子のキャッキャウフフコメディにできる凄腕も、どこかにいるかもしれない。
実は、それでもなお問題がのこる。
そこまでして男を戦車に乗せ、暴れさせたとして、それがはたして、「ガールズ und パンツァー」だといえるのかどうか。ということだ。
「それはもう、題名サギかもしれないわね……」
もっとも、西はガルパンが、良くも悪くも「PV詐欺」と呼ばれていることなど、知るよしもなかったのだが。
その後、2015年11月21日に、最後のガルパンの劇場版が公開される。
しかし、西は「西絹代」が、西住みほや秋山優花里以上に破綻した人物に書かれると知って肩をすくめただけだった。
そして、その日の朝、西は結局、朝6時に映画館とホテルがくっついている某駅に降りた、
どーせチケットはネットで昨日買った。
なんでこんなに朝早くから来たのかと言えば、ホテルのモーニングバイキング目当ててある。
……たっぷり時間いっぱいまで食うだけ食った西は、他の映画の予告編をやっているころに映画館のシートにおさまった。
『西絹代』は、めいっぱい出てきたが、やっぱり残念な奴だった。
ストーリーと言えるものがなかったような気もするが、あれだけ無茶しでかせば、「二期をやれ」って言うやかましい奴らは内部にも外部にも、もういなくなるだろう。
全部監督の目論見どおりだ。
ただ、今回は西住まほがひとりで美味しい思いしたように思える。
今後彼女を「脳筋野蛮人」と呼ぶ奴はいなくなるだろう。
「結局。これって監督自らが作った『ガルパン二次』なんじゃないかしら?」
だとしたら、二次作者さんにはごくろうなこった。
そして西は映画館から出ると、ホテルのレストランにふたたび戻り、今度はランチバイキングをたんのーしたのであった。
- こんな西絹代がいたら嫌だ - おしまい
後日、某バイク屋にて。
「で、あれとかあれとかあれとかは、バイクで言えば何になるの?」
「全部パンターと同じだから。あ、ちっこいのはVTRな」
「知波単集団は?」
「新聞カブの集団だよ」
「あと……」
「アレは聞くな。あとアレも聞くな」
では、ミカが乗ってきたフィンランド名物、BT-42は,
……CB750Kプレス仕様(たれ風防、ヨシムラ集合直管、しぼりハンドル。旧車會仕様とも言う)