前回の投稿からだいぶ時間が経ってしまい申し訳ありません。
待っていただいて下さった方々お待たせしました。
最近あまり書けなくて色々駆け足になってしまいましたが、楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。
ではどうぞ。
ユウとウリエルが激突する前、クルルシファーは木々に隠れるように飛行していた。
最初はルクスを撒くために低空飛行を行っていたが、二度の大きな衝撃により、それは必要なくなった。なら、何故今も低空飛行を続けているのか?それは単に衝撃を抑える為だけだ。木々のお陰で砲弾の衝撃は最低限少なくて済んでいる。もっと近くに寄ればそんなものは関係無くなるだろうが、出来るだけユウに近付くときに機竜のエネルギーと自分の体力を消費したくなかった。
「……壁……」
クルルシファーの進行をユウの神装が阻んでいた。
壁に触れても、あの時のようにすり抜けたりはしない。自分は対象なのだと認識していた。
だが、壁の展開には時間制限があると聞いている。それまで待つしか無いのだが……
「……ユウ君……」
自分の神装を使えば彼を手助けできる。
その為にもクルルシファーは焦らず、ジッとその時を待っていた。
△▼△▼△▼△
白と黒の弾丸と緋色の炎が弾け合う。
神装を発動したユウはそのまま
ダァン!!ダァン!!とライフルから弾丸が発射されるが、最低限の炎の壁により防がれる。
お返しと言わんばかりに炎の球体を作り出し、弾丸のように飛ばしてくるが、
弾丸サイズだと撃ち落とされると判断したウリエルは炎の球体を更に大きくした。しかも数は前と変わらない。それに驚くこと無く、ユウは逆に距離を詰めるべく、ウリエルに向かっていく。
ウリエルは向かってくるユウに狙いを定め、手を翳し掴んだ。
ドオオオオォォォオン!!!
ユウのいた場所が瞬時に爆発し燃え上がった。
ウリエルは炎を操る。故に自分の射程距離内に入ってくれば、どこでも発火させ爆発させる事が出来る。
今のは空気中の水素と酸素とウリエル自身の炎を結合させ爆発を起こした。爆発自体を防げたとしても、燃焼により酸素が急激に無くなるため、息が出来なくなってしまうが――
「…………」
障壁を展開させており、ユウは無傷。一瞬息苦しくはなったものもそれだけだ。
黒煙から抜け出し、白と黒のライフルを構え、撃つ。
ウリエルは先程同様炎の壁を展開させ、弾丸を無効化する――
――筈だった。
『―――ッ!?』
弾丸は炎の壁を貫き、頬と首筋をなぞっていく。
明らかに先程とは違う威力。距離が近くなった為なのだろうか?それでも威力が違いすぎる。
そんな事などお構い無しにと、ユウは全てのライフルの弾を発射させた。
ウリエルは炎で防ぐのではなく、炎で撃ち落とすという思考に切り替えた。
炎の球体を高速で発射させ、弾丸を撃ち落とそうと試みる。
炎の球体が弾丸に触れる直前。
「破裂しろ」
パァン!!
突如として全ての弾丸が破裂。破裂と同時にその箇所一帯が爆炎に呑み込まれる。
ウリエルの放った炎の球体も巻き込まれ、炎は更に大きさを増していく。
一瞬で身を守った為ダメージはないのだが、視界からユウの姿と気配が消えていた。
炎自体は別に攻撃を加えるものではなく、単に姿を消す為だろうとウリエルは判断する。
気配を探るべく、どこから攻撃されようが対処できるよう辺りを見渡す。
『……』
炎が黒煙に変わりつつあり、その黒煙の端がチラリと揺れた。
炎の球体を生成。揺れた場所へと炎を放つ。
唸りを上げて加速する炎が黒煙に触れる瞬間――
――真っ二つに切断された。
『……ッ!?』
切断された箇所からユウがトップスピードで飛び出してくる。
その手に握られているのは、先程の白と黒の二対のライフルではなく、真っ白な
それを構えながら、銃弾の雨と共にウリエルに向かっていく。
爆発は障壁で防がれるため大したダメージは期待出来ない。
銃弾の雨は――この際どうでも良い。
ウリエルは炎の剣を生成し、ユウを迎え撃つ。
トップスピードならば負ける気は無いと言わんばかりに、炎の翼を広げスピードを上げていく。
金属がぶつかり合ったような高く響いた音が両者の耳に届いた。
白い長剣と炎の剣はギチギチと産声を上げながら、両者のつばぜり合いが続く。
剣が一旦離れ、再び二度三度と激突。
両者の攻撃の手が緩まること無く、更にその激しさは増していく。
ウリエルは炎の剣をもう一本追加。二刀流となったウリエルは攻撃の幅を広げていく。
「……ッ……ッ!!」
『――――ッ!!』
お互いに剣での攻防が続く。
ユウは
白い長剣――
幻神獣《アビス》を退けるにこれ以上の物は無いが、相手は天使。あまり効果が無いように見えるが、神装の能力により、それは改善されていた。
神装『
《エスト》が使える神装の
能力は機竜性能の大幅上昇と一部属性の追加。
機竜性能の上昇は限界値を軽く超えるため、覚醒した天使と同等かそれ以上の性能を得ることが出来る。
更に、上昇効果はユウが扱う武器にも同じ様に適用されるため、武器の強度、剣の切れ味、銃の威力など、従来の物とは比較出来ない程の物になる。
白と黒のライフルの弾丸が炎の壁を貫通したのも、ウリエルの爆発を障壁で防げたのも、神装の性能上昇によるものだ。
その為か、神装を使った直後の反動が物凄く大きい。最低でも、全身への激痛は免れない。最悪、その人格が発狂し狂ってしまうか、命が危険に晒される可能性だってある。
この反動はユウだけではなく、エストも受けてしまう。ユウがこの神装を使うのに忌避していたのは、それが理由だった。
『――クッ……ッ!!』
エストが歯を噛み締める。
代償は痛み。同じ様な痛みはユウも受けていた。
「大丈夫か!?」
『……ええ。問題無いです。……このくらいッ』
そう答えるものも、エストの声色からは疲労感が隠しきれないでいた。
ユウ自身も一見何事も無さそうに見えるが、時折やって来る痛みと疲労で身体があまり言うことを聞いてくれない。
そんな中での高速戦闘だ。集中力を切らせば一気に勝負を持っていかれる。
まだ反動が少ないうちに早く決めてしまいたいが……
「レスティア、まだか!?」
『……もう少し、待って……ッ!!』
『槍』への接続にまだ時間が掛かるようだが、敵は待ってくれない。
ウリエルの炎の翼から羽の形状をした鋭利な物体が弾丸の様に飛んできた。
障壁を展開しつつ、自身の危険になるようなものだけを撃ち落とし、ウリエルとの距離を詰める。
実際、実力は拮抗していると言っていいほどその差はあまり無い。
だが、拮抗している分決め手に掛けるので、時間が経てば経つほどユウに不利になっていく。
確かに最初はウリエルも初見だったため、ユウの動きを瞬間的に見逃し攻撃を貰ったが、それはユウにも言える事だった。
つまり初見ではなく、段々動きに慣れてきた両者は、お互いの動きを読めるまでに達してきている。
普段のエストならこの神装を使わずとしても、ある程度は闘える。
神装を使えば、並みの機竜使いどころか、神装機竜の使い手ですら瞬時に倒してしまえる程だ。
能力だけ見れば機竜性能の上昇というシンプルな効果だが、自分の命を賭ける分、エストの神装は異質極まりないという事がよく判る。
その異質な神装を使用しても、ユウの目の前で煌々と燃え盛る炎を纏う天使には後一歩、届かない。
それだけ天使が規格外――ということだ。
『――ッ!?ユウ!壁が!!』
レスティアの咄嗟の声に意識が一瞬壁の方へ向く。
今までは壁のお陰で
その気になれば緋色の天使は直ぐ様リーシャ達が撤退している地点まで移動することが可能となる。
「……クソッ!!」
一刻も早く天使を倒すしかなくなった。
槍の接続がまだな以上、神装の出力を上げ対抗するしかない。
ユウが壁に意識を向けたその刹那。
ドンッ!とウリエルの頭上に馬鹿デカい炎の球体が出来上がっていた。
「――ッ!?」
声を欲する事もなく、息を呑み上を見上げる。
更にドドドドドン!!とユウを囲う様に炎の柱が次々に燃え立ち上がった。
そして――
躊躇なくウリエルは炎の球体をユウがいる場所へと投げ込んだ。
△▼△▼△▼△
壁の効力が切れたのを目の当たりにしたクルルシファーは、壁が消え去ったと同時に全速力で雑木林を抜け出した。
雑木林と言ってもクルルシファーより前に広がっている景色は荒野そのもの。この荒野に先程まで木々が広がっていたとは到底思えない程、ユウとウリエルこの両者の戦闘がどれだけ激しいかを物語っていた。
あちらこちらに砕け、バラバラになっている木々が無惨にも転がっている。
「――早く……ッ」
クルルシファーがそう呟くなか、目の前に巨大な炎の柱がそびえ立った。
そして、その上には巨大な炎の球体。人間一人に対して過剰とも言えるような大きさだが、それ故に相手の天使がそれだけ本気だということが目に見て判る。
幾らユウであろうとあれは拙いかも知れないと、クルルシファーは自身の速度を更に限界まで高める。
直接的には助けにならないかもしれない。邪魔になるかもしれない。足を引っ張ってしまうかもしれない。
――それでも、とクルルシファーは自身の神装を発動させる。
命懸けの戦闘で
それも、拮抗した実力同士なら尚更だ。
「神装――
『
一定距離内の未来を数秒先まで予知することが出来る《ファフニール》の神装。
天使の数秒先の未来を知るためには天使に近づかなければならない。
クルルシファーが一人天使に向かって行った所で未来を見る前に落とされる事くらい容易に想像がつく。
そう。――未来を見る前なら、だ。
幾ら相手の方が性能で上回っているとしても相手の先の行動が判れば話は違ってくる。
のこのこ近づいた所で相手から狙い撃ちされるのは必然。
なら、相手が何かに気を取られていたならどうか?
しかもそれが、その相手と同等の実力を持つ者ならどうか?
――条件は全て整っている。
しかし、クルルシファーが天使の数秒先の未来を見れても稼げる時間は殆ど無いに等しいかもしれない。それこそ五秒から十秒と言ったほんの短い時間。
「――やれる。……出来るッ!」
クルルシファーの神装範囲まで、後少し――
△▼△▼△▼△
やった……。
ウリエルは炎の球体を投げ込んだと同時に勝利を確信していた。
幾ら障壁で身を守ろうとも、今までで一番とも言える様な大きさを誇る球体を防げるほど、相手は力を残していない。仮に防げていたとしても重度の火傷は免れないとウリエルは見ていた。
「…………」
ぶつかり合えば合うほど、相手の力が落ちていっているのが感じて判る。
短期決戦を狙っていたようだが、ウリエルには届かない。届かないと言っても後一歩の所まで追い詰められていたのも事実だ。
素直に称賛できる相手。
ウリエルにとっていつ以来か忘れてしまっていたが、私達に届きうる実力なのだと再確認していた。
それ故に勿体無い。
そう心の何処かで感じている部分がウリエルにはあった。
肌を突き刺すようなピリピリとした空気が漂う中の戦闘。死ぬかもしれないと言った緊張感。しかしながら、何処か至福のような時間。
「……何なんだろうね……」
チラリと視線を横に向けると、こちらを見てくる複数の視線。先程の塵共だろう。
掌に轟ッ!!と炎を生み出し、槍の形状へと変化させていく。
一度二度とその感触を確かめるべく、槍を振り、狙いを定め――
――視界が揺れた。
「――aa!!!?」
突如として横っ腹につんざくような痛みと衝撃が走り抜けた。
「……
ウリエルは咄嗟にユウを弾き飛ばしたが、何故?という疑問が頭の中でグルグルと回り始める。
先程の場所は……いまだに火を吹きながらもその火力を弱めてはいない。寧ろ強くなっているくらいだ。
ギリッと歯を噛み締め、敵を見据える。
「……ッ!?」
傷が治っていかない。
再生をしていないという訳ではないが、その治りが遅すぎる。
よくよく考えてみては可笑しな話だった。この戦闘に置いて、明らかに傷の治りが遅いように思えてならないのだ。
正確には、
ここまでの負傷は初めてだが、ウリエル達天使から見てみれば
グチュ、という肉と血の音が脇腹から漏れ出る。
そもそもどうやって相手があの場所から出てこれたのかが不思議でならない。
逃げ場を完全に塞ぎ、唯一の逃げ場の上空からも巨大な炎の球体で塞いだ。まさに灼熱牢獄と言っても過言ではない場所から、どうやって……
「訳判んない、って顔してるな」
ユウの言葉にウリエルが反応した。
「……そもそも《エスト》は
先程から見せていた疲労感に満ちた顔ではなくなっている。
ウリエルは体力を回復したか?と距離を取るが――
「逃げんなよ。本当は喋れるんだろ?」
「……ッ!?」
驚愕と困惑。だが、直ぐに心を落ち着け、目を閉じる。
この人間ならいいか、と。
「……なんでわかったの?」
「……天使を相手にするのは……」
――最初じゃないからな。
その言葉にウリエルは大きく目を見開き、クスッと口角を上げた。
「……なるほど、だからか……だって強いもんお兄ちゃん。私達に傷を負わせる人なんて久しぶりに見たんだもん」
「それは光栄だな」
「誰と殺り合ったかは……聞かないけど、それでも天使相手に戦って生き残るなんて相当だねお兄ちゃん」
ウリエルはボッボッボッと周りに炎の球体を作り出し、自らの身体の側へと浮遊させる。
それに合わせてユウは
二人が激突するその時――
ダァン!!
「――ッ!?」
ウリエルの身体が又もや揺れた。
右腕を見てみると少しだが霜が降ったように凍りついている。
これは、と撃たれた方向を見てみると、蒼髪の少女がライフルを構えながらウリエルを注視していた。
その表情に少しながら戸惑いや疲労感も見せているが、意思は伝わってくる。
お前を倒してやる、と……
「――鍵の管理者ね……」
ウリエルは目を閉じ、一つ間を置いて、ゆっくりと目を開ける。
――調子に乗るなよ塵が。
激昂する声色。ウリエルは自らの戦闘を邪魔された挙げ句、しかもそれが鍵の管理者の仕業だと言うのだから余計に腹が立ってしょうがない。
実力差も判らない塵など見ているだけで虫酸が走る。
「く、クルルシファー!?何でここに……何しに来たッ!?」
急かさずクルルシファーの元へ駆けようとするが、クルルシファーの竜声がユウの動きを止めた。
『ユウ君、私なら大丈夫。だから貴方は……」
――槍の準備を。
「――ッ!?」
言葉に出来ないような、ハンマーで後頭部を殴られたような錯覚さえにも陥ってしまう。
今クルルシファーは何と言った?槍の準備?何を言っている?
そんな事を考えていると竜声から更にクルルシファーの声が飛んでくる。
『私が時間を稼ぐから!早くッ!!』
強引にそれだけを言うとクルルシファーは右手に持つライフルで次々とウリエルに向かって砲弾を浴びせていく。
それに対しウリエルは炎の壁すら作らず猛スピードでクルルシファーに真正面から突っ込む。速度に任せた必殺の手刀が、クルルシファーの首を切り裂かんと牙を向くが……
「……ッ!!」
間一髪クルルシファーはそれを避ける。
回し蹴りを避ける。炎の弾丸をかわす。槍の投擲を受け流す。ウリエルの猛攻をギリギリ間一髪で避けていく。その神業のような回避にウリエルは苛立ちを増していくが、だからと言って単調な攻撃にはならない。
「ウリエルの攻撃を避けてる……?まるで先でも読んでるみたいな……ッ!?」
先でも読んでる。その自分の言葉にユウはある仮説を立てた。
「……神装、ファフニールの能力か」
そうなれば納得がいく。先程の会話も今の神業のような回避も、
「エスト、キツいかもしれないがレスティアのサポートをしてくれ。俺もサポートする」
『判りました』
頭の中で槍を組み上げていくようなイメージをしていく。力を十二分に蓄積していき、神すら葬れる威力を作り出す。
神殺しの槍接続まで、後――
△▼△▼△▼△
正直ここまで避け続けることが出来るなんてクルルシファー自身想像していなかった。一撃でも喰らえば即終了の必殺の攻撃。それがただの拳や蹴りなのだから余計に神経を擦り減らす。
未来が見えているとは言え、一瞬でも気を抜けば命は無い。
クスッとクルルシファーの口元が緩む。人の為に戦う事がこんなにも気持ちのいいものなんて。今までの自分には無かった感情だ。人の為でなく自分の為。クルルシファーの意識は常にそこにあった。
そう、あの家にいた時から。
(何を考えているのかしらね……私は)
反撃を一切行わず、防御と回避に徹底していく。下手に攻撃を行おうとすればその分防御と回避が疎かになる。未来が見えているとはいえ、性能は天使の方が何倍も何十倍も上だ。
「クッ……!!」
少しずつだがウリエルの攻撃がクルルシファーに掠り始めた。それ即ち、
クルルシファーも数秒先の未来をずっと見続けるという事は出来ない。前にリーシャがユウと決闘を行った時、リーシャの《ティアマト》が暴走一歩手前まで行ったことがあった。理由は神装使用による過負荷状態。クルルシファーもそれに近い状態へ刻々と迫っている。機竜適正値が比較的高いクルルシファーでも神装を使い続ければ暴走状態になってしまう。
だが、刻々と迫っているだけで暴走状態にはなっていない。現時点で、クルルシファーはウリエルの未来を見れている。そう、
(――ッ!?先の行動が判らなくなってきた……!?)
神装の効果が落ちている訳ではない。確かに普段神装を使用するときよりも神経質になっているが、良く言えば慎重になっているという事だ。
(何かで阻害されてる?……いや、違うッ!!)
クルルシファーは
「――ッ!?」
そして、気づいた。
「……未来が……見えない……」
ウリエルの今の動きと先の動きが全く同じ行動を取っていた。
どうして、と悪態を吐く前に――
『…………』
ガシッとウリエルの手によって首を締め上げられていた。
「――ガッ!?うぅ……」
ギュウゥとウリエルはクルルシファーの首をへし折らんと力を込める。
「がァ、……ぁあ!!」
抵抗と言わんばかりに蹴りを叩き込むがウリエルには効いていない。
ウリエルは掴んでいる手を少し緩めると、クルルシファーに問い質す。
「……何で本気でやらないの……」
「……は、ッ!?」
何を、何を言っている?本気?何を馬鹿な事を言っている?
クルルシファーは問い質された質問の意味が解らずにいた。今の自分は全力を絞り出して、絞り出して、神装を使いやっとの思いでウリエルの攻撃を躱してきたのだ。それを、本気じゃない?
「…ふざ、けないで…私は…本気、よ……」
「……そう。じゃあ死ね。オマエらは色々と面倒だしね」
ググっと首を絞める手が強くなっていく。クルルシファーは唇から血が滲み出る程口を強く噛み締める。
ギチギチとファフニールが軋み、最早神装の
単純にウリエルの動きが未来を読むより速すぎた。ただそれだけだ。余程化け物じみた動きじゃない限り不可能に近い。
文字通りの化け物、それが天使。
(わた、し……は……こんな……と、ころ……で……)
目が眩む。思考が止まる。息が出来なくなる。
そんな状態に陥っているクルルシファーだが、何故か周りの周囲の音だけは聞き取れていた。
鮮明に聞こえる。音が、声が。
――神殺しの槍、接続完了しました。
だから――
――無機質な機械音が聞こえても何の不思議でも無かった。
どうだったでしょうか?
誤字脱字、おかしな場所があったらご指摘していただけると幸いです。
自分自身でもよく見ているのですが、投稿してみないと判らないものなのですかね……。
そろそろ原作二巻も終盤の方にやっていきます。
長いんだよ、と思うかも知れませんがこれが作者の今の限界です。すみませんm(__)m
さて次回も読んでくださったら嬉しいです。
では、また次回でm(__)m