Fate/chaos world   作:グレン×グレン

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すごく難しことで結果を出すよりも、同じ結果を簡単なことで出すことの方がすごいという意見はよくある

 

 そしてまた次の日。

 

「ケイネス、朗報だ」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「ソラウ、ケイネスを刺激してくれ」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「ランサー、この馬鹿二人を張り倒してくれ」

 

「い、いや、主とその婚約者にそんなことをするなどできるわけがない!!」

 

 ちっ。役に立たない。

 

 少女漫画に熱中して、メモまで取っているケイネス。恋愛ゲームという新たな領域に突入し、完徹したソラウ。

 

 一気に駄目になったのだがどうしたものか。とはいえ同盟を結んだ以上面倒は見ないといけないし、困ったものだ。

 

「・・・仕方がない。俺が足を運んでくるから、ランサーはナツミや久遠と一緒にうちの問題児たちを守っててくれ」

 

 冬木市内で工房を発見したので、とりあえず確認はしておかなくてはならない。

 

 と、いうことで外に出ようとしたのだが、その隣に久遠が並ぶ。

 

「1人じゃさすがに危ないし、ここは私も一緒についていくよー」

 

「おまえは桜ちゃんを守ってろよ」

 

「ナツミちゃんもランサーもいるし大丈夫でしょー。それに、兵夜くんは一人になると無茶しそうだから監視役がいるけど、万が一を考えると礼呪で戻れる私が適任かなー」

 

 そういわれると反論できんか。

 

「んじゃ、ボクは家で待ってるからねー。・・・ランサー、暇だからゲーム付き合ってよ!」

 

 と、ありがたい言葉を送ってくれたナツミに見送られて、俺たちはそのまま外に出る。

 

「・・・で、どうやって発見したの?」

 

「金にものを言わせた大量の使い魔によるローラー作戦」

 

 物量というのは戦争において実に重要なものだ。

 

 遠坂がマスター同士での同盟を結んだのも当たり前の戦法ではある。戦争というものは古来より敵より多くの数を確保するのが定石というものだ。人海戦術というのは戦術としては基本中の基本なのである。

 

 と、言うよりこの立地は実に隠匿性が高い。誰が作った工房だか知らないが、隠れることが得意な奴だと考えるべきだろう。

 

 ・・・開き直って魔術的な隠匿が少ないのがびっくりだ。魔力垂れ流しとか工房作成において考えられないが、聖杯戦争に参加するレベルの魔術師ではむしろ盲点だろう。

 

 俺もこれは盲点だった。正直この方法で見つけたのはかなり無駄な気がする。

 

 と、その工房の近道になりそうなところを見つけたが、そこには先客がいた。

 

「・・・お! 誰かと思えばその気配はキャスターか! これは奇遇だな!」

 

「げ! ライダー!?」

 

 寄りにもよって鉢合わせかよ!?

 

 俺はあわてて戦闘態勢を取るが、ライダーは手を前に出して制止する。

 

「まあ待て。こんなところで暴れてしまえば、秘匿も何もへったくれもないわい」

 

「「そ、それもそうか」」

 

 ライダーのマスターと一緒に安心してしまった。

 

 それもそうだな。まだ夕暮れ時だし、今ここで戦うのはさすがにマズイか。

 

「そ、それでお前らはどうしてここに?」

 

「ん? おそらくおぬしらと変わらんよ。我がマスターが敵の工房を発見したのでな」

 

 マジか? ・・・見た感じそこまでハイスペックでも無ければ金も持ってないと思うんだが。

 

「・・・感知魔術の銘家か何かか? こんないい立地の工房を土地勘もないやつがよく発見したな」

 

「別に、川の残留魔力を感知しただけだよ。対した魔術じゃない」

 

 その手があったか!? 

 

「しまったぁああああああ! 言われてみれば真っ先に調べていいところじゃねえか、うっかりぶちかました!? ローラー作戦なんて金の無駄遣いした自分が腹立たしい!!」

 

 なんつー初歩的な方法で敵のねぐらを見つけたんだこいつは! くそ! 致命的なミスをぶちかました!!

 

「キャスターはうっかりがひどいよねー。いつもなら真っ先に調べそうなところなのに」

 

「ふっふっふ。上策をもって成果を上げたのだろうが、下策をもって同じ成果を上げた坊主のほうがはるかに出来がいい。うむ、余も鼻が高いというやつよ」

 

 久遠とライダーに連続でいわれてマジでへこむ。

 

 くっ! ここまでの成果をあげられては反論もできない!

 

「やるじゃないかライダーのマスター。捜査の基本を理解したいい判断だ。聖杯戦争に名乗りを上げるだけある優れた手腕だ」

 

 負け惜しみで上から目線で行ってみたが、ライダーのマスターは何やら不満気だ。

 

「あんなのはだから魔術師としてくだらない手段だっての。自慢になんかならないよ」

 

「いやいや、すごい難しいことで成果をあげるより、簡単なことですごい成果をあげるほうがすごいからねー? こういう時編にこったことをすると現場は疲れるから君はすごいよー」

 

 ライダーのマスターを、久遠が現場育ちの観点から賞賛する。

 

「どでかいかねかけてレーダー作って発見するより、望遠鏡で探して発見するほうが有効だ。研究者としてはともかく実践派なら十分すぎる。聖杯戦争はバトルロワイヤルなんだから、手間を少なくできるならそれは有効策だな。マジで誇っていいぞ」

 

「・・・そ、そうなのかよ?」

 

「少なくとも、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトはこの工房を発見できなかったし、俺が発見できたのも間桐家の財力をフルに使ったローラー作戦だ。戦争の手段としては君の方がはるかにいい手を打った」

 

 心から賞賛すると、ライダーのマスターは少しだけ得意げになった。

 

「ま、まあ、いずれ時計塔の天才と呼ばれるであろう僕にかかれば、こ、これぐらいはチョロいもんさ!」

 

 ふむ、敵に塩を送るのもあれかもしれんが、元気が出たようで何よりだ。

 

 と、頭数も増えたしこれで偵察ぐらいは安全にできるか・・・

 

「よし! では乗り込んで首級をあげるとしよう! キャスターも来るといい、お主のマスターにも土産話をくれてやるわ!」

 

「いや偵察とか情報収集ぐらいしようか!?」

 

 え!? こいつ等敵の工房に真正面から乗り込むのかよ!?

 

「ろくに情報もないのにいきなり乗り込むとかあほかお前は!? そんなんでよく征服しまくったな」

 

「何を言う。こういうのは勢いというのがあるのだ。慎重に動いて取り逃がしては元も子もなかろう」

 

 ぐ、確かにある種の正論ではあるが・・・。

 

「うん、じゃあ戦車にのせてもいいかなー? あ、マスターには極力手を出さないから安心していいよー?」

 

「え? 行くの? 言っちゃうの!?」

 

「お、お前ら本当についていく気か!?」

 

 ライダーのマスターと一緒に突っ込むが、久遠はゆっくりと肩に手を置いた。

 

「キャスターの慎重策も正論だけど、聖杯戦争は期間限定だからちょっとぐらい強引にいったほうがいい時もあるよー。それに消去法からいってバーサーカーだから、仕掛けるなら頭数は多い方がいいしー」

 

 ぐ、確かに聖杯戦争は時間制限があるが・・・。

 

「それにバーサーカーは魔術を行使する宝具を持っておるではないか。礼呪を使って複雑な使用を行わせれば、工房を強化している可能性もあるしの。余の宝具をもってすれば突破は容易ではあるが、戦力が多いのなら坊主も不安はあるまい」

 

「う、確かにこっちとしては願ってもいない展開だけど・・・」

 

 ライダーのマスターも押され気味だ。

 

 ええい、確かにライダーが危険になるのなら、こっちとしては好都合だが、バーサーカーの撃破を確認することができれば作戦も立てやすいし仕方がない。

 

「わかった。一時共闘ということで俺は構わない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「意外と何とかなった」」

 

 下水道の中を、戦車が堂々と駆け抜けていった。

 

 化け物はゴロゴロ出てくるし、魔術的な信仰阻害はかけられるがライダーの宝具の力押しであっさり突破できた。

 

 時々上から落ちてくるというトラップも設置されていたが、久遠がさっさと察知して指示してくれるから迎撃も容易だ。油断を誘うために散発的な設置だから察知さえできれば難易度は低い。

 

「な? 余の言った通りであろう」

 

「戦場には流れってものがあるからねー。このタイミングは逃しちゃだめだよねー」

 

 ふむ、戦場慣れしている先達の意見は尊重するべきということか。これからも久遠の意見は参考にすることにしよう。

 

「しっかし魔術師の工房とはこうも他愛もないものなのか? ところどころ小癪な仕掛けはしておるが、サーヴァントを相手にするものとはおもえんぞ」

 

 ライダーの意見は確かに正論だ。

 

 普通の魔術師ならこんなところに工房は作らないだろう。いくら地下に作った方が効率はいいとはいえ下水道の一種だぞ? 普通に地下室のある家を手に入れたほうが効率はいいし、聖杯戦争に参加するほどの魔術師なら簡単だ。

 

「・・・もしかしたら、バーサーカーのマスターは正しい意味の魔術師じゃないのかもしれない!」

 

 と、ライダーのマスターがそう推測を口にした。

 

「ほう? それはどういうこった坊主?」

 

「昔は魔術師だったけど魔術を捨てた家とか、魔術師の家系だったけど教えられなかった弟妹とか、突然変異で魔術回路をもっただけの素養がある奴が、たまたま強い願いを持ってたから聖杯に選ばれた可能性はあるってことだよ!」

 

「ライダーのマスターの意見に賛成だ。聖杯はマスターが七人そろわなかったら人数合わせのために令呪を与える機能がある。その類だとするならば可能性はあるな」

 

「だったらマスターは隠れるのが得意な可能性があると思うよー? こういうところを隠れ家にするって発想が出てくる時点で、街中で隠れることを考え慣れてる人ってことだからねー。指名手配犯とか、そんな感じのことをしてる人ってことはないかなー?」

 

 ふむ、なんだかんだで話が進む進む。

 

「坊主、お主やはりすごいではないか。あのケイネスとかいう奴のことといい、余の聖杯戦争は幸先がよいのぉ」

 

「それは認める。ポテンシャルは知らんが能力は高いじゃねえか」

 

 これは思った以上に強敵だ。できる限り情報を収集したほうがいいな。

 

「そ、そうか? 別に魔術師としてすごいことをしてるってわけじゃないと思うけど・・・」

 

「素直に喜んどきなよー。キャスターはこういう街中での策謀とか裏社会とかに長けてるから、その点で褒められるのはすごいことだよー? あのイスカンダル大王にも認められるんだから、それだけのことはあるってー」

 

「え、そうなの? っていうかなんでサーヴァントがそんなのになれてんだよ」

 

 久遠にその点を認められているのはうれしいが、そう評価されるってことはライダーのマスターが意外と強敵だということなんだよなぁ。

 

 っていうか俺たち、聖杯戦争してるんじゃなかったっけ?

 

 




結局ウェイバーは川があるので調べるとは思うのです。一応。






知識が豊富なことと知能が高いことは違う。ウェイバーは技術はありませんが知能は高いのです。

と、いうことで無駄に金をかけてようやく発見した兵夜は金をかけずにあっさりと発見したウェイバーに精神的大ダメージを負わされました。なまじお互いに実力があまりないもの同士、この差はキツイ。
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